大都会に生まれ育って郊外に暮らす俺が引っ越し考えながら人の幸せと住所についてつぶやく

変な時間にコーヒーを飲んでしまい、また地球の裏側と仕事をしていることも有り、変なテンションでFacebookで見つけた記事。
ちょっとスキなマンガ家さんである江川達也さんがシェアしてた。

28歳OLが選ぶ街「恵比寿」。いつでも脱げる臨戦態勢バッチリな女たち

東京のライフスタイルを紹介して15年の東京カレンダーが、東京に住む女性たちをエリアごとに分類した「東京女子図鑑」女性の趣味趣向は、居を構えたエリアに如実に現れ、よく行くレストラン、出没場所で形成、強化されていく!?

本日は、人気の街《恵比寿》。秋田から上京して、アパレル企業に就職したのをきっかけに「三軒茶屋」に住んだ綾。手取り23万円で、駅から5分の家賃7万円の1K、築5年のマンションで一人暮らしをしていた彼女が、次に引っ越した街とは・・・?

こういう記事読むと、東京もまたバブル期に戻ってきたんだなってカンジがするよ。当時は無知なおっさんたちが多角経営と不動産投資に手を染めてたんだけど、最近はこの手のおねえさんなのかもしれないな、とか。

一方ではこういうシンデレラ調の作文大好きな文芸女子が、半分酔っ払いながら書いてるんじゃないかなって感じもする。
広告として、ステキなお店を紹介して、高い値段に不満も持たずに払ってね、という意味しかない売文オブ売文。
街が人々にとってどんな存在であるのかなんて、広告だとか不動産関係とかにリテラシーが低くて、それに無否定で大枚はたいて後から後からから住んでくる住人の印象で無理矢理にどうとでもなってしまう。例えば恵比寿交番前ってのはIngress民にとって有名なハッテン場だし。ゲーム関係で言えば、スクエニがあった場所だし。写真関係で言えば写真美術館だし。ビール関係で言えばエビスビールだし。元々住んでいる人やその町の歴史なんて、彼らにはどうでもいい。コンクリートで出来た、新品の住居しか興味が無いんだろうし。

三茶の生活感ってのは、あるよね。

三軒茶屋に限ったことではないし、実際に好きで都会に
住んでいる人に悪いからちょっとボカして簡単に表現すると、
電線と電柱がある街と、ない街。
大学がある街と、ない街。
大病院がある街と、ない街。
託児所が無料である街と、ない街。
図書館がある街と、ない町。
バス料金が定額の街と、そうでない街。
バス料金は定額だけど、
ほとんどの乗客がお年寄りで、しかも無料で乗っている街。
高級マンションが並んでいるけど、日本人が住んでいない街。
小洒落たランチやカフェの店しかなくて、落ち着けない街。
どう考えても儲かってなさそうな商店がない街。

でも結婚するってのは生活そのものだから
男性女性にかかわらず、
生活感に嫌悪感を持った人物が結婚するのは難しいだろうな。

そのうち飽きるんだよね、こういう生活感がない暮らしって。
「おもひでぽろぽろ」という高畑映画がまさにそれ。

ところで、自分は横浜の鶴見という下町で育った。
最近では若者に人気らしい。
自分にとっての鶴見はいろんなエリアがあるけれど、総じて本当に下町で。京浜工業地帯から近く、鶴見線沿線と京急沿線は労働者の街。魚臭い街。京浜東北線だって、スーツは着ているけどやっぱり労働者の街。空気は悪いし「川崎病」とか喘息に悩まされる。中学とか毎日ガラス割れるし、スクールウォーズのような事がガチで起きている街で生まれ育った。
いま自分が住んでいるあたりは、自分の先祖が住んでいたあたりで、親がわざわざ横浜に住居を構えたのに、わざわざ田舎に住んでいる事になる。
というか、住めないよ、横浜。土地高いし税金高いし。空気悪いし。教育ひどいし。

中学高校時代の人で、生まれ育ったエリアから近いところに住んでいる人も(二世帯住宅とかも)いるのだけど、それは本当に大変だろうなと思う。親子の仲が良いところは良いのだろうけど。そういえば、結婚している人も子供を産んだ人も本当に少ない。正直なところ、ライフコストが高すぎて、高卒レベルでは、単身では絶対に家なんて持てないし結婚なんて無理だ(と多くの人が感じているし、実際にそれほど既婚率も出産率も高くない)。

