今週のTBテーマはこんなかんじ [http://ameblo.jp/trackback-abroad/entry-10005217037.html](http://ameblo.jp/trackback-abroad/entry-10005217037.html) ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの ―室生犀星
フランスで生活していろんな人に会うと、日本人について再発見することが多い。 今回の南仏では特に表層ジャポニズムの影響を多く発見した。 ZENといっていろんなまじないグッズを売るもの、それを買えば健康になれると信じている人、鉢巻をすれば気合が入ると信じている人、日本人は仏教で、仏教=禅で、レビテーション(浮遊)ができると冗談めいていってみたりする人も沢山いる。
他にも汚いひらがなを美しいと本気で言う人(これはわかっている人とわかっていない人が半々ぐらい)、TOFUが入っていれば健康だと思い込んでいる人、部屋の中に障子を模したインテリアを飾る人、日本人同士の駄話を「美しい歌」という人などなど、親日家、一部親日家など南仏アヴィニョンには日本人が沢山住んでいるだけあって結構な"日本通"がいた。
日本人の文化や特徴についてもよく知っている人が結構いた。 こういうのは本だって出ている(「不思議な日本人」など)。
でも私は最近、こういうのは再考されるべきではないかと考えている。
たとえばこういう認識、 ・日本人は自分の考えていることを口に出すのが苦手 これは当てはまる人も多いとは思う、でも中田や松井を例に出すまでもなく、海外に飛び出してくるような日本人にこれは当てはまらないことが多い。
『最近の日本人ってのはね、よく喋るんだよ』 というときょとんとした顔をしたりする。
しかし現代日本人は、実際よく喋ると思う。 思ってることを口にしない、それは過去のことになりつつあるのではないだろうか? 例えば2chを代表とするネット掲示板、こんなに大規模で社会影響力がある上に忌憚無いディスカッションが行われるメディアというのをまだ他の国で発見したことが無い(無いことは無いが、2chほど滅茶苦茶に文化を形成したり廃人を生み出したりしていない)。 それから実際の生活においても、職場など、日本人のサラリーマン特に管理職は思ったことを言いすぎだ。 そんなことを言ったらハラスメントだ、相手が傷つく、同じ事を言われてあなたはムカつかないのか…そういったことを平気で言い放つ日本人。
もし心に思い当たることがある人が居たら、 いっぺんそれを英語で言ってみて欲しい。 マンガ「ディルバート」だってそこまでエグくない、ということを日本人は普通に家庭や職場や学校で言っていたりする。
つまるところ、現代日本語は「同僚」という距離の人間にはかなり攻撃的な言葉をつかえるということだ。 ギャル語のようなものも同様。フォネティックは「日本語って美しいねえ」と言われるようなリエゾンの塊のようなメロディを持っているが、中身はエグい。
とりあえず言語についてまとめてみたが、ついでに役人についてもちょっとメモしておこうと思う。
日本の役人(政府機関・団体職員・教員等)は150年前と比べてずいぶんと変わってきていると思う。特に国際的に見ても不思議な精神構造を持っているのではないかと思う。
保守なのに反体制、革新、大予算、茶髪。 ドラスティックに保守を述べ、 あっけらかんと革新を要求する。
日本に明確なコンプレックスを抱きながら 心の片隅で日本の優位を信じているところがある。
世界中でどこよりもキッチリと神経質に前準備したがるが、 そのくせ平気で間違えたり仕事を寝かせたりする。
まあどこの国でも同じようにずれているのかもしれないが 「不思議な日本人」という本はそろそろ日本人向けに再度書き直されてもよいかと思うのだ。