• このエントリーについて
  • そもそもいろんな職業を経験してきた
  • 大学の先生すげえなとおもう
  • 大学のこれから
  • 就職活動のこれから
  • エンタメ産業のR&D
  • まとめ

このエントリーについて

このBlogエントリは、退職者 Advent Calendar 2018 というアドベントカレンダーの2018/12/25にむけて寄稿するものです。特定の企業や組織・団体について批判する意図はありません。職業選択の自由が日本国憲法の22条1項にあるかぎり、転職することも自由です。言論と表現の自由は憲法21です。そんなわけで、転職ブログが自由に書ける自由は憲法によって保障されている良い国です。

2018年はよい退職ブログを多く見かけました。これとかこれとか。NTT関連の会社さんが多いのは他意はありませんが、とてもロジカルでいい退職ブログだと思いました。

タイトルはブロガーらしく、センセーショナルに。
中身はいい話を。

そんなわけで半年ぐらい書き溜めていたBlogをいくつか放出しながら、1か月ぐらいかけてみんなの役に立ちそうな話を書き綴ってみようと思います。

そもそもいろんな職業を経験してきた

2018年5月に8年勤めた関東地方の私立大学の准教授を辞めました。
大変お世話になりました。

そもそもいろんな職業を経験してきた私なのですが、それを軽く書きだすと…
(1) 某カメラメーカー
(2) ゲーム開発スタートアップの東京支社立ち上げ
(3) 大学院博士に復学→博士取得
(4) 放送系研究所でポスドク
(5) フランスに渡りVR研究(ポスドク研究員)
(6) 日本に戻り科学館の科学コミュニケーター
(7) 私立大学の情報学部の教員
(8) ゲーム開発企業において研究所ディレクター
マンガ化もされていますので読んでみて。我ながらマンガのような人生…。

大学の先生すげえなとおもう

ジョブホッパーになるつもりなんてなかったんです。
「博士取得という選択」が私の職業人生を10年間ぐらい波乱に満ちた世界に叩き込みました。
最初にメーカに就職したときにR&Dで採用されたはずなのに、強引な事業部長の引き込みで福島事務管理課という最果ての地で生産管理システムのお守をする仕事になりました。これは本当に辞めたかった。でもガマンした。同日に内定もらっていた某有名ゲーム会社の企画職を辞退しなければよかった。教授推薦なので断らざるを得なかった従順さを悔いた。その後、社内ベンチャーで出向し、運よく国際的なゲーム開発企業の日本支社立ち上げに携わらせていただいたのですが、その仕事を辞める時も、それはそれはもう慎重に慎重に判断しましたし、親戚からはクソミソに言われました。
それでも当時のグラフィックス偏重のゲーム開発の世界には未来を感じられず、また海外のゲーム開発のステージには多くのPh.Dホルダーが活躍していましたので「今後の日本のこの業界にはもっと博士が必要だ」と信じて、死ぬような思いで博士論文を3年で書き終わりました。必死でした。

博士取得後、フランスでのポスドク時代に、Flash動画でこんな作品が公開されました。2:30ぐらいに「ポスドクは前途多難です」と断言されています。

その後のオチで……みんな死ぬのですが、これを見て、社会風刺やジョークとして笑うどころか、私の家族は泣きました。ほんとこのFlashの作者は罪深い。今なら客観的に観れますけど、フランス留学当時は本当に貧乏だったので刺さりました。辛い思いさせてほんとごめん。

でも実際この時期は文科省がポスドク1万人支援計画などを打ち出していて、その後の雇用環境も大変よくない状況が続いていたことを記憶しています。
日本に帰ってきた2008年にはリーマンショックが起きたりして、雇用環境はさらに悪化。博士だけでなく修士も、不安定な契約や派遣社員といった仕事に就かねばならないような時期が長く続きました。

