「携帯/PDAで3D」というのはPCでの最新の3Dと違って、いろんな制約があるわけなんですが、後進の技術だけに、その進化のスピードが速いので目が離せません。
特に、PCでの先進技術であったプログラマブルパイプラインやピクセルシェーダーなどの技術がこの段階から実装されてきているので、私が開発しているGPUVisionなどの技術も近い将来、携帯電話で動くようになります。
…ということは、非常に忙しくて安定性を求められる上に、特殊なプラットフォームである「携帯電話のCPU」に強く依存しないで、超高速なコンピュータビジョンがポータビリティよく移植できるということです。 ここへ来て、GPUオリエンテッドなテクノロジーで開発してきたことに新しいメリットが出てきたような気もしないでもないです。
というわけで、PDAと携帯については、ときどきサーベイしていくべきですね。
masafumi君のほうは、最近の雑誌記事のおかげで、W-ZERO3やPDAなどでのDirect3D Mobileの研究が進んでいるようです。 http://masafumi.cocolog-nifty.com/masafumis_diary/2006/02/teapot_ff78.html 1178頂点、テクスチャマップなしで13-14FPかあ…。でもこの調子だとすぐにPS1ぐらいのパフォーマンスにはなりそうだな…。
nVIDIA GoForceラインナップ http://www.nvidia.com/page/handheld.html
GoForce3D 4800 http://www.nvidia.com/page/goforce_4800.html PDA用途。どういうわけかトップページからは「3D」が消えている。
それからGoForce5500のリリースがありました。
■米エヌビディア、携帯で1000万画素に対応 プロセッサー開発■ http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060214305.html 米エヌビディア社は、携帯電話向けの最新グラフィック・プロ セッサー『ゴーフォース5500』を発表した。最大1000万画素の写 真撮影が可能になるほか、携帯テレビもDVD並みの画質に向上す る。家庭用ゲーム機に匹敵する3Dゲームも楽しめるようになる。 http://www.nvidia.com/page/goforce_5500.html
それにしてもnVIDIAの「GoForce 3D」というブランド名はどうなっちゃったんでしょうね?masafumi君情報だとGoForce4800からがプログラマブルGPUでそれ以前のはGPUというよりは単なるメディアアクセラレータ(2Dが速い)ということですが、ATIのIMAGEON(F900i)、TIのOMAP 2420(902i)のプロセッサはプログラマブルでなくても頂点シェーダ1.1相当の力はあるとのこと。PowerVRもOpenGL ES 2.0でプログラマブルパイプライン対応になるのは近い話だろうし。
というか、レンダリングパイプラインが固定でなくなるというのは、実は携帯のような制限の多いプラットフォームにおいてはむしろ利益が多いのかも。例えばテクスチャメモリとか、トゥーンシェーダーモドキの利用などで、「フォトリアリスティックではないけど便利でかっこいい3D」などは利用できるわけで。
コンテンツのほうでも徐々に3Dのゲームが出てきていますね。 http://www.hicorp.co.jp/press/for_press/press_060113.html iモード公式サイト「フル3D★ゲームMAX」にて 「Magical LUNA(マジカル・ルナ)」を配信開始!(株)エイチアイ
しかし携帯コンテンツ市場は「3D」を前面に押し出した作品はまだまだ開拓状態のような気がします。エイチアイなどは2001年ごろから3Dに手をつけていたわけですが、いまいち「爆発的に」というほどではないですね。
しかし一方ではFlashやJavaでのコンテンツはだいぶ一般的になりつつありますから、プロセッサ側で3D演算環境が整い、プラットフォームとして整備されていけば(=枯れれば)一気に広がる、という予感もありますね。
ただ携帯の場合にはカメラや動画再生との連携をとりつつ、総合的に成長という形をとるでしょうね。 実際にGoForce5500と4800の違いを見ても、「24-bit Audio Engine」だったりイメージプロセッシングやテレビ電話対応だったりするわけで。 http://www.nvidia.com/page/handheld.html
うーん、ますますGPUVisionの有用性が高まってくるわけですね。