「在仏日本国大使館メールマガジン」というものがemailで届く。 これは大使館のHPで登録すれば誰でも受信できるので興味がある人は購読してみるとよいです。 けっこうこまめに更新が来るのですが、ほとんどの内容が以下のような「新手の詐欺被害」の報告です。 〇ニセ警察官 〇車上荒らしとクレジットカード詐欺 〇日頃の心がけ 今回の報告は特に面白かったので?以下抜粋してご案内。 — 〇ニセ警察官 日本からパリに旅行に来た方から、ニセ警察官に現金を抜き取られたという被害が届けられました。そこで、ご本人の了解を得た上で、事例を紹介します。 被害に遭われたのは40代の女性とその父親で、女性からの通報でした。 オペラ座からカプシーヌ大通りに右折し、二人で歩いていたところ、周囲とちょっと違った建物があったので、父が写真を撮った。すると、派手なジャケットを着た白人男性が近寄って来て、自分は警察官であるとして身分証を見せ、「ここは写真撮影が禁止されている」と言った。さらに、どこから来たか聞かれたので、「日本から来た」と答えると、その警察官は「では、円やドルの現金を持っているだろう。それを見せなさい」と言った。 よく分からないまま、所持金を差し出すと、その警察官は通りのあちらこちらを指差し、「両替はあのような両替屋ではだめで、ちゃんとしたところで両替しなければ」と言いながら、「麻薬やコカインは持ってないね」と言うので、「もちろん」と返事したところ、検査した現金を丸めて返し、立ち去った。 その後、すぐさま女性が現れ、「今離れていった彼はニセ警官だ」と言い、いろいろ聞いてきた。また、その女性は拳銃を携帯し、無線も持っており、正規の警察官だと言った。かれこれ30分ほど路上でその女性と話をし、ホテルに戻った。 ホテルでお金を確認したところ、父は300ユーロ、自分は500ユーロが財布からなくなっていた。 もしかすると、あの女性警察官はニセ警察官の一味で、男の逃走を助けるために長時間路上で質問してきたのではないかと思う。 念のため、当館から女性警察官が残していった番号に電話したところ、どうやら本物の警察官だったようで(snip)。 〇車上荒らしとクレジットカード詐欺 在留邦人の方から車上荒らしに加え、クレジットカード詐欺の被害にあったとして連絡がありましたのでご紹介します。 郊外のとある農園でのこと。(snip)2時間半ほど農園を回ったところ、レジの人から車上荒らしの被害にあったと告げられた。車の三角窓が壊され、車の中に置いてあったバックがなくなっていが、なぜか携帯電話だけが残されていた。 壊された窓ガラスなどを整理していると、携帯に電話がかかってきた。その電話をかけてきた人物は警察官だと言い、「犯人の一人を捕まえた。あなたのクレジット・カードを持っているが、カードを止める必要がある。カード会社の番号を教えるからそこにかけてカードを止めるように」とカード会社の電話番号を告げてきた。 早速、その番号に電話したところ、カード番号を聞かれたので、覚えていないと答えると、「カード番号を覚えてなければ、暗証番号を教えてもらいたい。それで止めることができる」と言った。 車上荒らしに遭って、落胆しているところへ、警察から犯人を見つけたという電話があり、さらにはカードを止めることができるとの安堵感もあり、つい暗証番号を教えてしまった。 その後、再び警察から電話があり、「もう一人の犯人も捕まえた。荷物も無事」とのことだった。 そこで、警察署に向かおうとして、あることに気づいた。その警察署が農園から100キロも離れたところにあることは不自然だし、そもそも自分の携帯電話の番号をどうやって知ったのだろうか。その後も警察から電話があったものの、午後6時までに来ればいいとか、シテ島に夜10時に来てもらいたいなど、言うことがいささか怪しく思われた。 カード会社の電話番号も、後から調べたら公衆電話の番号だったことが判明した。 携帯電話の番号は、犯人がバッグの中のメモ帳を見て、友人に電話し聞き出したことも判明した。 また、カードで約100万円相当の現金が引き出されていたことが判明した。 この日この農場では同様の手口で2件の被害があったそうだ。 (snip) とある国で、セキュリティー(警備)会社の男性複数がエレベーターに乗っていた。エレベーターの中には彼らだけが乗っていて、なおかつ、皆、兵隊のようないかつい顔をしていた。そこへ、日本人と思われる女性が一人で乗り込んで来た。セキュリティー会社の人は、「男性だけが乗っているエレベーターに女性一人が乗り込んでくるとは何事か」と思った。自分たちが誘拐犯でないから良かったものの、もし誘拐犯だったらどうなったことだろう。 さて、女性の皆さんならどうされますか。そのまま乗り込んでしまうか、次のエレベータを待つか。 実は、危機対応というのはこういうところから始まります。いかつい男性が数人乗っているエレベータに乗るということを危険ととらえるかどうか。エレベーターが来たから何も考えず乗るのではなく、常に危険を意識しながら、少なくとも男性だけであれば、次のエレベーターにするなどの心がけが必要です。このようなことは、女性だけに限らず、男性もまた、危機を避ける心構えとして必要です。 外国においては、何も考えず、惰性で行動するのではなく、その時々の状況に応じて、より安全な方策を探ることが危機を避けるために大切ではないでしょうか。 — そもそも何語で騙されてるんだよ?? (私には第二話で騙されるような仏語力はないです) という基本的な疑問はさておき、芸術的なまでに手が込んでるなあ、とか。 しかし大使館からのメールマガジンはこの手の話題がほとんどなので、警鐘として役に立ってるかどうか微妙。ないよりはいいんですけどね。 それより在外選挙の話とか聞きたいんですが…。 日本でもまだ選挙権送られてきたって話聞かないし、今年の選挙は選挙事務が遅いのかなあ…?