DCEXPOやIVRC決勝に向けて、ものすごい忙しいです。科研費申請とかもあるし。 そんな中、任天堂が電撃発表してくれました。 【初公開映像】Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ) 【Nintendo Switchホームページ】 https://www.nintendo.co.jp/switch/ 動画に含まれる情報は公開日時点のものです。 https://www.youtube.com/watch?v=vvaQENG7lBI これをみた直後の感想。 https://twitter.com/o_ob/status/789115990357401600
どうしてそんなどうでもいいところに目を向けるの?
と思うけど、これはヒューマンインタフェースやデバイス屋なら当たり前だと思う。 現MSRAの福本先生なんて、かつてKinectのティザー動画が公開された時に「あんなふうに高速にギア変えても認識なんてできんぞ!」とおっしゃっていた。 ゲームの歴史の中で、発売前のゲーム機のティザー、コンセプト動画でいちばん秀逸なのはこれだと思う。 https://www.youtube.com/watch?v=KTOgsoxIyZw ゲーム画面なんて一切なしでいいのだよ、ゲームをプレイするペルソナを描き、過去の名作のSEだけでいい。プラットフォームは「人々がどうプレイするか?」を設計として描ければいい、もちろん来年の3月に発売するゲーム機なのでコンセプトどころか「どんなゲームが出るか?」を出さねばならない時期なので、NXが発表されるタイミングにはちょっと色々疑問がある。岩田社長の急逝やポケモンGOの存在なども関係あるだろうか。 そもそも任天堂の据え置きハードは、Wii「WiiFit」以来、自社タイトルだけでプラットフォームを引っ張っていこうとする傾向がある。ファミ通のランキングを毎週見ているとサードパーティがなかなかWiiFitに勝てない状況が長く続き、WiiUではそれが「スプラトゥーン」だった。スプラトゥーンが出る前はもっと大変だったということなのだけど。 最近はWiiU版「マインクラフト」がちょっと頑張っている。そもそもマイクロソフトって任天堂のライセンシーだったのか、ちょっとびっくりだぜ。 話をNXに戻すと、自分のTLでは「VRの話は一切なかったな」とかも見かけますが、いやいやどうでしょう。 こんなおもしろいアイディアも飛んできています。 https://twitter.com/SkySpyer/status/789189184699322369 夢は膨らみますよね。ほんと。 自分が動画後半のスプラトゥーン的なe-Sports大会的なパートを見ながら思ったことは。 「たくさんSWITCHをくっつけて、DSどころか255台連結できます!」ってオチかと思った…のですが、とりあえずそういう映像はなかったです。 でも、実際のところ、WiiリモコンのI2Cコネクタですら、サードパーティは作りきれなかったわけで。デバイス屋としての視線で見ると、現状のゲーム開発者マーケットの中で、樹脂成形を起こせるペリフェラルやさんと、大きめのタイトルを作れるソフトウェア開発者の融合は全然起きない感じがします。 それはCEDECで毎年のように展示している本当に感じる、コンシューマゲーム開発者はハードに弱い。そもそも想像力や開発力、サプライチェーンがない。言い換えれば「コンシューマゲーム開発者はハード(外装〜プラットフォーム)に弱いからコンシューマやっている」とも言えるのではないだろうか(自社でハード作るバンダイとかセガとかは除く)。 それにLogitechからスマホを挟んで使う形のゲームコントローラ「G550」のような製品だって出ていますよね。 スマホでできることを、いまさら任天堂がやる意味ってなんだよ!ってことです。 だからと言ってこういうペリフェラルを他者がおいそれと開発できないことを天下の任天堂ハード開発者が考えないわけがない。これは課題中の課題なのだと見た。
冒頭の「両手外しは無理だろ!」と突っ込んだ私ですが
要は、サードパーティが「釣りコントローラー」のような製品をポンポン出せることが大事ですよね。 VR、正確にはHMDとかも流行りですけど、NXのコンセプトならヘルメットにガチャっと画面部分を突っ込めば、今の市場に溢れている中華HMDぐらいは作れますよね。 そもそもこれからの家庭用VRは「子供向けHMD」を開発せねばならないので、3DSで長年の知見と苦情をため込んだ任天堂としては、あえてS3DなHMDを発売して轍を踏むのではなく、2Dスコープな(ステレオ3Dではない)HMDにするという判断もあり得ると思います。またステレオ視における眼間距離の問題だけではなく、頭の大きさが違う子供達なども解決する必要があります。 でも、電気的な信号のやりとりとか同期とかAPIとかの設計が難しいし、電源供給とかも考えると品質保証を誰がどこまでやるのとか考える必要がある。そもそもWiFi, Bluetooth, IoTやスマホネイティヴの時代に、中央集権的なゲームコンソール作ってどうするの?という考え方もある。 そこまで考えたところで、調査をしていたらIGNによるこんな特許の発見がありました。 http://jp.ign.com/nintendo-switch/5472/news/nx USPatent20160231773はゲーム機本体とボタン部分の通信に光を使うという特許。たしかにBluetoothのような不安定で保証がなく過密環境に弱い無線通信方式に比べれば、ラスト1cm以下の通信方式として、任天堂の赤外線通信は30年以上の歴史を持つ安定した技術。しかも「本体重いのでは?」という私の冗談も、コントローラ部分がただの樹脂なら納得もいく。どうやって給電しているのかは気になるけど。 さらにUSPatent20169364755という新しいセンサーバーに関する特許も発見。センサーバーは過去のWiiにおける「ただの赤外線LED」ではなく、奥行きカメラになるのだろうか?もしかするとスタートラッカーのような方式で画面がついたゲーム機側からTV側に置かれたセンサーバーを見るような形になるのかもしれない。 家庭用VRにおける先陣は任天堂がバーチャルボーイで派手にぶちかまして、その後SONYがグラストロンでたくさん知見を積んで、PSVRで切り拓いたのだけど、今後もその「よき戦い」はどんどん続いて欲しい。具体的には「家庭内VRで十分な平行移動を!」と考えると、ケーブルは全面的に亡くなった方がいいし、トラッキング精度はもっと上がった方がいい。 そんなわけで、Nintendo Switchにはスイッチどころか電極がない上に家庭用VRへの可能性を感じるのです。 「スイッチ」という名前は、まさに 『ゲーム機の電源を入れてもらうために』あるのかなと思います。 http://www.1101.com/nintendo/wiiu_talk/2012-12-24.html https://twitter.com/o_ob/status/789118394205216769 夢は膨らみますよね。 https://twitter.com/ktwfc/status/789427671960694784 ↑くつわさん、素敵なドット絵ありがとうございます。