#VALU に上場→ビットコイン→日本円→紙の一万円札に変換してみてわかった‬「その利益とリスク」

2017/7/13に自分のVALUが申請通過し公開となりました。

https://valu.is/drshirai/data

21時以降はこちらが便利ですね(テック森さんありがとうございます!)
https://valutool.biz/cache/drshirai

データと仕様

初値 0.00258 BTC (702円) →現在値0.01-0.0196BTC(5,920円)ぐらい。
発行VAが5,000VAなので 時価総額(円換算額) 351万円→1,970万円。

上記、テック森さんのツールから幾つか7/21時点のエビデンスを。


気づいたこと

‪・株式のIPOと違って値幅制限との戦い。ブックビルディング方式を導入して欲しい。‬
‪・支援者、特に優待対象者に対して連絡を取る(本人である確認)をとるのが大変。‬この辺は来週以降、「保有VAの強制公開」が実施されるそうなので併せて改善されるべき。
・VALU社は売買手数料で利益が出ます。「他者のVA売買手数料は1%、自分のVAを売る時は10%」なので、SNSとして拡大していくうちは発行VA数を間違えなければ倒れない計算か。
・いつの間にかVAがVLになってる(7/21確認)

利益

・売却益によって本当に現金化は可能。すごいですねえ。財布の紐も緩むってものです。
・一日あたり2BTCまでしか出金できません。たくさん出金トランザクション発生すると止まります(パニック売り対策?)
・8/1のBitcoin分割騒動に関連してBTCが暴落するかと思ったら暴騰(この数日で27万円→20万円→30万円)したので世の中わからんね
・学生の奨学金や夢実現には良い仕組みでは。逆に遊ぶ金欲しさにVA発行すると暴落するかもしれない。

懸念

・知人が多い人は当然「買ってね!」といった要請に応じる人が多い(信用がある)ので健康に上昇する。一方で取引高が少ないと価格操作されやすい。初期の市場形成には必要か。
・副業とか兼業申請必要なのかはディスカッションあってもいいかもしれないが、個人の株取引と同じ扱いかも知れない。
・プロフィールに大学名出したりするのは現状のモラルでは問題あると思い自粛しています。実際のところ、ヴァリュー高い先生を多く抱える事で、大学の知名度をあげる事にも繋がるので、これが利益相反行為にあたるかどうかは実験的に検証されるべきかも。
昔は大学教員のTwitterも煙たがれたけど、実際、高校生にとってのヒーローってそういうメディアでのプレゼンスだったりするしね…。
例えば某落合陽一先生などは生涯賃金をはるかに超えて国家予算規模になっています。が、もしこれを発行者の所属組織が差し止めしたら、発行額を所属組織が保証したりできるだろうか?
そもそも「利益相反行為」って、秘密で利益産んだり取引したりすると生まれるものと考えます(だからこそ知見をBlogに書いています)。
…思考実験は続く。

内助の功の大切さ

ところでこれ見ると実際、支援者さんとの連絡ツールがないと困る問題は露呈しています。大変ですよね。

「内助の功」も重要な意味を持ちますね。氏のご家庭は現在乳幼児保育中であり、活動は制限されるけど、信用できる人に依頼する作業としては適切。一方で軽く家買えるぐらいのリワードがあるので、健全かも知れない。
自分も家族親戚がとある企業の経営者なのですが、まあ健全かつ透明性のある運営には株の持ち合いぐらいはしますしね。
一億総活躍社会って、そういう経営者意識を持つことなのかも知れないですね。

交流として良いことは多い

大株主さん各位とVRZONE初日に優待ツアーしてきました!チケット代なども自分の売却益で支出できるのは良いですね。

実際、ホリエモンさんは私や落合くんのことを2013年ぐらいからウォッチしてくれていたので、当時VALUがあったら、それはそれでうまく機能し得るし、ほんとうの意味で個人も投資家になれるのは良いこと。

