はじめての学会発表、何を練習すべきか?

初めての学会発表、さて何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れはこんな感じだったとする。

  1. 研究室の指導教員の先生が「この学会出してみない?」と誘う(Call For Papers)
  2. 締め切りに向かって論文を書く。この辺で最初の修羅場を味わう
  3. (査読の有無によっても異なるが)めでたく採択される
    ×→採択通知を共著者や先生に報告転送しそびれて叱られる
  4. 学会大会からの提出物を求められる
    例えば、最終原稿、ビデオ、著作権移譲フォームなど
    ×→その手の提出物を締め切り直前まで寝かせて先生に叱られる
  5. 学会参加登録、参加費の支払いを行う
  6. 大学に出張の伺いや、学生発表補助の申請を行う
  7. 旅行の準備
    宿の手配、新幹線や飛行機の手配、会場までのアクセスなども調査
  8. デモ発表がある場合はデモの完成や物流工程
    そもそも研究室の外で展示できるようなサイズではなかったり…どうやって安全に運び、構築・工作し、伝え、分解し、持って帰るか、いくらかかるかなど、ロジスティック(物流)を検討する。
  9. 発表練習1(ゲネプロ)
    パワポのストラテジーを先生と相談し、通し練習を行う。この段階での完成は7割程度。
  10. 当日のポスターや配布物などの印刷、名刺の印刷なども。
    「そもそも何人ぐらいくるのだろう?この学会。」という質問が出て当然。
  11. 「旅のしおり」の作成
    宿や乗る列車、現地の地図、タイムテーブルなどを含めた印刷物。最低限でもPDF。実家などに緊急連絡先・宿泊先などを連絡するのが面倒な時にも役にたつ。
  12. 当日のシミュレーション
  13. 発表練習(リハーサル)
    教室などを使って実際の環境に近い状況で時間などを精度良く測って行う。

…で、これで、完璧?否。

実際には、ここまでの準備では「伝えるだけのプレゼンテーション」しか準備できていない。

では何をやればいいか?書き出してみる。

1. 質疑応答の練習

2. 予習・聞き方の練習

3. 質問の仕方の練習

4. 懇親会などの準備

5. 見学、その他の見どころを調査

以下、順を追って解説する。

1. 質疑応答の練習

時間内に喋れば良いタイプのプレゼンテーションと違って、学会発表は学術バトルの場。実際のゴングは発表が終わった瞬間に鳴るものと心得るべき。なに?質問が出ないならそれでいい?…何を言っているのか。君のプレゼンテーションが未熟だから質問が出ないのだということを認識すべきだ。なに?自分の発表が素晴らしいから質問されない?…そういう考え方もあるだろう、しかし、もしかしたら裏番組のセッションにいい聴講者を持って行かれているのかもしれない。そう考えれば、書いた論文のタイトルが魅力的でないから、そのセッションに追いやられているのだ。反省すべきところはたくさんある。

そもそも、君は発表中に、「聴講者の目」を何回見たか?

あそこの先生は寝ているよ、あの学生はあくびをしていた。

君の発表が面白くない、ということを全力でアピールしているではないか。見ていないのは君だ。

質疑応答の時間、最後のゴングが鳴るまで、しっかりと殴り合いができることが理想。聴き手の興味を引き出し、知的好奇心を呼び起こし、質問を引き出してこそ、真の学会発表。

 

2. 予習・聞き方の練習

メモを取れ。そもそも聴講するセッションの予習ぐらいしよう。感覚で参加したり、一瞬でそのセッションが何を話す場なのか、座長が何者なのかを見極められるような経験者でなければ、事前に見たいセッションの1つや2つぐらい当たっておこう。

そして、聞くからには全面的にメモを取れ。研究室に持ち帰って、20分の発表を20分以上かけて、発表者以上にわかりやすい発表として研究室に持ち帰れ。

なに?難しすぎてわからない?…それはだな…発表者が悪い!

発表者が自分のことしか考えていない発表をしているにすぎない。そういうときは莫迦のふりをして質問すればいいのだ。

「すみません、門外漢なもので、頓珍漢な質問だったらごめんなさい〇〇は××の事なのでしょうか?」

この聞き方でいい。一説では”えらい大御所”がわざとそんな素人のふりをするなんていうスタイルもあるそうだが、あえて漢字で書くとわかるように「もんがいかん」も「とんちんかん」も「漢(おとこ)」の攻撃方法だ。門外から頓珍な攻撃を繰り出して、本質を突く!突く!突く!

