書きたいことが溜まってしまったので、ここ1ヶ月あたりのメモ程度のニュースをまとめて紹介。

■Skype2.0Beta  http://www.skype.com/download/  新機能はビデオだけじゃない、なんだか細かいところがいろいろ変わっている。実用面で最も大きい新機能が「通話転送」だと思う。SkypeOutを買っておけば指定した外線電話番号に自動転送できる。通話品質などは使ってみないと判らないけどねえ。  あとはプロフィルでアドレス帖の人数が表示されてしまうので、気になる人はさっさと2.0Betaにして、OFFにしたほうが良いと思う。Skypeはよくできていて、アドレス帖とか設定とか留守録とかは全部サーバに記録されている。  最近の1.4とかは通話中にやたらとクラッシュするので、2.0で良くなっていることを祈ります。逆言うとこの通話品質が低下してるなら、Skypeやめます。

■ATMなのに、超アナログ!? http://www.excite.co.jp/News/bit/00091133255533.html    この手の知ったかぶり海外女性特派員のBlog(というか単に海外に住んでいるだけのライター…)は正直見飽きた。  常に日本の技術が最先端で、それが正しいと信じきっている。特に特派員みたいな人種は数ヶ月~1年ぐらいしか滞在しないし、接触する人種や文化も限られているのに、メディア露出度は高いからうざい。  簡単に言えば、ATMなんてもんはそもそも、泥臭いアナログの「現金」と、ただの電子的記録でしかない「データベース」をトランザクションする装置なのだ。アナログで悪いか。フランスなんて、小切手いまだに普通に使ってるし、小切手を封筒に入れて入金するんだぞ(しかも封筒取り出す部分は手で開ける)。  後ろに人がいて(正確には銀行センターで)金勘定するのと、壊れやすいATMホッパーに勘定させるのとどっちが信頼できるのか、という話。アナログ道を嘲笑しているうちは、技術が判ってるとはいえない。  ところで先日、ドイツのATM会社のエンジニアと会って話する機会があったんだけど、こういう日本とかフランスみたいに極端なATMに特化している国では、なかなか海外の企業が参入できないらしい。なるほどねえ。

■仏トムソン、1株14万8000円でカノープス株をTOB http://today.reuters.co.jp/news/newsArticle.aspx?type=businessNews&storyID=2005-12-05T161507Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-195987-1.xml  カノープスの映像関連技術に目をつけるとはトムソンもお目が高い。既存事業にどうやって生かしていくのか見所、たぶんVODとかだとおもうけど…どうしよう「株主優待」目当てだったら…ってそんなことないですね。 …で株価はすごいことになってますねえ。 http://company.nikkei.co.jp/indexs.cfm?scode=6774 ちなみにこのTOBが成功すると、カノープスは上場廃止になる可能性大だそうですね。えらいことです。

■Tablet PC対応の自作ノートPCキットが登場、C3 1GHzを搭載 http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20051203/etc_t200v.html  Clevoの「T200V」らしいですわ。値段は62,937円といい線ついてる。まあでもベアボーンと呼ぶには自由度ないですしねえ。  ちなみに自分、HP/CompaqのTC1000を6万ちょいで買ってTabletPCライフを送っているわけですが、TabletPCの最大の弱点は、メモリとかよりも、タブレットの性能とCPU速度!これにつきますね。ごろ寝、ビデオ&インターネットPCとしては十分だと思いますよ(TC1000)。ごついキーボードはいらんです。

■NEC、ビジネスノートPC発表 - 重量約1kg / 連続稼動約7時間 / 150kgf耐圧 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/12/06/006.html ガテンPC万歳。というかThinkPadがレノボになったおかげで、その辺の需要がぽっかり空いているものと思われます。しかしさすがNEC、値ごろ感がめちゃくちゃ。最小構成モデルで250,000円、CPUは1.2GHz、しかもBTOモデル(店頭販売しない)って何考えてるんでしょうねえ。まあそういう意味ではIBMとなんら変わらんのですが。 大学教授が勢いで買って、学生を殴るための鈍器としては使えるかも。