ライフコストが安い神奈川県央エリアに行くしか無い。
しかし県央エリアで育った人はどうなんだろう。
具体的には横浜線を北上するエリア。最近の若い人。

今日、その横浜線沿線の駅前。某イトーヨーカドーの某店で買い物して驚いたのだけど、
品揃えが近所(相模原市中央区)の某イトーヨーカドー系列の某店とぜんぜん違う!
ここは成城石井かよ!ってほどではないけど、輸入食材とかが並んでいる。
で、びっくりしたのが、地元産の大山豆腐。
近所の倍近い値段で売っている。
たしかに路線価的には東京都町田市プライスだけどさ、同じ横浜線だぜ、住所的には相模原市南区だし、数駅しか変わらない。
それなのに豆腐1丁あたりの値段が倍とかドン引きですよ。
相模原の片田舎のほうがQoL高いんじゃね?
高くていいもの買っているならともかく、同じものだしなあ…。それに東京都町田市や横浜市というわけじゃなくて、相模原市の中央区と南区ってだけの違いだし。税金だって固定資産税だってさほど変わらないのに駅前スーパーの豆腐一丁の値段で透けて見える。
これは貯金はおろか、住宅ローンだって減らないわけだよ。

あと某イトーヨーカドーの商売ね。
セブンプレミアムという、消費者が深く物事を考えられないブランドを展開して、メーカーも弱らせて、中身のクオリティも値段もつけ放題。儲からなくなったら、街ごと撤退。
某イトーヨーカドーは隣に某イオンもあるのだけど、カルテル行為もいいところだよ。

消費経済の上ではプライスは安けりゃいいってわけじゃない。土地代とか人件費もあるのはわかっているけど、物の値段にセンシティブで、クルマで10キロ圏内なら移動してしまう相模原民からすると、ちょっとおかしいよな、って思う。どんだけスーパーのプライシングに躾けられてるんだよ、と。

ちなみに相模原は段丘状の土地になっていて、市役所のあるあたりから相模川に向かって、上段(うえだん)、中段(なかだん)、下段(しただん)、最下段(さいげだん)と呼ばれている。
なんか被差別っぽーい、と思うが市役所の人がそう呼ぶのだから、役所では常識なのだろう。土地の物件・路線価によって固定資産税が違うのだから役所の人にとってはクライアントである。不動産関係の人は、買ってくれる人の職業や資金のことまで知っているから、知らず知らずのうちに住所でその人物の世帯収入などを透けて見ている。

先祖代々の土地を引き継いだ長男でもなければ、また、貧乏から脱出できないのでなければ、ハザードマップで水没する訳ありの土地には住まないだろう、という論理。

潤水都市」などというキャッチフレーズがつくよりも前に、
水路のある町が好きで住んでいるんだが。しかも横浜の大都会から引っ越して。

まあよい。

川向うの愛甲郡愛川町なんて、より物件が安い。ハザードマップで水没することも少ない。駅がない、政令指定都市ではない、神奈中バスに足を握られているというところを除けば何らデメリット無し。外国人労働者が多く、日本人より外国人のほうが目立つぐらいになってきたが、特段に治安が悪いということもなく、パチンコ打ったり飲み歩いているのはむしろ日本人が多い。

まあよい。

豆腐だけではデータが足りない。こういう町は住めるのか住めないのか。
下町育ちのゲーマーでゲーセン店員だった私は、土地の風土や民度が読めないと、ゲームコーナーに行ってヒューマンウォッチングする。図書館でも良いのだけど、まずそれがないし。

