土曜の朝と言えばマルシェである。 マルシェは、日本で言えば青空市場みたいなもの。 近所の農家や酪農家、肉屋、パン屋などが車で集い、市場を形成する。 スーパーマーケットなどができる何百年も前から、こんなかんじ。 しかもうちの地方は農業も酪農も盛んだし、漁港も比較的近いので、地元のものが多い。 客層はおじいちゃん・おばあちゃんが多い。あとうちらみたいな、清貧。若くて車運転する人はスーパーに行く。 こういうフランスの日常も、写真に収める機会がどんどんなくなっていく。

マルシェは季節感を視覚や嗅覚で味わう、いい場所。 PCで仕事ばかりして、疲れきった土曜の朝のリハビリにはちょうどいい。 おばあさんがやってる店だと、今でも計量は天秤でやる。天秤というのはなかなかよくできていて「つりあい具合を見つめているほど暇じゃない」、というマルシェの雰囲気をうまく利用して、つりあう前に、売り手が値を決定してしまう。

基本的に売り手有利。でも買い手へのサービス手法もある。例えばジャガイモであれば、おもりを入れる側に、店主がおまけのジャガイモを数個入れるのだ。つりあった後、おまけのジャガイモも袋に入れてくれる。まあフランス人のドンブリ勘定もここまでくれば、愛嬌があっていいと思う。 ちなみに値段としては、モロッコやスペインなど、外国人がやっている店のほうが多少質は劣るが、値段は安い。質については、自分の目で維持すべし。「うちは品質!!」と胸を張っているフランス人農家の店などは、うかつに商品に手を触れようものなら、その場でトゲのある言葉をぶつけられる。それぐらい、商人と買い手は平等であるし、むしろ、誇りを持っているという意味では売り手のほうが強い。 さて、前説が長くなったが今日は魚屋特集。 Lavalはブルターニュに近いので、サカナ食人口は高い。 ホタテ、ムールなどの貝、カニ、海老、そして今日は青くて巨大なオマール海老を発見…おそらくこれはブレトン産、カナダ産に比べて、とても高級品。白身魚や深海魚も充実。

les-poissons 魚屋のおじさんは日本と同じく威勢がいい。声を張り上げていることもある。さらにいうとICカード対応のモバイルカードリーダー(防水対応!!)などももっていて、いいかんじ。

今日はムールを1キロ頼んだ。うるさ型のマダムなどは、ムール貝の山に指を突っ込んで、潮の味をみて「これはいける、これはダメ」とかやってることがある。粒が大きいとか小さいとかも。ウチの場合は「割れ>フジツボ少ない>産地>粒の大きさ」という感じで目利きをする。売れ残りの時間帯だと割ればっかり。粒の大きさは小さくても美味しかったりするので大きいからいいというものではないと思う。

今日の店員は、なんだかしらないが、お嬢ちゃんだった。かいせい君が好きそうな美人。 あのおじさんの娘とかなんだろうか?まあマルシェには看板娘というのが結構働いているので珍しくはないんだけど、魚屋で当たったのは初めて。で、ムール1キロ頼んで3.35Euroという嬉しい安さ。5Euro渡してニコニコして待ってたんですが…お釣りが計算できなくて困っている様子。ええー。

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おじさん店主が小銭を持ちながら、「3.35、3.40、3.50、4!…ほら、これで5Euroだろ」と言う感じでカウントアップしていく。 うーん、いくらなんでもお釣りの計算ぐらいはすばやくやってくれないと、看板娘としても微妙な働き具合だよなあ…がんばれよー。 まあそんな感じです。 よい週末を。