優待で知り合ったVoxelKeiさんなども、VALUがなかったら直接会うことはまず無かったと思うし。

今後

来週以降、新しい仕組みで色々提案していきたいと思います。
末長く(サービス続く限り)よろしくご支援お願いします🙇

<関連情報>

ムーチョ@VALU‏ @mucho フォローする その他 フリーランスの人によくあるお金との向き合い方の悩み、#VALU が解決してくれるかもよ、という漫画

伝説のプログラマー、ダンコーガイさんがVALU社に。

いまビットコインに起こっていること
http://okanefuyasuzo.muragon.com/entry/17.html

新しいGoogle翻訳とスプレッドシートを使って国際会議への執筆をスマートにするついでに英作文力を高速に身につけるハック

CG,VR業界の研究者はこの時期、Laval VirtualやSIGGRAPHといった国際投稿のピークにあります。

白井研究室は規模の割には国際投稿が多いです。

http://blog.shirai.la/publications/

また数だけでなく内容も学部生でACMの学生研究コンテストで世界3位を受賞したりと、大学の入試難度の割には世界トップクラスの評価を受けることもあったりします(ちなみにACM SRCは書き物だけでなくファイナルはプレゼン審査込みです)。

本人の頑張りや先生の頑張り、研究の難度やインパクトはあるにせよ、一般的には日本語の論文を「ただ翻訳」したからといって別のアーティクルになったとみなすことはできません。しかし卒業論文や日本VR学会、インタラクションといった、日本語だったら構造的もクオリティ的にもしっかり書けるし、新規性もディスカッションもしっかりしている、さらにそのadvancementも加えられるような投稿もあるけれど、いざその学生に『英語投稿しようぜ!』と提案すると、もうその瞬間にグッチャグチャになる…といった経験はよくあります。

そもそも先生方も英語科学論文執筆のスキルや経験が十分にある方であれば指導もできるかとは思いますが、書き方のトレンドも分野によってはずいぶん違いますし、普段「日本語どっぷり業務」で押しつぶされている大学教員様が英語論文を査読等で読むのに精一杯なのに、ただ書くだけならともかく、「日本語の勢いを保ったまま翻訳する」というスキルを維持するのはなかなか難しいです。

そもそも日本語だって研究の先進性を求められるのに!英語まで書かねばならんのか!
これはハンデだ!俺は英語圏に生まれればよかった!うわーん!!
と嘆くのは簡単ですが、私はそうは思いません。
日本語に加えて英語もフランス語も、中国語も少しはわかりますが、英語単一文化圏に生まれていたら、それ以外の言語に目を向ける機会もなかったでしょうし、日本語が高度だからこそ、詩や短歌、冗談やマンガ・アニメやTwitterのような楽しいことも沢山あります。

また論文を書くことによって高度な日本語を身につける機会にもなります。いい勉強です。

さて、Google翻訳です。これは英語学習には不向きな面もあります。Google翻訳を英作文の一部にでも使おうものなら「どう見ても機械翻訳」という作文になり、あらゆる先生方から否定されたものです。しかし最近のアップデートにより「より自然な翻訳結果」が取得できるようになりました。

 

ではGoogle翻訳を科学論文の執筆に使えるか?というと、Noです。

少なくともそのままでは使える品質にはありません。理由はいくつかあります。

  • 「自然な翻訳」のために、多少の誤りは適当に正してくれる(誤りを発見できない)
  • 日本語と英語では論法が逆(日本語は大事なことを最後に書く)
  • 日本語は構造的に書こうとすると自然な日本語にならない
  • ときどき物凄い勘違いをする
  • 原文の日本語がそもそも曖昧。特に係り受けが本人に聞かないと不明だったりする。
  • 日本語と英語の多義性を考慮する必要がある(例:Play=遊び?試合?演奏?…)
  • ただしものすごく速い、しかも無料。

以下の解説は、上記のようなGoogle翻訳の特性を利用して、英語投稿のワークフローと新しい英作文力向上のための勉強法を提案しています。特に先生方と若い学生さんがWeb上で深夜日中を問わずコラボして執筆するような環境を想定しています。細部に関してはノウハウもあるので割愛しちゃいますが、最大に重要な関数はこれです。

