行きの機内では、ドイツから日本に向かう14歳ぐらいの少年少女オーケストラの楽団員たちに囲まれた。 日本の島根で開催される音楽祭に参加するらしい。EU外に出るのは初めてという子供ばかり。 私服で至近距離で見るから、ただの子供に見えるけれど、ユニフォーム着て楽器持ったら、すっごいかっこいいんだろうな。 隣に座ったクラリネット担当の娘さんは6歳から楽器をやっているらしい。で、私は朝からまったく食べていなかったので、機内サービスのカップヌードルを頂く。 周りの少年少女がいろいろ聞いてくる。英語はあまり上手とはいえないが、ドイツ語は基本の挨拶以外まったくわからないので(英語的になんとなく聞こえる部分はあるが…)、英語で日本の国民的ジャンクフードであるカップヌードルと箸の使い方を教える。最初は、弦でも持っているような手つきだったが、楽しんでもらえたようだ。 そういえばGillも「お土産はカップラーメンがいい」と言っていた。まあ確かに私も何年も食べてないし、市中のスーパーマーケットでは3Euroぐらいするけどね(パリやロンドンではそんなに高くないらしい、なんてこった)。 近くにいたスチュワーデスさんと仲良くなる。日本人の重国籍を認めるための署名をあつめていらっしゃる。毎年2回、国会に提出しているらしい。ご自身もフランス人との国際結婚で、息子さんの日本国籍を認めてもらっていないらしい。 うちもルカが日本として出生届を出したとたん、フランス国籍を否定されてしまった(日本政府は重国籍を認めていないので)。もちろん将来の法律改正でフランス国籍を保有できる可能性はあるけれど、やはりこういった署名活動など小さな活動の積み重ねを行っていく必要はあるんだろうと思う。実際、フランスは「父親の血統制」であったが最近ではだいぶんと出生地制を認めてきている。そうでなければ成り立たない部分も多々あるからだろう。日本はどうか。確かに東南アジアから奥さんもらってくる日本人男性とかにとっては「父親の血統制」でも問題ないかもしれない。日本は重国籍を認めていないが、奥さんの国で重国籍を認めていれば、「日本国籍を捨てなければいい」ということになる。実際、グレーゾーンもいいところだが、そういう形で2つの国籍を保有している人も多いと聞く。問題になるのは、うちのような日日家族の海外出産や、外日(奥さんが日本人)家族の場合ではないだろうか。いまちょうど日経新聞で教育問題の連載を扱っているが、そこの記事によると、日本からでも高校卒業→世界の有名大学への進学、というケースが増えているらしい。そう、優秀で、興味があれば海外の大学に進学したってまったく問題ないのだ。しかし日本の大学はどうだろう? 募集要項にでかでかと「日本国籍を有するもの」と記載してはいないだろうか。 「日本語を理解するもの」ならともかく「日本国籍を有するもの」なのだ。 もしここに優秀な外国人がいて、日本語が達者であっても、さらにその大学に入りたいと思っても、この条文を見たら、がっくりしてしまうだろう。優秀な人間であればあるほど、日本のナショナリズムにはがっくりさせられる。 帰りの飛行機はKLM/NWAでアムステルダム経由だったのだけど、オーバーブッキングとのことで、AF-CDG着ダイレクトへの乗換えを相談された。レンヌに宿は取っていたけど、今日の17時台にCDGにつけるので、こっちとしては好都合。しばし待った後、再度、チェックインカウンターに行ったところ、乗り換えは不要とのこと。ご協力へ感謝、ということで、なんとビジネスにアップグレードしてくれた。本当に疲れていたから感謝。やはり正規割引料金だとこういうときは優先的なのかもしれない、わからないけど、この値段でビジネスに乗れたと思えば、かなりお買い得ではあった。…と言っても映画見て寝ているだけだったけどね、フルフラットシートで。KLM/NWAのビジネスクラスの食事は、ふつう。AFのようにフォアグラ+乾燥マーマレードが出たりしない。でもワインは選べるし、 材料もまともなので満足だった。PCの充電ができるのもうれしい(いまもその電源で執筆しているわけで)。お土産にかわいらしい陶器のミニチュア建物に入った香水をもらった。最近のきまりで、液体は小袋に入れて持たなければならないのが大変だけど。 そろそろ着陸態勢に入る。 そういえば初アムステルダムだな…。