ゲームコーナー、特にメダルゲームコーナーに居る子どもたちやお爺さんお婆さんたちを観察し、そのプレイを見ていると、いろんなことが透けて見える。
お金の使い方、子供の方っておかれ方、メダル貯金で延々と遊び続ける子どもたち、メダルゲームしている主婦の目のイキかた…。トイレの汚れ具合。時間とお金に余裕がある人が、何をするのかを短時間で把握するいい方法。パチンコ屋でも良い。図書館は蔵書と本の痛み方、貸出ランキングとか注意張り紙や機関紙をみればだいたいのことはわかる。
もちろん、パチンコ屋やゲームコーナーにいる人はそれなりに変わった人かもしれないけど、絶対数が多ければたくさんいる。パチンコ屋は閑古鳥が泣いていても、それなりに成立する場合はあるけれど、ゲームコーナーに閑古鳥が泣くような町はありえないし、そういう街は先にゲームコーナーが潰れる。まあストアチェーンのゲームコーナーは最近はほとんど標準装備だし、いる人達も隙があって、素のままの姿をさらけ出している事が多い。

バブルの頃を思い出すと。
若い人にとっては、給料が無意味に上がっていく。実力とは関係なく。
自分は新聞配達のバイトで月給23万ももらっていた。その後、わけあって会社が潰れたり、自分自身が自費で浪人してなんとか大学に合格したこともあって、年齢が18歳を超えて、風俗業で働けるようになったのでゲーセンバイトを選んだ。なんといっても給料が良かった。パチンコのほうがもっと良かったが周りで耳が悪くなっている人が多かったのでやめた。飲食バイトとゲーセンバイト、どっちに時間を売るかを悩むが、私はゲームがタダでやれるのでゲーセンバイトを選んだ。その後、大学での写真が本当に面白かったので、誰でも時間を売ればできる、技術が必要でないバイトはしばらく辞めた。

バイトでこのレベルなので、正社員はもっとバブルだった。
昨日まで牛丼屋の店員だったような人が、ITの研修を受けるだけで、SEになれた。
給料もどんどん上がる。
自分の実力とは関係なく、世間がイケイケドンドンになるのだけど、実際にはそれって危ないことで、リアリストであること、つまり生活感がある、自分の生活や人生のキャリアプランが地続きであるということそのものが、ほんとうの意味で実力のある人の生きる生き方なんだと思う。

牛丼屋の店員だった人も、勉強し続けた人は、偉くなったし、社長になった人もいる。
逆に、最初の研修からずっと勉強してこなかった人は、いまだにCOBOLやデータベースの夜間処理とか緊急対応とかで喰っているようだ(それはそれですごい運がある)。

さて冒頭の、三軒茶屋から恵比寿に引っ越したおねーさんの話だけど、あと5年ぐらいすると、
そういう暮らしにも飽きるんじゃないかと思う。
そもそも40歳過ぎると脂っこい飯なんて毎日喰ってられないからね。

小洒落た店で金出して食べる楽しみもいいけれど、
自分で作れるほうが絶対楽しいし、みんなでワイワイ食べれる方がいい。
メダルゲームで無限に遊べるのはいいことかもしれないけど、
勝負に執着するのもいいことかもしれないけど、
メダルゲームに時間を費やす虚しさに気がつくのも大事なこと。

ま、簡単にいえば、余力がある、豊かだってことだよね。
そして豊かであるってことは、その人がずっと幸せであるってこととは別ってこと。
何が幸せなのかは、自分で探していかないとだからね。

子どもたちはフランスで育ったり、野山を駆け回って野鳥や虫やカエルに囲まれて育ったけど、
ずっとそういう暮らしが好きだというわけでもなし。
都会しか知らずに育っていく人もいるし、私のように都会から郊外に越す人もいるし。

選択して、開拓して、苦労して、乗り越えて…そういうところに人の暮らしの幸せってあるわけで、はじめから満たされている子どもたちのほうがよっぽど可哀想。
街の変化スピードと人々の暮らしの変化スピードの差なのかもしれないね。
そんなことを考えながら、引っ越しを考えているよ。
まあいつも考えているので引っ越さないかもしれないけど。

自分は、たぶん「相模」のこのエリアが好きなんだよ。
大学の頃に厚木温水の川沿いに住んでいたからなのかもしれないけど。
そして、自分が好きであるかどうかに関わらず、街はどんどん変わっていくんだよね。

横浜の鶴見も、今はもう少し住みやすいかもしれない。
多感な省中学高校生や喘息持ちにとって辛いだけで、新婚さんには素敵な街かもしれない。

もっと自由に引っ越せる自由があったらいいのにね。不動産とはよく言ったもの。