白井研究室の育て方

うちの学生が研究で評価されたそうです

このたび,白井研究室で指導している神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科4年生の鈴木久貴君が,世界最大のコンピュータグラフィックス&インタラクティブ技術の国際会議であるACM SIGGRAPH 2014において,ACM Student Research CompetitionのSemi-Finalistに選出されました.

これはSIGGRAPH 2014 Postersに投稿された学生発表のなかで学部生部門,院生部門それぞれにおける世界トップ3に選出されたということで大変な名誉であります.結果などはこちら.

SIGGRAPHのPostersという場所について

ACM SIGGRAPHのPostersには特に日本の大学から多くの発表が投稿されます.
ACM(Association for Computing Machinery, アメリカ合衆国をベースとする計算機科学分野の国際学会。1947年設立。IEEEとともに、この分野で最も影響力の強い学会。SIGGRAPHやSIGMODなど数多くの国際会議を開催している。また、チューリング賞、ゲーデル賞を授与する組織としても知られる; wikipedia)の採択規定では全カテゴリにおいて採択率33%を上回る必要があります.この時点でいわゆるふつうの国際会議のPaperより難度は高くなるときもあります.
鈴木君が今回投稿した件は,最も遅い締め切りの「Late Breaking」というカテゴリなので,採択率は25%程度と聞いております.某大学の事務は「Postersはポスターなんだから,口頭発表じゃないでしょ?」ということも言われたりするようです,それはまあしょうがないのですけど,ACM SIGGRAPHの難易度や参加者規模(数万人)対してその評価はあんまりです.
一説には,Postersよりも数段難度の高いTechnical Paperに投稿したほうがよい,という意見もあります.私もこれは完全に同意です.多くのCG系の研究室に所属する学生にとって,「SIGGRAPHに発表者として参加できる」ということは,大変な名誉であり,ドリームです.しかし1ページのアブストラクトしか載らないのに,年に一度のこのチャンスに,大変なアイディアを絞り出したり,一方では,Postersに通すために似たようなサブジェクトを細切れにしているような例など見かけると,本当に本末転倒だと思います.
ちなみに私は,某SIGGRAPH ASIAで似たような研究をしているカナダ系中国人の研究者に,「はあ?君のアイディアがどんなにすばらしかろうが,1ページ2ページのショートペーパーがあるぐらいでデカい面するな,こっちはIXXX(伏字)のフルペーパー通っているんだぞ!」と凄まれたことがあります.これはくやしい.ちなみに偶然の一致と思いたいけど,彼の研究室の学生は私のYouTubeビデオは見ているし,おそらくショートペーパーも見ている,しかし引用はされていない.「引用に値しないショートペーパーだから」という理論だそうです.これもくやしい.
日本の研究者のみなさん,研究者のタマゴのみなさん,まずは8ページから10ページの長文を書きましょう!
志は高く!話はそれからだ!
そうでなければ,Posterに出した論文はパクられる運命にあります.
そもそもSIGGRAPHのPostersの投稿規定にもそれに近い話は書かれているし.
とにかくPostersに出すなら,覚悟はしましょう.
ちなみにACM Student Research Competitionについて,産総研の加藤淳さんが「ACM Student Research Competition参加のすすめ」というブログエントリーを書かれています.こちらも別の視点のご意見ということで紹介させていただきます.

白井研究室の人の育て方について少々紹介

いい機会なので,白井研究室の人の育て方について,ちょっとまとめてみたいと思います.
白井研究室の人の育て方の基本方針は以下の通りです.
(1) その人にはその人にあったハードルを
(2) 30%ルール,いろんなことをやってみよう
(3) 「心の力」を最大限に信じる
…という考え方です.まあどれも当たり前なんですけど.

我々は未来に進んでいくしかない,残念ながら.

まず「(1) その人にはその人にあったハードルを」という考え方です.これは基本原則.
飛べないなら高いハードルは設定しません.
しかし白井先生は自分自身に高いハードルを設定しています.
これは”忍者式”とでもいいましょうか.低木を飛び越えているうちに,壁も越えられるようになる…ってあれです.

すごいスピードで成長するなら,どんどんと高いハードルがやってきます.

でもそうでないなら,低いハードルを設定し,低いところから増分も少なく増えていきます.
ただし増えていくことは変わりません.我々は未来に進んでいくしかないので.
そう、未来に進んでいくしかないんです!
記憶や知識や技能を持ったまま,過去に戻れるなら戻りたい!
…でもそんなことはできない,我々の時計にはラッチ機構がついていて,後戻りもCtrl+Zもできないんです.
だから飛べるようになったら,次からはもっと高く飛べるようになるしかないんです.残念だけど.
だから,うちの研究室では「チート厳禁」です.
世の中には,いろんなチートがありますが,あらゆる意味で「チートする」ということは,「本当は飛べないハードルを飛んだことにする」ということと定義できます.
チートするぐらいなら,物事を簡単にする努力をしたほうがいいです.
よく混同されやすい「やさしさ」ですが,特に周囲の「優しさ」は,落下時のクッションなど,「飛べないハードルを飛んでみたが失敗した人」に対して必要なのであって,飛ぶためのルールはルールとして,どの分野においても後戻りのできないものです.
マンションで育つ子供に「ベランダから落ちたら痛いからね!」と言って聞かせるのと,
1メートルの高さから飛び降りてみさせるのと,どちらが安全に貢献できるでしょうか?
こんなたとえもあります.
[Slashdot]スウェーデンの父親、ビデオゲームをプレイしたがる子供たちに本物の戦争を見せるため、中東へ連れていく
本当に”世界最悪の父親”ってのは,子供をパチンコ屋の駐車場で殺すような親のことであって,こういうのは”いい父親”だと思います.
「あれやっちゃだめ,これやっちゃだめ」,「危ないから規制しよう」というブレーキが,本当の意味で子供たちを「弱く」していることもあります.

白井研究室はいろんな事をやらせてみる

次に「(2) 30%ルール,いろんなことをやってみよう」について.
たとえば鈴木君はパキスタン人と日本人のハーフです.小学校から高校ぐらいまで,パキスタンで教育を受けています.その分,いろんなことを知っていたり知らなかったりします.
それこそが,彼の強みです.
学力とか,勉学とか,受験難易度とか世の中にはいろいろな尺度がありますが,本当の意味で「学ぶ人」は,自分で学ぶ人,すなわち初めてのことをゼロから色々と試し,自分で獲得する人です.
鈴木君にかかわらず,白井研究室は「30%ルール」という指導方針をとっています.
メインは卒業のために必要な学位にかかわる研究です.
サブは就活や,研究になるかどうかわからないエマージングな活動や企業連携などのプロジェクトです.
3つ目の30%は「趣味プロ」と呼ばれる外部活動です.ゲームでも部活動でも映画鑑賞でも,趣味的な活動をどれぐらい極めている極めているか?メインやサブに比較してどれぐらい時間をかけているか,が重要です.
最後の10%が,Blogなどの発信活動です.チーム内の共有ドキュメント,wiki,日記でも構いません.知の共有にどれだけ貢献したか?する意識があるか?です.
「30%ルール」については,過去に「はたらくじん」というサイトで特集していただいたことがありますのでこちらもご参照.
一つのことを長い時間かけてやることも重要ですし,その合間の精神の変化,成長,隙間時間の使い方をいかに他者に任せず自分のものとするか?という方法論の獲得でもあります.
工学だけでもなく,芸術活動だけでもなく,ビジネスも,ボランティアも一通り経験させます.
先生っぽいこともやらせてみますし,言語も英語だけでなく,フランス語,中国語も簡体字・繁体字など,かかわる言語すべてにチャレンジします.
向いているか向いてないか,なんてことは本人が知っているはずもないですから,やってみなければわかりません.
この「いろいろやらせてみる」は次の「心の力」に関係してきます.