一つ前の項目でも言った通り、発表者はろくに質問が出ない事で「フッ…俺様の発表が完璧すぎたのだな…」と勘違いしてしまうことがある。逆の立場に立ったら、なんと痛いことよ。突いてあげて。

 

3. 質問の仕方の練習

ところで良い質問とはなんだろうか?「突け」とは言ったが「相手を攻撃して叩き潰す」なんてことは、よっぽどたちが悪い発表か、頼まれでもしない限りやらないでよい(学内やゼミ内は別だ、全力でやれ)。論破もあまりやるべきではない、発表者は君ではないからだ。

一番大事なのは「建設的なディスカッション」というスタイルを守りつつ、「基礎力がしっかりしたボディブロー」を相手の腹筋に叩き込むことだ。相手が普段どれぐらい、どのようなトレーニングを積んでいるのかは、そのボディブローで見抜くことができる。ジャブやカウンターは不要。ストレート、もしくはショートアッパーがいい。間違えても大振りでジャイアントアッパーを打ち込んで空振りしてはいけない。限られた時間で「オッ、なんだこいつ!やるな!」と思わせれば勝負あり。長引かせる必要はない、休憩時間に名刺を交換しにいけば良い。

少なくとも、顔は割れる。良く言えば顔が売れる。

君と発表者の間にいい電気が流れる。

そして、大御所や、勘のいい先生はその場を見ている。

今度は君が発表する番だ。いい質問をもらったら、カウンターで返してやれ。

ちなみに君が発表者だったら以下の質疑応答カードは用意しておけ。

「ご質問ありがとうございます」

このカードは『感謝受け』というカード。呼吸を整え、迂闊なカウンターをもらうこと防ぐ。

「ただいまいただいた質問ですが、〇〇という理解でよろしいでしょうか?」

このカードは別名『再定義』というカードだ。当然、答えは用意されている。

「ありがとうございます、なかなかいい質問だと思います」

感謝も肯定もしている『健全防衛』。実際には図星であり、どう考えても負けている可能性があるのだが、感謝も肯定もしていることで、ボディブローを食らった後の内臓の揺れや嘔吐を防ぐことができる。

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、Yesです」

このカードは『ディスクリート』というカードで、オフェンス時には「YesかNoかで言えば、どちらでしょうか?」という使い方もできる。しかし、

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、YesでもNoでもあります」

という返し方もある。『アンチ・ディスクリート』というカード。というか、世の中の研究のほとんどが「YesでもNoでもある」からこそ研究したりデータをとったりしている。しかし「YesでもNoでもあります」という流れになると、当然発表者が延長して何か詳細な情報を伝えるチャンスを持つので、この流れになれば、持ち時間を使い切る流れだ。

 

他にも「〇〇はご存知でしょうか?」といった、いやらしく知識を問うトラップを仕掛けるような質問もあるのだが、今回はこの辺にしておく。

 

たくさん集まれば、印刷して袋詰めしてスターターパックとして販売したいぐらいだ。

 

4. 懇親会などの準備

懇親会は、フードバトルではない。名刺を配れ、挨拶をしろ、研究室の連中とつるむな。普通の先生なら学生とは距離を置いて、どこぞの先生と楽しそうに交流しているはずだから、そこにどんどん割って入るか、そばに「もの言いたげ」に立てば良い。紹介してもらってなんぼだし、先生だって自分の門下生を紹介してなんぼの場なのだ。

なお、もらった名刺は24時間以内に挨拶をしろ。Ccに先生のメールアドレスを入れておけば喜ばれる。メールの作文?そんなものは先生に見てもらえ、というか、それこそ事前に作文用意しておけばいい事ではないか。研究室のHPの紹介や、動画のURL、これまでの論文など、発表前後で何が変わるのか。

メールボックスに名前が入って入れば、検索できる。タイトルには工夫を。

そして早めの挨拶は、長めの会議の時には、次の共同研究や、就職先などの可能性を大きく広げる。

「あいさつが1日遅かったおかげで失ったチャンス」なんて、失った側はわからないのだぞ!!

 

5. 見学、その他の見どころを調査

学会発表はミッションである。入国審査で「観光かビジネスか」と聞かれたらビジネスと答えて良い(入国審査のこの質問、正確には「誰がお金を出しているか?」らしいが)。観光ではないから、学会開催中に抜け出して遊びにいったりは許されない。学会にも出資者にも留守を預かる他の学生にもトリプル裏切りになってしまう。学会が終わった夜の部は良い。できるだけ他の研究室の飲み会に巻き込まれて、いろんな文化を吸収しよう。飲みの席だけで大きな仕事をやってのける研究者だっているのだ。

観光とは別に「エスカーション」はどんどん行くべきだ。近隣の大学や研究所のオープンラボは予約制だったりするから、事前に調査して確実に行くべき。お金を払って見れる観光と比較にはならないものが見れるはずだ。また、学会によっては本当に観光旅行のようなエスカーションが付いてくることもあるが、これもおすすめである。有名な先生や大御所の奥様に会えることもある。よその大学の大先生が普段どのような行動やセンサーを持っているのか?良く観察すると良い。なお、この手の観光旅行エスカーションの記念写真はSNSには上げないほうがいいらしい。人によっては後ろめたいと考える人もいる。それがなんの予算で来ているか?学生のように個人的な出資であり、しばしの自主的休暇ならば問題はないだろうが、お堅い予算や重要な学務を抜け出して学会参加をし、若き学生たちの「引率」として、エスカーションに渋々参加している先生方の”笑顔”を、本人のコントロールが効かない場所に上げ晒すのはよっぽど勇気がないとできないことかもしれない。まあ一言挨拶はあったほうがいい。

 

さて、初めての学会発表、何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れは教えた。

ぜひ皆さんのエクスペリエンスを教えて欲しい。

Good luck!!

