相変わらず超長いBlogエントリーを書いてしまいましたが、ポケモンGOをもう一度ちゃんと楽しむノウハウ集になっている感じです。続きもありますが皆さんの反響次第。
横須賀から学ぶPokemonGO再考
まず今日は、横須賀市さんの企画 ▼リアルワールドゲームを楽しもう!~安心・安全に「Ingress」や「Pokémon GO!」で遊ぶために~ http://www.cocoyoko.net/event/literacy.html の打ち合わせで横須賀遠征だったのです。 ポケモンGOを3次元的に楽しむ&位置情報ゲーム世界で町おこしノウハウや、社会問題になりつつあるプレイヤー文化どうにかせねばと日々研究している事もあって協力させていただいております。ちなみにNIANTICさんも協力で入っています(詳細はまだ語れませんが)、ありがたい。
横須賀すげえ。覆されまくる横須賀への偏見
さて恥ずかしながら横須賀市って(横浜生まれにとっては)近くて遠いし、JRと京急でも駅違うし、あんまりしっかり観光した記憶がなかったのです。三浦半島・三崎口まで行く途中って感じで。 研究クラスタとしてはNTT光の丘に用事あったり、JAMSTECとかは行くけど。 海軍カレーとかは聞くけど、ミリタリー属性も高くはないし。 でも行ってみると横須賀って微オタからオタク研究者から艦これ厨からB級グルメぐらいまで含めてかなり楽しめる街だったのですよ。 艦これコラボカフェ「酒保伊良湖」が市役所すぐそばにオープンしてました。 ▼横須賀にオープンした常設型「艦これ」コラボカフェ「酒保伊良湖」をレポート。にじみ出るこだわりが強すぎて,ご満悦度は高い(4gamer) http://www.4gamer.net/games/205/G020591/20160728093/ バンダイとナムコと、それからシダックスさんがやっているので、食事もちゃんとしていて、各艦娘が「沈んだ月」がテーマになってて、「7月は島風」って、オープンしてから3日ぐらいしかないのに ぜかまし愛を表現していたりするんですって(市役所の人談・ほぼそのまま)。なんだかすごい。
IngressとポケモンGOと電池とケーブルを持って出かけたい街
[caption id=”attachment_28257” align=”alignright” width=”222”] 横須賀中央駅から見たポケモンGO世界[/caption] [caption id=”attachment_28263” align=”alignleft” width=”469”] 横須賀市役所近辺のIntelmap[/caption] まず平日昼間の横須賀中央駅前からの眺めがこの賑わい(ポケモンGO世界)。ちょっとした中規模都市の風景ですよ。とても海の近くとは思えない。 街の至る所からひしひしXMを感じるのです。 銅像とかアートとか、街を特徴づけるようなXM資源がとても多い上に、ローカル色の強い飲食店なども多い。もちろん景色も綺麗だし。更に言うと米兵さんとその家族も多いので、Ingress好きそう。 街の至る所からひしひしXMを感じるのです。 さすが市役所が支援するだけのことはある。 知らない人のために、横須賀のIngress観光資源化を紹介しておきます。 もちろんそんなシンプルな話ではなく、はたから見ていると「横須賀に昔から幅を利かせていた青と、それに喧嘩を仕掛けた緑のヤクザの抗争を、一人の女エージェント(市役所職員)が仲裁に入って一山当てた」という話でしょうか。うーんどうだろ。そんな血なまぐさい話ではなく、ちゃんとIngressを使って観光開発しています。少なくとのその時の経験や人脈は大変生かされている。 ▼STRATEGY BASE FOR INGRESS IN YOKOSUKA http://www.cocoyoko.net/ingress/ ▼Mission Day Yokosuka http://ingressyokosuka.blogspot.jp/ ▼1人1人が作り上げた「Ingress Mission Day」、横須賀に2000人集まった日 (2015/11/2) http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/728611.html 追記:そしてもちろん ポケモンGO も。 ▼無人島なのにポケストップ充実!ポケモンGOが楽しめる島(しらべぇ・2016/8/3) http://sirabee.com/2016/08/03/148150/
横須賀の町を歩きながらポケモンGO総括
