日本経済が上向き気味、景気がよいと感じる?なんて新橋の駅前の酔っ払いサラリーマンに聞いてもねえ…。 実際に景気がいいかどうか聞きたいならケーキ屋じゃなかった…タクシー運転手とか、居酒屋とか、娯楽系に聞いたらいいわけだよね。 あとそもそも「景気」ってなんだよ、という定義も。 消費動向なのか相場なのか。 そういう意味では、ここんところの日本株式市場は上向きだよなあ。 島本和彦のマンガで「日本という国は叩けば叩くほど努力して強くなる国」という表現があったけれど、それはまさに真をついていて、戦争とか経済危機とか、バブル崩壊とか、大地震とか、大雪とか、ライブドアとか、ゴジラとかモスラとかetc.. まあそんな「常識」を知ってか知らずかアメリカ政府なんかは日本を叩くときはある程度の「手加減」を忘れないわけです。ヘッジファンドなどはあまりその辺の常識をわきまえてないみたいですけどねえ。 あとこの「常識」を日本人自身がしらない、というのも結構な問題ですよね。というわけで声を大にして復唱しましょう 「日本は打たれ強い国!」 さて話を経済に戻しますが、来春就職予定の新卒くんが「初任給株式デビュー」というのもありがちな話かもしれませんね。 初任給の後にすぐにボーナスも出ますから、4月末~6月末ぐらいまでは「危険な上り坂」が続きますね。 在外者の財布事情としては、いまは非常にきついところですね。 ここ数年、乱高下しているUSドルに関わる人も大変ですが、ユーロ-円も順当に140円台後半にさしかかったところで必ず何か起きますね。例えば「ユーロ利上げ!」という観測が出ていました。これはいわゆる長期金利が上がるかもしれない、という情報で、現在どこの先進国も2%以下の金利ですから、「寝かせて置くならユーロが便利ですよ」という情報が出れば市場バランスは大きく動きます(規模や期間にもよる)。近年ではニュージーランドドルの2年ものなどが国債などの影響があり、すばらしく高金利(5%付近)だったのですが、もうその償還期はとっくに過ぎようとしている、という現実を一般投資家は知らなかったりします(つまりこの先は高金利は期待できないかもしれない)。 さて、日本なのですが、ライブドア騒動移行、多少のまごつきを見せながらも、またもや日経平均が右肩上がりになってきました。これのおかげで、企業の企画などにも冬を抜けた感じがあり「娯楽より・冒険もの」が増えてきているので私自身は喜ばしいのですが、為替市場だけは気にしたほうがよいと思います。先日、日銀から「長期金利・利上げ(かも)」という発言があり、市場は一気に円高に向かいました。日本の利上げはここ数年どころではない久々の発言なので、利上げを準備していたユーロが暴落したぐらいの市場インパクトがあるものでした。 しかしこれは両手離しでは喜べません。輸出企業たとえば、キヤノンやソニー、その他、海外市場での売り上げを主な利益としていますから、円高が高まれば高まるほど、会社の利益を締め上げていきます。 例えば最近ユーロは140円前後で±5円ほど動きましたが、これは実に3.5%の騰落率です。いままで140円の価値があった製品が、同じ機能、同じ製品、同じ価格、同じ価値で売っているのに、3.5%も売り上げが下がってしまうということです。 1990年ごろのバブル上昇期の経済を紐解いてみると、現在のポイントは大きな分かれ道になります。この後、日銀が「内需拡大」を狙い、日本の国力増強に向かうのか、「国際協調」を向かうのかが、いったい1ドル/ユーロが何円を目指すのか、という目標値になります。 新卒就職される方は、自分の会社の売り上げのどれぐらいが海外市場によるもので、円高による影響をどれぐらい受けるのか、を調べてみてはどうでしょうか?少なくとも他社の株を買う前に!