文章を書くためのツール考―パソコン編―

plume and keyboard

【弘法は筆を選ばないらしいけど…】

自分は大学の先生でもありますが、研究者として、教育者として、ライターとして、ブロガーとして、ジャーナリストとして、時には作家として、いろいろな物書きです。

メールなども含めて「文章を書く仕事」であることは間違いないと思います。
会話やプレゼンテーションなども重要ですが、業績として積みあがっていくもののほとんどは”書きもの”です。
プログラミングなどもかなり書きますが、それはたいてい実験のために必要だったり、問題に対して突破するコードを書いたらあとは若い人に任せておきたいもので、種とかに近いものです。

さて、そんな私がさまざまな書きものをプロダクトしているわけですが、今日はその道具の話。弘法は筆を選ばないらしいですが、そうはいっても私は弘法大師ではありません。

道具によって効率が違うことは間違いない。
しかも、私は同じ物書きとはいっても上記のようにいろいろなメディアにものを書きます。

たとえば「書き味が違うペン」、というものがあります。
万年筆のようなものですね。
でも万年筆をあらゆる用途に常用している人はあまり見かけないわけです。

私はフランス時代はプリュムと呼ばれるカートリッジ式の万年筆を愛用していましたが、日本ではコスト高です。
そもそも、小切手で買い物をする必要がある、ハンコの代わりにサインをするフランスでの暮らしと違って、日本では文字を書いたりドローイングをする機会はぐっと減ってしまいまいました。

plume and keyboard
愛用していたプリュムとPS2キーボード。昔はDELキーとかBackSpaceが変なところにあったりもしたけれど、最近のノートパソコンはエンターキーについてはだいぶ安定してきた。AcerやAppleはカーソルキーがひどく小さかったり、PageDown/Upがすぐ横にあったりすることがあり、それが理由でPC購入をあきらめたこともよくある。

いずれにせよ、プリュムには書き味がしっかりとあります。
筆圧をセンシティブにコントロールする必要がありますし、乾かすまでは動かせません。
そのような面倒な道具ではあるけれども、プリュムでなければ描けない線や速度もあるわけです。

で、最近はどうなのかというと、コンピュータ環境です。
しかもどうにも筆が進まないことがある。
今日は書くプラットフォームについて整理してみようと思います。
決して「なぜ筆が進まないのか?」を言い訳するわけではないのですが。

【Windows系】

・キーボード(カシャカシャいう固いもの)
・LabEditor + pLatex (TeXインストーラ3) + EmEditor Free
or
・Microsoft Word 2010

今のところ、もっとも生産性の高い執筆環境はWindows7だと思います。
Windows8でもいいのですが、スタートキーを押すたびに友人の顔を見なければならないのは気が散ります。
ただWindows8でも執筆に使うアプリ、Wordなどが軽やかに起動する良さもあるので、否定はできませんね。

TeXは論文を書くには最高に効率が良い環境です。
最近ではGoogle ScholarがBibTeXに対応したので、読むのも書くのもスピードが上がりました。
というか、TeXを使わない研究者は何を使って書いているのでしょうか。疑問です。
TeXのスタイルやテンプレを用意しない学会も、どうかと思います。シャレで用意してもいいじゃないですか。

一方で、Wordも使います。好きか嫌いかで言えば、”好きでも嫌いでもない”ですが、”できれば使いたくない”です。
Word自身に問題があるのではなくて、おそらくWordを使って作業をしなければならない仕事の多くが、つまらない、クリエイティビティの低い仕事だからでしょうか。
WordのデフォルトフォントであるMS明朝とかMSゴシックを見ていると気分が悪くなるのです。
ただ「校閲」機能は使います。
数式ツールも大変良くなってますし、そもそもフォントをメイリオなどに変更すれば、気分も悪くならないので、速度と互換性を最優先する仕事の場合はWordを使わざるを得ません。

でもTeXで書けるならTeXで書きたいです。
ところで最近のDTPソフトの業界標準であるInDesignではWordのDOC,DOCXを標準サポートしているのですね。
じゃあますますTeXとかベタ打ちテキスト使う必要ないじゃんね。

でも、書き物をするときは構造化して書きたい!
というわけで書籍『WiiRemoteプログラミング』を書くときはXMLで書いていたのですが…。

【MacOSX】

mi テキストエディタ

修士卒業するころまでは、書き味がいいのでMacOS9とクラリスワークスを愛用していました。
上からメニューが下がっている方式の方がいいと思うんです。OSXの下に並んだアイコンが邪魔くさい。
カスタマイズできますよ!と言われても、OSの基本設計なのでそこは尊重したいわけですよ。

で、miエディタは他に選択肢がないので使ってます。
iWorkとかOffice for macもインストールしてありますが、互換性以外に用途がない。
ただ、MacでのTeX環境が安定しているなら移行も可能です。shell使うだけなのでLinuxでもいいんだけど。
早く次期OS出ないかな。

【Web環境】

・Wordpress
・Google Docs(Google Drive)

Wikiも好きなんですが、Web以外の後工程に使い辛い、そういう意味ではWordpressも同様なんだけど様々なツールやプラグイン、読者との距離感を掴むアクセス分析がいい。

Google DocsはなんでDriveなんて名前にしちゃったんだろう。
編集時の日本語差し込みの動作が変だけど慣れれば使える。ただしコラボ専用。

日本語変換は『Google日本語入力』、と言いたいところだけど、日本語間違って覚えるリベラルさが怖い。

なお、今回のこの原稿は8割をAndroid4.2のWordpress、残りをWindwos8のChromeで書きました。
スマートフォン編も書きたいけど、肝心のiPhone&Androidの電池が切れそうなのでまたの機会に。

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