パリ(CDG)空港からボストンローガン国際空港(BOS)に向かう途中のエールフランス AF332便での機内での話。 【前回までのあらすじ】 CDGで携帯無くして、あわやチェックインできなくなるか、という状態の主人公を気 取り屋のAF地上係員が滑り込みでチェックインさせる。しかし主人公を待っていたの は、ターミナルEの前に数百人はいようかという「セキュリティを待つ人の列」だっ た。
あ、ちなみに飛行機の”出発時刻”はセキュリティゲートをくぐった時点で5分以上過 ぎてました。さらにシャトルバスに乗って飛行機の搭乗口まで行かねばならなかった のですが、そこの看板表示では「ここから搭乗口まで25分かかります」と書いてあり ました。 なお、搭乗口でも”抜き打ち検査”でカバンの中をすべて開けられました。ああそんな に怪しいですか私。てゆか空気読めよ、セキュリティ係員。俺最後ジャン!! やっとタラップを上がったところで、AF係員に『貴方、どうしてそんなに遅いんで しょう?』とか言われてさらに凹む。無言でセキュリティ係員を指差してみる。 まあそんなわけで、ゼイハアと荒息立てて、さらにほかの乗客に「すいませーん私の せいで…」という顔で、普通は座れないであろうバシネット(赤ちゃん用座席)がおけ る席に座ったところで、さらにもう一人、背の高いフランス人が現れる。
「君、ここの席どうやって取ったの?」 『あー、”最後の数分”ってやつです』 飛行機が離陸するなり、DELLのXPSをデンと開く彼。 こいつはどう見てもグラフィック関係者だな、と思い聞いてみるとやっぱりSIGGRAPH 行き。 なんと彼は愛知万博のフランスパビリオンのインタラクティブシステムを作った張本 人だった。しかも小さいゲームとかじゃなくて、あの床面インタラクションのデータ ベースシステム。 名前はMaaという。通称だけど。 Virtoolsの開発にも参加したことがあるそうで、SDKにも名前が残っているそうな。 さっそくSIGGRAPH話とデモ合戦で盛り上がる。 彼は私のFantastic Phantom Slipper(1998年)もしっかり覚えていたし、昔のLaval Virtualにも参加したことがあるという。 彼の床面画像処理インタラクションのデモは面白かったが、それ以上にDELLのXPSの DELLロゴにホログラムを貼り付けて改造したり、APIをいじってイルミネーションを 独自制御できるようにしてたりするのは刺激を受けた。
まあそうやって早くも、いつでも、どこでもSIGGRAPHが始まってしまうのは楽しいこ とだ。 ちなみにその後、彼とは同じタクシーでダウンタウンに向かい、彼が1週間ルーム シェアするというスウェーデン人のグラフィックスエンジニアと軽く語らって別れ た。
…がことあるごとにいろんな場所で出くわした。 帰国後も何か接点があるといいんだけど。