白井研究室は”心の力”を最大限に信じる

さいごに「(3) 『心の力』を最大限に信じる」ということ.
心の力以外信用しない,というと「なんか信用されていない」,みたいに聞こえるかもしれませんが,「やるやる詐欺」をさせないということです.
まず「いろいろやらせてみる」をやったうえで,
「学生なんだから,やりたくないことはやるな」とハッキリといいいます.
「好きなことだけやれ」と言っているように聞こえますが,実際にはそんなに甘いものではないと思います.
今の世の中で人間がやらなければならない物事は複雑です,一つのことを達成するためにいろいろなスキルが必要.
もしやりたくない事があるなら,
・やりたくなるように努力する
・好きになるまでやってみる
・嫌いだからさっさと終わらせる努力をする
・それをやらなくてもいい世界に行けるように努力する
これらのいずれかしかありませんよ,ということです.
大人にとってはあたりまえのことですが,その覚悟がない人が,大学生にはたくさんいます.
今の学生のほとんどは,便利で恵まれた平和な子供時代を過ごしています.
大学受験も,もちろん試験で入ってくる学生もいますが,そうでない方法で入ってくる学生もたくさんいます.そのような学生に対して区別も差別もありません.当たり前ですが.
企業の人が聞いたら驚くかもしれませんが,
学生からの努力,根性,強制に対する反発は大きいです.
大人が抑圧して,首に縄をかけて,指導できるようならば,もっと勉強もできるのかもしれないけど,まずは自分の能力を測ること測られることに対して慣れていません.
平和ですね.
やりたいことに対して,脱出したい世の中に対して,いかに垂直揚力を維持できるか?
維持できないなら,いかに短い時間で必要な出力を出せるか?
そういった偏屈なエネルギー源しか,いまの世の中は頼りにできるものはありません.
もちろん,先生の言うことをきちんと聞いて,咀嚼して,理解して,自分で進められるのであれば,何の苦労もないのですけど,そういう人はどうやって育つのか?ということは受験教育などで明らかになっており,「心のスイッチON!」などと呼ばれていますが,どこでその「心の力そのもの」が生まれるのか?については明らかになっていません.まるで「天然もののウナギ」です.
私の研究室の学生には,迫害されたり,不登校であったり,マイノリティであったり……といった学生が多く集まるように感じています.「暖かい海ではないところ」で育った学生が集まる風土があるのでしょうか.いずれにせよ,「挫折をしているけれども明るい学生」が多いです.

じゃあ白井は何を指導しているのか?

研究室での私の立ち位置は,「指輪物語におけるガンダルフ」でありたいと思います.
賢人であり,博識であり,魔法使いであり,タフガイであり,本気を出せば不可能を可能にするような強い力を持っています.
いつも旅に出ていて普通の人には滅多に会えない存在,でもガンダルフにはなれません.理想です.
同じ旅人ならスナフキンぐらいまで,軽やかに,皮肉を言っていたいところですが,そこまで軽やかな存在感ではないです.
実際の学生から見れば,私は「眠った時に出てくる小人さん」,つまりブラウニーぐらいの立ち位置でしょうか.
しかもけっこう隠れるのに失敗しています.
学生が何日も徹夜して書いた,こ汚い論文を一晩もかからずに清書してしまう,そんなことも起きますが,期待されては動きません.
いやなことはやらない,嫌々言いながらやることは速攻でやる.そういう難しいバランス感覚です.

そもそもこの分野の先生はどれぐらいプログラミングすべきなのか?

ところで,今回のSIGGRAPHでのDCAJパーティにて,Paul DebevecとNelson Maxにお会いしました.
PaulはSIGGRAPHのVice Presidentであり,Scritter初代を生んだ,長野君の現在の師です.映画「MATRIX」の超有名シーン,バレット撮影のもとになる技術を大学院1年生で発表した同世代の研究者.
Nelson Maxはつくば万博(1985年)・富士通パビリオンで「UNIVERSE」を作ったドーム3D映像のパイオニアです.この人がいなければ私は未来を見ていないバカガキで,CGにも転んでいないと思います.
そしてNelsonは最近,Pixarに勤めているそうです!すげえ,いま60歳超えてますよね….
そこでPaulがNelsonに「プログラムコード,自分で書いてるの?」って聞いてました.
Nelsonは「もちろん」って答えてました.Paulは「すごいね!僕は最近そんなでもない」と.
私の知る限り,Paulは昔から自分で書いてました,ドキュメントも.HDRShopの翻訳をNHK-ESにいたころにやっていましたが,「その人独特のコードの匂い」というものはあるものです.
まあでもPaulも時間があれば自分で書くだろうな,単に謙遜しているだけかも.
西海岸のCG研究者が偉いな,映画業界から信頼されているな,と思う点はこのへん.
CG研究者として生きている人がそのまま,その産業のコード戦士として戦えるレベルにあること.
だからこそ大きな金額を払うに値する価値がある仕事をするし,その責任は研究者自身が負う.
プログラミングしているうちは頭ボケないらしいので,自分も見習いたいです.

背中を見せて闘うことは大事だが,それだけでは学生は育たない

さて,話を学生の教育に戻します.
背中を見せることは大事ですが,最前線に立っても学生は育ちません.
ある程度,本人のハードルの高さを意識しつつ,100+1%の努力を常に期待しつつ,
本気出した時のクオリティが高く,芸術的で美しくあること,このあたりが大事だと思います.
また学生に示すべきマルチタレント性のその先,つまり難しさも示しています.
白井もつタレントはいくつかありますが,その多様性,エンジニアリングと作家性とジャーナリズム,発信能力などなど,これらは指導して身につくものではなく,「あくまで習慣」であり「生きざま」であり,才能そのものです.
職人としては単一技能であることが重要ですが,ことメディアの分野においては多様性・多才であり,かつそれらを自己管理できることは重要な能力の一つですから,それは背中で示さなければならないことです.
つまり,書き物も,プログラミングも,私は私でやりますし,学生は学生で並列でやります.
どっちが優れているかは,本気勝負です.
もし私が実装できて,学生が実装できないなら,それはしかたがない,学んでいただくしかない.
もし学生が実装できて,わたしがそれを理解できない,追従できないなら,私の学生は共有し,説明できる必要があります.
そう教育していますし,「30%ルールの残り10%」はそのために担保されているようなものです.
もし私が共著者として検証できないのであれば,共著者として不適切ですし,いずれチートを生むでしょう.