忘れもしない2016/7/22の10時頃リリースから、日本中が大騒ぎになりました。あの日からいろんなものが破壊され、変わって変わって変わり続けています。創造主John Hankeにありがとうを言いたい。 横須賀の町を歩きながらいろんなことを考えていました。
ポケストップ削除の前にちょっとストップ
ポケモンGOリリース以降の日本列島は大フィーバー、社会現象な1週間でしたが、こんなこと、「ゲームが社会を動かす」って私の記憶にある限りでは、インベーダーとパックマン以来の出来事です。ドラクエII・IIIの時もすごかったけど世界同時的な動きではなかったし、せいぜいカツアゲと徹夜ぐらいです(それのおかげで高校受験を棒に振りましたが)。 「ポケモンのIP」のおかげ、っていう人もいますが、どうでしょうか。 ポケモンに興味がない人にとっても面白そう!って思うことはこのスマホの時代にはめったに起きていなかった、ってことかもしれないですよね。おじいちゃん・おばあちゃんで携帯電話持つ人が、否応なしにスマホに置き換わっている時代というのも背景にはあると思います。 ポケモンGOのグラフィックスやモデリングなども地味によくできている、育成大好き、収集大好きな人にとっても面白いと思う。でも、ポケモンGOの「歩いて収集」を成立させるインフラであるポケストップやジムを作った人は誰かというと、Ingressの時にものすごい熱心なエージェントさんたちがいたおかげです。 いや過去形にしてはいけない。 カレーの町よこすか・カレー専門店「ベンガル」と「スカレーさん」です。 カレーだけじゃなくて蕎麦屋とかもありました。 横須賀の街並みにはこの手の店舗ポータル/ポケストップがとても多い。 Ingress時代でも「ひとの集まる場所&ローカルビジネス」で商店は申請可能だったけれど、中々採用されないのです。気合(解説)と人x件数と気長に待つ必要があった。天の恵みです。 しかも、NIANTICの源泉であったはずの集合知・ポータル申請も現在では機能が停止している状態です。 参考:Ingress これからのポータル申請・審査を考える。 https://charingress.tokyo/7517 この原稿を書いているその瞬間にも、ポケストップ削除が本格的に動き出しているようで、シドニーからもこんなニュースが舞い込んできました。 IngressからポケモンGOに全てのポータルが転生したわけではないので、いま「店や家の近所にポケストップできた」と言っている人は、先ずは2-3年前に熱心だったプレイヤーがそこにいたという「彼の記憶」であって、まずはその行為に感謝した方が良いと思います。 まあ見た目はどう見ても不審者でしょうけど…。
ポケストップ・ジム削除は集合知による刈り込み?
確かに高速道路上とかはそもそも危険を増長してますし、TPOを考えれば平和記念公園も避けられるべきかもしれない。そもそもIngressでは神社仏閣はポータルとして推奨されているスポットのように見えていましたが、プレイヤーが多いとその感覚も自由ではなくなるようです。 ポケストップやジムの削除はNIANTICの公式ホームページから削除申請できます。 どう見ても人力ですが、人間によるプライオリティが設定されているだけ、削除希望派には配慮ある設計と考えたほうがいいように思います。増えすぎたポータルを集合知によって刈り込みするという設計なのかもしれませんが、どうなんでしょうね。 うちの近所にはIngressがだいぶ流行り終わった後に、小中学校の通学路にポータルが生えました。危険という理由で削除申請しましたが、未だに生えていますし、ポケストップにもなっています。 削除は申請できても実際に削除されるには時間がかかると思いますし、逆に生やすのはとても難です。不可能と言ってもいい状況です。 まずは削除申請したい人は、流行りが去った後まで待ったらいいと思いますよ。落ち着いて。 根本にある問題は「人が多すぎる」ということでしかないのですから。
生えるならジムよりポケストップがいい
