…というわけで、自信のない順にカレー料理を紹介しているわけですが、今回の「イエローカレー」はお勧めできます。 一部、材料の入手に難があるかもしれませんが…。

【あらすじ】 日曜日、旅行に行こうと思っていたのだが、あいにくの大雪で友人Valerieの家に御呼ばれすることになった。(中略)ベジタリアンの旦那には「欧風ベジタリアンカレー」を失敗しながらも作ったのだが…。

【目標・うんちく】 「イエローカレー」 私が始めて本格的な「イエローカレー」に出会ったのは厚木ビブレにあったあるアジア料理レストランである。工芸大時代、95年ぐらいに活動していたネットワークプロジェクトの仲間、特に草原研の人々とよく利用した。 店の名前は「東洋元氣食堂」だったと思う。この店はタンドールとかカレーがインド系シェフによる本格的なものなのにもかかわらず、一定料金で「食べ放題」だったので、学生のわりにかなりのアジア料理を学んだ。しかしある日突然、この店は経営方針が変わり、その後あっというまに潰れてしまった。 当時、友人だったマレーシアからの留学生が作ってくれたイエローカレーもうまかった。その後も渋谷やお台場のカレー食べ放題店などに行くとつい、イエローカレーばかり食べてしまうようになる。 さらに無印良品の「イエローカレー」に出会い『俺にはもうこれしかない』、と安住の地を得たかと思ったが、その後、フランスに引っ越してしまったので、二度とイエローカレーが食卓に上ることは無くなった。

基本的にはインド・パキスタン系のさらっとカレー。鶏肉が崩れるまで煮込んであり、ココナッツが効いている。甘くて辛い、またその色合いのため、素人には作れないような気がしてくるが、実はそうでもない、ということをこれから証明。

いや、むしろ簡単かも。材料さえ手に入れば。

【準備】3人前 骨付き鶏肉 600g(簡単に言うと両モモ) たまねぎ 小3個 にんじん 2本 じゃがいも 小3個 水 600ml

粉末にんにく(ail) ローズマリー(romarin) ローリエ(laurier) 生クリーム15% 大さじ3 カレー粉 30g  マサラ。今回もブレンドは何でもいいです。黄色いからってターメリックが多目というわけでもない。今回は市販のブレンド済みカレー粉を使用。 ココナッツヨーグルト 160g  これが今回の主役ともいえます。なければココナッツミルクや粉末ココナッツ+ヨーグルトでいいでしょう。フランスにいる人はダノンのこれ、が超便利です。

【調理】 1.鶏肉に下味をつける  軽く洗って塩少々、ハーブとカレー粉を少々振っておく。 2.野菜を切る 3.たまねぎを炒める 4.野菜とカレー粉の1/3を加えて水を加えて煮始める 5.熱したフライパンにオリーブオイルを引いて鶏肉を焼く、  片面(かわのほう)を下にして、ローズマリーとにんにく、カレー粉を少々かけて5分、中火でふたをして焼く。ちょっと焦げたか?というぐらいまで我慢。  裏返して弱火で5分、またふたをして焼く。 6.鍋に鶏を投入。  皮のほうを上にして、残りのカレー粉を投入。弱火でふたをして10分煮込む。  いったん火を止めてアク、コゲやスパイス、油などの浮遊物を回収する。  そのまま余熱で10分、温度が落ちて味が落ち着くまでまつ。 7.生クリーム大さじ3を投入。さらにココナッツ入りヨーグルトを160g投入。軽く混ぜる(鶏を崩さないように…)。 8.食べる直前に温める。

【食べ方】 前回と同様、お米はローリエやサフラン、バターなどを入れ(これも少量、風味付け)、固めに炊くとよいと思います。サラサラカレーなので、タイ米やバスマティ米が合うでしょう。

【考察】 今回の出来は(欧風ベジタブルカレーと比べて)かなりよいものでした。 コツはココナッツヨーグルトを思い切って入れることですね。一瞬「ええっ?」というぐらい白くなりますが、いわゆるイエローカレーの色はここからきているようです(インドでイエローカレーなんて呼んでないと思いますが…)。酸味とココナッツの甘み、乳脂肪由来のコクがたまりません。 鶏の扱いについてはいろいろな方法があると思います。焼かずに、ココナッツとヨーグルトの酵素をつかって料理する方法もあると思いますが、私は肉の内側に旨みが残る料理法が好き(グズグズのボロボロになって出汁をとられた鶏がかわいそう)なので、とにかく最初に強めに焼いて香ばしさで封じ込めるという方針を採りました。

ちなみにフランス人の反応はよかったです。子供も、好き嫌いが多い割にはちゃんと食べてくれました。 辛さは上記のレシピだと日本人には甘口になると思いますが、子供もOKということで、適当にアレンジして、ぜひ試してみてください! ココナッツの代わりに大量のバナナなどを使うというテクニックもあるようです。

なお、デザートも、やはりヨーグルトがよいのではないかと思います。ラッシーですねインド料理風に言うと。