よいゲームマスターであること

さいごに,”学生には秘密”のもう一つのロールを書いておくと,
「先生はゲームマスターである」ということです.
「白井研究室」というロールプレイングゲームにはあるときはガンダルフ,ある時はブラウニーとして参加しています.
しかしながら,どんなダンジョンに遠征するか,どんなボスが現れるか?どんな苦難の上にどんな宝を手に入れるか?
といったゲームデザイン,レベルデザイン,バランス調整は緻密に行われています.
“ゲームオーバー”になって死んでもらっても困るからです.
本当の意味でのゲームオーバーは,卒業したときに迎えてもらいます.
卒業して数年したら,
「あのゲームは楽しかったです,先生」と振り返って酒でも酌み交わせればと思います.
まだそんな学生が現れていないのが残念ですけど.
SIGGRAPH 2014 バンクーバーより帰国の機中にて 白井暁彦

喰える履歴書添削(基礎編)

ゲーム関係の就職、それも有名企業の企画職に内定するともなると、会社説明会は1万人を超え、送られてくる履歴書は数千通といった規模になります。その中から採用されるのは年間10名以下、せいぜい2~3人といったところです。

実際にそのような採用試験で最終面接や内定をもらうようになると、各企業がどのような人物を必要としているのかが感じられる能力が必要になります。正直なところ、最終面接は「相性」や「勝負運」も重要なので、攻略法のようなものは掲げませんが、書類審査や一次試験などの予選であれば攻略法はありますし、これは一般的な企業でも共通な点が多いのです。

さて、ここで研究室のMくんから履歴書添削依頼がありました。

今年は遅れがちな学生が多い就活戦線ですが、Mくんは就活には積極的に動いている方です。
普段は先生に報告も相談もせずに「あす受けに行きます!助けてください…」であれば間に合いませんが、2~3日前に持ってきてくれたので、スキャンして添削しています。

今回はじめて添削した内容ですが、意外にも左側の修正箇所が多い。
「文字の丁寧さ」、「実績」などは数日で直せるものではありませんので、本来であれば10月ごろから着手しておきたいところです。

【履歴書の左側】

氏名や住所、学歴などを書くパートです。

自分の名前は楷書で丁寧に書こう!

名前を大きく書くのは自身がありそうでよい、が、「楷書」とは正方形に近い縦横比で繋げずに書く書体です。
例えば、名前が「白井 暁彦」であれば、最も字画が多い「暁」を基準に「彦」や「白井」を書くべきでしょう。
PC作業に慣れているのであれば、EXCEL版の履歴書サンプルを探してくるか自分で作り、練習します。鉛筆などで正方マスを書いてから書くのも良いでしょう。

他にもこのパートは「ハンコは最初に押しておけ」とか「ライトボックスか窓を使ってトレス」などいろんな技があります。

現住所、地番が入らなくなるのは、練習していない証拠

縦横比でいうと楷書を全角とすると半角で書くイメージです。

ふりがなはなんのために書くか?

漢字の上手い下手は「全体の雰囲気」で、丁寧に書きさえすればフォローすることができるものです。最低でも読むことができますが、「ひらがなが下手」という方は致命的です。「ふりがな」は、機能的には「住所氏名等で読めない漢字を読ませるため」ですが、印象上は「何だ、コイツのこのひらがな、自分の名前や住所でこれかよ…!」という事になります。

よくある漢字の名前ならまだいいのです、でも最近は「フリガナ無しでは読めない名前」が増えています。よみがなを含めて、「名は体を表わす」ということなので、特に慎重に美しく書く必要があると言えます。

練習したい人は、50文字しかないので練習しましょう。カタカナ合わせても100文字です。
もっと時間がない人は、自分の名前と、助詞「て、に、お、は、の、か、よ、り」あたりは出現回数が多いので要注意です。あとは促音「っょ」などは大小の区別が付くように。

まあ小学校1年生の内容ですけどね…そこを甘く見てはいけません。
君たちは採用する側から見ると「ゆとり教育世代の子どもたち」なのです。
「基礎で重要な内容ほど、いい加減にやってきた」、「できなくても厳しく指導されてこなかった」と思われていると考えて対策したほうが良いです。

カタカナ、アルファベットも美しく

IT全般に言えることですが、実際の業務で使う文字、特にPCではなく、企画書ラフやスケッチ、ホワイトボードで書く文字の殆どはカタカナとアルファベットです。履歴書の右側ならともかく、左側でこれらの文字が光る場所は以下の点でしょう。

・学部学科名(カタカナ)

特に最近は「情報メディア学科」などカタカナ学科が増えています。クラシックな漢字学科名のほうが印象がいいと思いますが、しかたない。悔いるのはそこではなくて、カタカナ学科名を書く人のカタカナが汚ければ、所詮それまで、ということですね。というわけで自分の学科名ぐらいは美しく書きましょう。特に、「情報学部 情報ネットワーク・コミュニケーション学科」といった長い名前になりがちなので、美しく書くには、縦に長く詰めていくしかないと思います。

それからカタカナには混同しやすい文字が多いです。「システムデザイン」という文字を書かせてみると、その人の性格や、普段人に見られる文書を書いているかどうか、がよくわかります。

具体的には「ツ/シ/ラ」、「ス/フ」、「テ/ラ」、「ン/ソ」、そして促音の大小ですね。

・メールアドレス(アルファベット)

IT関係で仕事をしていると、アルファベットの[o/0][s/S][a/u][1/l][,/.]などを、「判るように書けていない人」が結構いらっしゃいますが、これは致命的です。特にメールアドレスで「a」と「u」を間違えている方は、以後の連絡ももらえない可能性があります。

ところで「恥ずかしいメールアドレス」使っていませんか?

・常識的な語句、フォーマットを間違える

履歴書の左側なんて間違えるはずがないと思うのですが、以下の様な間違いを見かけます。

・「☓卒業予定」→「○卒業見込」
卒業は「自分の意志だけでできるもの」と思っていませんかね…

・「以上」「以上、現在に至る」

どちらかを忘れずに。「以上が右下に書いていない文書を読むと気持ち悪い」という感覚が異常ではなく正常です。

・資格に取得年月が書いていない

これは結構忘れがちです。罫線で年月日が入っている履歴書スタイルもありますが、左側に書く場合、資格名の右側に括弧付きで書くと良いと思います。

(例) 普通自動車運転免許 (平成24年3月取得)

その他、左側で常識的に気をつけたいところ

・学歴は「高校入学」から書く
理由は、義務教育ではなく、「試験をして自分の意志で入るから」です。恥ずかしかろうが何だろうが、偽ってはいけません。
そういう意味では試験をして自分の意志で入るのであれば、私立中学なども書いていいのだと思います。
ところで私のように、いろんなところに就職して博士まで行くと、普通の履歴書では行が足りなくなりますね。
新卒ではない人は「業務経歴書」のほうが重視されますので、そちらで頑張って書きましょう。