 

追記:学生にアカデミック社交会デビューさせるための先生のためのマニュアル (2016/11/28)

某阪大学の前田先生から

「せっかく学会に連れて行ったのに自分の発表時間以外姿を現さない学生」はどうしよう、

というご質問を頂いたので、懇親会などのアカデミック社交界に学生さんたちをうまくデビューさせる方法について追記しておきます。

つまりは「知らないひととの友達の作り方」なのですが、
私の師匠の久米先生は
「学会中は、俺、旧交を温めに行くから学生の面倒は見ないよ」
と言い切ってましたでのだいぶ割り切っていました。

もちろん3日あれば1日ぐらいはチームディナーはありますが、毎晩ではない、という感じです。
自分もそうするようにしています。
学会は先生自身が視野を広げ、大学人事や世間の動向を共有するべき場でもあります。

「私立大学も大変だと思っていたけど、国立大学も別の次元で大変だなあ…」
なんて感想が抱けないと、先生も過労で死にます。
そのような交流の時間を確保するためにも是非、発表練習は研究室で終わらせてきてほしい!

さて、もうひとりの私の師匠、草原先生は、いわゆる社交を丁寧にする人で、
「ほら白井くん、この人は〜〜で活躍しているXXさん」
という感じで、なんだか知らないけど有名そうな人によく紹介してくれました。そして、
「こちらは白井くん、工学部と芸術学部の間でちょっと変わったものづくりしている学生さんです」
という感じで知らない人とくっつけるのが上手な人でした。
(過去形にしてすみません、お二人とも大事な師匠です)

上記の短いセンテンスにあるように、一息で話せるぐらいの内容で、本人の自己承認欲求自立心をくすぐってあげるのが良いのかなと思います。

懇親会で先生は、学生の自己承認欲求と自立心、あとは近い世代の仲間とうまく
紹介(introduction+produce+inquiry)“して引き合わせてあげることでしょうね。
最近だと、Facebookでからませるぐらいのことは必要では。
ライバルという敵対関係ではなく、「仲良くすべき同胞」としてのインスタンスを獲得させる大事なお仕事ですね。

 

SIGGRAPHA ASIA 教育シンポジウム 11/3の面々が素晴らしい件

SIGGRAPH ASIA 2015神戸、白井自身は若手プログラムリエゾンという役割以外、発表者としては主にエキシビションと、教育シンポジウムの11/3で国際学生VRコンテストの国際化担当委員としてIVRC関係の発表を行います。

チェアの青木先生(アラスカ大)から11月3日の予定プログラムを頂いたのですが、これが素晴らしい。
許可を頂いたので、さっそく公開します。ちょうど基調講演のあとで、建物としては別棟で開催されておりますので、まずは予定表にしっかりマークお願いいたします!

ちょうど文化の日ですし、中高生などのご参加も歓迎です。事前にTwitterDM等でご一報いただけますと大変助かります!

SIGGRAPH Asia 2015教育シンポジウム11/3(火)プログラム

11/3(火)11:00 – 14:00

Innovation in the Age of Virtual Reality through Organizing International Student Competition:

1993年から開催され、これまでにバーチャルリアリティ(VR)の既成概念を拡張するような、独創的で親しみの持てる作品を数多く生み出してきた国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC, International collegiate Virtual Reality Contest)は、日本VR学会を中心にボランティアによって運営される、世界最大かつ最も歴史のあるVR作品コンテストです。学生が企画・制作したインタラクティブ作品の新規性・技術的チャレンジ・体験のインパクトを、一般体験可能な状態で競うことにより、(1)自ら考え・学び・手を動かすことのできる優秀な人材の育成、(2)バーチャルリアリティの啓蒙普及、(3)地域・企業・学界を結ぶ,バーチャルリアリティ・コミュニティの醸成を目的として、日本をはじめアメリカ、フランスを中心とした世界各国からの参加者が参加しており、コンテストを通して「自ら考え・学び・手を動かすことのできる」優秀な人材を育成する、21世紀的な体験型教育システムでもあり、その実績はSIGGRAPHやLava Virtualをはじめ国際的にも高く評価され、IVRCを体験した学生たちのその後の活躍も、高く評価されています。
本ワークショップでは、このような活動の概要を実行委員長である舘暲先生(東京大学名誉教授)にお話いただき、IVRCの変革と国際化をすすめてきた白井暁彦のオーガナイズにより、IVRC卒業生である稲見昌彦先生長谷川晶一先生をはじめとする、VR/CG/ゲーム/メディアアート/学術研究分野で活躍する各位をお呼びし、デモや記録映像、経験談とともに日本語と英語で幅広い人々に体験を共有します。
〔デモ展示予定作品〕入退場自由
CHILDHOOD

vibroSkate

Manga Generator

TagCandy

Innovation in the Age of Virtual Reality through Organizing International Student Competition
Akihiko Shirai, Kanagawa Institute of Technology

In this Education Workshop, attendees will learn efforts of promoting Virtual Reality and Interactive Technologies in education from prominent Japanese researchers. Attendees also will be able to experience actual student Virtual Reality projects from IVRC, International Collegiate Virtual Reality Contest. The competition started in the 1993 and has grown to the oldest and successful Virtual Reality competition in the world. The workshop features a presentation by Susumu Tachi, Tokyo University Professor of Emeritus, who has been the general chair of the IVRC. Professor Susumu Tachi will present this student competition’s outline and its 22 years of history. The organizer, Akihiko Shirai and his colleagues, Prof. Masahiko Inami and Shoichi Hasegawa, who has reformed and internationalized the competition, and past participants of the competition will share his experience with the competition through visual records from the past and demonstrations of actual works from the recent competition with other experts.

