先ほど納豆についてBlog書いたばかりであるが、TBステーションでこんなBlogを発見してしまった。 http://ameblo.jp/schwarzgeist/entry-10002749349.html
— 風に聞いた話によると、納豆は昔は馬のえさだったそうだ。 ところが、ある日、飢えに困って、とうとう馬のえさである「腐れ大豆」に手を出したところ、これがうまい上に、元気が出るとの事。 こうして納豆は人の食べ物として、広まったようだ。 確かにジャガイモも昔、フランスでは馬のえさだった。それをやけくそになって煮るなり、焼くなりして食したら、これがうまかった。 こうして人の食べ物となったのが、色々ある。 —
ふーん、良い話だなあ。 じゃあ納豆はフランスでも馬屋で食べれるようになったかもしれないんだな…と変に納得しつつ、あれ?
そういや納豆の起源ってそうじゃかったような気がするぞ…と調べてみた。
Wikipedia「納豆」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8D%E8%B1%86
…はかき混ぜるときのプロトコルについてアミノ酸の観点から「練り派」を擁護しているが、鰹だしや醤油を添加することでそれを補う派の私は以下のURLで完敗した。 http://www.ths.titech.ac.jp/~meb/2002/Glutamic/Glutamic.htm http://www.ths.titech.ac.jp/~meb/2003/glutamic/glutamic.htm いずれも東工大の学生の課題であるが、納豆を混ぜるとL-グルタミン酸が増加する、というのは本当らしい。負けた。でも触感を含むテイストは私は「あっさり派」を支持する。
それにしてもWikipediaの情報だけでは「納豆の起源」については相変わらず謎。
いろいろ調べてみるとこのサイトが一番それらしい”妄説”を打ち立てている。 「妄説・納豆の歴史」 http://finedays.org/natto/nattohistory.html
東北では「源義家が納豆を発見した」ということになっているらしい。秋田の仙北には「納豆発祥の地」なんて石碑まであるが、この妄説によると信憑性は低く、実際には伝来・伝達に寄与しただけであり、発明者ではない。同様に加藤清正も似たような伝説を持っているが、熊本と朝鮮に伝来させた、ということになるのであろう。なので「キムチ納豆の発明に寄与した」ぐらいは言えるかもしれないが…。
またこのサイトによると、寺の「納所豆」が「納豆」になったという説も江戸時代に流行したでっち上げ語源遊びが原因であり、語源や起源ではないようだ。
そんなわけで「馬の飯」説は、上方の「納豆は庶民食」という認識から生まれた風説なのではないかと推測できたのだが、この手の「風説」は、江戸時代に負けず劣らずネットでは飛び交っている。
たとえばこれ。 「納豆と豆腐の名前の由来は?」 http://homepage2.nifty.com/osiete/seito103.htm 当たり前のようにおかしい伝説を打ち立てている(そういうサイトなんじゃないか、という見方もあるが…)。
願わくば「スパスパ人間学」とか「あるある大辞典」とかのスタッフが真面目に信じないで欲しいと思う。
とかいいつつ、上記の「妄説」は「納豆キナーゼ ナトフェミン」を普及させる会社のHPだったりするんだが。 http://finedays.org/natto/index.html
ちなみに「納豆学会」なんていう学会もあるんだが、当のHPがダウンしているのもなんだかアレである。 http://www.nattou.com/
謎は納豆の糸のように絡まるばかりである。