・「職歴なし」を記載し忘れる

これを書くことで本人に利益はない項目ですから、普通は書き忘れてはいけません。新卒の履歴書の場合はこれを書き忘れると「書類不備」になることもあるそうです。
新卒と既卒、中途採用を同じ枠で採用しているケースなどではプラスに働くこともあるかもしれません。

 

【履歴書の右側】

実はJIS規格の履歴書では左側しか定められていません。では右側は何なのでしょうか?一般的なコンビニ履歴書の場合は右側に扶養家族や希望などを書く欄がありますが、あれは必ずしも必要ない、ということです。ただ習慣上も皆さんの採用を考えた上でも、ひと通りのスキルが見える項目はあったほうが良いと思います。神奈川工科大学の大学指定履歴書の場合は、右側に卒論や自己PRについての欄があります。

「卒論の概要」…面白そうであること

新卒で就活中の方は「卒業」ではなく「卒業見込み」であることを忘れてはいけません。

しかしなぜ、就活しながら卒業研究などしなければならないのでしょうか?
それは「自分で新しいことを見つけてチャレンジできるかどうか」を見ているのだと思います。

就職活動は仕事ではありません。仕事を始めるだけの十分なスキルや心構えがあるかどうかを問われています。
その状況下において、学位取得の条件であり、かつ「研究」という「今まで誰もやっていないこと」を『その分野の専門ではないが何かの専門家』に判断して頂く必要があります。それも短い時間で。

ゲーム関連やITサービス関連の仕事であれば、まずその内容が「面白そうであること」が重要でしょう。
・タイトル
着眼は鋭いか、短い語句で表現できているか、正式タイトルではないなら(仮)なども忘れずに。
・新規性の調査や市場などの需要は把握できているか?
他人のテーマのコピーなどであればGoogleに聞けばすぐに分かります。あなたがGoogleに聞いたように。
・手法としての新しさはあるか?
「こんな数行で新しさを書くなんて!」と思うかもしれませんが、あなた自身がまだ専門家ではないでしょう。そして読み手も同様に専門家でない人だとおもいます。しかし読み手が「これは新しい!」と思えるような要素に出会えていないなら、それはあなた自身にとっても「面白くないこと」という事ではないでしょうか。
卒論の場合は先生がテーマを設定する場合もあると思います。しかしその中で「自分なりの面白さ」を見いだせていないのであれば、それはやはり「面白くないこと」であることは間違いありません。ゲームやITサービスにおいて、「面白くないことでも進んでやれます」という才能は『必要がない』とは言いませんが、『面白くないことをそのまま自分の顔にできる人』は採用する理由がないのです。

そして研究はひとりでやるものではありません。チームである研究室の先輩や先生との歩調をともにしているか、といったことも重要でしょう。

どうやってまともな作文をするか

まず具体と抽象をとらえ…という話からしても、一朝一夕にはどうにもならないと思いますので要点のみ、まとめます。

具体的でない作文の具体例:「得意科目は数学です」

数学全般でしょうか?せめて「微分積分学」や「代数学」など、科目の名前を書きましょう。成績証明書で確認してもらえます。「情報・コンピュータ関係」も同じくです。例えばコンピュータサイエンス、データベース、資格系、グラフィックス、プログラミング(各言語)などが書けるはずです。「各言語」とは、C/C++、Java、JavaScript、PHP、Python、といった言語のことです。他に何がありますか?大学で学んだのであれば学習時間、プロジェクトがあるなら、行数ぐらいは書きましょう。

具体的には「どうやって?」

読後感で「で、どうやって」、「で、どうなるの?」、「で、どんな意味が?」といった感想を抱かないように気をつけて文章を構成しましょう(=いきなり書かない、構成を考えてから書く)。その中でも特に重要なのは「どうやって(how)」を伝えるための「具体」です。

例えば、「自治体の公共施設におけるIT活用によるコミュニティ形成支援」という話であれば、
「Google Apps Scriptを用いた地図情報利用の高齢者向け地域振興ITサービスを相模原市の博物館において実施」と書けば具体的です。短くするにしても、具体的なワードをできるだけ残すべきでしょう。

“あなたの専門用語”が命取り

例えば、学生の作文を直していると、「ネット」「アップしたもの」「プレゼン」など、「意味はわかるが、正確ではない用語」がよく出てきます。これは、「読み手によってゆらぎがある言葉」ですので誤用・慣用をさけるべきです。それ以前に「これは本当に先生と進めているの?」という疑惑が持ち上がります。専門家はそのような誤用・慣用は避けるのが「専門」たる所以なのですから。

しかし、誤用が少ない単語というものは文章が平易になりがちです。例えば上記のような例で、カッコつけたいなら「GIS」とか「UCG」とか専門用語が出てくるべきでしょう。ただしその場合は、「GIS(Geographic Information System;地理情報システム)」といった表記になり、かなり長くなってしまいます。工夫が必要です。

文字の切れ方に配慮がない

以下の履歴書作文はいかがでしょうか。

[TypeA]
私はプログラミングには自信があります。
大学1年の頃からすべてのプログラミング科目においてSかAの成績で取得していま
す。また周囲の学生が課題に詰まっている時も、時間を見て丁寧に教えることで自
らのスキルとしています。

[TypeB]
私はプログラミングには自信があります。大学1年の頃からすべてのプログラミ
ング科目においてSかAの成績で取得しています。また周囲の学生が課題に詰
まっている時も、時間を見て丁寧に教えることで自らのスキルとしています。

[TypeC]
私はプログラミングには自信があります。大学1年の頃から全てのプログラミング
科目においてSかAの成績で取得しています。また周囲の学生が課題に詰まって
いる時も、時間を見て丁寧に教えることで自らのスキルとしています。

「文字の切れ方」 は気になりませんか?

特に文字の切れ方「す。」でおわる、無意味な空白。
これらは「何も考えないで書いている」か、「熱意がない作文」とおもわれる典型です。

熱意があるなら、各行で8割以上は満たすものです。
そして推敲もするべきですし、変な改行で変な雰囲気になることも避けるべきです。

レイアウト感覚や文字の扱いがおかしい人、句読点が正しくない人、これらはすべて『美的感覚』が疑われます。
美的感覚が低い人は、会社の中でトレーニングしてもなかなか上がりませんし、仕事が遅くなり、周囲にストレスになります。

逆を言えば、美的感覚が正しければ、美しい履歴書も素早くかけて、
多少内容が薄かったとしても、読んでもらえるチャンスや、チームに入れてもらえるチャンスが増えるということです。

カッコの使い方はカッコよく

例えば下の文で読みやすいのはどれでしょう?