This session will include actual demonstration of 4 students projects, “CHILDHOOD”, “VibroSkate”, “Manga Generator” and “TagCandy”. Attendees will be able to experience these works in person.

The session presentation will be in English and Japanese with English translation.

11/3(火)14:30 – 16:15 (日本語通訳付)
“SQUARE ENIX AI ACADEMY: AI Workshop for Blackboard Architecture”

スクエアエニックスのゲームAI専門家、三宅陽一郎氏によるゲームAIを理解するための体験型ワークショップです。これは以前から三宅氏が行われているワークショップの一部をご講演とともに行っていただくものです。ゲームAIについての予備知識などは必要なく、どなたでも参加、見学していただけます(実際の体験参加は人数に制限があるため、その他の方は講演後の体験時間は見学となります)。

11/3(火)16:30 – 18:00(日本語通訳付)
“Pixar’s Abstract Thought – educational journeys from Inside Out artists”

ピクサー社員の方々に、今年公開の映画「インサイド・ヘッド」の制作の裏話を織り交ぜて、自分の学歴、経歴やピクサーへの就職、仕事などについてお話ししてもらい、カジュアルな雰囲気で学生の参加者の方々にも質問をしていただけるものです。

教育シンポジウムのセッションはベーシックカンファレンスパスで入場できますので、お誘い合わせの上、是非ご参加下さい。

■SIGGRAPH ASIA 2015 神戸ポータル http://aki.shirai.as/sa2015/

■SIGGRAPH ASIA 2015関連Twitterハッシュタグ #SIGGRAPH15Kobe

SIGGRAPH & SIGGRAPH ASIA 2015 神戸 見学ガイド(非公式版)

☆本稿,いろいろ書き足していくと思います☆

■まとめページ開設(まずはこちらへ): http://aki.shirai.as/sa2015/
■日本語Facebook: https://www.facebook.com/SA2015Kobe

地元での応援も本格的に始まっているようです!
https://www.facebook.com/hyogo.sangyo
早期割引は10月2日まで!その後は10月23日までが通常価格(当日より安い)です。
http://sa2015.siggraph.org/jp/registration-travel/registration-categories-fees.html


 

CEDEC2015が近くなってきました!
ここ数年,毎年発表者として参加させていただいておりました&賞などもいただいておりましたCEDECですが,残念ながら今年は私事都合でお休みさせていただきます.
その代り,イキのいい3年生をレポーターとして送り込みますので,うちの学生を見かけたら是非いろいろ対話&体験させてあげてくださいね.

関連して,ゲーム関連企業の方から「SIGGRAPH ASIA 2015(神戸)ってどうなの?」という相談をされることが増えてきました.夏のSIGGRAPHももうすぐ開催ですしね.
というか自分,「若手プログラムリエゾン」というお役目をいただいているのでした!
(もうちょっと働かねばと思うのですが,まずはこういった非公式版ガイドを書くのも大事な仕事とと思います)

まずは宿確保しましょう

まずSIGGRAPH ASIAは世界最大のコンピュータグラフィックス&インタラクティブ技術の国際会議SIGGRAPHのアジア版(以下SA)です.
毎年,シンガポールを中心に(偶数年)アジア各地(奇数年)で開催されていますが,6年ぶりに日本で開催です.前回は港町・横浜で開催されましたが,今回も港町・神戸が開催地に手を挙げてくださったそうで,神戸開催となりました.

【シーグラフアジア2015カンファレンス&展示会 会場】
シーグラフアジア2015は2015年11月2日から5日まで神戸国際会議場・国際展示場にて開催されます。
〒650-0046 兵庫県神戸市中央区港島中町6-9-1
神戸国際会議場・神戸国際展示場

そういえば,横浜でのCEDEC開催はまさにこのSIGGRAPH ASIA 2009がきっかけになったものと推察します.CGやアニメーションで経済を刺激しようという横浜市の思惑,東京電車エリアに大型カンファレンス会場がない,という開催側の需要にうまくマッチした形です.

