フランス人の見た日本(4) 文化編 まだ長いこと滞在しているわけではないので文化ってほどのことではないかもしれないが、 「明らかに違う!」と感じられたことと言葉関係についていくつか。 なお、普通に旅行者として来ているフランス人とちがって、 イベントで記録や会議や発表などに参加したり手伝ったりしているので、 普通の旅行者よりはより顕著な違いを発見しやすいと思われます。 ・日本人はシャイではない  何度も言ってるんだがやっと判ってくれたみたい。  現代日本人の多数派はシャイではありません。  フランス人の工学系学生のほうがよっぽどシャイ。 ・コンニチワ、アリガトウのつぎに学ぶ言葉は?  これらは基本中の基本で、フランス語つづりで喋れるようにはしておいた。  さて次に何を学ぶのかな「ごめん、すみません」とかかなあ、と思ったんだけど、  やはりそういう言葉はフランス人からすぐに出てきたりはしない、  というかExecuse moi=Excuse me、Pardon=Pardonなので  あえて日本語でそれを言う必要性を感じていないのだろう。  私はHugoにこの言葉を学んで欲しい。  これさえ言えれば日本人の印象はぜんぜん違うのだから。  で、バレリーが学んだ言葉は「オハヨウゴザイマース!」だった。  これがめちゃくちゃ発音がよくて、事務局控え室にさわやかな空気を振りまいていた。  そう、フランス人は知らない人でも笑顔で「Bonjour!」と元気よく言える人種なのである。  これは見落としであった。今度から真っ先に教えておこう。  なおバレリーは「コンニチワ」と「オハヨウゴザイマース」の違いに気がついていた。  まあ簡単に言えばHelloとGood morningなんですが。  ちなみに日本でも一部業界人はいつでも出勤時に「オハヨウゴザイマース」を使うけど、  これはけっこういい風習ではないかと私は思っている。 ・高校生の制服  「めちゃ個性的!」いや男子高校生(バレリー談)。  「おお、美しい!」これは女子高校生(シモン談)。  制服というのはドイツや日本や工場労働者みたいに、  ある程度抑圧された世界でないと着れないものなんだが、  フランス人にとってはかなり素敵な民族衣装かなんかに見えるらしい。  もちろんフランス学校には制服なぞない。カソリックとかじゃない限り。 ・日本の学生はフォーマルを着こなせない  まあフランスの学生だってアレですけどね。  今年のIVRC学生は服装に気を使わない人がほとんどだったつうか。  ジャケットとシャツはおってるだけのフランス人工学系学生のほうがフォーマルと感じられた。  スーツびっちり着込んだ就職活動学生みたらまた意見が変わるかも。  これはむしろ単なる制服ですが。 ・浴衣  簡単に着れてしまう、すてきな和服である。  バレリーは試さなかったが、シモンとユゴは着ているのを発見。  とっても似合うよ、ご両人。  ご丁寧にスリッパでロビーに出るという禁じ手までやってくれている。  帯とか合わせとかはいちいち気にしない。 ・tuとvousの違い  フランス語のtuとvousの違いは非常に奥深い。  私も基本は理解しているが、上司・部下・同僚ではさらに難しい。  「私のことtuってよんでいいのよ」と言っても言われても「vous」を使う人もいる。  日本語ではもっといろいろあるんだよ、というのはしってはいたが、  そのコードをどのように扱っているのかは感じるのが難しい様子。  ただ「しらいさん」「白井先生」「ドクターシライ」「aki」「akihiko」というように、  私をいろんな呼び方をする人がいるのは興味深いようだ。  完全に余談であるが、日本に遊びに…じゃなかった留学しにきているフランス人  特に六本木で彼女作っているタイプのフランス人には、完全に女言葉で日本語を  学んでしまっている学生が少なからずいる(というか多数派)。  「きみは~」「わたしはぁ~」「だって~」「でもぉ」「じゃない~?」etc…  こんな感じで同僚や先生と喋っているので聞いていて恥ずかしい。  別にフランス人に限ったことじゃないかもしれんが、誰か突っ込んでやってください。 ・ハイテクトイレ  「ウォシュレット」という正式名称はあえて教えなかったんだが、  工学系の学生には「宇宙トイレ」と命名されていた。  スリッパ型和式便器についても是非命名して欲しい。  特に洗浄機能よりも保温機能に驚いた様子。  自動で開閉するトイレは見たのだろうか?  アビニョンでは嫁さんが「便座が水平方向に回転して自動清浄するトイレ」を見たという。  これは宇宙トイレにインスピレーションを受けたフランス人の発明に違いない。 ・ビックカメラ  これについてはネタに困らないので、またの機会にまとめたいと思う。  