海外における日本アニメ、すなわちANIMEやMANGAについてすごい勢いで英語で答えていくサイト「Ask John」。 http://www.animenation.net/news/askjohn_archive.php

その繊細な洞察と、アメリカ人らしい大胆な切り口は、MANGAに魂を奪われたが「なんでMANGAが面白いのか自分でもわからない」という英語圏迷える子羊に、さらにMANGA魂を焼きこむ救世主として活躍されている。

さらにこの「Ask John」を日本語に翻訳されているクランリーちえこさんのサイトも紹介。

「AskJohnふぁんくらぶ」 http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/ASKJOHN.htm

この人の翻訳も非常に楽しい。しかもマンガについての知識が深くて広い。おそらくちえこさんも筋金入りのマンガ好きである。

で、ここのJohn Oppligerさんとクランリーちえこさんが例のJAPA-MLに参加した。 前々から訊きたかったことも訊いてみた。日仏のアニメ翻訳と、FunSubsについての質問である。これについてはまだ結論らしい結論になってないのでまた今度紹介できたらしようと思うが、関連する過去のアーティクルがあったので他の面白いものとともにコメントつきで紹介しておく。

■最近の翻訳リスト http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/aj05.html

■どうしてこんなに少ない予算でANIMEは作られているのですか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/07062005.html ■ANIME一本あたりいくら掛かるのですか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/06272005.html スポンジボブとパワーパフガールスの予算には驚いたな。

■ANIMEの恋愛描写はどうしてこんなにトロいのですか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/01262005.html http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/02012005.html そんなにトロいのが嫌なら読むな、という気も。 日本人の私でもついていけないことは時々ある。 でもあれは一種の様式美なのでは。 仮に少女漫画で「出会ったその次の日に夜明けのコーヒー」なんてペースで話が進んだら、読者のほうが先に荒れてしまって、マンガなんて読まないのでは。

■YAOIの匂いがANIMEでは普通なのはなぜ http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/06282005.html 絶妙なセールス戦略であると認識すべきですね。

■『NARUTO』の「だってばよ」とはいったい http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/07272005.html 実際のところ「だってばよ」については私にも理解できません。 おそらく作者は「ニンニン」と言わせたかったものと思われます。 発音の仕方によっては甘えてるような感じにも聞こえますし。 フランス語版の「だってばよ」についてはまだ未確認ですが(人気作品なのでいずれは出会えるでしょう)、「voila」とかいろいろ訳せそうですね。でもナルトのあれは字幕にするにはちょっとしつこすぎるような気もします。

■ANIMEでの鼻の描かれ方について http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/08152005.html 画風と言うものは模倣されて洗練されていくものです。 リスのような逆三角形はたしかに影を表していますね。 日本人で自らの鼻の形にポジティブな印象を持っている人はあまりいないので、どんどん消える方向にあると思います。 ゲームなどのドットが粗い映像では鼻の1ドットは致命傷です。少女漫画やデフォルメでは90年代から、あの鼻の三角も無くなる傾向にありますね。でも鼻がしっかり描けるということは画力を評価する点でもあるように思います。素人ですが。

■日本では子どもをポルノグラフィーに使うことが許されているのでしょうか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/08222005.html 実際には幾つかの法律があり、自治体レベルで禁止している領域・属性もあるはずです。それにしても日本に育ち、欧州で暮す視点では、日本のエロマンガや幼児性愛は異常だと感じるようになってきました。特にコンビニや書店などでIDなしで買えてしまう商業出版物、ゲームソフトの状況は異常ですね。この問題は、単に無修正のエロビデオがテレビの無料枠で見えてしまう、といった問題とは次元が違うと思います。幼児性愛はいくら美化しようとも、行き着く先は「一方的な暴力」なので美化されるべきものではありません。この問題は法律において許す、禁じるという以前にこれらを出版する出版社がまずは姿勢を直さないといけないと思います。むしろ新たなコンテンツの軸を生み出すことをせず市場の流れだけで生業を続ける風俗産業と同列に扱われるべきではないでしょうか。 しかしながら、その社会的許容により、本来安全であるべき子供向けアニメなどにも、幼児萌えキャラ・萌え要素の影響が出ている、もしくは本来「お兄さん向け」であるにもかかわらず小学生女子が萌えていたりと、倒錯が倒錯を呼んでいる状況に将来の危惧を覚えます。個人的嗜好にとやかく言いたくはありませんが、提供する側としてはせめて恋愛・性愛の区別がつき、性癖に関する属性もはっきりする年齢以降にターゲットを絞るべきかと思います。

■ファンサブは今後も続くのでしょうか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/09302005.html ■米国人はファンサブに罪の意識を抱かないのですか http://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/10062005.html Johnの言っていることは一理も二理もあるけれど、つまるところ、そうやって「アニメは消費されている」ということなんですよね。もっと見たい→母語で見たい→無料で見たいという消費者の乱暴な要求と、一部の自己満足とボランティア精神にあふれる翻訳者によって、結果的には日本のライセンシーは価格を吊り上げざるをないし(Adobeのソフトと一緒)、翻訳も日本もしくは日系企業でやればいいものを、各国の翻訳出版者に完全外注せざるを得ない。

ちなみに ■過去の名作がファンサブ化されないのはどうしてhttp://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/09282005.html これについてはフランスでは「ベルサイユの薔薇」はDVD販売されていますね。「タッチ」とか「名探偵ホームズ(宮崎アニメ)」などと同じ会社から出ています。

それにしてもファンサブは、日本放映での録画→P2P→海外翻訳者→P2Pという形をとるのでしょうか?海賊行為に詳しくないので推測ですが、もともと日本人が日本人のためにP2Pで配布するというのはよくやられているのでしょうかねえ?上にある「石川に住んでいる」という人のようにP2Pに手を出すのではなくて、地元局での放送やブロードバンド放送、DVDパッケージ化を待つというのが普通の日本人だと思うんですがどうなんでしょう?それとも実は日本在住の外国人Manga好き→FunSubという直通ルートがあるのでしょうか?だとすればこれは海賊行為に加えてスパイ&泥棒行為もいいところですねえ。タイーホですよ。 まあ私は法律の専門家でも警察でもライセンス側でもないのでなんともいえませんが、P2PでのFunSubを増やすと言うことはanimeによる娯楽を拡大はさせるかもしれないけど、日本語や日本文化を正しく理解しようっていう人を増やすわけではないだろうな、と言うことを提言しておきます。 言語にもよるし、学生から見せてもらった限りのコメントですが、FunSubの訳に品質はけっこう高いのですが、一部の英語版はキャラのせりふが必要以上にスラング化してたり大味だったりします。逆に訳注が異常に細かかったり(それだけで笑える)、歌詞まで綺麗に訳してたりすると頭が下がります。