■SIGGRAPH ASIA 過去の動員実績

2014年 – 深圳(中国)︓来場者5,968、出展者45社
2013年 – 香港(中国)︓来場者6,078、出展者96社
2012年 – シンガポール︓来場者7,000、出展者130社
2011年 – 香港(中国)︓来場者7,734、出展者122社
2010年 – ソウル(韓国)︓来場者9,000、出展者102社
2009年 – 横浜(日本)︓来場者6,424、出展者71社
2008年 – シンガポール︓来場者3,389、出展者81社

■製品やサービスを売るだけではなく地元の若い人々との接点を作る場所

上記の表を見ると,韓国の動員が大きいですが,地元の中高生へのアプローチがあったためと記憶しております.当時のつぶやきから.

yfrogのおかげで写真が残っていないのは残念ですが,制服の地元中高生がSIGGRAPHのExhibition会場を埋め尽くす様子はインパクトがあり,本分野への未来への投資を感じました.

日本は前回の6000人台を超えられるかどうか?に注目が集まると思います.関西のCG,グラフィックデザイン系の専門学校や人材系の企業ブースが増えることが大事ではないでしょうか?

 

さて国際会議で行く神戸はこんな土地です.
・京阪奈からアクセスよし
・ホテルはキャパ少なく取りづらい,時期によってはUSJのおかげで本当にとれない.
・ゆえに宿高い
・新神戸駅はアクセス最高というわけではない
・頑張れば東京圏日帰りも不可能ではない
・医工学関係の研究や産業,カンファレンス強し
・温泉有り,ビーフ有り!
間違ってたらごめんなさい.ご指摘いただければ補強します.

まずは宿確保しましょう

というわけで,自費だろうが社用だろうが,参加する予定がある人は,今すぐ宿予約したほうがいいと思います.
実施会社であるケルンメッセさん&近畿日本ツーリストさんのご配慮で,ホテル予約プログラムが走り始めました.まずはこちらをどうぞ.
http://www.ec-knt.jp/SIGGRAPH/ja/index.html
見たところ,Hotels.comよりは安くて数が多いと思います!少なくとも暴利ではない良心的価格.

何を見るべきか?

とあるゲーム開発会社の中間管理職の方から「うちの若い衆,英語全然ダメなんだけど,SA神戸って見に行って何か役に立つの?」質問をいただきました.

YesかNoでいえばYesだと思います.
7月末時点,SA神戸すべてのプログラムが公開されていませんので,夏のSIGGRAPHを使って説明します.
まずは夏のSIGGRAPHの開催イベント一覧…英語ですねすみません.
アップデートとしてはBlogのほうが見て面白い,わかりやすいと思います.

もっとわかりやすい資料としてはYouTubeのSIGGRAPHチャンネルがあります.
https://www.youtube.com/user/ACMSIGGRAPH

SIGGRAPH 2015 – Computer Animation Festival Trailer

SIGGRAPHの歴史の中でも一番魅力的な,ショートフィルムのフェスティバル(Computer Animation Festival: CAF)です.CAFだけの小部屋上映会がありそれだけにアクセスできるチケットあります.アート系の人は必須必見ですが,技術系の人はElectric Theaterがその傑作選で2時間ぐらいで一気に見れますのでそちらでもよいかもしれない.いずれにせよ公開前・公開直後の映像やメイキングが一気に見れるのが価値有ります.DVD(USB)には商業映像は収録されないことが多いです.いわゆる商用Blurayパッケージのボーナストラックになるような映像だからでしょうか.

SIGGRAPH 2015 Dailies Trailer

日々面白いものを紹介するセッションです.論文にはなりづらい,商業系映像・小規模製作のメイキングが多いです.

SIGGRAPH 2015 – Real Time Live! Trailer

ここ3年ぐらいではじまったリアルタイム自慢大会です.ゲーム関連&大学の研究のリアルタイムデモを含めたプレゼンショーで,大ホールでやります.プリレンダー系の技術が多い中,リアルタイム・ゲーム関連の人は必見です.私と西川善司さんが最前列にいることが多いでしょう(笑).

SIGGRAPH 2015 – Emerging Technologies Trailer

通称,E-Tech.白井が20年ぐらいにかけて中心的に参加してきた分野はこちらですね.VRやインタラクティブ技術などの革新的な技術をデモするゾーンです.デモだからと言って甘くはないです,これはここに来ないと体験できない.論文と並んで,世界の頂点の一つです.フランスLaval Virtualとの交換作品もあり,日本のVRの研究者の活躍も目覚ましく,国際VRコンテストIVRCからも今年は2件採択されていますが,MicrosoftやDisney Research,NVIDIAなどの最新技術,技術者と直接接する機会があるのも重要と思います.

SIGGRAPH 2015 – Technical Papers Trailer

SIGGRAPHの中でも頂点オブ頂点になるのが,この技術論文(Technical Papers)の関連セッションです.全部で100件近い採択がありますが大変興味深い,一方で前提知識なしでは大変キツイ.
そのため,初日夜にTechnical Papers Fast Forward(PFF)という「1件30秒」というフラッシュプレゼン大会があり,これがまた面白わかりやすいです.
OpenGLの安藤さんが毎年日本語解説をまとめられておりますので必見です.
http://www.andoh.org/2014/08/siggraph-2014-papers-fast-forward-day1.html
また,会期前半にはCoursesという,前提知識理解のための予習復習セッションがありますので,部下に「この分野について調べてこい!」というのであれば大変役に立ちます.

