Googleデスクトップ愛用者としては、はやいとこ最新版を試してみたいんですが、当 初9日に公開開始予定だったものが、12日になってもまだ公開されてない(ベータ2の まま)。 http://desktop.google.com/ 週末のリリースは、その後の不具合対応とかが大変なので、普通は週明けにするは ず。今回の先行情報は、おそらく株価対策のためだと思うんだけど、目玉機能のうち の一つである、複数のネットワーク上のコンピュータをまたがった検索ができる機能 「Search Across Computers」が大きな論争を呼んでいるというのもリリースが遅れ ている原因かもしれない。 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20096114,00.htm http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0602/11/news009.html http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/02/09/10837.html 技術的な仕組みとしては至極単純で、GoogleDesktopのインデックス(検索の準備が 整ったデータの目次)をGoogleのコンピュータに置けばよい。結果的にはGoogleのコ ンピュータを経由した「P2Pな検索」…つまりプライベートなコンピュータとプライ ベートなコンピュータがつながった検索が可能になる。 問題は、このインデックスをGoogleのコンピュータに保存する点なのではないかと思 います。 この技術を利用するということは「Googleが信用できるかどうか?」という踏み絵の ようなものを踏まされるわけですが、私自身は「Googleが信用できるかどうか」と いったつまらない論議にはあまり興味が無くて、むしろ「いち(正義の)ハッカー」と して、情報セキュリティ的に、『至極簡単に情報セキュリティに大穴を明けられる』 ということを指摘しておきたいと思います。 (1)適当なメールアドレスを使って、Googleアカウントを作成します。 (2)ターゲットにするPCかネットワークにつながったPCにこっそりGoogleDesktop3を インストールします。 (3)自分のGoogleアカウントでそのGoogleDesktopを設定します。 GoogleDesktopはブラウザの履歴やメールの履歴、開いたWordの書類まで全部イン デックス化するので、PC利用者が気がつきさえしなければ、業務的にも金銭的にも社 会的にも個人的にも「困る情報」ががんがんと漏洩してしまう、ということです。 少なくとも、これを使った上記のようなプロセスでの情報漏えいがあり、警察等捜査 当局がGoogleに対して情報提供を求めれば、上記に引用したURLにあるような「すべ てのデータの公開」は行われる可能性がありますね。 まあ、こうなると「個人情報は個人で管理」という域を超えてしまっているので、不 安なら使わない越したことないでしょう。 ただし、GoogleDesktopの仕組み上、Googleがやらなくても、インデックスをファイ ルに保存したり、こっそりP2Pな送信方法で暗号化してどこかのコンピュータに送り つける…なんてソフトウェアの開発は可能になっています。まあ気をつけるに越した ことはないでしょう。 「複数のPCにまたがった検索」なんて、複数のPCを管理できる人間であれば、普通に 可能なはずです。 (たとえば、リモートデスクトップ、VPNなど) 利便性でブランド名だけを信じて中途半端に危険な機能を手に入れる必要は無いと思 います。 というわけで、Googleがどのようにして、このバージョン3問題を解決してくるの か、が見ものでもあるわけです。 時間はかけてもいいから、いい解が見つかるといいですね。