来年から給付がフランス研究省経由ENSAMだったものが、日本学術振興会(JSPS)の海外特別研究員に切り替わります。

最初の1年(つまり今年)はフランス語と研究環境の構築で終わるかと覚悟してはいたんだけど、予想以上に生活は苦しい(月収半減以下)くせに、研究や論文はいつも以上に頑張る、という恐ろしい生活をしてしまったので、下半期はフランス語と人的環境向上に力を入れたつもりです。 まあ「世界で最も事務が遅い」と誇れるENSAMにも慣れてきたしなあ、もう怖いものないですよ、ハハハ(乾笑)。 ことし1年を振り返れば、研究所時代よりもゆっくり勉強できたし、研究の幅は広がったように思いますね。研究所時代は大きなタスクフォースのなかで実質は孤軍奮闘というところですから、制約は大きい代わりに、自分が絶対やらなそうなことも無理に学ばされたりして、これはこれで可能性は広がったわけなんですが。

で、普通、日本の研究者って自分のグラント環境についてあまり明かしたり書いたりしないみたいなんですが、結局CVに学術褒章書くなら、グラントや投資環境については列挙すべきだと思うんですよね。学者だけでなく、企業や一般社会からも認められ、還元すべきであるということを自認するためにも。

さらにいうと、JSPSの「海外特別研究員」という公募は、筋のいい独立行政法人で金額もしっかりしているし、期間は2年と長めだし、歴史もあるし…ということで競争率が非常に厳しいグラントです。人文社会自然科学から(H18年から人文学・社会科学・数物系科学・化学・工学・生物学・農学・医歯薬学と広がった)から毎年130人程度採用されます。 なおこちらに採用者のテーマと派遣先が掲示されています。 http://www.jsps.go.jp/j-ab/ab_list.htm

これから挑戦しようという人には参考になるかもしれない(公募は毎年5月のGW近辺)。

で、私の場合はH.17の採用だったのですが、ENSAMからの給付との「二重取り」を避けるために来年1月から開始…となったわけです。 お手数かけてすみません>JSPS御中

国の給付や助成金といったものは、実際にはその担当研究者・教授と担当事務局とのせめぎあい、ということも良く見受けます。 本来であれば「快適な研究環境で世界の先端を行く研究」が目的になっているにもかかわらず、様式美や明文化されていない指針のようなものを事務局が強要するあまり、誤解が誤解を生み、時として研究者と事務局のバトルになってしまうことも多々あります。

個々の担当者はマニュアルどおり事務作業を進めているに過ぎないのですが、時流や合理性・現実味に欠ける状況に直面することもよくありました。なので事務局自体も常に情報・問題の共有を望んでいることもあります。 ※「聞けばヤブヘビ」ということも良くありますが、私は基本的に「考えてから聞く」というほうだと思います。

そんなわけで「JSPS研究」というテーマでこれからいろいろ感じるところを書いてみようと思います。 共感される方、今後のために情報がほしい方などいらっしゃいましたら、コメントやメッセージを頂ければ幸いです。