大学の先生のポストも、JRECINのようなジョブポストのWebデータベースができたおかげで、かつてのような紐付き公募(もともと意中の人物が着任することを想定して、知っている人しか応募させない、かつ応募期間も極端に短い)なんて公募も減っており、1つの公募に数百人の応募者が集まるなんてことも珍しくなくなっています。逆を言えば、求職側は非常に熾烈な戦いを求められるわけで、年間にフルペーパー査読付き論文が1~2本、つまり「博士学生なら3年以下で卒業できてしまうレベルのアウトプットが常に維持できている人」から採用されます。もちろん学歴バイアスはとても強くかかる世界です。

加えて、採用に関係する書類は膨大で、履歴書、業績リスト、教育に関する小論文、社会貢献、その他実績などなど最低でも6種類ぐらい、ぜんぶ紙。フォーマットが大学ごと微妙に異なります。

応募すると決めたら1週間ぐらいかかる。締め切りは変な時期にあるので、夏休みとか家族旅行に出かけた先でこれに取り組んでいたりする。そのうえ結果はシンプルなもので「慎重に先行した結果、貴殿は…」とお祈りレターが郵便で届く。

採用されるだけでもこれぐらい大変なので、助教や准教授など多くのポストは「さいしょの4年は契約社員」、「次の4年は再任」、もし本気で正社員にしてほしければ「テニュアトラック助教」で…といった地獄のような雇用形態も全く珍しくなく存在します。ちなみにテニュアトラック助教というのは書いてあればまだいいほうで、一般的には無限雑用地獄と論文評価地獄と任期制雇用地獄を同時に味わって生き延びたものだけを正規雇用にするというバーチャルじゃない蟲毒環境が多いです。

若干の評価の誤差はあれど一般的には、博士学生の時点から3年で3本以上のフルペーパー論文が通せない人は、その後の大学の先生をやっていくのも難しいということですよね。博士学生なら、好きな時間に寝起きして、研究に集中して開発なり実験なりをして、論文を執筆し、時々アカデミックボランティアなり教授の手伝いなどすればいいわけですが、大学の先生はほとんど間違いなく、週に何コマかの講義がありますし、研究室には学部の卒研学生、修士学生、博士学生といった学生たちを最低でも10人、多いところだと40人ぐらい抱えています。私立大学ですと数え方にもよりますが講義の5~7コマはザラですし、専門学校っぽいスキル・ラーニング重視ところだと「4タテ」といって1日4コマx5日=20コマ超!というところもあります。さらに最近は研究室配属を3年生からスタートするゼミ重視の教育が主流になっていますので、面倒を見る指導する学生さんの数はさらに10~20人ぐらいは増えます(この辺の配分は学科規模と教員数によるので、そこそこ教員数が多く、学生数が少ない学科なら1教員当たり4人程度で済むところもあります)。

「大学の先生すげえな」と思うところは、このような「研究」と「教育」という2つのミッションを同時に満たすために、ただでさえ新しいことをやり続けないとアウトプットにならない研究の世界で、やれコンプライアンスだの倫理だの後から追加されたルールに沿い、さらにそれを継続するために研究費を獲得するための書き物をしたり、土日にオープンキャンパスに駆り出されたり、何百ページもある卒論や修士論文、博士論文を何人もの学生さんパラレルで指導したり添削したり、時には自分でコードを書いたり実験したり特許を書いたり、一方では未完成な学生さんのメンタルや進路の相談に乗ってあげたり、不登校の学生さんのケアをしたり、親御さんのお話を聴いたり…。そんなことが24時間365日、加えて言うとTwitterやFacebookといったSNSですら起きたりするところです。

「大学の先生すげえな」と思うところは、上記のような従事する時間給に換算するとかなり悲しいことになるハードモード極まりない仕事環境に対して、意外とマイペースで過ごしている先生も同じ組織にいたりすることですね。あんまり具体的に書くつもりはないのですが、いらすとやさんを検索したら「まさにそれ」という画像がありましたので採用させていただきました。頭が良くて従順で、勉強が良くできる普通の人のメンタルでは耐えられないような理不尽で非効率な職場環境の一つではないかなと思います。こういう環境は私の知っているところでは公務員さんなども近い環境ですね。公共の福祉と安定の名のもとに、理不尽極まりない謎の中間層で謎の権限がたくさん存在し、人の生き血を喰らっています。

