最終面接以降の心得

以下のエントリーは15卒に向けて書いたものです、その後16卒に向けて2015年8月5日に加筆しました→ 「就活終了宣言届」とホウレンソウ

「就活終了宣言届」とホウレンソウ

最終面接以降の心得

ゴールデンウィークも終わり,桜の木も毛虫だらけになってくると,そろそろ最終面接だとか,内定通知だとかいった話が聞こえてくる.

最近の傾向として,内定を獲れる学生には何件も内定が来る.一方で,内定がいただけない学生は全然決着がつかない……といったこともある.
しかし,内定を獲った学生が偉いというわけではなく,さらにサラッと「就活終了」という人生バラ色の時代がやってくるのかというとそんな事は無い.

実際にはここで人生で始めて「自分と闘う局面」に立ったりするのだ.
ここでは「最終面接以降の心得」としてまとめてみた.

まず最終面接では全力を尽くす事

最終面接では全力を尽くさなければならない.相手も面接のプロだ.そのプロにどのように立ち向かうべきかはまた今度筆を執るつもりだが,いずれにせよ最後に「何か言いたいことありませんか?」と聞かれることは間違いない.感覚で答えるべき回答ではない,情熱で答えるべき質問である.

何を言ったら良いか…という学生は以下の3つをよく読んでほしい.

(1) この会社への採用活動を通して,ますます興味がわいた → 「御社で働きたい」という気持ちになった

(2) 「自分のいたらない点,駄目な点などが見えてきた」 → この点について反省 → 「成長の機会をいただいた」

(3) 「ぜひ,また内定をもらってお会いしたい」という熱意(仮に,落ちるんじゃ無いかな,という流れで合ったとしても)

実際には圧迫面接で,ストレス耐性を見ている可能性もあるので,有名企業や楽しい企業であっても,役員面接は和やかな雰囲気で終わるばかりではない.

内定通知をもらったら?

大抵の場合は,内定通知は電話できます.書面でいきなり来る事もありますが,電話が9割.

人事の方がオフィスタイムにかけてくる事が多いので,変な場所(騒がしい店舗内など)で取らない事.どうせ取るなら研究室などの方が良い.もし騒がしい場所で取ってしまったら「移動中ですのでまたかけ直しいたします」もしくは時間指定で即日受け取る事.

電話を受け取るときの姿勢は「ありがとうございます!!」という姿勢で.

もし,声に曇りなどあると採用担当は「不穏な空気」を嗅ぎ取ります.

まず内々定後のプロセスについてメモを取る.面談,健康診断,推薦書,内定受諾書など,会社によって異なる.

電話を切ったら親御さんや指導教員,就職課などの支援してくれている大人に連絡しよう.メールならそのまま転送しても良いぐらい.彼女とか友人とかは後回しで良い(後述).

もしまだ,選考中の企業があるなら?

まずは一通りの人事の連絡を聞きましょう.聞いた上で就活終了したいなら,その場で書類準備に入りましょう.

もしまだ選考中の企業に未練があるなら?

「あのう・・・まだ選考中の別の採用がありまして…御社のお返事につきまして,いつごろまでお待ちいただけるでしょうか?」というセリフを,いったん頭の中で考える事

上記のセリフを言う事で,採用担当の態度が変わる事もある.もし,余計な事を考えたくないなら,上記のセリフは言わずに内定受諾フェーズに入るべし

ついうっかり(ということはまず無いと思うが)上記のセリフを言うべきだが,そのタイミングを逸してしまった場合,できるだけ早い段階で,自分の気持ちと身の振り方を決定する事

親御さんや,兄弟,彼女などに相談するのも悪い事ではないが,本人が悩んでいる時点で,余計に混乱する事になる.

相談はせいぜい指導教員や就職課などの当事者にした方が良いと思う.受け入れ企業の人事に腹を割って話してみるもの良い事だと思う.実際に働くであろう場所を見学させてくれたり,さらに直属の上司になる方との面談などを設定してくれたりする.学生自身はこの内定後面談が「形にはめられる」と思うかもしれないが,実際に悩むぐらいなら,結局断るぐらいなら,一生後悔するぐらいなら,このチャンスは使って企業を覗き見るほうが,後から考えれば,後悔しなくて済む.

大事なのは「悩んでいる」ということを信頼できる大人以外に相談しない事だ.間違ってもSNSなどに書くのはお勧めしない

自分の心が決まったら?

