IVRC2016、最終審査にむけて、エールを送る

国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト「IVRC2016」ファイナルステージがいよいよ次の週末、日本科学未来館で開催されます。

http://ivrc.net/2016/

動画に字幕もつけさせていただきました。
明日からフランス人チームやLaval Virtualからゼネラルディレクターもやってきます。

来週の今頃には、総合優勝が決定しているはずです。

 

以下、審査員というよりはいち実行委員でもなく、VRエンタテイメントシステムを研究開発教育しているの先生のつぶやきと思ってください。

具体的な個々の作品へコメントは一切出てきませんが、下の方に大学3年生を使った体験前印象調査の結果は公表しております。

IVRCは誰が優勝するのか

IVRCの作品選考基準は「新技体」。新規性・技術・体験、です。

さらに優勝作品は「SIGGRAPHに持っていけるか?」という視点でも選ばれます。つまり、新技体、

  • 技術的にどんな新しさがあるか?
  • 体験として何が新しいか?

に加えて

  • それが英語で説明できるか?

という点が重要になります。

ストーリーは重要ではない?

作り手はストーリーを詰め込みたくなるかもしれませんが「国際的に伝わるかどうか?」の方が重要です。つまりストーリーは主眼に置かれません。言い換えれば、体験、ナラティブとしてはわかりやすく、ストーリーとしては先入観なく多文化で受け入れられるものである必要があります。余計なストーリーを追加することで、体験内容の評価が下がることはあっても、上がることはない、ということ。

まあこれは人によって意見は分かれるのかもしれませんので信じる必要はありませんが、「サマーレッスン」はそういう意味では良い資料で、ただ見ているだけだけど「とても近い!」というグラフィックスの力が光ります。中で起きるイベントは基本的には部屋を中心に起きることで、体験者は移動しません。全て同じループに戻ってきます。

一方ではサマーレッスンは海外では勘違いされまくっていて、発売すらできません。もちろんフランスでも無理だと思います。

しかし、発売前の体験者に向けて、明確に示されたストーリーは、ほとんどないのですよね。プロットや設計はあるのですけど。でも体験前の人はこれだけ勘違いをしてしまうのです。動画を見た人も。

VRってこわいですね。

 

VR作品が持つコンセプトと体験の乖離

「作品が持つコンセプト」と「実際の体験の乖離」には気を使ってください。
体験者から「これは〇〇なのだよね?」という感想を貰う前に、体験のベースになるような「シッカリとした感想」を抱けるように工夫した方が良いです。

ストーリーについて。もちろんSIGGRAPHでも「VR StoryLab」というセクションが生まれたりしているので、ストーリーを作りたい、そういう欲求があるのはわかります。でもその場でもRez Infiniteは評価高く、攻殻機動隊はあまりお客さんが付いていませんでした。前者は「思い描いた世界」を予想以上に体験できていましたが、後者は予想を上回る体験があったかというと「観て終わった感じ」があります。もちろんインタラクティビティが違いすぎますが、知名度の問題ではなく、アトラクティビティと提供している体験の乖離の問題ではないでしょうか。

作り切れ!話はそれからだ

いろんなメディアでものづくりしてきた側の視点ですが「作り切る!」という行為は大変骨が折れる作業です。一方で「作りきれなくてダメになった作品」は山ほど見てきました。

そういった意味では、初志貫徹して最初に自分で書いた企画書などのコンセプトを読み直してみたほうが良い作品になると思います。

情報デザインは引き算です。時には削ぎ落とす事も大事です。

体験したい審査員には「中身見せるモード」などで体験できるようにとっておけば良いのです。

ストーリーの作り込みをするよりもやるべきことはないか?

作品の外側も、よく見ましょう。中身の作り込みは、本当に作品がよいならテレビ番組やイベントなどに引っ張りだこになり、決勝後で嫌という程やる時間はあると思います。むしろ作品を良く引き立てるための外装や、中身部分の設計にの整理が必要な段階では。状態遷移図や絵コンテなどの設計図を残して、興味ありそうな審査員、プラチナスポンサー各位にクリアファイル等で見せると良いと思います。

フランス人審査員にも説明できますか?