=GOOGLETRANSLATE(B1,”ja”,”en”)

これをGoogleスプレッドシートに入れてみてください。賢い先生であればこれだけで十分と思います。

つまりこの関数を使うことで、Google翻訳のエンジンをGoogle Spreadsheetから使うことができます*

関数リファレンス

構文 GOOGLETRANSLATE(テキスト, [ソース言語, ターゲット言語])

使い方としてのポイントはこの先です。ワークフローにしてまとめます。

<準備>

  1. まず以下のヘッダを1行目に用意し「表示→固定→1行」、A1〜F1に以下。

    Question, Answer(人間による英作文), Google英語, 質問の自動翻訳, 人間による日本語, 人間による英作文の邦訳, MEMO

  2. オンライン投稿によくあるWebフォームの質問をスプレッドシートのA列に分解して貼り付ける
  3. D列[D2]にA列を日本語訳する式を設定 [=GOOGLETRANSLATE(A2,“en”,“ja”)]
  4. E列にD列の日本語質問に該当する「とりあえずの日本語」を書く。和文論文から貼り付ける。いま書けない場合は「条件付き書式」を設定して空白セルに色付けしておくと良い。
    ここでは例として「触覚フィードバックを用いたショートニング不使用クッキーによるハードクッキーのテクスチャー解析」という仮の和文論文からのコピペを貼り付けておきます。
    *あえて係り受けが不明瞭なタイトルです。
  5. C列[C2]にE列を英訳するセルを設定する[=GOOGLETRANSLATE(E2,”ja”,”en”)]
  6. さらにF列[F2]にB列を日本語訳するセルを設定する [=GOOGLETRANSLATE(B2,“en”,“ja”)]
  7. G列はメモ、必要に応じて文字数カウントとか実装するといいです。文字数カウントはLEN()で作れますが、ワードカウントしたい人はGASで作るといいかもです(shirayuca@qiitaによる実装例)。

スクリーンショットにするとこのようになります。

<使い方>

手順通りに作ってくれた人は、もう使えると思います、あえてテンプレとしてダウンロードさせないのは「自分で作った方が理解できるしカスタマイズもできる」からです。列が右に左にするのは「その方が対訳として見やすい」からです。以下手順になります。

  1. D列の自動翻訳の日本語質問を読みながら、E列にまず日本語を書いていきます。
  2. するとC列に勝手に英語が生成されます。
  3. B列に「C列の英語を見ながら人間の英作文」を書きます。少なくとも単語で困ることはなく、書き出しもスラスラ書けます。ただしC列の英語が一発でOKになることはまずないです、疑ってかかるか、楽をしたければE列の日本語を改善していきましょう。
  4. 英作文が正しいかどうか、F列を見ながらすすめます。E列とF列がほぼ同じ意味になればよいわけです。
  5. あれ?もう完成していますね!しかも1作文ごとに英作文力がアップしていくことを感じられます。

上記の例では「not use」というGoogle翻訳の提案を無視して「without」としています。そもそも日本語のタイトルが冗長であることに気が付いたりもします。主文が「触覚フィードバックを用いた」なのか「ショートニングを使わない」なのか、Googleさんにはわかりません。MEMO欄に「おい主著者、どっちが主文だかはっきりしろ!」と書いておくと良いでしょう。右クリックで「メモ」や「コメント」を使うと校閲しやすく、Web上で高速に共著作業が進んでいきます。

さて本文の執筆です

上記は国際投稿の際のEasyChairやSIGGRAPH SISにおけるWebフォームの例ですが、本文も同様です。白井研究室の場合、和文の場合はCloudLaTeX,、英語論文はShareLaTexを使用していますので、CloudLaTeXからの英語→日本語の変換工程で構造的に執筆された日本語を英語に翻訳していく過程が必要になりますから、上記のシートをコピーしてカスタマイズして、A列の質問を主著者や先生のストラテジに置き換えていけば良いのです。