面接時の質問内容などは(すでにまとめているはずではあるが),再度見直してみよう.面接中は自分が舞い上がっていて,何を言ったか覚えていない事も多い.またあとから何が評価されているのか(数年後になると)わからなくなってくる.将来,後輩が自分と同じシチュエーションにならないとも限らない,記録として残して,先生や就職課に預けよう.

上記の質問内容,自己反省などを「お礼状」として人事の方にメールしよう.簡単でも良いので,気持ちが決まったらできるだけ早い段階で御礼メールを書こう.
就職課,先生には24時間以内に伝える事.お祝いの言葉をいただけるはずであるし,実際に迷いなどがあればちゃんと聞いてくれるはずだ.

内定受諾後に…

新規のエントリーなどは絶対にしてはいけない.リクナビには学生が見えない機能があり,不穏な動きは監視されていると思っても良い.

TwitterやFacebookなどで大学生〜社会人としてふさわしくない投稿をしないように心がけよう.これは就職活動前からやるべきことであるが,自分の名前で検索して過去の恥ずかしい投稿などがあれば,削除するか,その投稿が埋もれるぐらいに意味のある,社会人としてふさわしい内容で埋め尽くそう.「人事や採用担当がそんなことをするはずがない」と思っても,受け入れ先のヒマな部署のヒマ社員はキミについて興味津々である.具体的には卒業研究を頑張れば良いのである

バイク旅行やスキーやダイビングなどのレジャーに興じたい気持ちもあるだろうが,毎年,何人もの内定済み大学4年生が事故に遭って骨折したり,死亡したり,飲酒運転や犯罪まがいなどの反社会的行為によって内定を取り消されている.羽目を外しすぎるのは絶対に良くない.

とはいえ旅行に出るのも大学生のうちならではかもしれないので,「社会人候補生」としての自覚を持って行動してほしいという事である.公序良俗からははずれないこと.

バイトは全くなしにする事は難しいかもしれないが,フェードアウトすることを心がけた方が良い.同業他社であればスパイ行為になるし,あまりいいことはない.できるだけ比率は下げながら,バイト先に嫌われてでも秋頃までには完全にやめる方向で動いた方が良い.でないと卒論が書けない.

近年の傾向として,内定者同士の交流会やLINEでの交流などが「内定者同士で勝手に」展開されている場合がある.よっぽどリベラルな会社ならともかく,一般的には会社組織を脅かす存在(派閥,コミューン,吹きだまり,etc…)として認識されると思う.人事が主催する交流や公式の研修でない限り,内定者同士の交流は人事の見える範囲にとどめる事をお勧めする.

 

浮気性にご用心

あっさり内定をもらった学生に多い事なのであるが,何社も内定をもらう,複数の内定を寝かせて選ぶ,さらに内定受諾後にヤミ就活を行う,といった浮気性,不義を働く学生が居る.

たしかに内定というものは内定であり,決定ではない.

学生側に選択の権利があるようであるし,働く自由,選ぶ自由は,本質的に労働者側にある.

しかし,会社は組織である.

内定というものは,新年度の定期採用として4月にきっちり身分を整えて,新入社員として迎えられるかどうか,という事であり,その為に,人事担当や社長だけでなく,取締役会,株主総会といった決定の中で,10月の内定式,4月の入社式を行っているのである.

採用担当者はせいぜい年収400万以下の新入社員を1名確保する為に,その3〜4倍のコストを新人採用にかけている.実際には,リクナビへの広告料,SPI等の試験コスト,面接コスト,役員等の会議コスト,受け入れ後の研修コスト,初任給以降やっと会社に利益を計上できるようになる3年目ぐらいまで含めると,年収などというものはその氷山の一角でしかない.

しかも人件費というものは,「売り上げ」ではない,利益がそれだけ出ていなければ,明日の新入社員の給料を払う事すら難しいのだ.

例えば,会社が右上がりの成長をしていたとする.これだって並大抵の努力ではない.社員100名,利益4千万,年10%の成長をしていたIT企業が,その10%で年間10名の新入社員を採用できるか?というとそれは難しい事がわかるだろう.

しかし,採用した10名が,その新人と呼ばれる3年間の間に,自分で仕事をこなし,新しい仕事をつくり,付加価値を創出し,売り上げを上げ,利益を自分の給料の10%でも出せるようになってくれれば,採用は正解だし,続けられる.

