久々の休暇でやることと言えばアトリエの掃除。 3年前に日本を発つ前の頃の書類はガンガンScanSnapでPDF化しているのだけれど、肝心の紙の山は大きくなるばかり。 どうでもいい領収書の山、手書きのイラスト、学生の提出したレポート、掲載された雑誌(ファミ通とか…)、それから一番激しいのが、論文まわり。 執筆校正作業のときにはアイディアを印刷して書き込んでいく事が多いので、必然的に紙の山ができる。しかも未完・未実装の手書きアイディアなどはいつ見てもそこそこに魅力的だったりするので捨てるにはばかる。 今回は勢いに任せてそういったスケッチも全部電子化して葬った。しかし『葬った』とはいえ、常にスキャナの下のダストボックスには積もっていくわけで。 フランスだったら迷わず共同ゴミ箱に捨てた。これはゴミ回収車直結なのでプライバシーの問題もセキュリティの問題も低い。そもそも日本語で書いた書類なんて悪用されようがないし。 しかし日本は違う。透明ゴミ袋と共同ゴミ捨て場は『私はこんなに消費しました』、『こんなことに興味があります』と大声で言って回っているようなもの。なので捨てづらい紙はどんどん溜まっていく…。簡易なシュレッダーもあるんだけど、紙の方が多すぎて、壊れたし。 そんなわけで思い立って、溜まりに溜まった重要書類の山を、自家焼却することに。せっかくだから焼き芋も焼いてしまえ。思い立ったら素早い。犬小屋をどかして広さを作って、そこにブロックで焼却炉を構築、バケツに水をくんで準備完了。ライターがないので炭をガスコンロで焼いて種火を作って、周りをほうきではいて、枯れた芝を集めて、ストーブから拝借した数滴の灯油で点火完了。 いやー。良く燃えるなあ。 掲載雑誌、採点済み学生のレポート、博士論文中間バージョン、領収書、どれもこれも完全燃焼を確認しながら処分できるのが嬉しい。火をコントロールしないと勢いよく燃えすぎて、機密書類が飛んでいってしまうし、この時期は乾燥しているから、火の粉が周囲の枯れ葉に燃え移ったりしたら大変。結構集中力を使うが、いい感じの風が、ゴンゴンと地と汗と涙の結晶を、熱エネルギーと炭素に変換してくれる。 紙の束はねじるといい感じの炭になる。後半は炭焼き職人よろしく、風をコントロールしながら、燃え残りの論文を焼き、洗ってホイルに包んだサツマイモやらジャガイモを焼いていく。 この作業はけっこう精神的にリフレッシュできる。 論文の火葬というか。 できあがった炭の山。元の紙の10分の1ぐらいの体積。 そしておいしい焼き芋ができましたとさ!