寝かせに寝かせて熟成度が高まりきった某論文を磨いていた今日の午前。 メールボックスに某日本の有名新聞社のドメインからメール。 知らない人。 おそるおそるあける。 –引用— (略) 突然の問い合わせで申し訳ないのですが フランスが中心になってしまった検索プロジェクト QUAEROの取材に行きたいのですが、関係者 はご存知ではないですか? –引用終わり— えー。 新聞記者ってなんでこういう物の聞き方するんだろう? そもそも「QUAERO」は名前以外知らないし。 というわけで以下Blogで公開回答。 ××様、 お問い合わせの際には 部署などの情報もいただければ幸いです。 QUAEROについてはジャック・シラクのアナウンス以外 具体的な話を聴いたことがなかったのですっかり忘れていました。 状況としてはここにまとまっているとおりだと思います。 http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/cae/item.php?itemid=499

実際のところ第5回独仏共同プロジェクト、というところから 立ち上がったようですが、実際にはその後仕様の策定などで 物別れになっているようです。 QUAEROという商標もURLも他者に取得されているので、 この名前で続けられているという保障すらありません。 予算の額面などは、本当に正しいのかちょっと判りませんし、 そもそも担当になっているAII(http://www.aii.fr/srt/aii_en/home)のホームページにも載っていません。 普段、仲がいいとはいえない国立研究所であるCNRSやINRIAが共同で、という話も聞きませんので単なるガセネタか、シラク大統領お得意の牽制なのではないかと思います。 いちおう、CNRS関係のニュースレターに昔の記事がありました。 http://www2.cnrs.fr/presse/journal/2912.htm

CONTACT Jean-Luc Gauvain Laboratoire d’informatique pour la mecanique et les sciences de l’ingenieur (Limsi), Orsay [email protected] たぶん英語で聞けば大丈夫だと思います。 …といったところで、お役に立てなそうで申し訳ないのですが、 実際、昨今のフランス学生の「Google依存度」というのは相当のもので、 何でもGoogleで探してみて、なければ「存在しない」と勘違いしてしまいます。 ご存知かもしれませんが、Googleはユーザのブラウザの言語や質問した言語によって 結果を大きく変えるように設計されています。 同じキーワードでも英語で聞くのとフランス語で聞くのでは異なりますし、 ブラウザが英語版なのかフランス語版なのかでも全然違います。 まあ同じことは日本の学生にも言えるわけですが、 日本人と違って欧米圏の日本語が読めない学生にとって、 たとえ関連があるといっても日本語のページはクリックすらされません。 (そもそもフォントが入ってないので□だけが表示されている) ちょうど普通の日本人が韓国語や中国語のページをみようと思わないのと同じですね。 もちろんGoogle ScholarやGoogle Booksといった学術文献検索サービスもあるわけですが、これも同様の結果をまねきます。 よっぽど「良い論文で引用されている論文」を探したほうがためになります。 というわけで基本的には「Googleを信用するな」と言って回る昨今です。 —- さて、電子回路の設計に戻ろう。 どこかの全国紙にどう掲載されるのかしりませんが…。 それにしてもBlogじゃなくてメールだけでこの手の雑用こなしていると時間がいくらあっても足りないんだよな…。 p.s.  ××さんへ、問題あったらBlog削除しますので。

追記

QUAERO@Wikipediaフランス語でも特筆すべき情報はなかったです. ドイツ語版は多少違う視点でかかれているようでしたが…. また関連ドメインであったと思われるQuaero.frはドメインは存在しますが,プロ ジェクトのHPにリンクされていたようです. http://www.quaero.fr/ ダイレクトリンクされているURL www.gtfa-2006.com 名前からして2006年でとまっているようです. ちなみにGoogle日本語版でしらべてみると,上記のURLは全然上がってきませんね. www.archive.org で過去の更新を見てみましたが,2005年末から2006年4月で更新は 止まっているようです. [http://web.archive.org/web//http://www.quaero.fr](http://web.archive.org/web//http://www.quaero.fr) ドメインを取得したのはThomsonの方のようなので,こちらに問い合わせてみるのもよいのでは. http://www.afnic.fr/outils/whois Nom de domaine : quaero.fr État : Actif (consultez aussi le Site web) Bureau d’enregistrement : INDOM Date de création : 27/01/2006 Date anniversaire : 27 janvier Qualification :     * Identifié grâce au numéro de SIREN 333773174 Serveurs de noms (DNS) :     * Serveur n° 1 : indom10.indomco.com     * Serveur n° 2 : indom20.indomco.net     * Serveur n° 3 : indom30.indomco.fr [213.205.102.3] plus d’info Titulaire : Thomson 46, quai Alphonse le Gallo 92100 Boulogne-Billancourt France Téléphone : +33 1 41 86 58 85 Courrier électronique : emmanuelle.petit at thomson.net plus d’info Contact administratif :  Emmanuelle Petit Thomson 46, quai Alphonse le Gallo 92100 Boulogne-Billancourt France Téléphone : +33 1 41 86 58 85 Courrier électronique : ndadmin at thomson.net plus d’info Contact technique : INDOM Contact Indom 44, rue Notre Dame des Victoires 75002 Paris France Téléphone : +33 1 48 01 83 60 Courrier électronique : indom at indom.com plus d’info Contact technique 2:  Indom Contact Indom 44, rue Notre Dame des Victoires 75002 Paris France Téléphone : +33 1 48 01 83 60 Courrier électronique : indom at indom.com なお最近の日本語の情報ではこちらの方が詳しいです. http://blogs.itmedia.co.jp/eu/2007/01/post_578d.html 末岡さんはEUの情報通信系を専門に活動されています.

ここによると,昨年10月にプレスリリースがあったようです.

http://www.sem-r.com/22/20061010235229.html http://www.multilingual-search.com/france-announces-that-quaero-is-behind-schedule-due-to-launch-in-2011/06/07/2006/en/ 2011年予定というところでしょうか.