「コミュニティを広げていく」システム
「コミュニティを広げていくシステム」
コミュニティを広げていくシステム

カギカッコ正しい位置で閉じましょう。そしてアンダーラインや傍点、太字、飾り文字などは、履歴書の左側ならともかく、右側では禁止されていないのではないでしょうか。

『Q:履歴書で許されるのはどこまでですか?』

「履歴書で許されるのはどこまでですか?」という質問をネットに投げかけるまでもなく、それは「あなた自身の顔である」と思います。グラフィックスや多彩な表現で印象を良くしなければならない業界において、誰が決めたかもわからないルールに従う必要がありますか?そして、「ここまでなら許されるだろう」という基準がない人を採用できますか?これは「服装は自由です」と同じ質問かもしれませんが。

以下、まとめてみました。間違ってるかもしれません。

【普通はOK】公務員的なところで通用

・カギカッコ「」、二重鉤括弧『』
・太字(力を入れて書く)

【ボーダーライン】会社によっては問題なし

・アンダーライン
・画像入り、張り込み、カラー印刷
・フリクションペン使用
・WordやExcelで作成、PDFで送付(陰影のぞく)

【もしかするとそれが理由で落ちる】世間的な常識でアウト

・傍点、飾り文字
・ハンコがシャチハタ、曲がっている
・印鑑が画像(電子証明書など入っているなら別)
・文字が汚い、雑な印象
・その他、この会社の社員としては「ありえないレベル」の美的感覚

【絶対落ちる】可能ならバイトでも雇いたくないレベル

・写真がない、印鑑を押す場所が空白
・明らかに嘘、絶対嘘、おそらくウソ
・他人の履歴書である(破綻している)
・文字が読めない

以上の常識を踏み越えて行くならば、それを埋めるだけの「ちゃんとしているところ」があるべきだと思います。

たとえば、「この人は文字は荒っぽいけど、内容は明らかに面白い」とか、「画像入りだけど、これ、無ければ伝わらないね」とか、そういったことですね。

【志望動機】「御社」ほど重要な漢字はない

就職活動で初めて使う感じかもしれませんが「御社」ほど重要な漢字はありません。

「御」「社」の字は、PC時代でも封筒など、ビジネス文書の中でも特に直筆で書くことが多く、それでいて客先などに向けて恥をかきやすい文字です。

「自分は丁寧に書こうと思えば書ける」と思っている人でも、それを示さなければ落とされますし、誰でも同じような漢字を書くのですから書類審査で弾きやすい漢字なのです。

作文の内容としては、ここは企業研究を書く必要があります。

『A社でもB社でもC社でもD社でもなく、御社です!』ということを限られた文字数で具体的に書く必要があります。
そして、この産業にビジネスマンとして関わり、糧を得るという理解と覚悟があることです。

ゲーム開発企業の場合は特にハードルが高いです。

「志望理由」は企業研究であり、自己研究は「自己PR」です。これらは連携させて書く必要がありますのでまとめます。

【落ちるレベル】即断

・ゲームをしない
・最後に買ったゲームが3年以上前
・できれば海外には出たくない

【文字の無駄】なくてもいいが他にも書くことがあるはず

・有名タイトルについて「大好きだ」と書きつらねる
・ゲーム開発と直接関係ない絵師や声優について述べる
・ゲームの辛辣な批評をする(その振り上げた斧はどこへ下ろすつもり…?)
・英語が好きだ、読める、TOEIC点数は書けない、そもそもTOEIC受けてない。
・いい事しか書いてない(苦労してない風味)

【見てもらえるレベル】ここからプラス評価

・有名タイトルがなぜおもしろいのか、なぜヒットしているか分析している(データ付き)
・おもしろいがヒットしなかったゲームについて具体的な改善点が見えている(コストなどを度外視)
・コンテストや同人販売実績など具体的かつ外部評価可能なスキルがあり、それが業務に関係ある
・自分が関わりたいタイトルについて、何百時間プレイしたかを列挙できる
・すぐ現場で使えそうなプログラミングスキルとEXCELスキル、文章力がある
・「苦労したこと」が書いてある、しかも読み手が共感できる。
・英語80%の環境でも普通に生きていける

【面接に呼んでみようと思うレベル】

・すぐ使えそうな新技術を研究している(儲かりそうなAIとか)
・アイディアだけでなく、効果とコストを見積もっている
・有名コンテストで10位以内の実績、しかもメインメンバー
・「苦労したこと」が共感できる、しかも実戦ですぐ使えそう
・企画書が国際市場を見極めている
・英語でドキュメントが書けそう

これらの「志望理由」がすべて次の「自己PR」につながっていきます。

【自己PR】誰も”自慢話”など聞きたくはない

前項の分類で「自分がなぜこの会社を選んだのか」を明確にしたのであれば、「自己PR」は下の句です。
逆を言えば、この「志望動機から自己PRの流れ」を「理由→希望」という流れでかけなければ、ただでさえ狭い文字数制限の中で、”読み手の読後感”など設計できません。

繰り返しになりますが、共通として、
・文の切り方(句読点・改行)はセンスよく
・余白は残さない、まとめに1行残しながら考えて書く。
・ESなどアンダーラインや太字などが許されている場合は積極的に
・作文はポジティブになるように
・数字や名称など具体的、客観的にはかれるものを書く
・嘘になるような書き方は絶対にしない

といったところでしょうか。

大学教員をしていると感じることなのですが、「『ゆとり教育世代』における最大の問題」は、マインドにあります。

「自分で高いハードルを設定しない」というマインドです。

例えばアクションゲームであれば、EASY→NORMAL→HARD→SUPER HARDといった難易度設定があります。動作が超高速だったり、敵が硬かったり、数が多かったり、という難度です。

しかし、ゲームを作る側にとって、これは「SUPER HARD」が最大のスペックとして「設計されているもの」なのです。ですから、いちプレイヤーが「SUPER HARD」を選んだとしても、それは『あたりまえ、想定内』の出来事であり、彼がゲームを作る側の素養があるかどうかとは直接関係しません(下手で何時間も遊べるよりは、上手くて効率が良いほうが、ある意味では”良い”のかもしれませんが)。

逆を言えば、この論理ではいつだってEASYを選べるのです。

具体的にはこんな日常会話にそんなマインドが現れてきます。

「先生、~までやればいいですか?」

そんなマインドで、人々に「このゲームを買いたい、金を払いたい!」と思えるようなアトラクティブな要素を提供できるのでしょうか?君たちの知っているゲームはそんなにユルい?

『ゲームらしきもの』を作るのであれば、それでいいのかもしれません。
でもトップメーカーは『ゲームらしきもの』を作りつづけることができますが、本質がないと、あっという間にユーザに飽きられて、大きな損害を出して、いずれは潰れてしまいます。
しかも有名タイトルで、保守的な要素が重要な仕事であればそれもいいでしょう。でもそれは「次の世代のエンジニアにとって勉強になる」というレベルの話でしかありません。実際には、ものすごいスピードで開発し、品質を上げて、他のタイトルから客を奪っていき、利益を上げて、「新しい軸」を生み出す必要があります。

またアトラクティブな要素だけでなく、人をもてなす要素、つまり「ENTERTAINMENT」については上限がありません。
人は、たった一つのマイナス点があっただけでも、それまでのLuxury(豪華さや贅沢さ)を忘れることができます。どんな綺麗なCGが出てきたとしても、主人公の顔のポリゴンが欠ければ、それが気になってしまうものなのです。

