久々の飯ログですが、今回はル・クルーゼのココット鍋を使ったメニューを紹介しようと思います。

その名も「コロンボ」です。

コロンボとは、南仏滞在時代にBio屋(有機農法商品専門店、この店はレストランもやっていた)に教わったメニューです。

いろいろ調べてみたのですが、「コロンボ」とは南米コロンビアのことではなく、スリランカの旧セイロンのことではないかと思います。 しかし日本語で「カレー」について調べても「これぞカレー」という情報が出てこないように、調べてみても「これぞコロンボ」というレシピは中々出てきません。

土地の名前がついた料理に良くあることですが、これはおそらく「スリランカカレー風」という感じのアレンジ料理なのではないかと思います。

出来上がったものから察するにコロンボとは…

・南仏プロバンス風の煮物のカレー味アレンジ ・汁は少なめ ・ジャガイモ、サヤインゲン ・トマトやブロッコリーなどが入ることもある ・カレーライスのように御飯にかけて食べたりはしない ・肉が入る場合はかなり煮込んである …というようなものではないかと推測するわけです(間違ってたらすみません)。

肉も何肉かは決まっていないようです、例えば「鶏のコロンボ」を発見しました(英語可)。 http://www.recettes-et-terroirs.com/recette_detail-8-825.html ここでも南仏のスパイスを使っているようですし「冷蔵庫で12時間寝かせる」なんて記述もあります。

日本の奥様の場合、まあそんなに気を張って作ることもないと思います。 おそらくイメージするといいのは「醤油とみりんを全く使わずに、少量のカレー粉とハーブで煮た肉じゃが」だと考えれば楽なのではないでしょうか。

バリエーションが多すぎて「正しいレシピが判らない」のも肉じゃがと共通ですね。 なお今回も、合成調味料不使用です。

【材料】 4人前 ・じゃがいも 小6個 ・タマネギ 小4個 ・ニンジン 小2本 ・サヤインゲン 10さや程度 ・肉 お好みで  別に何でもいい、なくてもいいかも。今回はシポラタ・ソーセージ(chipolatas,イタリア風の羊の腸に豚肉を詰めたもの、ちょっとしょっぱい)を使っていますので「colombo du chipolatas」としました。鶏肉や豚肉、野菜のみ、お好みでどうぞ。 ・お湯 1.2L ・オリーブオイル 少々 ・塩 少々 ・カレー粉 10g ・プロバンス風調味料 5g  これは普通に手に入らないと思います。「エルブ・ド・プロバンス(プロバンス風ハーブ)」にニンニク粉が入ったものです。  結局、他のハーブもお好みで足しますので、以下簡単に構成を説明しておきます。なお、南仏のマルシェで60gで2Euroという値段で購入しています。パリではもっと高いですね。

【プロバンス風調味料(Assaisonnement Provencal)】 以下の乾燥ハーブを粉砕して混ぜ合わせます。 ・ローズマリー(romarin) ・バジル(basilic) ・タイム(thym) ・マジョーラム/マヨラナ(marjolaine)  シソ科の多年草。地中海原産、肉料理向け。  ・トウバナ(sarriette)  塔花。シソ科の多年草。 ・ニンニク(ail)  これはスーパーの調味料売り場で手に入るはず

…まあ厳密にプロバンスにする必要はないです。 ローズマリーと、バジルを多めに用意すればいいでしょう。

【作り方】 1.野菜を準備。  タマネギを薄切りに。ジャガイモとニンジンは大きめに切ったほうがいいでしょう。サヤインゲンはへたをとって、3-4cm程度に切ります。  2.ココット鍋にオリーブオイルを引いて、熱する。その後タマネギを炒る。  牛肉などを使う場合はここで入れるべきでしょう。 3.まだ青いタマネギの上に、ジャガイモとニンジンを入れて蓋をする。  焦げないか心配になるがすぐにはフタをあけない。重いココット鍋のふたが、野菜から出る水蒸気と香りとうまみを閉じ込めてくれます。 4.タマネギの香りがしたころ(フタをして5分ぐらい)にふたを開け、インゲン、ハーブとカレー粉を振り入れて、お湯を注ぎます!  じゅわーっ!!と大きな泡を立てて、タマネギのスープが全体にしみわたっていきます。 5.しばらくフタを空けたまま、中火で煮込みます。  今回使った肉はソーセージなので、このタイミングで入れます。 6.肉に火が通ったら、火を止めて、フタをして半日置きます。  試していないのでなんともいえませんが、この工程は少量のカレー粉と野菜で、うまみを引き出しているのではないかと考えます。必須ではないのですが、途中で味見したところ「1日目のカレー」の味がしました。 7.浮いているハーブ、油などをとります 8.最後に、ジャガイモの頭が出るぐらいまでスープを煮詰めます  ココット鍋を使うテクニックとして「フタを開けて煮込む」という技があると思います。厚手のホーロー鍋なので、あっという間に熟成されたスープが煮込まれていきます。ただし焦げ付き注意。

【食べ方】  正しい食べ方は良くわかりませんが、ナイフとフォークで食べます。パンにスープをつけて食べると旨いです。なお、世の中にはこの行為をシチューでやって離婚騒ぎになってる人 もいるみたいですが、フランス料理的にもマナー違反ではないです。  カレーライスのように御飯にかけたりするのも旨いと思います。フランス人はあまりやらないとおもいますが…。  今回はシポラタソーセージを使っていますが、別に切ってダシをとったわけではないので、普通のソーセージや牛肉でも旨いと思います。イスラムの人には悪いんですが、個人的には豚肉が旨いと思います。

【補足】 ハーブたっぷり料理について

私も昔はハーブたっぷりが苦手だったんですが,いちど南仏味に慣れてしまうと 「ハーブが入ってないと料理にならない」という感じですね。 化学味にたよってしまうと蕁麻疹が出るし…。 (南仏人はそれこそもう、ものすごい勢いで入れる)

でも人によってちゃんとハーブをすくったり、袋に入れ使うので私のようにはならなかったりもしますね。 これは「ポプリ(pot-pourri)」という料理で、もちろん香水のポプリとおなじポプリの意味です。 ちなみにハーブやカレー粉の入れず、牛肉で作るこの手の煮物のことを「ポトフ(pot-au-feu)」、

つまり『かまどの中の鍋』というわけです。

これも今度挑戦してみようかしら。