研ぎましょう。

日本語しか通じない相手しか相手にしていないのでは海は超えていけません。
オペレーターの説明なく、一連の体験だけでコンセプト伝わるかどうか。
これが一番大事です。

大学3年生にアンケートしてみた

情報メディア学科3年生の講義「メディアアート」の課題をかねて、事前調査を行ってみました(毎年やっています)。

「体験してみたいかどうか?」というattractivityにおいて、上記のようなデータがでました。このデータをどう見るか?は各位にお任せします。中の人としては混雑予測にも使えますが、少なくとも決勝において「体験に並びたくない」という作品はないことは大事。

ついでに、1階のInnovative Technologies展示についても調査しました。

IVRCファイナルステージは天覧試合です。残っているだけで十分素晴らしい。
次の年にDCEXPOでぶっちぎり人気になるまで、「作り切り」ましょう!

白井もLaval Virtualブースで新作展示です。

DCEXPO2016にて新作展示発表(10/27-30)

Good luck!!

書籍企画書公開「ゲームが世界を動かす!『INGRESS』」(仮題)

2015年2月ごろ、とあるコンビニで買える系のムックなどを出されている出版社向けに企画した内容です。
要は企画が流れてしまった、ということです。残念。
まだ市場としては熱い部分もあると思いますので、これは!と思う気概のある出版社さんがいらっしゃいましたら、ご相談ください。
書籍の企画書に興味があるという人もいらっしゃるでしょう。まあこれという書式があるわけではないそうです。
なお、この企画書をパクったり、一部を真似て似たような本を出すことは可能と思いますが、そういうことをしてもコアなIngressファンには嫌われて、この本は売れないんじゃないかなと思います。

むしろ、一緒にこの本書きたい!表紙も描きたい!インタビューされたい!という人を探したい思いです。
それを支えて出版してくださる方を探しています。
(まあ電子書籍でも出すかもしれない、それでは意味がないのですけど)


■書籍企画案
「ゲームが世界を動かす!『INGRESS』」(仮題)
Ingress, a game which moves the real world.

世界1000万人以上が熱狂し、社会現象になりつつあるARゲーム「INGRESS」
INGRESSが社会をどうかえていくか?何が起きているか?に迫る日本初の書籍
【著者】白井暁彦(エンタテイメントシステム研究者・神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 准教授)
【取材対象者】(非公開)
【判型】A5判 並製   【価格】1500円 【構成】全160ページ、ソフトカバー、前半16ページフルカラー
【発売時期】2015年7月 【初版部数】6000部
【企画概要】
世界で1000万人以上がプレイするGoogleが開発したARゲーム『INGRESS』。
そのINGRESSをテーマに、ゲーム性、経済、地域、アート、社会、マンガ、社員、家族…そしてあなた自身。それぞれの人々が、社会が、世界が変わるゲーム、このゲームは「なぜ面白いのか?」「今後の動きが見逃せないのか?」をエンタテイメントシステムの研究者がわかりやすく分析する。
【著者プロフィール】
エンタテイメントシステム研究者。画像工学、メーカー、国際的なゲーム開発などを経験し、東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻にて子ども向け触覚エンタテイメントシステムの研究で博士(工学)を取得(2003)。NHK-ESにて次世代コンテンツのためのバーチャルセットの研究、2004年末よりフランスLaval市にてVirtual Realityによる地域振興に参加、2008年より帰国し日本科学未来館にて科学コミュニケーター、2010年より神奈川工科大学情報学部情報メディア学科において、ゲームクリエイターや科学館・博物館での展示物開発、メディアアーティスト育成のための教育研究に従事。代表的な研究に多重化隠蔽映像「Scritter」「ExPixel」など。工学的なものづくりや展示物、作品プロデュースだけでなく、エンタテイメントとその技術が将来にわたって意味のある存在であるためには何が重要か、という原理的な整理や歴史、哲学、理論化などの研究も行なっている。著書「WiiRemoteプログラミング」、「白井博士の未来のゲームデザイン―エンターテインメントシステムの科学―」。レベル10緑。首都圏ランキング最高10位ぐらい。メディアアートとしてIngressを教え、学生や相模原市立博物館とともに「相模Ingress部」を結成し、初心者向けイベントなどを開催している。