かくいう私も「相模Ingress部」なる活動をしておりましたので、近所の集落や職場の周りにはたくさんポータルを生やしました。ごめんなさい。今は昼間でも夜中でもいろんなトレーナーが徘徊していて微笑ましく眺めているのですが、正直”人多すぎ”です。ごめんなさい。閑静な住宅街に、女子の一人歩きとか、酔っ払いとか、車運転したままプレイとかごめんなさい。 特に「ジムは邪魔くさいので御愁傷様」と思います。 エージェント(=日本語で言うところのスパイ)がコソコソ活動しているIngressと違って、ポケモンGOに一生懸命になっているゾンビ達は、パチンコ屋から出てくる射幸心煽られまくりで疲れた人たちと同じ目をしています。 ジムと違ってポケストップは商店にとっては良いです。ルアー入れれば確実に客寄せになるし、客が来たら赤提灯的にルアー入れても良い。桜吹雪で花見風なのもいいし30分ぐらいの有効期限&他プレイヤーへの付加価値提供は意味ある。 でも、ジムは喧嘩の種になるから今のところ様子見したいです。 ちなみに今日はジムでこんな感じでピッピの支援技?のようなものを発見。なんか応援している。 https://twitter.com/o_ob/status/760396527139295232 謎が多いジム戦ですが、結局は力の誇示と課金アイテム”ポケコイン”が入手できるという設計なので、ゲーム設計上の諸刃の剣です。数十円でもお金の価値があるものが設定されると人間は頑張ります。 ジム戦全てが否定されるべきではないけれど、これは公園のような「人が多すぎる」という問題とは少し違います。深夜の女性ひとり歩きや馴染みの商店・飲食店、”家の前”など身バレや声かけなど個人特定されると困る要素のほとんどはジム戦を中心に発展する「力こそが正義」の世界観が問題です。数は多くても少なくても、相対的な力の誇示が。 Ingressでは慣れている感覚なのですが「相手が反抗したいと思わなくなるまで叩き潰す」がPvPの真の勝敗ではないかなと。要はデビューしたり力を誇示するなら勇気いるって事。さらにゲームの中だけでなく、脇や背後にも注意ですよ。 https://twitter.com/o_ob/status/760110072135491584 ソロプレイ女子など”声かけられたくない人”にわかりやすい印が必要と思います。 もしくはジム戦しない。所有や縄張りの意識を捨てる。その勇気も重要。
もしあなたの家の前にジムができたら?
レベル上げたい、強いポケモンを育成したい、お前も同じ陣営だろ参加しろ、「五重塔のようになった我がジムは眺めが良いなあ!」とかいう気持ちはやっている方は楽しいかもしれませんが、そんなもん家の前に作られたら、家の前にヤクザの事務所ができたような気持ちになりますよ。年がら年中、”鉄砲玉”がスマホ持って家の前でウロウロしているのですから! 少なくとも自分はまともにプレイできなくなりますよ。 もう一度書いておきます、ジムの削除申請はこちらです。
そんなわけで横須賀はすごい
Ingress&PokemonGOガチ勢の皆さんはここまで読んで「そんなん当たり前だろ!!」って言ってそうですが、横須賀はすごいと思います。岩手も神戸も、それから鳥取も。Ingressでの経験が見事に生きているわけです。鳥取は「現代版・木を植えた人」に相乗りした形ですが、それでもフットワーク軽い自治体はそれだけで素晴らしいと思います。 横須賀の街中でプレイする人たちをウォッチしていますと。買い物帰りのおばちゃんや、中高生、米兵さんやその家族・・・たくさんの人々が市民権を得ている感じがします。 自治体の仕事というのは税金です。公(おおやけ)の仕事にするということは、数々の問題に取り組まねばならないわけです。いろんな視点がある人の意見を聞いて、それでも新しい取り組みに挑戦して、新しい価値を認めつつ、街を時代に合わせて変化させていかなければ、その先は「ゆっくりとした死」しかないのです。 深夜女子の一人歩きの問題も、「歩きスマホ危ない」、「ゲームは個人の楽しみだろ!」という考え方の人々も、結局は都市という人々が集まる集積地に暮らす問題を明らかにしてくれています。たくさんの人々がいるから問題になるのです。 そしてこの手の自治体は、異なる考え方の人々が同時に住むホームタウンが成立するように、常にアンテナを伸ばして頑張っているのが素晴らしいと思います。 https://twitter.com/o_ob/status/758952232138137602 私も行動力の割に影響力が全然ない、いちプレイヤーです。 だからこそこうやって筆をとって書き残しています。 ポケモンGOのおかげで、世の中の変化スピードが加速しています。 続きます。 あっ、冒頭に書いたイベントは8月21日に本当に開催しますよ。 一般の人は予約制なのでお早めに。 メディアの方も是非是非。 ▼リアルワールドゲームを楽しもう!~安心・安全に「Ingress」や「Pokémon GO!」で遊ぶために~ http://www.cocoyoko.net/event/literacy.html <関連投稿> http://aki.shirai.as/2016/07/pokemon-go-ingress-vr-ar/ https://twitter.com/o_ob/status/758856226016854016