■「SFC Open Research Forum 2005」レポート ~ユビキタスはもはや当たり前、その次が求められる時代か http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1128/kyokai40.htm 森山さんのSFCレポート。レポート記事自体はみんなに見せて回りたいんだけど、「ユビキタス研究がユビキタス」になっちゃったい、という某所でのコメントが印象的なのでメモ。 デモ学際分野の象徴みたいなキャンパスの象徴みたいな現状と思われます。てゆか何が新しいのか、何が目的なのかちっともわからん。先行研究とかしてるとも思えないし。特許的にも学際的にもイマイチ感あり。 もちろん個々の発表はみんながんばってるのかもしれないけどねえ(藤沢でやらずにわざわざヒルズでやるのも問題かも)、貴重な2年間の修士で玩具ばかり真剣に作って、対産業でも、対論文でも何もまともなストーリーが描けない、論文の書き方も判らないなら「見たまんま、ダメ」というレベルなのかもしれないなあ。 というか、誰かちゃんと「公的に評価」してあげてくださいよ、良くも悪くも。 公式サイト http://orf.sfc.keio.ac.jp/index.html

■日本IBM、研究開発施設「DCE イノベーションラボ」を新設 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1206/ibm.htm なんか近しい人が働いてそうなのであんまり悪くいえませんが…。 レポートを見ている限りでは「今までのIBM研のHI博物館」みたいだなあ。 「ゲームへの応用も考えられる」とかIBMが書くと、下手な研究者が書くより変な感じがする(だってIBMってビジネスマシンですよね…?)。 しかしこの手の研究も、しっかり全部特許化されていると思われますので、嘲笑は出来ませんねえ。10年20年もすれば、普通のUI技術としてIBMのPC(ってそのPC事業部自体がないですが)から売られる日も来るかもしれません。特に「見えないQRコード」ってのは印刷業界からすればクリティカルな技術で、下手なICカードソリューションよりは使えると思いますよ。だってあの2次元コードっていかにも葬式/産業っぽくてデザインセンス制限してますしねえ。

■宮本茂氏が”ゲームコントローラーの歴史”を語った http://www.famitsu.com/game/news/2005/12/03/103,1133547617,46317,0,0.html ちょっと気になってた立命館でのシンポジウムのレポート。 宮本氏は最初から最後まで「工業デザイン」なのだなあ、といつもながら思う。しかしデザインが主張しすぎかどうかという検証はしてるんだろうか?ゲームがいつまでたっても十字ボタンの呪縛から脱せなかったのは、彼のコントローラのおかげではないだろうか? ちなみに私はRevolutionコントローラについても幾つか疑問がある。あれは、例のTGS映像にあるような「使い方」はできるかもしれない、しかし実際には、コントローラ制御やアプリケーションデザイナーが人間のキネマティクスまで考慮したソフトウェアを開発するのは非常に大変なことであるし、むしろ外部のミドルウェアや任天堂提供ライブラリなどを積極的に開発導入しないと、提案しているような「遊び方」は実現できない。 そもそも、既存のゲームデザイナーなる人種が、アレを使いこなせるのだろうか?指と目しか使わないお茶の間のTVゲームから、いきなり全身までもっていくっていうのは、遊ぶ側も、作る側もそうとうな勇気がいるよな。…というのもその研究10年やってきて言ってるわけなんですが。

■EU、危ない航空会社のブラックリスト作成へ http://www.asahi.com/international/update/1206/005.html 日本の会社も1社ぐらい入りますかねえ。しかし「乗り入れ禁止」ってすごいね。 ちなみに持論ですが「航空会社の安全性」ってのは技術だけじゃなくて、運用・経営も含まれますよね。行き過ぎたリストラ、経費削減で、作業工程の間引きや低品質の外注企業への作業依頼なども原因で。 例えば一連のJAL問題ですが、JALだけの問題ではなくて、裏ではANA側にも問題が波及してくるかもねえ、ってことですね。まあこういうことは羽田や成田の近くに住んでいる人ならなんとなく判ると思うけど。

■指先10本の動きで入力する未来型?キーボードが発売に http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20050305/etc_palmpads.html すごい古いニュースかと思えば今年の3月か…。実売価格は108,000円とはありえない価格。こんなにお金もらえるなら、オーダーメイドのマルチモーダルキーボードを作って売ってあげるよ…私。 思うに、この手のブツを造る人は、なんかのSFの読みすぎか、本当に好きで、自分がほしいからやってるとしか思えない。キー入力速度を飛躍的に向上させようとするなら、現在のシーケンシャルな入力を再考しないといけないし、ユーザビリティを向上させるなら、もっと別のアプローチがあってもよさそう。

■最大300分のコントローラ操作を記録・再生! 「連射まんまミーヤ! 2」 http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050825/ggl.htm これ買ってください>先生 もちろんRoboGamerの研究用に…。