そういうわけで,「見てわかる」という意味ではどんな言語レベルの人も価値はあると思います!
以下,まとめますと

英語全然ダメっすというひとでも大丈夫そうなプログラム
Art Gallery, Emerging Technologies, Exhibition,
Awards Presentation,
Computer Animation Festival-Daytime Selects,
Computer Animation Festival-Electronic Theater,
Dailies, Exhibits Fast Forward, International Center,
Real-Time Live!, Studio, Technical Papers Fast Forward

専門の分野であれば何とかスライド読める人向け
Courses, Exhibitor Tech Talks, Keynote Session,
Production Sessions, Talks,

かなり専門家向け
Technical Papers (分野による), Art Papers(発表による), Panels(話題による), Making @ SIGGRAPH 2015

熱意があれば無駄にならない、日本語OKな交流系
Birds of a Feather, Posters, Reception
CV用意してくる、就職市場が何を求めているのか知る
Job Fair
→フリーランスで仕事探している人,映像系アーティストなどは絶対準備していったほうがいい!

■ SIGGRAPH(米国)におけるJob FairのポータルであるCreative Heads
CANONやSEGAなど日本企業に加えて海外の研究系企業のロゴも見えます.そして値段は4000USD~.日本は求人サービスあるんだろうか?

そのほか,毎年,中嶋正之先生と共著で執筆している「SIGGRAPH見聞記」がお役に立てると思います(映像情報メディア学会誌).CiNiiにいくとPPVで買えますね.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009892012

どの参加カテゴリーで登録

SIGGRAPH,SAには複数の参加カテゴリがあります.
どのRegistration classにするべきかはご予算次第で,個人でお金に糸目がないなら「迷ったらフルカンファレンスでいいんじゃね?」ということでいいと思いますが,日程や予算に限りがある人は選んでもいいと思います.

SA神戸の登録カテゴリと価格が公開されていますので紹介しておきます.時間があったら解説もしてみたいと思います.
http://sa2015.siggraph.org/jp/registration-travel/registration-categories-fees.html

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個人で,本当にお金がないんです,という人でも1000円から参加できます.必見のシアターを加えても5000円です.シアターはダイジェストですが,見れる本数と内容から考えると,映画たくさん見るより安い.これは行かないほうが損というものですよ!

 

なんと展示会のみのチケットでもCAF(アニメーションフェスティバル)とExhibitionと基調講演にアクセスできてしまうという大盤振る舞い.Postersもたくさん人が来る可能性があって発表者にも利益ありますね.
なんと展示会のみのチケットでもCAF(アニメーションフェスティバル)とExhibitionと基調講演にアクセスできてしまうという大盤振る舞い.Postersもたくさん人が来る可能性があって発表者にも利益ありますね.

 

sa3
なんと団体割引もあるんですねえ

 

 

上司の上司のための説明資料としては「Reason to Attend」という資料がありますので,英語読解力のチェックのために翻訳させるといいと思います.これが翻訳できないとなると本当にビジュアルしか見れないことに…それでも価値はあると思います.

 

忘れちゃいけないExhibition

Exhibitionとは企業展示・機器展示です.
見学側としては「機種選定,決定権がある」もしくは「推薦する立場」の人は是非見に行ったほうがよいと思います.
またCG関連企業の経営者さんは,社員旅行だと思って大挙してExhibitionに出場するのがよいと思います.そういうフェスティバルなんですよSIGGRAPHは.
「うちの会社は日本市場しか見てないよ!」という企業さんも参加してみる価値はあると思います.東アジアのコンペチターは日本語をよく勉強していますし,日本市場を狙っていますので,そこにぽっかり穴をあけるのはよくないです.
逆に「アジアのCG業界で一目置かれたい!」という企業や大学等研究機関にとっては,これはめったにないチャンスです.
CEATECやInterBee,IVR展のような客層と少し違う,しかし出展費用はそこまで高くない.
早く判断して宿代を安く済ませることができれば,もしくは関西近郊であれば,なおさらだと思います.

ちなみに白井研究室はExhibitionにも参加します!富士通SSL社と並んでブースを出しますよ!

こんな折,実行委員長の北村先生からメッセージをいただきました.

SA15プログラムにはいずれもそこそこの数の投稿があり,レベルの高いプログラムが組めそうな状況が見えてきております.皆様のご尽力に感謝いたします.

一方では,Exhibitionの盛り上がりはあまり伸びがないように聞こえてきます.
Exhibitionはその国/地域のCG産業の盛り上がりを感じるのにもっともわかりやすい場だと思います.
たとえば,

・映像関連(オリンピックに向けて仕事がほしい/人がほしい)
・電機メーカー(VR関連の新規事業,コンシューマエレクトロニクスなどでのアジア圏でのプレゼンス)
・ゲーム関連企業(人がほしい!/知名度あげたい/ファンサービス)
・IT関連企業(社員活性化,異文化を体験)
・ベンチャー企業(知名度向上,アジアでのパートナー掘り起し)
・学校(高専,専門学校,大学等)/研究所(社会周知,発信)
・自治体(LavalのようなVRで町おこしをうちの自治体でもやりたい!)
などなど,大きなチャンスだと思います!