もちろんそんな大学ばかりじゃないと思います!
でも(複数の大学における非常勤講師の経験を思い起こすと)
「そうではない」を全面に押し出す大学も少ないかな。

あと本当に紙が多い。無駄な紙を減らす努力とか微塵も感じられない。

加えて無駄な電子メールも多い。加えてメールで事が片付かない。
最低でもこの数年でSlackとGoogle Driveに本格的に移行しないと、大学で育った学生が可哀そうな事になるレベルに業務改革が進んでいない。

そういえば2014年8月、プラネタリウム開発者 大平さんが近所の大学を辞められました。

大学のこれから

ちょっと闇深い話を書きそうになりましたけど、大学はこれから変わらないと!と思います。業務、経営、日々の先生方の意識など。転職を真剣に考えていた頃、こちらのエントリでお会いした毛利宇宙飛行士に言われたことですが、

これからの時代、大学がいちばん柔軟でなければならない

という話ですね。大学がとても固く硬くなっていく時代に、大学とは何なのか?を常に見ている側の毛利館長らしい視点。

他の紹介すべき例ではMITメディアラボの新所長になられた伊藤穰一(いとう・じょういち)さんのお言葉。講演や「9プリンシプルズ――加速する未来で勝ち残るために(The Principles of AI)」という書籍の中に「resilience over strength」という言葉がありましたので最近よく意識しています。日本語訳ではレジリエンスは「回復力」と訳されますが、「柔軟性」としてもよいと思います。

Resilience over strength。未来予測が当たらない社会では、何かが起きたときに俊敏かつ柔軟に対応できる力を備えておくことが重要になります。変化を無理に抑えつけたり、変化に対して抗ったりする強さよりも、変化を受け入れ、そこからしなやかに跳ね返っていく力が求められるのです。

伊藤穰一
9プリンシプルズ――加速する未来で勝ち残るために(The Principles of AI)」

Joichi ItoはMITを本当に変革させています。最近ではWebメディアを使ってMIT Pressという権威ある大学出版メディアをディスカッションとその集合知の場にしています。最近のディスカッションでは「THE CANCER OF CURRENCY(通貨の癌)」では太陽光線によって光合成のようなシステムを獲得し、レジリエンスをもって変革しつづけていく地球上の生物に例え、生物学や医学のその先を見据えたような話で、研究者たちのアタマをかき混ぜています。

すべての大学がMITのようになれとは思わないですが、学ぶべきことは多いです。

民間企業や様々な公的職業、日本やフランスの大学を経験してきた私ですが、振り返るに、現在の日本の大学には頭が良くても、ストライカー型の行動をとれる社員がほとんどいない感じがします。例えば、先生方の仕事を無限に増やす間接部門の業務不効率について客観的な分析や提言を述べたり、潜在的なコンプライアンス違反やリスクを指摘するような論文を日々の業務の中で書ける人はいない。いたとしても「怪文書」にしかならないのかもしれない。でも自分の組織における自浄や改善が働くような作文が掲出・提言できない状態にもかかわらず、自分の研究分野における論文が書けるという環境では、理不尽なパラドックスは拡がる一方ではないかしら。

仮に博士たちが建設的かつクリティカル(批判的)な提案ができたとしても、理事や事務職員がそれを飲めるわけでもない、そういう環境が問題なのかもしれないですよね。そういう時は「いち従業員」になるしかないというパラドックスも、現在の大学の可能性を硬く狭めている原因かもしれない。

