Boyhood/邦題:6才のボクが、大人になるまで。

Let me go… I’ve wanna be a hero… I’ve wanna be a big man…

「恋人までの距離」のリチャード・リンクレイター監督の話題作「Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)」を米国遠征の行きの機中で観ました。

父親/母親の人生を考えさせられる映画だったな。

 

【作品情報】
テキサス州に住む6才の少年メイソン。キャリアアップのために大学で学ぶと決めた母に従ってヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父との再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していく。やがて母は大学の教師となり、オースティン近郊に移った家族には母の新しい恋人が加わる。一方、夢をあきらめた父は保険会社に就職し、再婚してもうひとり子供を持った。12年の時が様々な変化を生み出す中、メイソンはアート写真家という将来の夢をみつけ、母の手元から巣立っていく。※PG12

監督 リチャード・リンクレイター
出演 パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、イーサン・ホーク
[6才のボクが、大人になるまで。 上映時間:166分 ]

 

PG12指定なんだよね、過激なセクシャリティ表現があるわけじゃないけど、子供にはえぐい表現がある上に、未成年者が喫煙や飲酒しまくるからだろうか?ちょっと残念。

なので日本語版のプロモーションサイトの雰囲気は、なんだか「可愛らしい少年時代」を描いているようで、そういうのを期待して観てはいけないように思う。

http://6sainoboku.jp/

カップルがデートで観に行く映画じゃないけど、子ナシ夫婦やバツイチカップルは楽しめる稀有な映画ではないだろうか。
PG12指定(小学生には助言が必要)なんだよね、中高生ならいいのかも。
一番見たら良いのはティーンエイジャーを抱える家族。
正月に反抗期を迎えた子供たちと一緒に見てください。

俳優とはいえ12年の歳月を使って実際の子供が演じきった,
思春期の青少年からみた親の離婚,勉強の意味,親にとっての人生の幸福とは?

何より,12年間同じキャストで演じ続けるってところが面白い映画です。もちろんCG/VFXとかではなく。
俳優も大変だけど、撮影機材とかどうやって揃えたんだろう?
車の中での会話シーンが多いのでひょっとしたらデジタルビデオなのではないかしら?

ストーリーには触れませんが,
父親に同情するか母親に同情するかでこの映画の楽しみどころは根本的に変わると思います。
(そう考えると多重化にはいいネタなのかもしれない)

2時間46分とクソ長い上に平凡な日々が続く上に,さらに私は英語版の字幕を読んでいるので普通の人とは感想が違いますが、
いい映画だなと思えるのは、最後のほうの卒業祝いのシーンと中盤のこの”キャンプの夜”のシーンです。
特に自分は父親なので,イーサン・ホーク演ずる”生物学上の父親”のセリフが気になります。

夏休みの週末,と二人でキャンプしたり,ソファで寝たりしています。あまりに印象的だったので,写真で紹介。

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メイソン『父さん…この世に魔法とかは存在しないのかな?』

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父『どういう意味だ?』

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メイソン『エルフとか,そういうの。』

父にとっての魔法とは「奇跡」,例えば4人がまた同じ家族として過ごすような奇跡を考えたようですが,メイソンは「妖精の存在」に現実を見たようです。

そして一晩ごと,大人になっていくのです。

他にも,冒頭で紹介したトレイラーにもあるひとコマ。

bumbers

英語版は「溝」とは言ってないです,「前は(子供用の)バンパーがあったのに」と言ってます。

父:『バンパーがあったら面白くないだろ,いつまでも子供じゃないんだ』って訳にしたいところ。

※筆者の脳内リアルタイム翻訳なので日本語版では大幅に違う可能性があります

 

実際にこの作品の脚本は収録の前日に書かれたこともあるようで,生々しくて印象的な台詞がたくさんあります。

あとは劇中に登場するゲーム機についても注目ですね。

撮影は2002年の夏から始まったようで,Xbox,携帯ゲーム機,Wii Sports,iPhone3GSといった感じで変遷していきます。

(はっきり言ってメイソンは勉強もろくにしないでゲームと女ばかり追いかけています)

女子の流行,例えばレディ・ガガなども注目,オバマ大統領選挙なども出てきます。

 

どう考えても詰め込みすぎになる映画の作り方で,青春映画と家族映画の両方を実現するという作風は一見の価値ありです。

でもものすごく長い映画で、しかも単調で、しかもいろんなことがおきるので、映画館というよりはビデオで数回に分けて数回観たほうがいいのかもしれない。

DV,酒,離婚,知的にがんばる母,その幸せ,父親のあり方,性教育,親の心子知らず・・・現代社会の家族観においていろんな未解決の問題が映像になって飛び込んできます。

あと挿入曲がどれもよいです。とても長いサウンドトラックを発見したので作業用BGMにどうぞ。