だからこそ、「喰える履歴書」としては、本当に「一部の隙もない。それでいて面白みがある」というラインが重要なのです。

以上、「基礎編」を終わります。

工芸大フィーバー

とっても行きたい。参加したい。

■「みらい博2009」5/23開催
東京工芸大学みらい博2009が5月23日(土)に厚木キャンパスで開催されます。
これは,先生方の研究・制作活動の成果を広く発信するイベントであり,
工学部と芸術学部から成る本学の特色を地域の方々や,企業・専門家の
方々などに理解していただくことを目的とした企画とのことです。
また,平成25年の大学創立90周年に向けた取組のひとつでもあるそうです。
同窓生の皆様もお誘いあわせの上,母校を訪れてみませんか?
イベントの詳細は大学ホームページをご覧ください。
www.t-kougei.ac.jp/event/2009-3.html
www.t-kougei.ac.jp/images/miraihaku2009.pdf

■NHK「@キャンパス」にて放送(5/24)
NHK番組「@キャンパス」の東京工芸大学の回が放送されます
 "大学生が発信するまったく新しい国際情報番組" をコンセプトにしたNHKの番組、「@キャンパス」の東京工芸大学の回が5月24日(日)に放送されます。
 企画・取材・司会進行まで学生が担当するのが「@キャンパス」の特徴です。本学の学生がアイディアを出して制作した放送内容と、元気の良い学生の姿をお楽しみください。
www.t-kougei.ac.jp/campuslife/info/nhk_3.html
www.nhk.or.jp/at-campus/index.html
本放送 5月24日(日) 18:10~18:30 BS1
再放送 5月25日(月) 00:10~00:30 BS1
5月29日(金) 23:25~23:45 NHKワンセグ2
5月30日(土) 13:15~13:35 NHKワンセグ2
5月31日(日) 09:10~09:30 BS1
5月31日(日) 12:01~12:21 デジタル教育3

工学部同窓会コミュニティサイト t-kougei.com より

幼稚園願書配布日

そういえば、今日は(日本の)地元では、幼稚園の願書の配布日なんだけど、みんな並んだりするんだろうか??

それにしても近隣の幼稚園でいっせいに同じ日に配るなんて。

募集人数分しか配らないそうなので、
おじいちゃんとかが徹夜で並んだりもするらしいです。

ちなみに面接日も揃いも揃って同じ日、11月4日みたいですね。
なので、どこかの幼稚園と比較して、併願するとかはできない仕組みなんです。

さすが村社会だよなあ…とか他人事みたいなこと言ってみる。
てゆかぜんぜん他人事じゃなかったりするんですが。

私のまいみくさんとかも並んだりするんでしょうか。

科学祭1日目

科学祭週間の締めくくり、「village de la science」直訳すれば「科学村」。
科学に関わる市民団体などが集まってデモをする。
今週火曜日にあった夜イベントは研究・教育関係者向けだったんだけど、今度は
子供たち、家族連れが主なお客。
心やさしい修士学生が手伝ってくれたので、今年は比較的楽だった。
新作用意しようと思ったけど、時間なかったので焼き直しだ、ってのもあるけど。
AceSpeeder2+WiiRemote、それからFaceinputバージョンの2つ。
あとは「JaWiiのバーチャルフェンシング」。
まあ、旧作です。すみません。
さらにいうと、今年は会場が、CMA(CMA Center Multi Activite)、意訳すると生
涯活動センター、ってところかな。図書館とか柔道場とか弓道場とかボクシング
リングとかがある。さらに今日知ったのだが、水族館、昆虫、爬虫類なんかもい
たらしい。
今日はさらに植物館になってる。…というか盆栽ですな。
苔特集とかもあって個人的には和む。
・・・が、管理人のおじさん(いちおう植物関係のシェフらしい)が、外国人嫌
いらしく、なんだか冷たい。
デモを用意しているうちに、スタッフの子供と思しきガ…お子様が集まってくる。
いちおう、リハーサルもかねて実演してると
「音が大きい」とシェフ一蹴される。
あなたの子供じゃないんですか?ってとこなんだけど(違うらしい)。
午後から本番も始まって、気がついたのだが、とにかく客層が悪い。
ここCMAのある場所は、郊外で、移民とか低収入家族が多く住んでる団地がある。
自分らも低収入なので何度かこっちに越そうかと思ったこともあるんだけど、と
にかく雰囲気が悪いエリアなので踏み切れなかった。
今日の客層は、そういう子供たち。
Laval Virtualに比べると、子供の目つきが怖い。ゲームばっかりやって、脳が
破壊されている感じ。
そもそも知らない大人になれなれしすぎる。大人の愛に飢えてるというか。
てっきり説明している学生の子供とか弟かと思っていたら、真っ赤な他人だっ
た、というぐらい。
よく考えてみたら、あれぐらいの子供が、子供だけで町を歩いているなんて、こ
の国では違法じゃないか。まあ自分もよく子供だけで子供センターとか行ってた
けどな。
中国人、アフリカ人、アフリカ系混血、フランス人、といった感じの子供たち。
この中でもフランス人とアフリカ系混血の組み合わせが一番手に負えない。
「俺たち仲良し悪ガキ仲間!!」って感じの二人。
アフリカ系の子は人懐っこい。素直でもある。
そしてフランス人の子は悪賢い、何かあるといつもかの友達のせいにする。
二人集まれば最強、ってことだ。
マジになると、粛清したくなるが、まあいいや。
今日は科学祭なので、壊されない程度にひたすら観察することにする。
てゆーか、俺、お前らの親じゃないしな。
そこのプロジェクタ、PC、両方合わせて6000Euroだから。
壊したら請求書ね!本気だから!!
…なんてトークで理解するほど賢い連中ではない。
ここの管理人が外人に冷たい理由がわかったよ。
今日は18時で終わりだったんだけど、17時45分にはシャットダウンを開始し、18
時には撤収した。
危ない機材は全部持って帰ってきたが…疲れた。
明日は朝から晩までか…。
プログラムの調整をしたかったけど、やめて寝よう。
そもそも連中に
「もっとかんたんじゃないとつまんないよ!!」
って言われたからなんだけど、きっと簡単にしたら
「こんなに簡単だとつまんないよ!!」
って言われるか
ずっと張り付かれるか、のどっちかだ。
今だって、AceSpeeder2+WiiRemoteに長蛇の列ができているのに!!
今日あった、ちょっとよかったこと2点。
「JaWiiのバーチャルフェンシング」は、Alfred Jarryという劇作家がモデルに
なっている。今年没後100年祭をLaval市が祝っているので、彼が得意としていた
古代のフェンシングを、プロのフェンシングプレイヤーに実演してもらい、それ
をモーションキャプチャーでアーカイブし、WiiRemoteを使って楽しく学ぶこと
ができる、という設計。今日は、そのプロのフェンシングプレイヤー、パースマ
イル氏が会場に現れた!というかCMAにはフェンシング場もあるから当然といえ
ば当然なんだけど。「貴方のキャラクター、ここでよく働いてます!」と伝えた
ら、喜んでました。
あとは去年と同じくフランソワドベール県知事がお忍びで来場。まあ元科学庁長
官、現Cite des Sciences de Paris la Villette(パリにある科学館)の館長なの
で当然といえば当然か。知事も兼任だけど…なんというか、私にとっては御茶ノ
水博士みたいなひと。もちろんマイエンヌ出身、研究畑出身だったはず。
少し立ち話をしたんだけど、SIGGRAPH Sandboxでの論文を興味深く読んでくれ
た。「このプロシーディング、買えないの!?」だって。もちろんSIGGRAPHも知っ
ているので、併催とはいえベストペーパーアワードに驚いていた。そしてフラン
スを離れることを悲しんでくれた。キミの様な有名な研究者を向かい入れ、結果
を知ることができて幸せだと。フランスを離れてどこへ?会社?と聞かれたので、
「いえ、国のために働きます!」
といったら、そうか、といって笑顔と握手とウインクしてくれた。
日本でやったらどこの召集兵ですか、って感じのトークですけど。
まあその辺は相手が相手なので許してください。
なんといっても御茶ノ水博士なので。
個人メールアドレスもやりとり(知事の個人メールはYahoo.frだったりする)。
ラブレターでも書いておくか。
今日のトークでは、科学館つながりもある予感だし。
そういえば、今晩もムールつくった。
毎週土曜の夜にムールを食べたとしても、あと6回ぐらいだろうな…。
だんだん悲しくなってきた。
フランスもラグビーは負けたけど、サッカーは買ったし。
いい加減にして、寝よう。

