本当はまいみく・ナカタニさんみたいに、去年見た映画を列挙してレビューしたいところなんだけど、とりあえず今年は正月から映画みたので書いておこうっと。 息子が最近、ペンギンにはまっています。 いままで彼のドゥードゥー(フランスの子供がかならずひとつもっている安心ぬいぐるみ)は、日本出国の際に義母に渡された「ポケモンおくるみ毛布」だったのだけど。 最近はその『日本人少年の象徴のような』、ちょっと大き目のドゥードゥーよりも、日本に一時帰国したときに、水族館で買ってもらったフンボルトペンギンのぬいぐるみのほうがお気に入りらしい。 家に来てから1年ぐらい、たいした存在感は持っていなかったのだけど、子供って不思議だ。 まあ彼自身はその新しい?ドゥードゥーを「パングヮン(penguin)さん」と日仏ちゃんぽんで呼んでいる。 どれぐらいお気に入りかというと、彼からペンギンを奪おうものなら、0.1秒で泣き崩れる。 寝るときも含めて1日あたり23時間は服用している。 そう、なんというか口にくわえていることもあるので…。 で、正月映画の話なんだけど、やっぱり観に行くなら、リュック・ベッソンの話題の新作「Arthur et les Minimoys」にしておきたかったところ。 でも上記のような息子の病的なペンギン支持を考慮してペンギン映画「Happy Feet」にしてみた。 ちなみに「アーチュー」の解説はこちら。フルCGフランス映画。かなり人気。 http://japan.unifrance.org/films/detail_film.asp?CommonUser=&langue=21010&cfilm=26292 「Happy Feet」 http://wwws.warnerbros.co.jp/happyfeet/ フランスでは11月公開だけど、これから見る人もいるとは思うので簡単に感想など。 筋としては「天使にラブソングを」をシスターではなくてペンギンに置き換えたような感じ?ミュージカル映画ですね。 「Finding Nemo」以来はやりの、生まれつきの障害を持った子供が、それを個性として乗り越えていく…とい感じのストーリー。 そういえばペンギン映画としては去年、フランス映画「皇帝ペンギン」が実写ドキュメンタリーでえらいがんばりを見せたわけですが、映像的には全く正反対を行ってますね。 「すべてのペンギンは歌を持って生まれてくる」…というわけで 映像としては各種ペンギンのできは歌手っぽいキャラクターになっていて、確かに悪くない。 でも主人公が…基本的にペンギンということもあって黒人シンガーっぽいキャラクターに囲まれているんだけど…。 ペンギンなのに目が青くて子供の毛のまま大人になってる時点でちょっと怖い。 なんというか黒人の中に白人ひとりでタップダンス踊っているような無理な感じがする…感覚の問題だけど違和感が。 もちろん子供のうちはかわいいんですけどねえ。 動物はキャラクターとしてわざわざヒョコヒョコ動いているところもあるし、シェーダークオリティ的に微妙な部分もいくつかあったのですが、そのほか自然物はすごいですね。 水、氷、雲、オーロラ、星、吹雪などは単純に見ていて「ドキュメンタリーなんじゃないか」と思わせるようなクオリティがあります。 けっこうペンギンの胸の辺りの毛とかは風に揺られてたり、摂動っぽいものが見れたりします。 また中盤で人間が出てきますが、ここの合成は「あーグリーンバックで撮影しているんだなあ」という感じのライティングで、クオリティ的にはまことに微妙なのですが「100%フルCG!!」にこだわらなかったのは逆に評価できるんじゃないか?とへんな感想を持ってしまいました。何でそうなのか、は見てみるとわかるかもしれない。 ちなみに尺が1h40超えで結構長くて、子供的には70分あたりで限界を迎えてましたね…。話的にも、後半の10%は謎な部分が多くて(聞き取れてないのもありますが…)イマイチ、読後感が悪い感じでした。実はDVD版とかでちゃんと完成してたりして。フランス語版はAmigosの曲が一部フランス語版になっていましたが(私はこの連中が一番好き…)、他はオリジナルの英語版でした。日本語版はどうなんだろう? ちなみにYouTubeにHappyFeetがらみのメイキング映像がいくつか出てます。最近流行のViconのモーションキャプチャをこれでもかという具合につかったビヘイビアキャプチャ。タップダンス担当、ダンス担当、声優担当で計3名+アニメーターで1キャラクター作っていることになります。タップは音の収録もあるんで大役ですね。冷静に考えるとモーションキャプチャで本当にタップの速度に追いついているのかちょっと疑問(120Hz?)。ダンスシーンは骨格が違うペンギンに人間の骨格をどうやってアサインしているのか…Youtubeで見れる映像を見ていると専用のソフトを書いたと思われますが、雰囲気としては「スペースチャンネル5」のような感じですかね。 群集シミュレーションとかも地味にえらいことになってます。個人的には「ドミノのように崩れるペンギン」を見てみたかったですが、そういうシーンはありそうでありません、残念。 というわけでペンギンが好きで好きでたまらない病気の息子さんをお持ちのご家族はぜひ。 もし受けが悪かったら「皇帝ペンギン」と見比べるといいかも。