先ほどMSがらみの話を書いたばかりですが、 モリタポさんから誘われて「Origami」コミュに参加 http://mixi.jp/view_community.pl?id=678958

公式サイトと思われるもの http://www.origamiproject.com/

製品コンセプト映像 http://www.pdamexico.net/abe/videos/msorigami.mpg

まあ謎めいたMSの新製品なんですけども、今時点の私の予想はズバリ、

「TabletPC Edition 2006」

なんではないかと思います。

TabletPCって事務機用途で売り込みましたが、業務用途ってアプリケーションあってのペンタブですから、実は市場が狭いんですよね。従来、専用のペンコンピュータなどでやっていた業務開発企画がPCになっても価格が下がる一方で。

それに対して、ユビキタス市場ってのはこれからのコンシューマプロダクトを考える上では必須ですし、マイクロソフトがユビキタスなり、ビデオiPodなり、PSPなりの市場を狙った「プレイヤーOS」もしくはそれに類するエディションを売り出すのは予想がつきます。 それが、WinXPをベースにするのか、WindowsMobileをベースにするのかではちょっと反応が違いますが、多分、WinXPベースでしょうね。 …というわけでTabletPCです。 私が使ってるTC1000とやれることはほとんど代わりません。「SkypeをつかったIP電話」が足りないぐらいです。 というわけでハードウェアはMSから発売されるということはまずないのではないでしょうか、やはり彼らはOSメーカーですし、コンセプトビデオに幾つかのハードウェアが出ていることからも予想ができます。

しかしこれは、魅力的な製品がMSのH/Wデザインだけにゆだねられない、という意味で期待もできます。

以上の仮説から、具体的な話をするとネックになるのは以下の点ですね。

・CPUのスピード  TC1000をWindowsXP Tablet Edition2005(SP2)で使っていて気になるのが、圧倒的なCPU速度の不足ですね。メモリもかなり使いますが、CPU速度は1.5-2GHzぐらいないと、手書きUIは走らないのではないかと思います。他に走らないものとしては、CPU処理負荷の高い暗号化無線LANとか、DivXデコードなどもあります。製品イメージに3Dグラフィックスがありますが、これは論外です。

・電池とハードディスク  ハードディスクを積むなら、OSはWinXPとほぼ同じものになるでしょう。電池が6時間以上もつ、シリコンディスク搭載なら、ちょっとあたらしいPDAとして数えてもよいと思います。

・リモートデスクトップ  リモートデスクトップさえあれば、CPU速度などたいした問題にはならなかったりします(除くビデオ再生)。MSがリモートデスクトップの新しいプロトコルを開発し、サーバーをMSが受け持つのであれば、これはあまりに大きすぎるビジネスですが、そこまで大きなプロジェクトに「Origami」という名前をつけるとは思えません。ちなみにリモートデスクトップ専用のタブレットはNECから業務用限定で発売されていたりします。知名度低いですが。

・価格  マイクロソフトの新コンセプトOSは、悪いところばかりではないのですが、ハードメーカーの人の話を聞いていると、最大の弱点は「価格」ですね。OSのライセンス価格が高すぎます。たとえばPDAの値ごろ感として、3万~6万という価格があったとして、その中でOSのライセンス料が1-2万を占めるわけですから、メーカーとしてはおいそれと採用できない辛さがあるわけです。そのくせMSは、電池の持ちやCPU動作などはハードウェアメーカー任せですから、結局「製品の反応が悪い」とか「同機能・他社製品が同時期に市場に氾濫する」というリスクをハードウェアメーカーが負うことになるわけです。だからこそメディアプレイヤーのXboxにあたるような製品が出てこないわけですが。

・ターゲット  ビデオから察するに、いままでのMSのコアユーザであるビジネスマンではなく、大学生やカジュアルユーザーなどを狙っているようです。しかしそのためには価格を300ドル以下に押さえる必要があるでしょう。しかしiPodほど軽いデバイスではないですし、「Origami」というほど折れるわけでもないようです。ポケットに入るデバイスではないのであれば、これは「やはり大き目のPDA」か「プレイヤー限定のPC」となり、前者であれば日本メーカーなどの精密機器技術が必要ですし、後者であれば大容量のHDDと長寿命の電源が不可欠になります。しかし前者、であれば日本のメーカーは、まさに「自分たちでOS込みで開発して売りたい製品」でしょうし、後者であればパートナーになるのは台湾メーカーで、価格勝負になります。

まあいずれにせよ微妙なマーケットを狙った製品なので、「鳴り物入り」というよりは、こういった「口コミ戦略」は悪くないと思います。

個人的にはこんなナンパ路線よりは、「消費電力小・パフォーマンス大」をコンセプトにしたOSのほうが嬉しいんですけどね。 (実際、無駄なコードを減らしたほうが、OSは速くなるし、消費電力も減る)