フォトアルバム作ろうと思ったが、動画アップロードとコメントが予想以上にめんどくさかったので、動画でカンベン。明日もあるし。

www.youtube.com/profile?user=KiminoKuda

www.youtube.com/watch?v=2Pt8V_ODOrg

仏人英語・言語モードが切り替わらない

今週末から英国にてCyberGamesです。
www.coetechweek.com/cybergames/

発表準備をしています。
英語の本拠地、英国での発表。
正直、ストレスがあります。
私の英語は基本が「米国語」つまりアメリカ英語なので。
普通の日本人の教育を受けると、普通はアメリカ英語だと思います。

あと、最近の駅前系語学学校で英会話を学ぶと、たいていオージー(豪州英語)の癖がつきます。先生がオーストラリア方面から来ている人が多いからですね。

What’s upなNY語もカッコいいですが、普通にビジネスシーンで使ったらアホかと思われるんじゃないかと思って使えません。

それぐらい欧州の英語はGBもしくはIRなようなのです。
(単にフランス人が古英語使いまくるという話も)
まあそれはそうとして。

実際はこの3年間で、私の英語は「仏人英語」になってしまいました。

特徴として
・「H」と「-t,-s」の発音がない
・使う動詞がラテン語由来が多くなる
・疑問文が正しくない(正序文+上がりイントネーション)
・「In fact,」をやたらと良く使う(そのわりにまとまらない)
その他、本人が気がついてないところで、かなり「流暢なフランス語英語」を喋っている気がします。
まあそれはともかく、OpenOffceでプレゼンテーションを用意しているのですが。
言語モードが切り替わりません。
先日、夏休み明けに学生の面接をやって

『おっ、休み明けでも結構フランス語、喋れてるジャン』

と思ったものですが、逆に

『おおっ、米国で発表して来たのに頭が英語になってない』

なんて苦しんでいるわけです。

日本にいたときは「日本語→英語」だけのモード変換だけで、そんなに苦労しなかったのですが、最近は日本語/フランス語→英語という変換で苦労します。

実際には「思考する言語」が英語ではないからなのですが。

英語は合理的な言語です。

プレゼンテーションでは特に、その傾向が強いです。
美しく明確にまとめなければならないのに、
特にセールスならJobsのプレゼン手法でもいいんですが、
工学系となるとやはりそっち方面のCoolさが求められます。
てゆーか
日記かいてないで英語書けってことなんですが。

学生を評価する

MNRVからJAIST宮田研にスタージュ(インターンシップ)していたGillが無事、研修を終えて戻ってきます。
宮田先生からは非常にいい感想をもらっています。
研究室にいい影響を与えた、というのは非常にいいよい仕事をしたのだと思います。
色々大変だったとは思うのですが、そこは若さで切り抜けたのでしょうか。
そのうち聞いてみたいと思います。
さてところで今年は私のところにもスタージュ学生がいました。
ESIEAの学部学生なので、修士の学生よりは短く、卒業要件でもないし厳しくはないのですが…。
そしていま、彼のレポートを読みながら採点をしています。
参考までに引用しておきます。
Aspects humains
人間面
Relations dans l’equipe et avec les partenaires
チーム内やパートナーとの関係
. presentation ponctualite
時間に几帳面か
. communication
コミュニケーション
. collaboration, implication
共同作業と連携
Caracteristiques du comportement
態度の特徴
. dynamisme, ardeur au travail
活力、仕事への情熱
. initiative
率先性
. autonomie, confiance en soi
自立、自信を持っているか
. adaptabilite
順応性
Aspects intellectuels et technico-scientifiques
知的・科学技術面
. rigueur, methode, souci du fini
正確さ、方法、終わったかどうかへの配慮
. qualite du raisonnement
論証の質
. esprit de synthese
総合思考力
. connaissances par rapport a la mission confiee
やり遂げた任務のレポートを通した理解
まあこれだけ項目準備してくれると評価するほうも、思い込みとかを排除できていいですし、「ここがもうちょっとよければね」という学生への要求を具体的に発見できますね。
フランスの教育界はこの手の方法論が確立していて助かります。まあその弊害もあるとは思いますが、日本は事務方の「様式美」と教育の「方法論」が同時に成立してない世界なので。
ま、実際には先生や企業の担当氏は結構甘い点をあげるみたいです。
私は点が辛いと評判なので、気をつけねば。。。

…と思います。

GillとIVRC準備の打ち合わせをMSNでやっていたときに発見したネタ。

"Fuyu ha samui da to omoimasu." – Winter is cold, I think.

"da to omou"は間違い。でもGaijin Nihongoの典型的ミス。
正しくは…
"Fuyu ha samui to omoi masu."

でも、
"Kare ha baka da to omoi masu." – He is a fool, I think.
これは正しい。

なぜ「da to」がついたりつかなかったりするのか。
この文法の誤りを正しく説明できる日本人はいませんか?

とりあえず発見した法則は、
英語で言うところの「SVC」文型で、Cが…
形容詞(adjective)」のときは「to omoi masu.」
その他「名詞(noun)」のときは「da to omoi masu.」

以下、練習。

Add "omoi masu" to these conditions.

Level 1
 Ishikawa ha samui – Ishikawa is cold.

 Ishikawa ha samui, to omoi masu.
 Sensei ha sugoi.  – The teacher is great.

 Sensei ha sugoi, to omoi masu.
 Sensei no namae ha Miyata  – The name of my teacher is Miyata

 Sensei no namae ha Miyata, da to omoi masu.
 Ano akai kuruma ha Honda  – That red car is Honda

 Ano akai kiruma ha Honda da to omoi masu.

Level2
Kare ha nemui. – He is sleepy.
Kore ha muzukasii – It’s difficult.

[answers]
 Kore ha muzukasii to omoi masu
 Kore ha muzukasii yo ne.
 Kore, muzukasi-!!

Level 5
 Tsugino basu ha 12 ji ni deru. – the next bus will depart at 12h.

