今回のTBステーションは、けっこう抽象的でいい話題。

「とりあえず留学したい人に」ねえ。

とりあえず、で留学したい人というのは、その時点で目的不明瞭で、お金と時間がある人ってことだよな。

あとはとにかく日本社会が嫌いとか。

私からのコメントは、

まずは通訳や語学の仕事をするのでなければ「語学留学」というのはどうかな、とおもいます。

もちろんそれが目的なのであれば、よいと思いますが、特にその後の目的も専門もなく、語学留学するというのは、遊びに行くようなもので、それは「留学」とは言わないと思います。

せっかく教えてくれる先生も、張り合いがないです(諦めている人は多いでしょうけど)。

フランスに来る人は、そういう意味では語学留学って結構多いわけです。

あとはファッションとか映画とか、絵画音楽など文化関係。

どういうわけかパリしか学ばないでフランスを語っていたりするわけですが、まあ半年ぐらいの滞在では周囲の町や人しか触れる機会がないですから、仕方ないですね。

さらに言うと、最初抱いていたフランス=パリのイメージをそのままに、帰国してフランス風邪を吹き巻いている人とか、けっこういないこともないですが、私の知人では芸術関係でパリで貧乏生活した経験がある人は、往々にしてよく学び、人脈をしっかりつ作っていますし、官僚主義のキツさをよく知っています。

さて、専門がある人は「英語圏か否か」という問題は真剣に考えた方がいいと思います。

ただなんとなく英語が使えるから、米英(+豪、カナダ)に行くというのも何だか留学の精神としては中途半端な気もします。

アジアの場合は英語が使えますが、また話が違いますし、むしろいい留学先も多いと思いますし。

国際ステージで活躍できる能力があれば、英語は必須能力ですから、名の知れた大学や研究所であれば普通に仕事ができると思います。

なので、あえてその街が非英語圏であっても臆せず留学先として検討したほうがよいと思います。

つまり欧州のような環境です。

文化や常識が全然違うので、学ぶことが多いです。

あとは有名大学の有名な先生というのは日本のそれと同じく、非常にお忙しいので、それだけを期待していくのもどうかとおもいます。まあ本人の素質と表現力があれば、指導してくれるとは思いますが。

また研究室のお金周りの問題も大きいです。

私は恵まれているとはいえないな、と勝手に思っていましたが、フランスの研究環境はかつてない経済的困惑状態にあり、最近では私はまだ恵まれている方だ、と思います。

というわけなのでパトロンを日本に持つことは大事だと思います。

もしくはかなりの額の貯金はあったほうがいいと思います。

そういう意味ではジャンルにもよりますが、日本で国内留学するというのも、本人の意識しだいでは、非常に有意義であるともいえます。