次のBlogエントリーでもちょっとふれますが,ゲームに使える新技術をいろいろと調べていたりします. で,話題になっているものがあるのでちょっと解説. ■ソニーがER流体で新しいコントローラのための特許を取得 ソニーの特許取得ではEngadgetでも扱われていました http://japanese.engadget.com/2006/06/08/sony-electrorheological-fluid-patent/ チューブ型にして形成するのが賢いですね。 消費電力が少ないというのも大事です。 ER流体自体はそれほど新しいものではないです。 たとえば、モーションセンサーに使われているジャイロ(方位磁針)にもER流体薄膜が使われているものがあります。 他の新素材に比べて製造コストが安い 電気的な制御がしやすい といった利点があります。 インタフェースへの応用では、学会「インタラクション2004」だったかで マウスへのフォースフィードバックとしてデモをしているものを見たことがあります。 この論文は2001年の慶応によるものですが、私が見たものはマウスホイールだったかも。 http://www.i-system.sd.keio.ac.jp/2001/students/master-autumn/2001-01-02.pdf まあ3−5年ぐらいの技術でしょうか。 現状、この手の萌芽的研究は、思いついて、他の研究者がいろいろ開発し始めたらすぐに特許をとっておかないと、Immersionに取得されてしまいますので、ソニーの特許取得自体は大騒ぎするほどのことではありませんね。 (基本的にソニーは特許取得をしない会社でしたが、最近ではそうも言ってられないようです) ER流体に関する米国特許はここで見れます。 http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-adv.htm&r=0&f=S&l=50&d=PTXT&RS=electrorheological&Refine=Refine+Search&Refine=Refine+Search&Query=electrorheological 恐ろしいことに、上記のようなマウスホイールへの利用は既に2000年にImmersion社に取得されていたりします。 しかもあくまで「for remote control devices」であり、「Nintendo, Sega, or Sony」と名指しで「利用可能」と指摘してたりもします。 http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-bool.html&r=1&f=G&l=50&co1=AND&d=PTXT&s1=sony&s2=electrorheological&OS=sony+AND+electrorheological&RS=sony+AND+electrorheological まあ特許は特許なので、取得されようが、ちゃんとライセンス料なりを支払えば問題ないでしょう。 普通は、ひとつの製品を作るために、数多くの関連特許が必要になりますから、クロスライセンスなりをして、お互いの優先権を相殺していくことになります。 また、基本特許はともかくとして、どうやってゲーム機に実装するかも重要な技術です。 ■新しい視線入力UI 同じEngadgetからの引用ですが、ふつうモニタ側にカメラを置いてしまう視線入力をモニタ側ではなく頭部側につけているところが賢いですね。電極装着がネックになるEOGにも、こういった実装の仕方もあるわけです。 http://japanese.engadget.com/2006/06/12/eog-gaze-detector/ ちなみに福本氏はIVRCの審査員としてお世話になっております ■光トポグラフィのエンタテイメント応用 「脳トレ」で一躍有名になった光トポグラフィですが http://www.hitachi-medical.co.jp/info/opt/index.html 今日のニュースでバンダイナムコHDが日立と共同でエンタテイメント応用をするそうです. http://www.nikkeibp.co.jp/news/flash/506273.html そういえば,前回のファミ通の特集のときにナムコの福祉事業部の方と近い話をしたのを覚えています…録音の聞きなおしでもしてみるかな. それはそうと,ナムコの輝かしい一作?としては「マインドシーカー」がありますね!エスパー清田監修の超能力育成ゲーム. さて複線はこの辺にしておきます.