実はExhibition参加は大穴かもしれない

ケルンメッセさんから以下のような情報が届きましたので紹介します.
—-
★★★ 出展者&スポンサー募集中 ★★★

最終出展申込締切:2015年7月31日(金) お急ぎ下さい!

◇ シーグラフアジア史上最大規模での開催!
◇ 国内出展でありながら海外への情報発信も強力にサポート!
◇ 50超の国と地域から来訪する7,000人以上の業界関係者とダイレクトに商談!
◇ これまでの関係強化はもちろん、新規ビジネス構築には欠かせない基盤!

スタートアップ・ベンチャー企業様向けのプランもご用意しております。
詳細は事務局までお問合せ下さい。

最終出展申込締切:2015年7月31日(金)まで お急ぎ下さい!

ご出展・スポンサーシップに関するお問い合わせ
http://a01.hm-f.jp/cc.php?t=M260918&c=6287&d=4cd0

★★★ 助成金を活用してシーグラフアジアに出展! ★★★

J-LOP+(ジェイロッププラス)  ⇒ http://plus.j-lop.jp/

平成26年度補正予算による助成金制度、J-LOP+(ジェイロッププラス)。
海外展開に必要な「映像素材等のローカライズやプロモーション」を行う事業者に対しての助成金制度。
お申込の条件、要件、対象費用、手続のルール等はJ-LOP+へお問合せ下さい。

経産省が応援するクールジャパンからの流れですね.

J-LOP+は、平成26年度補正予算による「地域経済活性化に資する放送コンテンツ等海外展開支援事業費補助金」を活用し、海外展開に必要な「映像素材等のローカライズやプロモーション」をおこなう事業者に対し、補助金を交付することにより、日本のコンテンツの海外展開を支援し、「日本ブーム創出」にともなう「関連産業の海外展開の拡大」や「訪日観光等の促進」による地域経済活性化につなげることを目的としています。
J-LOP+は、平成26年度補正予算による「地域経済活性化に資する放送コンテンツ等海外展開支援事業費補助金」を活用し、海外展開に必要な「映像素材等のローカライズやプロモーション」をおこなう事業者に対し、補助金を交付することにより、日本のコンテンツの海外展開を支援し、「日本ブーム創出」にともなう「関連産業の海外展開の拡大」や「訪日観光等の促進」による地域経済活性化につなげることを目的としています。

ちなみにJ-LOPは鳥取県 とっとりマンガ王国と「Manga Generator」のコラボレーションによるワールドツアーでもお世話になっております.
SIGGRAPH ASIA 2015神戸に会社丸ごとで出展するナイスな助成金ではないでしょうか.

公式資料から紹介

ご厚意で,ケルンメッセさんから出展者(Exhibitor)向けの資料をいただきましたので共有します.

sa1
来場者見込6400名です!

 

来場者の属性
アニメーション関係が多いとのことですが,学生がメインの参加層であることは見逃せません.

 

来場者の購買決定権保有者および関心
来場者の購買決定権保有者および関心

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出展タイプと出展参加料金
米国SIGGRAPHに4000USD出すよりは,渡航費やその後のフォローも考えるとかなり安いんじゃないでしょうか?日本に来たい海外の才能を発掘するという上でも,日本のとんがった才能を発掘するという上でも.

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米国SIGGRAPHに4000USD出すよりは,渡航費やその後のフォローも考えるとかなり安いんじゃないでしょうか?日本に来たい海外の才能を発掘するという上でも,日本のとんがった才能を発掘するという上でも.

まとめ・フィードバック募集

以上,査読や執筆で超忙しい中,駆け足でまとめてみましたが,関連情報などあればまた加筆したいと思います.

質問などありましたらTwitter(@o_ob)等でどうぞ!

特に「上司にこういう質問された,こういう情報ほしい!」など歓迎です.

中学高校高専,専門学校,大学等の学校団体で見学されるかた,こちらも歓迎!

直接ケルンメッセさんにお問い合わせください,その際ご一報いただいて,ケルンメッセさんにも「白井先生のBlog見ました」と言っていただけるとよいフィードバックになると思います.
☆白井はケルンメッセが儲かってもあまりいいことはありませんが,中高生も含めた若手の参加が期待できるためにはSA神戸&SIGGARPH自体が盛り上がってほしい,その想いで筆を執っております☆
See you in KOBE!!

 

 

大学は自由な学びの場所であるから

大学自由な学びの場所であるから、
授業を休むことも本人の意思で行うことができます。
休学することだって、保証人の同意があればすることができます。

言ってしまえば、小学生のような長い夏休みよりもさらに長い休みを、
自分の好きな時に、好きなようにとることができます。すばらしい!

