そういえば、SIGGRAPHフルペーパーのカメラレディでのたうち回ってた割に「SIGGRAPHに論文フルペーパー採択されました!」ってタイトルで Blog書いて解説してなかったような気がします。 我ながらおめでとう自分。よく頑張った! といっても、SIGGRAPHの年次大会じゃなくて、Sandboxという去年から開催されているSIGGRAPH Video Game Symposiumなんですけどね。そもそも本会議はフルペーパー通るジャンルの研究をあまりしてない、という節もありますが(最近はそんなことないか…昔はかなり遠かった感がありますが)。 http://sandbox.siggraph.org/ 「Sandbox」はACM SIGGRAPH主催のビデオゲーム関連シンポジウムです。GDCとかぶってるところも多く、発表者も主催者もIDGA関係の人が多いのですが、去年の会場はSIGGRAPHとは別会場のホテルで、しかも日本人は私と長谷川さん(現・電 通大)しか参加してませんでした(たぶん)。 #ということは日本からきてたのは長谷川先生だけって事ですかね。 去年はポスターで採択されてたので、初日本人発表者ですね、私。 GDCとはえらい違いです。・・・といっても私が初めてGDCに参加したころも、日本人はそんなに多くなかったですけどね。 で、ChairはCMU ETC(Carnegie Mellon University, Entertainment Technology Center)のDrew Davidsonがやっていて、発表者は米国の大学、ゲーム関係企業などが多かったです。「2007年から公式になるようがんばるー」と言ってたので、 期待して見てたんですが、公式プログラム、しかも今年はSIGGRAPHと同会場で開催されるようです(確認中)。SIGGRAPH参加日付を前側にすると参加できるって寸法ですね(たぶん別料金ですが)。 さてさて、今年受かった論文ですが、こちら。 http://sandbox.siggraph.org/program.html WiiMedia: motion analysis methods and applications using a consumer video game controller Akihiko Shirai, ENSAM Presence and Innovation, FRANCE “WiiMedia” is a study to use the WiiRemote, a new consumer video game controller from Nintendo’s, for media art, pedagogical application, scientific research and innovative unprecedented entertainment system. Normally, consumer hardwares like standard controllers of new video game platforms are closed to public developers. But, the Nintendo’s WiiRemote can be connected easily thanks to a BlueTooth adapter with an ordinary PC. Thus, public developers can access to the WiiRemote’s acceleration and IR sensors via this wireless connection. We think it might enlarge non-professional game development environment with a new innovative game controller. However, when we tried to develop our projects with the WiiRemote,we encountered many difficulties because the only data that can be captured are basic data and not the full player’s motion with the controller. Through the WiiMedia project with the development of a few applications, we compared some motion analysis methods using the WiiRemote. This paper describes case studies that include states of arts and several motion analysis methods. Wiiのコントローラをメディアアートとか教育的コンテンツとか、つまりは将来の新しいゲームのために使おうとしたら何がおきるか、という話です。 論文PDFはそのうち公開(たぶんSIGGRAPH開催後?)しようと思いますが希望者はURLでお送りします。 序盤は歴史を顧みて「グラフィックスがよくなってもゲームが面白くならない」→「WiiRemote使ったからってゲームが面白くなるのか?」という話、コンセプト、他の人がやってる WiiRemote関連の状況、そこからWiiMediaシリーズ豪華3本立てのアプリ紹介、それからゲーム製品はおろか、普通の論文や実装上では今後もあまり語られることがなさそうなWiiRemoteの校正技術とかモーションセンサを光学式モーションキャプチャで解析したときの動作などです。 いやーほんときつかったです。投稿時のバージョンはもっとユル目だったんですが、いざ採択通知がきて「フルペーパーは8-12ページね」といわれ、かつ自分自身が「いい加減なものは出せん!」とプレッシャーを感じてしまったのと、実際投稿時に書いたアプリ各種(Laval Virtualにて展示)では実装上の制約から使えなかったもの、使ってるんだけど、執筆時からはずいぶんバージョンもデザインも変わっちゃったもの(二転三転してるものもあるから本当に無駄が多い・・・)、などなどあって、コンセプト以外ほぼ全面書き直しとなってしまいました。 とりあえず事例3件に関してはYouTubeに動画を置いておきます。 WiiMedia:Sword Fighting “JaWii’s Virtual Fencing” http://www.youtube.com/watch?v=Kl_-KoVLtx4 WiiMedia:Painting “Papier Poupee Painter” ver.Alpha http://www.youtube.com/watch?v=S8kYQbfN_9I AceSpeeder2 WiiMedia Edition http://www.youtube.com/watch?v=KowXAXdfO8E まだまだ未完なものとか改良を加えたいものも多いんですが、今日の時点はこの辺で。 最後に謝辞です。 ナカタニさん、作品のファイナライズでいそがしいのに、Wii対応のヒントをいろいろいただいて、ありがとうございました。 きょーこさま、NPRなスケッチストロークエンジンのご提供ありがとうございました。まだまだ続きますのでがんばりましょう。 ジルくん、いそがしいところ英語チェックありがとうございました。 まだまだ頑張りますよ、人間の時間に寝ますけど。