■参考
・【先生がガチ】研究室の学生と博物館職員がIngress部を立ち上げるまで(Ingress速報・2014年12月26日) http://ingress.blog.jp/archives/19432501.html
・なぜ相模Ingress部は研究で、相模原市立博物館の活動なのか(相模Ingress部・2014年12月22日)http://ingress.sagamiharacitymuseum.jp/2014/12/22/about-research-of-ingress/
・部員手帳(一般向け情報、用語集など) http://ingress.sagamiharacitymuseum.jp/2015/02/11/ingressbookletv22/

【読者ターゲット】
コアなファンに加えて、すでにINGRESSをインストールしたが面白さが分からない層、これからINGRESSを活用したい地方自治体や企業のPR担当者、マーケティング担当者など。交通タイムス社のクルマ雑誌の読者かつ家族サービスでドライブするネタに餓えている男性、ダイエットに効く、というが独りで始めるのが怖い女性(既婚含む)、中高生など。
コアなファンは「リアル課金」と称して、INGRESSに関連するグッズを購入することに関しての垣根は低い。コアなファンの実数としては2014年12月開催のDARSANA TOKYOの参加者5000人、2015年3月京都開催のSHONINが3000人以上と見られている。エイ出版社「flick! Digital」(2015年1月号)特集はまとまっているが、紙の本はまだない。

【構成案】(分割・統合可)
1. INGRESSってなんだ?
基本的なルール、何が面白いのか?(伊集院光さんのトークなど)、何が新しいのか?
2. INGRESS、経済を動かす
企業担当者に訊く、INGRESSとのコラボ効果とその裏。
3. INGRESSが地域を動かす
地域経済への刺激、各自治体の取り組み、相模原は東京の中央!?、博物館とのコラボレーション、実際の経済への影響
4. INGRESS、アートを動かす
世界中で展開されるポータルアート、グッズ類、文化庁メディア芸術祭エンタテイメント部門大賞受賞の理由
5. INGRESS、マンガを動かす
商業誌、同人作家などクリエイターに聞くIngressライフ
6. INGRESS、社員を動かす
各社で広がる「INGRESS部」、使うSNSが変わる、うつ病・ダイエットに効く、出社時間・通勤経路が変わる
7. INGRESS、家族を動かす
ダイエットに効く、家族サービスに効く、INGRESSをテーマにしたドライブ(安全なプレイの仕方)など
8. INGRESS、あなたを動かす
INGRESSをはやらせよう(公式FirstSaturdayイベントの開催方法)、ランキング入りを狙おう、今から始めるINGRESSなど。情報メディアとゲームを使ったゲーミフィケーションの可能性など。
【コラム案】
・上級者インタビュー ・公式グッズ紹介 ・ユーザー制作グッズ紹介   ・珍ポータル紹介
・動かないINGRESSなど珍プレイスタイル紹介  ・トラブル集(不審者対策、HOでのトラブル)
・何がゲームオーバーなのか? ・マンガ紹介 ・INGRESS割 ・昼休みINGRESS食べ歩き
・INGRESS情報サイト ・コミュニティの探し方

【取材予算、執筆料】
執筆料は、10%印税を基本にご検討ください。インタビューお一方につき取材費を3〜5万円+交通費等の取材費(海外の場合は別途検討します)。テープ起こしなどでご協力いただける方を紹介いただけると原稿が早く上がってよいと思います。

