mixi限定日記…のつもりが長くなってしまったので掲載。 ■昭和シェル石油、津のGSで10年間ハイオク誤給油(読売新聞 - 09月20日 14:02) http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=90293&media_id=20 (読売と朝日へのリンクはわけあって下の方に用意しました) — 石油元売り大手の昭和シェル石油(東京都)は20日、津市戸木町のガソリン スタンド「久居インター西店」で、約10年間にわたり、ハイオクガソリンを販 売する際、一部でレギュラーガソリンを給油する間違いがあったと発表した。 同社によると、1996年12月に同店を改装した際、3台ある計量機のうち の1台で、施工業者がハイオク用のノズルの配管をレギュラーのタンクに間違え て接続したのが原因という。 先月27日、同店で給油した客から「エンジンの調子が悪い」との申し出があ り、接続ミスが発覚。調べたところ、1日あたり約50リットル、総量で計約 166キロ・リットルを誤って給油していたことが分かった。 — 「間違えて」という内容がPOSのジャーナルなどでわかるのであれば、それ以前 に、月報で入荷量と売上げをつきあわせればすぐに発覚するはず。 タンク洩れや安全上の理由、従業員の着服、法律上から誤差もほとんど認められ ない業界なのに。 パイプを間違えて、なんてのは理由にならない。 これが軽油だったら大事故だよ。 販売量からしてもおそらく直営の大きなGSではないのかもしれないけど、パイプ を間違えて付けたのを「知っている」オーナー店長が1リットルあたり10円の裏 利益をしっかり生み出していたにちがいない。166kLと計算されているので10年 で166万円。 エンジンの不調を訴えたのは地元の常連さんだろうな、しかもハイオク専用の外 車などを乗ってる人。きっと裏切られた気持ちだろうな。 ところでガソリンスタンドにおける着服ってかなり問題で、従業員のモラルにも よるんだけど、例えば、 ・要らんタイヤ、ホイルをやたらと入荷してロス処分→懐 ・なぜか本社が管理していない自動販売機が店内に。もちろん電気代は会社もち →売上げは店長の懐 ・消耗品、景品の類 最近の日本の状況は知らないし、セルフが多くなってきたから少しは代わってる のかもしれないけど(その代わりクレジットカードの会員サービスとかで着服し てそう)。 ちなみに普通のGSならレギュラーガソリンではほとんど儲けなんてなくて、おい しいのはプレミアムと洗車のはずだから、再発防止のために、オクタン価確認、 プレミアムガソリン信頼回復キャンペーンをしないと、1店舗の保証云々では片 付かないだろうな。 それにしても読売新聞は もっとちゃんと調べて考えてから報道記事書いた方がいいと思う。 というか記事がBlogやmixiコメントに負けてる。 飲酒しながら執筆してるんじゃないだろうか? (中略) 冷静にバイク乗ってたときのことを思い出してみましたが、 オクタン価が違うとか、匂いやエンジンの挙動でわかりますよね。 長年、ガソリン売ってる人がそれに気付かないなんてありえない。 気がつかないとしたら、まじめに安全管理して営業してない証拠。 あと「灯油で水増し」ってありますけど、これは軽油の話ですね。 http://www.mni.ne.jp/~yanaken/yanaken/sikesen/ryusan.htm これは小銭儲けのために、性能低下、脱税、環境汚染に加えて、硫酸ピッチとい う猛毒まで不法投棄させるものです。 違反者は是非、硫酸ピッチ漬けにしていただきたい、というぐらい悪質具合が度 を越えてますね。 どうしてこういう人達は(この記事を書いた記者や一般ドライバーも含めて)「そ もそも車は地球の環境を汚染しながら走っているんだ」という考えがないんで しょうかね。 (中略) あえて書かなかったんですが メディア分析視点でさらに突っ込むと、 『昭和シェル石油、津のGSで10年間ハイオク誤給油』というタイトルで、逆 にこのGSが「10年間、間違えてレギュラーの計量でハイオク売ってました」とい う間違いだったら? おそらく多くの人が「ラッキー、得した」「いいな、そのGSおれも行きたい」で 終わるわけですよね? ほとんどの人がプレミアムガソリンの効果とか環境配慮とか理解していなかった りするわけなんですけど。 プレミアムガソリンの「なんとなく効果ありそう」というプロモーション姿勢と 市民の化学リテラシーがそもそも問題なのではないかと。 考えてみてください。 上にあげた逆の例なら10年もかからず発覚するはずですよね、店が儲からないから。 実際、レギュラー→ハイオクにパイプが間違ってつながっていたなら、ハイオク→ レギュラーだってありえるし、そもそも配管のさばき具合を目で見てわからない わけないじゃないですか。年に何度も点検があるし、危険物取扱主事なら誰だっ てできること。 知らなかった、わからなかった、誤認した、なんて理由は本来記事にしてはなら ないはずです。そんないい加減なエネルギーでクルマは走りません。「なぜそう なったか」を突っ込まなければ報道ではありませんよね。 なんでこの記事でここまで突っ込むかというと、最近のとくに訴訟問題に発展し ている「日本人の品質意識」が、「高い品質を求めつつ、責任は人のせいにす る」というスタイルが気になってしかたありません。特に、法廷でも世論でもな くマスコミと問題を起こした企業の経営者に対してです。 (リコールCMが広告代理店を儲からせているという現状もありますね) 今日のエントリーに付いては、特に読売新聞。 そもそも記事の品質が宙ぶらりんなのに、なぜ企業活動の品質を指摘できるんだ ろう、とか。 昔なら、読売新聞を買わなければ済んだことですが、ポートされてくる記事は末 端の消費者には選ぶ権利ないしな…そもそもmixi無料だし。 (中略) ガソリンメーターといえば計量器も不安の種ですが、計量器は数年ごとに点検し て検査して査証が張られてますよね。 メーターの窓についてます。こっそり調整を変えるといっても計量時に正しく戻 せる保証はないから、やっぱり消費者が気にしてみてないとね…満タン何L とか。 フランスではガソリン入れないので知りませんが…(たぶんあります)。 で最近ではレギュラーガソリンにアルコール混ぜてたりする例もあるみたいです ね、それも例の軽油水増しと並んで抜き打ち調査されてるらしいし。 http://www.meti.go.jp/policy/policy_management/15fy-jigo-hyoka/sekiyu-anteiteki-kyokyu/15FY-JIGO-SEKIYU-ANTEITEKI-KYOKYU.pdf まあ上の抜き打ち調査の元になっている法律をみても「久居インター西店」は違 法性たっぷりですよ。配管作業のせいにはできない。 というかここの管轄消防署は何やってるんでしょうね。 (中略) ところでガソリンって毎日使ってる割には、みんなの知らないところでいろいろ こっそりやられてることって多いんですよね。 意外と知られてないことは… ・ガソリンには鮮度がある。品質保持期限は設定できない程短い。 ・上記理由から「業者間転売(業転)」という売れ残りそうなガソリンを同業者に 転売する行為がある。 ・業転においては、異なる元売のマークを付けたタンクローリーが、異なるブラ ンドのスタンドで別のガソリンを混ぜる行為がある(基本的に組成は同じなので 大きな問題はない、当然品質/鮮度は悪い)。 ・異常に安い無所属系ガソリンスタンドは業転により安く仕入れている事が多く プレミアムガソリンでも、ローリーやタンク内で既に元売の設計とは異なった混 合になっている可能性がある。仮にここでプレミアムにレギュラーガソリンにを 混ぜる「水増し」をしても気づかれづらい。 ・そもそもハイオクガソリンを示すオクタン価とは、高速・高圧縮時のノッキン グに対する指標。オクタン価が高いと自然発火しづらくなり、点火前に爆発しづ らくなる。 ・最近の日本車にはノッキングセンサーがあり、粗悪なレギュラーでもタイミン グをあわせ、またレギュラーとハイオクを自動で見分ける機能がある ・オクタン価が高ければよいガソリンというわけではない ・オクタン価が高いと熱量が高いというのは気のせい ・ハイオク入れると馬力が上がるというのも気のせい ・オクタン価は国によって測定/表記方法が違う。