 Tsugino basu ha 12 ji ni deru to omoi masu.
 Tsugi no basu no jikan ha 12 ji.  – The next bus departure time is 12h.

 Tsugi no basu no jikan ha 12 ji da to omoi masu.

Final one with a trick
 Watashi ha nemui  – I am sleepy.
 hint — dato omou ha tsukawa nai.

[incorrect] watashi ha nemui to omoimasu
[correct]
 watashi ha nemui.
 watashi ha nemui desu.
 watashi ha nemui kamo shiremasen.
 nemui yo-!!

Je pense…

aki  o_ob

赤ちゃんけろっとスイッチ考

赤ちゃんがカエルに変身する画期的なスイッチ,
じゃなかった
赤ちゃんがけろっと泣き止む画期的な商品が開発されたらしい.

「赤ちゃんがケロっと泣きやむスイッチの秘密」(ITMEDIA)
news.mixi.jp/view_news.pl?id=39452&media_id=16
plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0605/23/news101.html

とりあえず「日本音響研究所」はどうかとおもうんだけど.

数ある「日本××研究所」という名の私設研究所,というかニッチなネタをひたすら追求している人たちの集団,というか普通個人もしくは数名,の雄.

「日本音響研究所」
www3.alpha-net.ne.jp/users/japaco/index.html
兄弟「日本着信メロディ研究所」
jrtl.org/

モナリザの復元音声とか犬の気持ちがわかる「バウリンガル」とか,『科学の一線を踏み越えてしまった科学技術』の実用化に熱心な研究所です.

あまりにキャッチーな技術を科学離れが激しいメディアや商品開発担当者にそれらしく紹介するあまり,現実の科学技術とSFの境界をどんどんぼんやりさせてくれている研究所です.

(ちなみに私は何も否定的な事を言ってませんよ!!)

で,問題の「ケロっとスイッチ」ですが,これはメロディや調を変えることで注意をひきつけているものと思われます.
つまり,まっすぐ進むはずのものが,ずれると「へんだな?」と思って注意しまう,という効果を狙ったものですね.

タケモトピアノのCMが紹介されていますが「ためしてガッテン」(これも研究者業界では電波度高く評価されている番組ですが…)では,スーパーのレジ袋とか,狂言聞くと泣き止むとか,いろいろな報告があったりします.

★たしかにNHK「日本語であそぼ」を見せたら注視しているので,泣きやむというのは嘘ではないかもしれないです.

試してみたい人は「自分の声で歌ってみる」と簡単にエミュレーション可能です.

てゆか,メカに頼らず歌えよ,親.

それにしても50人ってこんなヤバ目の商品化試験にしては少なすぎるよな….2%以下の精度じゃん….

音痴育成装置にならないことを祈ります.

開発側のインタビューを引用しておきます
「たとえば、生理的な要因で赤ちゃんが泣いている場合には、まず原因を取り除いてあげることが大切です。空腹やおむつの汚れで泣いている赤ちゃんに音楽を聴かせても効果が薄いことは、モニター調査の結果からも明らかです。まずは赤ちゃんをだっこするなどのコミュニケーションを大切にして、それでも原因が分からずに困ったときはスイッチを押して、赤ちゃんのご機嫌を直す“きっかけ”にしてもらいたいですね」

なるほどなるほど….

しかし,ここに赤ん坊の声を翻訳できる「アカリンガル」があったとすると.

赤『おむつかえてくれー!はらへったー!』
親「めんどくせえなあ,これでも聞いてろ」(と音楽)
赤『オムツ替えてくれって言ってるだろー!!』
親「んあ?なんだオムツか,しょうがねえなあ」(とおむつ交換)
赤『はらへったっていってるだろー!!』
親「なんだよ,まだ泣き止まないのか,じゃあこれ」(と,けろっとスイッチ)
赤『こんなへんちくりんな曲でごまかそうとするなー!いじけるぞー!』
親「へんだなあ,泣き止まないよ…」

というぐらいのやり取りはありそうですね.

ちなみに,泣き止まない子供は,本当になにやっても泣き止まないと思いますよ.
こういうとき,危ないのは赤ん坊よりむしろ親で,殺意とか芽生えたりもする人はたくさん居るし.

一般的なテクニックとしては,
・ほっておく→泣き疲れて寝る
・車のにのせて軽くドライブする
などあります.

私ならここで,電子音聞いてたら,イラつきますね.
日本の玩具メーカーの音源ってどういうわけか,非常によくないし.

話は変わりますが以前,CLEP(Ludoteqhe,玩具図書館)で調査してみたのですが,多くの親は,電池を入れて電子音を鳴らすタイプの玩具を好んでないみたいですね.

子供はインタラクティビティがあれば喜びますから,電池入りのほうを明らかに嗜好するらしく,フィッシャープライス社などのままごと系玩具には現在,ほとんどすべての製品に電子音が実装されているそうです.

しかし,親からすると,うるさくてたまったものではない,というのが現状.

子供は丁寧に,順を追って,リズミカルに…なんて触り方をしませんから,遊んでいるそばからピーピーピーピー容赦なく鳴り続ける.電子音だけではなく,音質の悪いICボイスで挑発的な発言を何度も聞かせられる.しかも子供は内容を理解していませんから,何度も何度も押す….

ランダムな目覚まし時計がなり続けているようなものですから,心が休まりません.

子供だけで放置して遊ばせるならともかく,というか,心の安息を求めて,子供が遊んでいない場所に逃げていきたくなる気持ちが出てくるわけです.

玩具メーカーも,長いこと商売している割には,自分が子供を育てる側で商品を開発していない,という典型的な見落としをしているように思いますねえ.

★玩具メーカのテストルームは日米欧でさまざまですが,ガラス張りの部屋で子供だけで遊ばせて観察する,というのが一般的のようです.

叱るのは難しい

フランスに帰ってきてからの息子ちゃんは、やたらといい子です。

以前は何があっても「いやーん!!」だったのに、言葉がつかえるようになってから、素直に疑問を「なぁに?」とか言ってくれるので可愛さ5000%増というところです。

それはそうと、こんなニュースが。
「しかりの受け止めに差/大人の考え、子に伝わらず」
www.shikoku-np.co.jp/news/kyodonews.aspx?id=20060214000317

親が叱っているのに、子供は叱られたと感じてないそうです。
もしかして、この「叱られていると感じる18%」って『親が(我を忘れて)怒っている状態』までいってないと判らない、ってことなんじゃないですかね、もしかして。

昔だったら大人は子供に、自分の倫理観で「殴る」とか「怒鳴る」とかで叱ったことになってたわけですが、最近はそういう一方的な行為はDVになってしまいますからね。難しいです。
ほとんどの親が「注意する」にとどまっていて、子供の心に響いてないってことなんでしょうね。
「諭す」とか、「たしなめる」とかいった叱り方には親のほうにも子供のほうにもトレーニングが必要ですからねえ…。

ところでふと気がついたんですが、ゲームコンテンツに「叱られる」ことはあってもテレビ番組に「叱られる」ことはないですねえ。まあどちらも心に響くとは思えないけど…。