世の中には「役に立ってるバーチャル技術」と「役に立たないバーチャル技術」というものがあるのだが、今日は前者のほうの話。
「VMWare」というソフトウェアをご存知だろうか?
バーチャルマシン技術といわれる種類のもので、コンピュータの中に、ソフトウェア的にエミュレートしたハードウェア、簡単に言えばPCが丸ごと1台構築できてしまう。 LinuxやWindowsのOSのCDROMを入れてあげれば、あたらしいOSの環境もインストールできるし、ソフトウェア上でできているので、新しく筐体を買ってきたり、ハードディスクを詰め替えたり…というようなことも必要ない。また親PCが故障しない限り、故障とも縁がない。
最初はCPUとメモリとハードディスクとネットワークぐらいしか機能がなかったのだが、4.x以降はサウンドやUSBなども全く問題なく利用できるようになっている。
さらに、ソフトウェアだからこそできる機能としては、ハードディスクを終了時に、電源投入前や、スナップショットという「ある段階」に戻したりする機能がある。 これは、ソフトウェア開発&テストの人々には非常にためになる機能である。VMWareに出会う前は、たとえばインストーラーの挙動を確認するために、何度もOSを入れ替えたりしていた。昔、某ゲーム企業に勤めていたときは、毎月のようにテスト用PCを購入していた時期もあったので、その労力と、コストパフォーマンスたるや驚異的だ。
もちろん親になるコンピュータの性能がよければ複数台のバーチャルマシンを管理することが出来る。これが「VMware GSX Server」。まるでバイクのような名前だが、2-3台のPCしか同時に稼動できない、小規模利用の「VMWare Workstation」が3万程度であり、「GSX Server」は30万ちかくする非常に高額なソフトウェアであったため(といってもPCハードを何台も買うことを考えれば安いのだが)、「無料化」なんて話が出てくると、本当にびっくりする。
CNETのニュースより http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20095776,00.htm VMWare本家には2/6現在まだ情報はない。 http://www.vmware.com/
まあ解釈としては、VMWareは既に大手業務用ストレージメーカーのEMCに買収されているので、基本となる製品のビジネスはほぼ収束し始めてきているのではないだろうか。 VMWareは使えば使うほど巨大なハードディスクを必要とするので、EMCのビジネスとしては、VMWareで稼がなくてもストレージで儲かればそれでいい、という考え方もできる(EMCのストレージなんてプロ用機材は買ったことないが)。
それに、高くて試しようがなかった「GSX Server」に対して「Workstation」はこれからも需要はあると思う。 日本の代理店も複数あるし、無料の試用ライセンスやアカデミックライセンスもあるので、興味のある人はぜひお試しあれ。