例えば欧州ではレギュラーの オクタン価が95(プレミアムは98)なのでほぼ日本のJISにおけるハイオクに近 い。外車がハイオク指定なのはそのため。 ・日本では宣伝競争が加熱するためオクタン価を商品名に組み込むのをやめてい る(以前”レーサー100”というガソリンがあったのを覚えてる?)。 ・ハイオクガソリンでエンジンがきれいになるというのは間違い。プレミアム= ハイオクではないが過剰広告ぎみ。プレミアムガソリンの添加剤・洗浄剤による 清浄効果はあるが、GSで「ハイオクいかがですか?エンジンがきれいに!環境に もやさしい!」と言うのは×。 ・プレミアムガソリンの添加剤の多くは洗浄剤であるが、詳細は公開されていな い。つまり何が入っているかわからないものに+10円/L以上の金額を払っている。 ・継続使用で効果アップ、というのも難しい。違いを確認したければ「粗悪なレ ギュラー」からハイオクに変えた瞬間が一番わかりやすい。ちなみにエンジンの 清浄効果で燃費アップをうたうなら、継続使用で効果%は下がるはず(計算方式 が不明)。 ・バイクでガソリンの違いがわかりやすいのはノッキングセンサーがないという のも理由。多くの場合レギュラーに合わせてある。 ・ハイオク=燃費がいい=環境配慮というのは全くのイメージ戦略。水増しされ た「粗悪なレギュラー」に比べれば少しはいいのかもしれないが、かつてはオク タン価を上げるために鉛が入ってたわけで、不明な添加剤で効果をうたうのは まったくもって危険。ENEOSの「硫黄含有度」も今回の事件のようなレギュラー ガソリン混合の可能性があるので、エンドユーザの時点で「保証」と言って本当 にいいのかちょっと疑問。 参考・昔よりは充実している元売のプレミアムエンジンに対するFAQ ENEOS http://www.eneos.co.jp/faq/e71_fa_fuel01.html 昭和シェル http://www.showa-shell.co.jp/products/shellpura/gasoline/index.html (中略) 今さらなんだけど、やっぱり読売新聞を適当なタイトルつけてポートしている mixiに腹が立ってきた。 ソース記事 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060920i406.htm ここにはちゃんとオチがあるんですよ — 同社によると、ハイオク仕様車にレギュラーを給油した場合、本来のパワーが 出なかったり、燃費が低下したりするという。同社は同様のミスがないか、全国 1075か所の給油所に点検を指示した。20日から12月20日まで専用窓口 (0120・400・746)で相談を受け付け、給油ミスが確認できた客には 差額分の払い戻しに応じる。 (2006年9月20日13時51分 読売新聞) — クレームの窓口つけて、謝罪を伝えているのにこの部分をカットしたら意味ない でしょうが。単にmixi内で「うさんくさい」と言うのを盛り上げているだけ。正 直mixiのポータル担当に腹立つ。 で、朝日はというと… 「ハイオクとレギュラー、取り違え10年 津市の給油所」 http://www.asahi.com/life/update/0920/001.html 謝罪内容と間違ったノズルの本数など比較的詳細まで書かれている。 何といっても写真つき、キャプションには… 「ハイオクガソリンを誤販売した昭和シェル石油久居インター西店=津市戸木町 で」とズバリ。 まあこれでこそ報道記事だよな、普通の。 酒気帯び運転はやめてほしいけど。 それにしても高速道路インターのSSでハイオク6本中2本で50L/日ってそんなに少 ないもんなのかなあ? なんか余罪がありそうな感じ。民事事件の枠を抜けないかもしれませんけどね。 まあこの際だから、消費者も少しは賢くなって、 元売・SS経営者は徹底的に信頼回復に勤めてほしいですね。