16:00- 野口光一 東映アニメーション デビルマン 最終兵器彼女 男たちの大和 俺は君のために死にに行く  この頃からアニマティクス、PreVizに対してお金が出るようになった。 仮面ライダーディケイド(紹介) 飛行機の映画  カットに対してアニマティクスを作っている。  ミニチュアも一部使っている尾翼など  ただ最近はミニチュアはお金の問題であまり使わなくなっている。 スピーシーズ3(はじめて関わった映画)  ストップモーションのマペット 松木靖明(アイデンティファイ)  プロデューサーサイド、制作サイドの理解なくしてはあり得ない。  5年前ぐらい、CMの企画コンテのあと演出コンテを作ったあとでは取り返しが つかないので、演出コンテに参加している。 SEIKO『時を超える』  当時のフッテージをつかって、着色、新たに走るランナーと合成。  撮るアングルと時間を割り出す作業もPreVizといえる。 ハイチュウのCM  ラジコンヘリで300人の子供を3000人に増やす。  撮影時は神宮球場でジャンボトロンに映像を出している。  ヘリで撮影する会社が撮影できるかどうか保証しなければならないので、シ ミュレーション。  算出した条件の中で監督にお願いしている。  子供たちのギャラも計算で出るのでシビアな世界。 ジョージアMAXコーヒーのCM  人間がフォーミュラカーになっているもの。  実際の動作台の撮影場所なども全部PreVizで設計している。 ソフトバンクSMAP  カメラが何メートル引けるかをシミュレーションしている。  クレーンでやると無理(AKERA)、とか、  議論のたたき台としてのPreVizをつかっている。  北海道で撮影。 UNIQLO『去年までなかった街の景色』  白いニューヨーク  立込を設計するためにスタジオぎりぎりまで使いたい。 JAVATEA  巨大化金城武さん、サイズも計算。  方程式で計算してもそれらしくは見えない まとめ  PreViz作業自体が認識されるようになってきた。 『プレビズ再考』 福本隆司(リンクスデジワークス) プレビズとは=イメージの設計図 映像の最終イメージを構築するために従来の絵コンテやビデオコンテよりさらに 具体的に映像によるイメージの設計作業を行うこと。 古くはアニマティクスやダミーの役者、ミニチュアを用いていた。 誰のためのプレビズか?  クリエイティブ(品質)、および予算  監督:どういう映像を作り上げるかということを正確にシミュレーションし、 スタッフやキャストと共有する。  プロデューサー:監督をコントロールすることを主眼とし、予算やスケジュー ルを管理する。  VFX制作会社:制作や予算が限られた作品で、VFXの内容を確定(品質を保証) する。   ピッチビズ、ポストビズはVFX会社が仕事をとるために、という感じに新し い言葉が生まれている。 企画プレビズ、演出プレビズ、VFXプレビズ、撮影プレビズ ポストビズ  プレビズの応用発展系?  実写の撮影後に行うCG簡易合成およびオフライン作業、必要不可欠な行程にな りつつある。  実際には撮影までの間にPreVizする余裕がない。ポストビズを行うことで、CG 制作とは別に、オフライン作業を進めることができる。CG制作においてもガイド ができるので手戻りが生じない。 カムイ外伝のはなし 第2ラウンド 田村:3つのプレビズについて、どのようなところで使っていただくべきか? 斉藤:監督としては現場と共有するプレビズ。自分の頭の中にしかない映像をMR 技術を使って作って、プレゼンさせていただく。自分のビジョンを伝えるための ツール。プロデューサープレビズについては日々の仕事が忙しすぎて、理解して くれそうにもない。プレビズ技術を理解したプロデューサーが右腕にいてくれれ ば。プロデューサーが使うプレビズに行く前に、プレビズを理解されてほしいと 思う。 田村:理解されない、言葉も知らない、ということは勉強もしてないということ? 斉藤:誤解を恐れずに、ということでいわせていただいたのは、そうなんですけ ど、知らないというよりも、なかなかそれを実要するに至っていない。 野口:最初は技術的にできるかできないか、というために使っていたが、最近で は監督のために作っているのでは、というところがある。監督は意外と悩んでい て、孤独だったりする。監督とのやりとりのためにプレビズをやっているという のが最近かなと思う。 田村:我々の場合は最後は実写なのに、やっている。野口さんはVFXとして? 野口:VFXとして予算を管理するためにやっている、というところなので。あと はMRプレビズだとカメラさんにとってよいと思います。 松木:1,2,3とある項目を整理しますと、1はクリエイティビティ、監督が 技術的にシーンをどうするかというよりも、演出家としてのシーンをどうするか の方に責任がある。2は予算に責任がある。3は技術が成立するかどうか技術的 な現実性について責任を持つ、ということなのかなと思う。DOP(Director of Photography)の責任ってありますよね?どういう画をとるかというのはDOPに一 応責任がある。2番目に責任がある、美術セットも照明も。その方に理解してい ただく必要があると思う。自分たちは最近PreVizとセットで見積もりも出す。 スーパーバイザーという権限を行使するのではなく、みんなのコンセンサスの中 でやっている。それはできません、スケジュールがないので、など。それはプロ としての意見で、技術的なノウハウの結集。じゃあそれで行きましょうというと きに、どの方法で行くのが予算に見合うか。シミュレーションで行くのが精度が 高いが、たいてい予算がかかってしまう。予算をかけない方法もサブプランで出 す。画に関わる部分などはプロデューサと監督の間でやればいい。次にプロジェ クトが進むためのワークフローで再検討する段階で必要となるもの。映画だった ら映画のチーム全体で共有できる事前打ち合わせ。