■シリコンチューナと“GameBridgeテクノロジ”を搭載した超小型USBTVチューナ/キャプチャユニットが玄人志向から! http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2005/11/25/659267-000.html http://www.kuroutoshikou.com/products/tvcuner/krtv-agb_u2fset.html http://www.adaptec.co.jp/news/pr051122.html 「玄人志向」というブランドは、その驕り高ぶったネーミングからしてあまり好きではなかった。そもそも「志向」というより「嗜好」とか「至高」としたほうが小粋な感じがするじゃないか。 それはそうと、この「GameBridgeテクノロジ」はすごい。開発はアダプテックなのに自分のところで出さないのがまたすごい。具体的には「外部ビデオ入力の映像と音声の表示遅延時間を最小0.07秒まで抑えた」という。つまり現状の「PCによるキャプチャではアクションゲームは無理!」という結論に真っ向から挑んだ製品といえる。ちなみにこの「キャプチャによる画面遅れ」というのはデジタル処理をする上では避けて通れない問題で、0.07秒のディレイということは、14.29FPSで1フレーム遅れ、という計算。上述のコントローラなどの測定例ではこれでもまだちょっと画像→入力に対するサンプリング理論を持ち出すとスペック的には足らないことになる…がこの「フレーム遅れ問題」に気を使った製品がないのが現状なのです。 というわけでこれ買ってください>先生 もちろんRoboGamerの研究用に…。

■自主制作3DCG-SF映画「StarWreck」 http://www-fi3.starwreck.com/ とても自主制作とは思えない怪獣映画が出たばかりですが、今度はSFが。しかもDivXやBitTorrentといった「すばらしいけどあまり有名じゃない技術」で配信しているのがすごい。 ちなみにBitTorrentとは先進のP2P技術で「ダウンロードされればされるほど速くなる」という「元気玉」のようなP2Pダウンロード技術。

■『CEDEC2005レポート』発売開始のお知らせ http://cedec.cesa.or.jp/headline/1003.html これもあまり新しいニュースじゃないんだが、CEDEC2005トップからのリンクがあまりにもわかりづらいので直URLをメモ。 CEDECの参加費に対する購入価格の割にはお得感がある資料。

■超高速旅客船の転用浮上 米海兵隊輸送など想定 http://www.kahoku.co.jp/news/2005/11/2005112401000202.htm 東京都の開発した謎の高速艇(ガソリン代が高すぎて通勤には使えない)は、結局米軍が接収してしまうことになるかもしれない。

■ubuntulinux http://www.ubuntulinux.org/ 海外青年協力隊で東アフリカでがんばっている人が「フランス語で書かれたWindowsの教科書を知りませんか?」というきっかけで再度思い出したアフリカでの使用も想定したUbuntuLinux。いつの間にか日本語版のディストリビューションも出てる。 http://www.ubuntulinux.jp/ 「イイ感じで使える」とはなんだか良くわからんがいい表現。IPAモナーフォント同梱でAAもばっちりらしい。 ちなみに上記の青年はとっくにCDROM頼んでたらしいが届くのに3ヶ月かかったらしい(事務局のせいか、物流のせいか知りませんが…)。さらに街の中は違法コピーWindows(95/98/ME)があふれているらしいし。無料で使えるLinux事務環境のインパクトは大きい。

■OLPC 100ドルPCの稼働プロトタイプ http://japanese.engadget.com/2005/11/18/olpc-100-pc/ MITメディアラボのニコラス・ネグロポンテ率いるOLPC (One Laptop Per Child, 子供ひとりに一台のラップトップ)がAMD, Google, Red Hatなどの企業と進めている100ドルPCの稼働プロトタイプが公開。 あくまで個人的な意見だけど、ハンドル充電は本体につける意味あるんだろうか?手回し充電器や太陽充電パネルと電源を互換させたほうが、故障が少ないのでは?とか、何で電力消費が大きいカラー液晶にこだわるんだろうとか、疑問多し。活動のパフォーマンスとしてはいいのかもしれないけどねえ、それこそMITメディアラボ式なのかもしれませんが。 たとえば今の技術で$100切る子供向けPCを考えたら、GBAやNintendoDSにキーボードとOSつけたほうが良いかもしれん。消費電力もバッテリも汎用性もあるしなあ。特にGBAなんて、ミクロやDSのおかげで、先進国ではゴミみたいな存在になっちゃってるしなあ。私が任天堂の偉い人orお金があるなら、こいつら回収してOSとキーボードつけて$100以下で売るけどなあ。