秋葉原は遠いし広いし天気悪いしなー、というときに外人を案内したいときは、  ぜひともヨドバシ、ビックカメラに連れて行くべきだと思います。  普段、選択肢がほとんどない中で買い物をするフランス人にとって、  多すぎる選択肢と、ポイントカードの便利さにびっくりしてます。 ・ゲーム機  夢の国なのに思ったより買いあされるようなものがないという事実。  言語依存性が高すぎるゲームが多い、  せめてゲームボーイミクロの海外電源アダプタとかあればなあ。  (任天堂は海外使用を推奨してないそうです、寿命が早まるとか言ってた、誰の?)  ポケモン新作パズルはPCやPDAでサメガメやればいいじゃん。 ・樹脂製品が安い  クリスマスのプレゼントも含めて、  ビックカメラでかごいっぱい玩具を買いこんでも、1万円行きません。  特に女の子玩具で地味目の電子玩具じゃないものを好むフランス人マダムとしては、  純粋に樹脂製品を買っているのでそんなに高くなりません。  というか日本人は無駄に安く石油使いすぎ。ペットボトルも肉厚すぎ。 ・ポケモンカード  確かにフランスではまだ出てないポケモンカードだらけなんですが、  日本語書いてある時点で反則というか販促力ダウン。  せめてケースとかかっとけばいいのに、と思うんだが、それにも気がついてないんだな。この子は。 ・オタクな人形たち  あるデフォルメ女子高生制服変更可能人形をのぞいて、有害指定スレスレなので、  客層は近いにもかかわらず一歩選ばれないアニメキャラドールたち。  やはり購買層はお兄さんなのか。 ・プリキュアvsふしぎの星のふたご姫  商品展開はプリキュアの方が上なんだが、  明らかにキャラが血気盛んに戦いすぎで、買われなかった。  絵面と世界観で新作「ふしぎの星のふたご姫」のある玩具をコンプリートしていた。  あんまりこの話題でバレリーと話したことはなかったが、  おそらく日本アニメの明と暗の相当深いところを理解していると思われる。  (もちろんゴルドラックやキャンディキャンディ、ハイジは見ているらしい) ・たまごっちとストラップ  携帯電話の玩具とストラップ、たまごっち関係は買われていた  「フランスの教会ではかつてたまごっちを埋めてお葬式をやっている」というNHK特集を  みたことがあるんだがどれぐらい本当の話なのか今度聞いてみよう。  なおストラップはよくうらやましがられるが、フランスではあまり売ってない。  ひとたび流行れば大爆発の予感。 ・デパ地下  ネタ満載エリア。いちいち細かく見て回る時間がなかったが、  試食歓迎のデパ地下にぜひとも連れて行きたい。  香りがいろいろあっておもしろいらしい。 ・果物店  滅茶苦茶でかいリンゴとかに感動していた。  そういやフランスの果物は大きさを求めてないよなあ。  さらに1個あたりの価格をユーロで換算して腰を抜かしていた。  そうだよなあ、高すぎるよなあ日本のフルーツ。  ラフランスという名前の西洋ナシを見せてみたが受けなかった。  カタカナだけじゃなくてちゃんとフランス語を書いてください>ラフランス関係者各位 ・回転寿司  寿司メリーゴーラウンドが駅内にあったので窓越しに解説。  とってもすばらしいシステム!と感動していたが、そもそも生魚を食べたいと思ってないので  入ろう、という話にはならなかった。  ここでパフェやらケーキやらが回ってたらHugoが入りたがっただろうに。  運悪く?魚しか出さない生粋の?回転寿司店だったのだ。 ・パティスリー  正直、Hugoが食べれるものというのはこれしかなかったんだが、  中に何が入ってるかわからん惣菜パンばかりで、しかも結構揚げ物になってるのが多いので意外と食べれるものは多くはなかった。  あと甘いのか甘くないのかが見た目で判断つかない。  というか辛かったりしょっぱかったりするパンが多すぎる、普通の地味なパンの味は味わえないのか。  (日本の小麦粉に根本的な原因があるのはわかってるんだが)  で、バレリーにはもちろんカレーパンを勧めてみた。  でもカレーパンのカレーって正直あんまり美味しくないよな。  私はカレーだから食べてるんだけど、印度カレーを知っている人には、なぜジャガイモや豚肉が入っているのか謎かも。  日本のパティスリーはバゲットやパイはつくるくせに、バゲットを使ったサンドウィッチがほとんどない。  その割りに「なぜここに鶏肉を揚げたものがはさまってるのか」という感じの超ハイカロリーな夕食?は見つけられる。  無骨にジャンボンフロマージュ(パンとチーズ)だけで普通にうまいフランスのサンドウィッチが恋しいんだろうな、と若干同情。  飲み物のバリエーションもあるようでない。カフェの癖にコーヒーがぞんざい。