「IT関連学会の憂鬱 遠ざかる産業界との“距離”」(日経BP) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20060116/227309/ お、この特集面白そう。 ってゆかこういう業界が盛り下がるような特集、よく書けるよなあ、日経コンピュータ。 個人的な意見だけど、情報処理学会は元から経営をNECや富士通に頼りすぎ。しかも電算機、計算機、スーパーコンピュータ時代の影響が強すぎ、さらに会費高すぎ、組織でかすぎ(研究会のほうが活発)、論文読み書きしようにも論文誌が非公開すぎ、毎号送られてくる学会誌が価格と頻度の割には内容が時々しか面白くない。 米国ACM(computer.org)と比較して根本的な問題を指摘すると、コンピュータサイエンスに対する考え方が「制限されすぎ」というのが言えると思う。 人間の自由度を制約することで計算機を利用していた時代から、人間の想像力をより具現化したり、あたらしい活動に結び付けていく、さらに未知の世界を作り出していく、という役目を持ったコンピュータにとって、情報処理学会のやりかたは、たしかに制約が多すぎる。 (フォームとかデータベースとかコード体系とかをみると理解できると思います…) だからといってもっと格式の低い、志の低い学会が運営できるのか、っていう問題もありますよね、私はどっちかと言うとそういうのに付き合うのは苦手なほうですが。 基本的には学会なんて、どんどん潰れたほうがいいんですよ。 社団法人にもなってない学会は、破産・解散申請とかもできないから延々と残っていくけれども、その学際分野がなくなっても人さえ雇わなければ、学会だけは細々食っていけてたりするからなあ…。 まあ今回の情報処理学会の会員減ってのも「IT」ではなく「情報処理」と表現して欲しいよな。屋台骨であったメインフレーム、スパコン時代の企業会員も、当に現役を退き始めているわけで、ここ数年までの経費削減時代に研究開発部門が削れるものは「書籍・会費」なわけで。 私自身も情報処理学会は金銭的な理由で退会しました。 毎月送られてくる学会誌が邪魔だったこともあります。 オンラインのみ会員で会費が年間3,000円ぐらいなら参加してもいいかなとは思います(…が、これでは研究会費にもならない)。 あと、日本のIT業界が言われているほど新しいものを生んでないってのもひとつの問題かもしれないよな。 かなり近い話題で「Cマガジン」の休刊なんて噂もあるけれど、雑誌が常に新しいものを追っていかなければならないのに対して、それだけのスピード(コンピュータの急速な進歩速度)でそのリソースを利用できる読者がいるのかという。 そうなると、学会にしても雑誌にしても、現段階でその「情報ソースのポータル」として機能してない(≒googleで検索上位にかからない)のであれば、利用者の心は離れていくよなあ…。 (例えばCマガは特集はよいのだが、サイトにはソースしか置いてないので、肝心の検索には全然かかってこない) ITって言うと聞こえはいいけど、証券業界ではYahooとか楽天とかLivedoorみたいな企業買収系ポータルサイトか、CSKみたいな古参の情報処理会社のこと、もしくはソフト会社の皮を被った人材派遣会社のことで、中小のソフトウェア企業なんて、やってることはものすごいのに、株式に関しては上場どころか株式公開もしてないもんな。 日経BP/日経コンピュータも「同じ穴の狢」なんだから、ITとか書かずに、ソフトウェア、ハードウェア、SE、データベース、ネットワーク、セキュリティ、人材雇用環境、エンタテイメントとかいった言葉をちゃんと目的にあわせて使わないと。 それにしても業界全体が成長・拡大が続いているのに、社会的役目を終えてない媒体が縮小傾向にあるというのは、まさに経営・運営・編集側の怠慢だよなあ。 こういう状況だと「週刊アスキー」みたいにどうでもいい情報を延々と低価格で広告率50%ぐらいで売り続けてる媒体のほうが購買意欲は向くんだよな。輸入してまで買えないのが残念だけど、カルチャーとしても技術としてもかなりいい品質なんだよな。縦書きなのが週刊誌だけど。