ちなみに事前に断っておきたいのですが、今回は失敗の部類に入れたいと思います。

なのでルセット(レシピ)などは今後修正する可能性があります。

【あらすじ】 日曜日、旅行に行こうと思っていたのだが、あいにくの大雪で友人Valerieの家に御呼ばれすることになった。手ぶらで行くのもなんなので、何か料理を作ろうと思い立ち、普通のフランス人がめったに食べない「カレーライス」を作ろうと決めた。 ただし上手にできなかった場合は、企画ごと秘密に。 さらに、Valerieの旦那はベジタリアンであり、肉や肉由来のソースが入ったものは使えない。さらに子供もいるので、辛さに任せたテイストも不可。…というわけで不測の事態に備え、同じカレーの準備から途中で2つのカレーに分岐することに。 なお、重大な制約として「市販のカレールゥを使わない」という点が挙げられる。何故って…売ってないし、肉のスープが入っているから。

【目標・うんちく】 「欧風・ベジタリアンカレー」 辛いものを食べなれないフランス人でも「Bon!」な欧風カレーにチャレンジ。さらに肉を使わないベジタリアン対応食。バターは使いますのでベガン(完全菜食主義)対応ではないです。 ちなみに日本の「欧風カレー」はインドからイギリスを経由して海軍から伝わったものであるらしい。「欧風」のゆえんはルゥ(roux,これはフランス語)を使うところ。日本語の「カレールゥ」はカレー粉と「何か」が混ざったものであるが、本来ルゥは小麦粉とバターを等量炒めたものであり、スープのとろみと味のまろやかさ、バターによるふくよかさに貢献すると思われる。小学校の家庭科では市販のルゥをつかわず、この工程で調理実習を行っているはずである。いまの生活科はではどうかしらん。

【準備】3人前 たまねぎ 小3個 にんじん 2本 じゃがいも 小3個 グリーンピース 200g(お好みで) 水 600ml

粉末にんにく(ail) ローズマリー(romarin) ローリエ(laurier) ビターチョコレート 10g 生クリーム15% 大さじ1

カレー粉 30g  マサラ、今回ブレンドは何でもいいです。 小麦粉 100g 減塩バター 100g

【調理】 1.野菜を切る 2.たまねぎを炒める 3.豆以外の野菜とカレー粉の1/3を加えて水を加えて煮始める 4.煮立つ間にルゥ(roux)をつくる。

 小麦粉とバターを等量はかり、フライパンで小麦粉を炒っていく。  焦がし具合によって、ブラウンルゥ(roux brun)になってしまうので、火加減に気をつけながらがんばってroux blond、つまりブロンドのルゥを目指してほしい。ちなみにベシャメルソースなどはroux blank、つまり白。  なお今回は見事に失敗した。ダマに気をとられすぎて、クッキーチップのようなものをたくさん作ってしまった。  最弱火で、うまくバターを制御するべきだろう。あわてなくても最終段階ではバターは扱えるようになる。最初が肝心。また少しでも焦げたら、味がくどくなるので混ぜずに除けたほうがいいかも。  また本来「小麦粉とバターは等量」とあるが、脂っこいのが嫌いなら、少なめでもいいかも。  最後の脂が少なくなってきたあたりでカレー粉の1/3を混ぜる。ルゥは後で使うので、フライパンが1つしかなかったらボウルにでもあけておこう。

5.煮立ったらアク、スパイス、油などの浮遊物を回収する。 6.残りのカレー粉と豆を投入、10分ほど煮込む。 7.火を止めてルゥを投入、すばやくかき混ぜる  このとき、半分ぐらいで様子を見ながらかき混ぜるとお好みの硬さになります。 8.ビターチョコレート、生クリームを入れて混ぜる  チョコレートはコクが出る、生クリームはまろやかで芳醇な酸味が加わる。なおこの生クリームはフランス国内で手に入るものなので、ない場合は砂糖ぬきのヨーグルトで代用可能と思われます。

【食べ方】 すぐに食べてもいいですし、一晩冷まして食べる前に温めてもよいでしょう。 お米はローリエやサフラン、バターなどを入れ(これも少量、風味付け)、固めに炊くとよいと思います。 完全に肉を使っていませんので、ビーフカレー特有の臭みがありません。グリーンピースの食感+甘みとクリームの酸味がたよりなので、缶詰ではなく、ちょっといい物を使ったほうがいいかも。

【考察】 今回ルゥで見事に失敗してしまったので、自分的には70%の出来でした。 次回はもっと上手に完成させたいと思います。 その後、いろいろ調べてみましたが、やはりルゥからカレーを作る情報があまり見当たりませんでした。日本の食品会社恐るべし。NHK「ためしてガッテン」のサイトに面白い情報が載っているので、試す方はこっちをご参考。 http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/1997q1/19970219.html ふつうにやったら絶対、クッキーが出来上がるように思うんですが…さすがシェフ、なんでしょうか。ラードを使ってるから?てゆかラードは肉脂なので今回は使用不可…。あとルゥは沸騰直後に入れるのか…鍋が焦げ付いたら嫁さんに怒られそうなのでできない相談だなあ…。

なお、パリの日本食料品店ではバーモントカレーとかを日本の数倍の値段で売っているので、この技術が習得できると結構気軽にカレーが作れることになります。次回もがんばろう。