一方で,採用した10名が,3年経っても自分の給料並の仕事しかしない,いつまでも先輩のおもりにしかならない,後輩の指導もできない,付加価値なにそれ,という仕事をするのであれば,会社が傾くのは当然である.

それ以前に,3年も立たずに仕事が嫌になった,会社を辞める,という話をしているような社員は確実に会社にダメージを与える.それならば最初から来ない方が良い.

少なくとも,内定後にヤミ就活をするような学生は「会社が傾く側」の存在であるから,そもそも入社前から「ダーティなペケ社員」であるということになる.

もし,そのような嫌疑をかけられた新人がいたらどうであろうか?

配属面接(普通は入社後5〜7月)の段階でも「この学生は内定後ヤミ就活」というレッテルを貼られ,直属の上司と面談を行う.配属先の先輩にもその情報が伝わっている……実際にはそこまで人事もバカではないと思いたいが,ヤミ就活をしているかどうかなどという情報は人事のデータベースではなく,当の学生自身の行動なり,FacebookやTwitterでのつぶやきであったり,世話になったOBだったり,ヤミ就職先の人事であったり,グループ会社の役員であったり,狭い世間のネットワークだったりするわけである.しかも本人には絶対にフィードバックされない.

そんな事を指導しているにもかかわらず,学生から「ヤミ就活はいつまでやってよいのでしょうか?」といった質問が来る事があるのであえて書いている.内定後に就活に悩む女子学生と出会いたいばかりに合同企業説明会に出るという野生の男子学生もいたりする(流石に冗談だと思いたいが).

警告する,ヤミ就活はやってはいけない.

 

推薦書を書いてもらう必要がある

最近は内定後に指導教員の推薦書を要求する企業も多くある.

学生の頃は「推薦書とは先生が推薦してくれるのであろう,であるからして先生が書くものである」と思っていたが,それは中学高校の推薦書であり,成績書に対して,見た事も無いようなテンプレ通りの美辞麗句を並べる形式上の推薦書にすぎない.大学以降の推薦書とはまず学生が書くべきものである.先生が推薦しやすくなるように,箇条書きでも良いので,要素を並べ,それに先生が再度作文し直し,厳封して送る.

もちろん,研究室に顔も出さずに就活ばかりしている学生にはこれを書いてもらうのは至難の業である.

 

健康診断という恐ろしい罠

健康診断は内定後に行うものである.健康診断の結果によっては内定を断る企業もある.健康診断書は近所の総合病院に行けば作ってもらえるが,大学の健康診断である程度自分の体のスペックは知っておいた方が良い.特に4年生も後期になると,研究が煮詰まってきており,不健康要素や持病などが出てきたりする.多くは血液検査や尿検査によって検出されるものであるが,珍しいところでは喫煙や肥満といった要素で内定取り消しが出る事もあるそうだ.しかし就業受け入れ後に喫煙や肥満で体を壊される,持病持ちで労災を申請されるダメージに比べれば,内定取り消しのほうがはるかにお互いにとってダメージは少ないのかもしれない.

簡単にいえば,健康診断は健康なうちに受けるべきである.

 

両親や兄弟との関係について

企業からの内定をもらうことは目出たい事であるが,実際に喜べるのはここから初ボーナスをもらうぐらいまで,以降は会社の秘密は家庭内であっても他言厳禁.つまり,会社組織の一員になるのであれば,内定した企業についてあれやこれやと,親兄弟に相談する事は好ましくない.経験上は,ネガティブな事を言われることはあっても,あまりプラスに働く事は無いと思っていいと思う.覚悟をかためる,といったストイックな意味合いはある.

例えば,両親に相談して,内定先企業に対する不安を述べたばっかりに,内定辞退の流れになった学生を見た事がある.誰のせいにもできないし(実際には本人が親に相談したからであるが),あとで後悔しても,後悔しきれない.

そもそも,自分が大学に来て学んで,そのスキルなり経験を生かして,大卒者として就職口をえるのであるから,親から「大学に4年行かせてやったのに,こんな企業に就職するなど許さん」といった横やりが入ってくる時点で,就職活動の方法が間違っているのかもしれない.自分がどんな企業に就職したいか,どんなサラリーマン人生を歩みたいかについては,普段から両親とは話し合っておくべきであるし,内定後にもめるのは親離れ・子離れが済んでいない.もちろん,親御さんが会社経営者などで,自分の息子に継がせたいといった思いがある場合もあるので,それこそ本人がちゃんと家族会議等でディスカッションしておくべき内容ではあるまいか.