☆企画書執筆(2015/2月)時点の条件です。ワークフローと出版社と共著者と契約書さえ大丈夫なら大幅なディスカウントもあり得ます。

【注意事項】
INGRESSおよびロゴはGoogleの登録商標です。書籍タイトルとして許可が出なかった場合は「スマホゲームが世界を動かす」といった感じになると思います。
https://support.google.com/ingress/answer/2924461?hl=en

【記事サンプル】
▪️代替現実ゲーム「Ingress」で魅力的なまちづくり ―プレーヤーも、観光客も、地域住民も喜ぶためには Part1 ゲームが観光客を連れてくる!?
https://www.kankou-seisaku.jp/ksk/jsp/kankous/st?n=87&d=1
(公開以後アクセスランキング1位でしたが、5/19現在、有料会員のみの記事になってしまったようです)

このブログのエントリーが人気になるようでしたら他にも原稿公開していこうかなと思います。
共著も歓迎です。

IVRC2013エントリー終了まであと30時間…徹夜以外にすることは?

IVRC2013エントリー終了まであと30時間を切りました。

日本全国、または世界からのチャレンジャーは、いま最初の修羅場を体験していることでしょう。

勝てば世界的なスターダムにのし上がれるかもしれないIVRC。

なんとしてでも企画書を書き上げ、書類審査を勝ち上がらなくてはなりません。

 

徹夜に慣れた学生は

『あと30時間!レッドブル飲んで乗り切る!』

と思っているかもしれません。

しかし…徹夜以外にすることはありませんか?

 

冷静に考えてみてください。残り『さんじゅうじかん』ですよ?

普通に考えて、30時間ものあいだ、睡眠をとらずに生きられる人はいません。

いたとしてもマイクロスリープしまくりますし、睡眠が足りないと言動が怪しくなったり、無意味に破滅的な気分になったりします。

大学時代、写真部で30時間ぐらい暗室に入って制作していたこともありますが、

『気が付けば30時間過ぎていた』というだけであって、時間も印画紙も無駄にした割に、いい結果が出たわけではありませんでした。

 

そもそも、この先30時間のうち、一度も睡眠しない!なんてこと、あり得ないですよね?

そんな風に『寝なければ片付くだろう』と信じている時点でプロジェクトはデスマーチ【死への行進】になっている香りがします。

大丈夫でしょうか。

チームワークを考える上でもこの問題は重要です。

残り30時間、このチームは走り切れますか?

 

たとえば残り30時間を、10時間ごと、3分割してみましょう。

確かに締め切りまでの最後の10時間は全力で仕上げたい!

そうすると、そこでの体力は最大限残しておきたい!
そうなると、ラスト20時間はどこかで睡眠を〔入れる必要がある〕、

そこで眠るとなると、この時間は『寝て起きられなくなってもいいように、見通しは出しておく必要がある!』ということになります。

というわけでまずは、すべての書類をPDFにして、アップロードしましょう。

投稿URLが入手できていない?

連絡先メールアドレスどうしよう?

英語タイトル、ドウシマスカー?

梗概って何書けばいいの??
同意書って全員分のハンコいるじゃんねー!

振込証明書、あれ?まさかまだ振り込んでない!!

…といったことがあったりしたら、まずはお手近なホワイトボードに書きましょう。

今作業してもしょうがない事もたくさんありますし、手の空いたチームメイトに手伝ってもらったり、他チームと連携して作業したりすればいいとか、計画を立てればいいわけです。

 

眠すぎて、一生懸命になりすぎて「30時間のうちに絶対寝る時間が必要になる!」ってこともわからなくなっていませんか?

 

それから休憩時間の過ごし方も重要です。

完全にリフレッシュするのも大事ですが、再起動に時間がかかるものです。

書き物を印刷して、ペンを持って審査員のつもりで眺めてみたり、隣りのチームと交換してみたり、といった時間も重要です。

 

残り30時間!

皆さんの健闘を祈ります。