小西六写真専門学校に起源を持つ我々工芸大学卒業生としては、単なる写真関連大メーカーの合併・統合・事業撤退という話題にとどまらず、大きな出来事だと思います。 http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2006/0119_04_01.html カメラ設計者はソニーに転籍ではなく、希望退職募集であるということも気にかかります。 またミニラボ事業はノーリツに委譲(もとから店の現像機はノーリツ製)ということで、今後、フィルム、現像システム、医療画像、写真感剤など業界全体にも影響を与えることが感じられます。 地球の裏側の欧州でも、アグファの写真撤退などのニュースはありますが、コニカミノルタの営業車や、αデジタルの愛好者などを見かけたりすることがあります。 何より、日本の一大産業である写真事業を担ってきたこの2社が、写真工学の歴史に自ら幕を引くことが残念でなりません。 知り合いの卒業生にも何人かこの会社、関連会社にお勤めの方もいらっしゃいますし、私自身、大学時代はコニカのミニラボに数年間バイト学生としてお世話になりました。 スーパーの一角のミニラボで、給料もけっして良くはありませんでしたが、技術と経営だけではなく、写真とお客さんとの接点を多く学んだように思います。 「本当に大切な写真なので『百年プリント』でお願いするわね」 といってわざわざコニカのラボを選んでくれたお客さんなども沢山いらっしゃいました。 小西六の歴史は100年を超えますが、百年プリントされた印画紙が、アレニウス法ではなく、百年後も正しく退色しないで美しくあり続けられるか、コニカミノルタの技術者たちが見届けられないのは本当に残念な事件です。 関連の皆様が、お元気に、新しい道を見つけることが出来れば、と切に願っております。 しらいあきひこ