TBステーションで「オンラインゲームに費やすお金」ってあるけど、実は「0円」って回答選択肢がないよな。日本におけるコアプレイヤーが、実はクレジットカードもってない中高生だってことを忘れてはいけない。

それにしてもオンラインゲームほど、複数のゲームを同時にプレイして損するゲームジャンルはないよな。

さて昨日、「RMTを考える 」という投稿を書いて、けっこう反響があったので、逆にいろいろ調べてしまった。

IGE というRMT会社があるんだけど、このサイトは日本語・英語・韓国語などつかえてすごいしっかりしたシステム。

(日本語はFFIX関連しかないけど、外人日本語ではない)

日本のRMTサイトなんて明らかにNEETか中高生を相手にしたアングラサイトな感じなんだけど、ここまでしっかりしていると、ポンとお金出して100万ギルぐらい買ったろか、という人がいてもおかしくないだろうな。

ちなみにお値段は以下の通り。

 100万ギル = 22.99USドル = 2,580 円  1000万ギル = 207.99USドル = 23,300 円  2000万ギル = 409.99USドル = 45,920 円

サーバ料金って結局は1ヶ月の時間を買っているんだから、それをはらってまで、ちまちま雑魚キャラ倒して、お金とか経験値とか稼ぎたくないよ!という人にはちょうどいい金額のような気がする。

購入すると、密売人?が30分以内にコンタクトしてきてくれるらしい。

まさにピザ屋感覚。

それにしても「時間を買う」とか「効率よく」ってのは明らかに、合理主義者の思想だよな。

そもそも「お金で成功」が測れる、という価値観があるから、RMTでお金に換金させているのであって。

こういう仕組みは、確かにエンタテイメント産業としては成立するし、ビジネスチャンスは大きいんだけど、ワールドワイドに考えると、ちょっとズレてるところもあると思うのでちゃんと考えてみたい。

貧困に、お金に執着しないと生きていけないような、前出の低賃金外国人労働者をRMTに駆り出すという例は、ほとんど「工場」といってもいいだろう。でもそういう人たちは、遊ばない。

ほとんどの遊びというのは生活に余力がなければ必要ないのだ。

じゃあ逆に、日本でオンラインゲームにどっぷりしている主婦とか中高生はどうなんだろう?

生活も贅沢は言わないけど、不安なし。

NEETなんだけど、働かなくても生きていける、どうにかなっちゃう。

まさに余力だらけ。お金も時間も有り余ってる。

変な例を挙げれば、「オリンポス時代ぐらいの暇加減」である。

そうなると遊びはどんどん過激になる。

金を賭ける、家や財産ならともかく、奥さんや奴隷まで賭ける。

さらには公営ギャンブルで闘技場なんてものまでうまれる。

一夜にして財産を失うばか者もいれば、一攫千金で働かなくなる人もいる。

まあ、おかげで奴隷から戦士に成りあがれるチャンスもあるんだが。

現在のRMTって実はそんな感じなのかもしれないな、と。

純粋な遊びとしては、同じように暇もてあましている人同士が

遊び程度に、賭け事とかダイスを振っていればよかっただけなのにね。

フランスの遊び(jeux)を見回していると、ボードゲームやらダーツの類やら、

実にいろいろなローテク遊びがある。

広義には、カフェでダラダラとビール飲んで駄話しているのも遊びであるし。

しかし、そこは「お金」で図れるタノシミではないのだ。

ダラダラできる友人であったり、そういったダラダラした時間を共有して楽しい人たちとの、そういった「無利益極まりない時間」なのである。

なので、時間単価を割り出そうにも、分母である時間が無限大∞なので、答えが出ません。

遊びの本質というのはそこにある。

勝ち負けでも、お金でもないのだ。

そういや、PSOはじめてオンラインに出たときに、えらい親切な中級プレイヤーに先導されて、やたらと大量のお金もらったり、アイテムもらったりしたっけ。

あのときは「だまされてるのでは」と思うよりも「オンラインゲームって温かいコミュニティだなあ」と思ったものです。サーバ側から見ると、RMT密売人も親切人も同じかもしれないんですが。

あと、適度に働いたりしてストレスがあったほうが、遊びは楽しいかもしれない。

ゲームに技能を身につける以外のストレスが多いのは、遊びになってない。

まあこの辺は博士論文にイヤというほど書いたけど、

この論文の前半にも少しは書いたな。

http://www.art-science.org/artsci/1102821649/index_html

「ゲーム哲学」とでもいうかな、Ludologyの一部ですが。

追記。

「LEdZONE」取材のときにもナムコの人が言ってたけど、欧州は集まって遊ぶタイプのオンラインゲームが流行りの傾向としてあるんだそうな。ってゆーかうちの研究室でも始終、学生が打ち合ってますが。同様に韓国はサイバーカフェが中心。そこいうと日本はマンガ喫茶なんだろうけど、わざわざゲームやるよりジュース飲んでソファでマンガ読んでたほうが安息かも。研究室でAOEとかは激しく盛り上がってることがあるけど、あれは実際の人間関係がない人とはやってもあまり面白くないしな。