そういう時は教職員組合が…。機能していればよかったのかもしれませんが。

あまり知られていないことではありますが、教授会という仕組みそのものも、すでに過去のものになりつつあります(資料)。

「雇用契約が不安定であるから、こういうことになる」という意見も時々耳にします。たしかに30~40代で、仮に家族がいたりして奥さん子供を養わねばならない方がいたとしたら、自分から選んで4年の契約社員(再契約なし)という不安定な職業につきたい人ってあまりいないですよね。でも今の若手の教員は前述のとおり、博士に進んだ時から(正確にはセンター試験を受けた時から、いやもっと前、生まれた時から)過度な競争下にさらされてきました。他者を蹴落として蹴落として蹴落として成立する競争バランスならまだ幸せなほうで、実際には過度な競争に加えて、世の中の変化スピードがさらに襲ってくる。安定を求めているほうが何かおかしいのかもしれません。

まあ普通に考えて高めの住宅ローンは組めないですよね。
(不動産屋さんも銀行も、怖いことに大学の先生には審査がとても甘いので沢山貸してくれるのですけど)

一方では世間や大学経営者側が「大学はこういうものだ」という固定観念にとらわれすぎではないでしょうか。新品の校舎を作り、教室を作り、それらしい背広を着た教員を立たせ、数十人数百人を同じ教室に集めて10年以上前の常識を偉そうに教える。仰々しい書面を送り、入学手続きだけで数十万円、4年間で数百万円の費用を払わせて、就職率は100%。うまく学べなければ「それは本人のせい」、という大学を作りすぎていませんか?これは大学としては「当たり前」かもしれないけれど「大学がどんなに楽しい場所か?」は一切マニフェストに含まれていないし、多様な人々に対する教え方やその相性を保証する仕組みがない。最も大事なモチベーションを維持する「楽しい大学」を作る活動に、教員はミッションとして参加させてもらえているのだろうか?

間接部門の事務職員だって「大学は楽しい場所」にしていいはず。
そのための努力をしていいはず。

学校は楽しい場所であってほしい。これは私だけの妄想ではないはず。

「すべての人にとって楽しい」という場所は難しいのですが、大学は多様な人々を集めて多様な可能性を開拓する「いろんな人がいる楽しい場所」であるべき。

また学ぶ場所が「楽しい場所」であるためのテクノロジー「EdTech」も研究されています。

最近では文部科学省だけでなく経産省もEdTechを熱心に推進しています。角川ドワンゴ学園が運営する「N高等学校」には2018年11月現在7,474名の生徒が学んでいます。講義は動画視聴で行われ、ホームルームはSlackで運営されています。通信制高校をどこか「日陰者の社会不適合者が行く場所」と考えている人は多いかもしれないけれど、そんなことはないです。(少し自分でしらべる意識があれば)「N高は場所や時間の制約を受けず、社会の没個性化から生き延びた多くの天才たちが学ぶシステムである」ということがよくわかります。このシステムはとても柔軟であり、真剣に子供たち一人一人に向き合っている…そんな変革も意外と大学の先生は知らなかったりします。

実は私も11月からデジタルハリウッド大学 大学院で「人工現実」の講義を担当させていただいております。教員の仕事は基本的にお断りしてきたのですが、長年付き合いのある杉山学長の「バカにされよう、世界を変えよう」という考え方が大変おもしろく、また事務方も熱心に依頼を続けてこられるため、客員教授として週1回21時からの夜学でVRエンタテインメントを体系的に教えさせてもらっています。

バカにされよう。世界を変えよう。

デジタルハリウッド大学のHPより

実はこの講義も単なる非常勤講師、つまり個人の副業として契約しませんでした。あくまでも現職における「イノベーション型人材発掘育成事業」として受託しています。そういう仕組みでなければ、(単発の講演ならともかく)企業側において、大学で連続した講義で責任のある話をする理由など希薄かもしれないです。それに前述のとおり、大学法人と教員の力関係はとても非対称で、教員は弱く孤独。クリエイティビティも自主性も(本来期待される立場とは裏腹に)守りづらい面があります。給与が高いとか安いとか、職位が高いとか、そういう話ではなく、新しい社会に対してどんな仕組みが作れるか?どんな効率化が図れるか?文科省など上からのルールをただ教員や学生に押し付けるのではなく、どうやって個性を開花させ、楽しい場所にできるか…?これらを真剣に取り組んでいるかどうか、そこが応諾するポイントだったと思います。