非内定者とのつきあい方について

内定後の同輩,研究室内でのつきあい方についても注意が必要.「内定が欲しい」の一心である就活時代からは想像もつかないかもしれないが,「持つものと持たざるものの違い」というものを学ぶべきである.これは社会に出れば多くそのようなシチュエーションに当たることがあるので,心得ておいた方が良い.

具体的には「内定者こそ,謙虚に」という心得である.

内定をまだ獲得できない学生(便宜上「非内定者」と呼ぶ)は,自分よりもちょっとだけナイスな性格で,スキルもあり,運も縁もあっただけのキミに,今までとは異なった感情を抱く.ルサンチマンという感情である.実際にそこまで憎悪の念を抱かなかったとしても,自分自身に芽生えるルサンチマンで苦しむ非内定者も居る.

そんな事を知ると,内定者も同様に苦しむであろう.そんなことで一生の友人になるであろう研究室の同輩との友情にヒビを入れては辛い.

ではどうしたらいいか?

それは「謙虚さ」である.言葉だけではない.

一般的には「真面目な学生」であるということに聞こえるのかもしれないが,逆に誰の手本にもならないような学生がガハハと笑いながら「俺様が内定獲ったんよ」という顔で傍若無人に振る舞っている様を想像すれば,誰もがムカがつくことは想像に難しくない.

具体的な方法としては,朝も早くから大学に来たり,研究室内の雑用を進んで行うことで,謙虚さを態度で示そう.そうすることで社会人一年生としての謙虚さも自然に身に付く.研究室にかかってくる外線電話を進んで取り,机を拭き,椅子を正し,丁寧語と謙譲語と尊敬語を使いこなし,資格試験の勉強をし…とすることで,周囲には「そうか,内定を取る学生というのはこういう学生なのだな」という雰囲気を嫌み無く醸し出す事ができるし,そういう行動は習慣であるから一朝一夕に演じられるものではない.

また,変化球ではあるが,研究にも就活にも行き詰まった非内定学生にリラックスする機会を与えるのも内定者ならではの立ち位置では無いだろうか.「たまには太陽の光でも浴びにいこうぜ」とか,「カラオケ行こうぜ」とか言ったお誘いをするのも悪くないかもしれない.しかしこれは当たりどころが悪いと「いいなお前は内定者だから日焼けも自由にできて……!」とか逆に拗ねられることもあるので要注意だ.あくまでボラティア的な謙虚さが重要.内定者には余裕があるのだからよく考えて動こう.

 

まとめに代えて〜バラ色の内定後卒業ライフのために

以上の通り,「最終面接以降の心得」をまとめさせていただいた.もちろんこれがすべてというわけでもなく,これが正解という事でもないとは思うが,とかくビジネスマンのタマゴとしての覚悟が問われる時期でもある.

学生から社会人一年生へのスタートラインにおいて,「入社前からペケが付けられる」ことのないよう,また内定獲得前の学生は,「どんな学生が内定をもらえるのか?」をイメージして動くべきだと思う.

「内定後に気の弛み」という事はどんな学生にも起きる.起きるからこそ大きな事故につなげては後悔先に立たずである.事故や不祥事に気を遣い,社会人ゼロ年生としての自覚を持ちながら,卒業研究に没頭しているぐらいがちょうど良いのだと思う.

ちなみに会社に入れば遊ぶお金も時間もそれなりにある.

しかし卒業研究のような「誰もやった事が無いこと」に挑戦することこそ,会社に入れば自由にはできないものである.

 

みなさんのバラ色の内定後卒業ライフを祈りつつ,筆を置く.

 

2015年8月5日に加筆しました→ 「就活終了宣言届」とホウレンソウ
http://aki.shirai.as/2015/08/finalize-your-job-hunting-2016/

最終面接以降の心得」への5件のフィードバック

  1. ここの情報は企業側の都合を押し付けているに過ぎないから参考にするべきではない。

    職業選択の自由

    雇用契約を交わすまでは自由に活動すべし

    自由があるのだ

  2. いいんじゃない
    どうぞどうぞ
    職業選択の自由と雇用契約は同じではないからね.
    その自由を契約に変換して,サラリーを得ていると表現しても間違いではないし.
    契約してから,会社行かなくなる人に比べればよっぽどよい.

  3. でも,匿名で持論をぶつけてくるコメントも参考にはならないよね

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