 

もちろん、学費を捻出してくれている親御さんや、
講義の準備をしている先生、
毎週朝早くから時間に間に合うように来ているほかの受講生や講師のお気持ち、
それから、君自身が本当にやりたかったこと、
そのために学ばなければならないこと…。

夢とか

ユメとか

 

将来とか。

 

引用:書籍『それでも僕は夢を見る』公式PV (作・水野敬也 画・鉄拳/文響社)

 

それらすべてが許してくれると思うなら、休んだらいいと思います。
もちろん休む前と休んだ後の結果は同じではないだろうし。

大学は止めないよ、むしろ
ほとんどの教職員が「それは自由意志ですから」とか、もっとひどい例だと、
「進路が間違っていることが分かったとすれば、それも学びですから」とか言う人もいる。
それがわかるぐらい勉強しているなら、そもそもそんなところで躓かないですよね。

一方で
『もっと引き留めてくれるかと思いました』
とおっしゃる学生さんもけっこういるので、筆を執っているのですけど。

休むことは自由です。

人生には誤った選択をすることも、耐え切れなくなることもあるでしょう。
今の世の中は、そういった人も何十年も生きていかねばならず、
休む選択だけは与えてくれます。

その休みという名の学びで、いかにして自分の人生を軌道修正するか?も自分で学ばなければならないです。

 

夢とか希望とか将来とか。待っているわけです。

 

アルバイトが大変?

そうね、でも時給で自分の時間をお金に変換している時間はないと思うけれど。
そのお金で、もう一度学びなおしたいというのなら止めないけれど。

18歳から22歳の学びの時間は、今しかないんだよ。

『後で学べばいいや』

ってことは多くあると思います。

というか、大学で教えていることの多くが「きっと後で学べそうなこと」なのかもしれません。

でもそれは、
1~2年生の基礎や基盤なのであり、
専門家になるための常識なのであり、
10年そこらで変わるような話ではないのであり、
その教科を興味深く面白く教えられないのは、たまたまその先生が比べてヘボであり、いままであなたに接してきた教員が比べてナイスだったのであり、
不満があるなら、その先生に「先生の教え方がちっともわからないです」って言ってあげたほうがいいだろうし、
そもそも周りでそういうことを言う人がいない、つまり君自身がその講義なり演習なりについていけないようなら、
やっぱり教育環境の問題というより、本人の素質や才能や熱意や集中力がその教室の平均を下回っているということであり、
今その年齢で「ふつうは学んでおかなければならないこと」であることは間違いないと思います。

『そんなことはないんじゃないか、きっといま頑張らなくても大丈夫、俺には他の才能がある』とおっしゃる学生さんもいるかもしれません。そうかもしれません。
でもなぜ、いま君は大学の授業についていけないのでしょう?ほかにやりたいことがあるから?

音楽を志す人、特にプロの演奏家になりたい人が『どうして僕は3歳から5歳のときにピアノやバイオリンを始めていなかったんだろう!』って嘆くのに似ています。

3歳からバイオリンやピアノを始めていても、プロの演奏家になれない人のほうが多い、って知ってますか?知ってますよね、音楽を志しているのですから当然知ってますよね??

3歳からバイオリンやピアノを始めていても、音大に行かず、音ゲーの世界ランカーになったり、電子楽器の発明者になったりする人もいますし、
音大の進路先を見れば、演奏家以外にも多種多様な職業があるのだなあ、なんてことは中高生でも調べられることだし、
そもそも幼児教育なんてまるっきり関係なく、自分の意思で野山を駆け回っている人のほうが、大きなことをしでかしたりします。

いつまでも親や他人のせいにしますか?
君が尊敬する音楽家は「自分の親のせいでこうなった」とか言ってますか?

君の見た夢や希望や将来は、君が見たものであり、
いつ叶えるか!何をもって達成したとするか!は君次第。
それに親を巻き込んでいい年齢も、そろそろ終わる。

 

将来を不安に思うことも大事だと思う。
その回答は親や先生には出せないよ。
残念ながら君とは別の人生で成功してきているのだからね。

中学高校の時に見た夢が、いまの世の中に存在しない、自分の実力ではたどり着けない、

でも、周りにいるご学友はその不安と同じ不安と向き合っているのではないでしょうか?

学校に来て、そいつらとぶつかり合って、騒ぎあって、一緒に将来への不安や、社会や会社といった馬鹿な大人たちを、
見返すような大きなことをやってのける、それが大学生というものではないのかい?
そんな自由もあるんだ。大学には。卒業すれば、いろんな進路に進んだ同胞が、また別の人生を歩みながら教えてくれる。

だから講義は休んでも、大学生は大学には来るべきだと思う。
多少やりたいこととズレていても、卒業できる大学は卒業すべきだと思う。

さっさとこいよ、待ってるよ。

 

 

P.S. このBlogは演出上、特定の学生に呼びかけていますが、実在する学生ではありません。あと音大に恨みがあるわけではないです、美大芸大とか他の大学・学部・専門でも同じ「一般論」ととらえていただければ幸いです。
それから、読んでほしい人は学生さんというより、大学生の親を持つ親御さんだったりします。なお、大学の事務職員は人間的に尊敬できる人物で専門性があり常に冷静に教育的立場をとれる保証があるかどうかで採用されていないことが多いので想像を裏切るような発言があったとしても真に受けないほうがいいです。一人でも多くの迷える学生さんが、信頼できる大人に出会い、明日の世の中を作っていくことを祈り筆をおきます。