でもデジハリ大は常に変革しつづける大学なので、柔軟さがない先生には辛い場所かもしれませんけど。

就職活動のこれから

そんなわけで最近は、VRエンタテイメントシステムやVTuber関連のR&Dと並列して、イノベーション型人材を発掘するべく、さまざまなコンテストに協賛したり、イベントを開催したり、先生方と協力して、進学する予定の4年生の研究を応援する形で欧州型のインターンシップを実施したりしています。皮肉にもまた4年生の卒論のめんどうを見る指導する機会に恵まれたということです。

でも最近の就職活動ってずいぶん変わりましたね。

インターンシップとか、完全な売り手市場とか。たぶん彼らの世代には彼らの世代の「苦労」があるのだと思います。卒論一つとっても日本語のスキルひとつとっても「好きなことを一生懸命やる」という行動規範をとっても、柔軟な発想を持って、自分自身が柔軟に変わっていかないと、世の中の変化スピードについていけなくなる。

……大学がそういう脳梗塞の場所にならないことを祈っています。

そして、(私が育ててきた学生を振り返って思うことですが)2010年の大震災直後に就職した世代の労働者諸君は、そろそろ自分の本当にやりたいことに向けて舵を切るべきタイミングが来ていると思います。30歳を手前に、35歳を手前に、やり残したこと、やりたいこと、変わらない環境、変えたい自分…そういった日々のルーチンから一歩離れて、自分が生まれてきた理由を決定づけるような仕事に向き合ってみてください。君ならできる!

エンタメ産業のR&D

転職を悩んでいた時期は、ちょうど同世代のアメリカのCG研究者で仲のいいPaul Debevecが、南カルフォルニア大の先生からGoogleVRにメインの仕事を移籍した時期でもありました。いろんな人にいろいろ相談に乗ってもらいながら、自分の人生にとって必要なジャンプとそのための準備をすすめました。

そんなわけで新しい仕事ですが、VRエンタテインメントのR&Dを推進する研究所のディレクターを担当させていただいております。

小さなころから演劇やコーラス、芸能事務所で舞台慣れしていた自分ですが、その後のゲーム開発やNHK時代、24年のVRエンタテインメントシステム開発の経験、SNS発信力などすべてが役に立つ仕事があるとは運命に感謝です。

エンタメ産業のR&Dは本当に新しい仕事で毎日エキサイティングです。

こんなふうに体を張って英語で踊る…なんてことが日々の業務ではないですが、このような新しい挑戦を世界に向けて続けていくことが大事な仕事のスタイルではあります。

大学のように業務で徹夜しなくても何とかなりますし、皆さんとても優秀ですし、GoogleDriveとSlackで間接部門の方々がとても効率よく動いてくれますし、無駄な報告書とか、頭の悪い会議とか出ても出なくても変わらない面白くない会議とかないですし、付加価値のある知的財産を作り出す仕事ってサイコー!と思います。

でもエンタメ産業のR&Dは回転も速い!本来なら何年もかけて構築していくべきはずの市場の成長が毎週のように塗り替わる状況は本当に驚きの毎日です。VTuberが社会を革新していることを否定できないです。

New ニンテンドー3DS を使ってHTC Viveの品質を向上させる

2018年7月頃、こんな活動もしていますが3か月もしないうちにもう新しいモーションキャプチャシステム使ってたりします。

また未来館での企画者時代でも感じましたが、この手の仕事は一般的な組織に比べ「自分大好きな人」が多いので、自分大好き!というエネルギーを常に持ち続けていないと不安になる人がいるかもしれません。自分は大丈夫です。

まとめ

以上、「大学の先生を辞めてVTuberの研究所のディレクターになった」というタイトルで長々と現在の大学が抱える潜在的なリスクと、そこで学ぶ学生さんへの心構え的なものを書き綴らせていただきました。