ツール化するのは大切。定義 をするのも大事だろう。これが完成、ということはないだろう。どんどん使って いるうちにいろんな要望が出てくるだろう。 福本:松木さんは大事なことを言われていて、予算とトレードオフなんですよ。 何とトレードオフするかというと、美術費だったり、撮影照明だったり。現場で 詰めておいてくれれば。VFXプロデューサがコスト、スケジュールでブレイクダ ウンできる。そういう風に発展させていくべきツールである。 田村:なかなか理解が得られない、ということですけど監督。プリプロダクショ ンにお金かけたら、全体を縮めなければならないとなったら? 斉藤:自分のやりたいビジョンがプレビズ通してしっかりプレゼンできれば、監 督の画では出てこない、美術費でだいぶ削れるといったことがあると思う。 田村:撮影日数削れますか?という場合は? 斉藤:かなり状況によるかなと思います。結果よくなるというのがわかっていれば。 田村:結果がいいかどうか誰が判断するんですか? 斉藤:プロデュースが判断するということなんですが。今の状況なら撮影日数が 多いほう、プロダクションに予算が多い方がやりやすいですね。 田村:私らは技術を作って使いたい人が使ってもらえればいい。しかしプロ デューサのせいにしてもなと思う。 福本:これから公開される映画なので見せない方がいいかなと思うので… 田村:見せましょうよ 『カムイ外伝』メイキング 撮影された素材がどう撮影された映像かわからないまま作ったポストビズ、とし てみてほしい。 撮影状況を考慮しないと、いけないような素材を預かった。そこから素材の整理 から仕上げまでを4-5ヶ月でやる。 実際の撮影された素材に合わせてCGをつくっていくという、あまりないこと。 田村:私はガロでカムイ伝、サンデーでカムイ外伝を見たのですが、よくできて いたと思います。 <質問タイム> 秋山:MRが最近、マイブームになっていまして。現場でみながら撮影できる可能 性というのがかなり見えてきたので、そこは非常に限られる演出、あるいみアク ションとかVFXを多く含んだシーンについては使えると思ったのですが、実際の セットアップのスピードとかは実際経験しないとできないなと思いました。斉藤 監督の、はじめて関わったとはおもうのですがイライラ感など、どれぐらいまで 改善できるのかなどについて聞きたい。 斉藤:現場でのセットアップにかかるイライラ感というより、ドキドキ感。じゃ あこれを通常の予算繰りとスケジュールの中にテックスカートやロケハンでか かったらイライラすると思うし、現場独特の空気で課題が残るところだと思う。 正直終わった後にいわせてもらって、天目さんの簡易化、という方向に進んだの は方向としてあり得ると思う。 田村:いいわけとしては大学として当たり前なのですが、国立研、メーカーで画 像処理をやってきた。待ち受ける研究所が大きいと、順番を待ってくれる。今は もうワンクッションほしいと思う。本気でこの業界の方が関わってくれるなら、 リアルタイムのマッチムーブ、などツールをいじくるだけではできない、もう ちょっと先のあたりをトライを、させていただくことによってよくなると思いま す。私が後ろでイライラしていましたから…ちょっとやりなおせばすぐだと思い ます。 為ヶ谷:田村先生に質問してもいいですかね?先ほどお三方に実際のプロダク ションの中でプレビズをどうやって、というお話をお聞きしたのですが、松木さ んは企画をとるところから力を使っていこうというPreViz、クリエイティビティ を高めるプレビズというのもある。そのような方向性がある中で、いま田村先生 が進めている技術開発という部分と、将来性という意味で、どう進めていくの か。また先ほどHDTVなどいろんなレベルですすめていこうというところは優れて いると思う。実際に使う場面のニーズにどういう風に進めていくのか。 ある意味では1年半で終わらないところをどうしていくのか。 田村:よいしつもんですねえ、為ヶ谷先生は領域アドバイザでしてうかつな回答 ができない。こちら側から進めてすぐ使えるわけではない。その辺の猶予はいた だきたいなと思う。大学では要素ですから、いろんなプロビズがある。誰のため の、というのをどこまで絞れるかは難しい。松木さんや福本さんにもう一段階 使ってほしいと思う。そのビジネスモデルの中で何をしたらいいかについて意見 を求めたい。あらゆる万人むけではないので、有識者に意見を求めたい。プログ ラムをもらって、何もないよりは進めやすい、といったところでコストダウンで きるといったところでプロジェクトの最後でやっていきたい。私はもう定年です から、国は、もう一段階応用していただきたいと思います。 白井:育てた人材はどのような戦略で? 田村:ずばり申しますと、今私たちの学生に映像制作業界に受け皿がない、むし ろ技能者ばかりを求めている。すぐにそういう人間を採用してくれるキャパがな い。底上げするには優秀な人材の数を底上げする必要があると考えている。J- LEAGUEのように。大島先生の映像学部が工学と融合することで、ということは考 えている。この技術を学生の卒業制作に使わせてほしいといった芸術系他大学と のコラボも歓迎である。これもワンクッションおいて、ということが大事だと思 います。 秋山:既存のカメラに対応するのは難しいのでしょうか? 田村:持ち運びのレベルとして3つある。3つとも作っている。時代時代でその ときの。信号をキャプチャーカードに入れているだけなのでカメラは選ばない。 :斉藤監督に質問なのですが、HMDをかぶって、という方法は映画制作のPreViz には使えるデバイスでしょうか? 斉藤:僕の個人的意見ですが、実際に映像として写る機能として使えると思う。 裏の実際のセットとの融合、背景としてしか使っていないところもある。美術部 と協力してキャラクターの出入りの表現などでも試してみたいと思う。 17:33終了