ぜんぜん退職ブログじゃない!だまされた!という人のために…

ありていな転職ブログ的まとめ方で補足しておくと、給料も下がらなかったし(前職もちゃんともらえていた感謝)、周りも優秀だし、通勤地獄から救われるような社宅補助もあるし、健康診断も超過勤務に対する管理も厳しいし。加えて言うと、前職でやっていたこともそのまま生かしつつ、仕事の幅は大きく広がったし、外国語交渉能力や知財創出能力、事務処理能力なども役に立っていて、なんのデメリットもなかった。SNSやネットでの発信力も疎まれるどころか奨励される世界に戻ってこれて良かった。

…というか生きて仕事できるだけで幸せです…。

よくしていただいた大学の先生方には感謝感謝感謝です。
それ以外の辛いことはよく覚えていません!
挨拶してくれる人は職業関係なく今でも仲良いですけど…。

辛い時期を支えてくれた(=犠牲になった)奥さんと子供らには感謝です。
一生かけて償っていきます。

さて、ここまで読んでいただいたみなさんが、これからどんな組織でどんな仕事をするかわかりませんが、職場の理不尽や業務不効率化に対する分析および提案などは「転職ブログ」という形ではなく、ロジカルな小論文として社内の上のほうの人にどんどんエスカレーションしたほうがいいと思いますね。一つの職場や職業を長く続けられるかどうかは、その社会を変える努力がどれだけ本人のエコシステムにつながり、貢献する気持ちが長持ちするかにかかっています。こういった「社会をよくする作文」を書く手法はもっと普及すべきと思います。決して、退職の最後っ屁として放屁されることが当たり前になるべきではないと思うのです。

また文章が苦手な人は、身分を隠して仮面をつけて喋ったらよいと思います。対人で利害関係のある人に話ができない人は、ぜひとも[REALITY Avatar]でアバターを着て、他愛のないことを喋ってみてください。すっきりしますよ。

人生は一生勉強であり、それは「勉強」の文字が言うような「勉めて強く」ではないかもしれません。柔軟でストレングスのあるstudy。自分が好きなものには忠実に、そしてそれを守り続けるためにも意志は強く。100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる姿勢として重要と思います。

TwitterやVTuberといったアバター文化は、善悪の白黒がつかない世の中において、自分と社会との境界を探るよいシンギュラリティの界面です。難しいことはどんどん社会に問いかけていくとよいと思います。

また、どうにも現在の環境から脱せない人は、人間が持って生まれた物理的な存在、社会的な制約からリリースされて「なりたい自分になる!」という意思で、「カワイイ・かわいい・可愛い」と、誰からも愛される存在になることを許容してみてください。

自己肯定感を高め、承認欲求の不足を補い、より輝いた魂で日々を過ごしてみてください。

きっと、難しくて硬い殻をやぶって、
柔軟な新しい人類として生まれ変わるチャンスになると思います。

大学や、大学の先生がもっと柔軟になることで、
若い人々に希望を与え、チャレンジができる世の中になります。
日本はもっと変われると思いますよ!

よい新年をお迎えください。  白井暁彦

様式美

XRやエンタテインメント関連技術のPh.Dホルダーの研究者を募集しています。 非常に珍しい応募なので、ご縁あればどうぞ。

-【VTuber・ライブエンターテイメント事業】

VTuber関連の多様なジョブポストがありますので、まずは一度見てみてほしい

【新卒・インターンシップ】

新卒であればまずはここからチャレンジ。

【その他】ラボに興味がある人は…

各種ミートアップイベントを開催しております。中の人に会ってみるのが一番。

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2019/01/11(金) 19:00〜 VRSionUp! #1 高校生VRを国際会議へ/VRChatを科学の研究に/ボイスチェンジャ探求

弊ラボは欧州学位取得に準じた長期研究インターンを中心に受け入れています。

  • まずはIVRCなど見える活動をする。学会発表した論文でもよい。
  • 常日頃TwitterFacebookなどで交流
  • 指導教員の先生と研究テーマについて三者面談
  • 履歴書等の応募書類を受理→月2回受け入れ→社員と同じ環境で活動開始!

それ以外のスキル系短期アルバイトや業務委託受託者も募集しています。