Google翻訳の特性上、あまり長い作文をしようと思わない方がいいです。一方で、コンテキスト(前後関係)も重要ですので、だいたい目安としては一段落程度で区切ったり、代名詞Itなどを補完しながら中間的な(=Googleさんにわかりやすい)言語で書いてあげると良いと思います。その言語を日本語で行える、右クリックすればメモなども使える、という点が上記のワークフローの特徴です。必要であればどんどん行を増やしていくと良いです。

最後にB列をガシッとコピーして、Word等のトラディショナルな英語チェック環境やエキサイト翻訳のようなクラシックな翻訳エンジンに通してみることをお勧めします。図版を入れる作業なども必要ですからこのワークシートだけで全てを終わらせるわけにはいきませんが、この段階で人間の有料英語レビューに依頼できるレベルまでは達しているはずです。Todo管理なども含めると分業もしやすくずいぶんとストレスの少ない英語執筆が可能になると思います。

 

ブログに書いた方がいいだろうなというレベルはこの辺りまでですね!

白井研究室のノウハウとしては、上記の方法だけで論文を書いている訳ではありません。これに加えてGAS(Google Apps Script)なども組みあわせていったりもします。ビデオの字幕やYouTube字幕などもこれでずいぶん改善されます。そもそもワークフローにこだわるというよりは自力で、動的に、改善していくことが重要と思います。

なおGoogle翻訳はGoogle Cloud API経由でも使える訳ですが、課金やセットアップが必要な情報に比べてもずいぶんスマートなのでした。
http://unokun.hatenablog.jp/entry/2015/08/08/103841

白井としては、これでAndroidタブレットやスマホでも書ける!というのは大きいです(右腕が使えませんので、机で両腕を使って書ける時間が限られているのですイタタ…)。

フィードバックありましたら @o_ob までどうぞ!

*(追記:2017/2/17 22:00)

本稿のGoogle Spreadsheet関数で利用できるGoogle翻訳では、フレーズ間の翻訳確率を計算して翻訳先の言語の適切な語順に並べ替える、フレーズベース機械翻訳(PBMT)を採用しているようです。2016年11月にアップデートされたニューラルネットワークベースのGoogle Neural Machine Translation(GNMT)はPBMTよりも翻訳精度が上がる印象がありますが、本稿の関数にはまだ実装されていないようです。
ご参考:グーグルの翻訳AIが「独自の言語」を生み出したといえる根拠(2016.11.24)
http://wired.jp/2016/11/24/google-ai-language-create/

(例1)
原文:Percent of overcrowded households among bottom quintile of income distribution.

Spreadsheet関数版Google翻訳(エンジン不明):所得分配の底五分位間の過密世帯の割合。
Web版Google翻訳(GNMT日英)所得分配の下位5分の1の間で混雑した世帯の割合。

ちなみにWeb版のほうもクリックすると翻訳候補として「底五分位間の」が出てきますのでやはり「新しい」とはいえGNMTはまだSpreadsheetには使われてないと見てよいでしょう。いつ反映されるのでしょうかね!楽しみです。ただしある日突然変わるので注意が必要です。原文や作文はちゃんと保持してくださいね。

(例2)2017/2/18 23:00追記
原文: Talk of tech innovation is bullshit. Shut up and get the work done – says Linus Torvalds

GNMT日本語訳: 技術革新の話はうそつきです。シャットダウンして作業を完了させる – Linus Torvalds

GoogleTranslate関数: ハイテク技術革新の話はでたらめです。黙って仕事を成し遂げる – Linus Torvalds氏は述べています

この文であればGoogleTranslate関数の方が素直な訳でいいですね、GNMTによる日本語訳は英語に直すと「The story of technological innovation is a liar. Shut down and complete the work」、うそつきとシャットダウンが強く残ってしまっています。
なおこの一文は実際のニュースとしてはもっと恣意的な翻訳をされているのでまだマシなのかもしれませんが…。

しかしGoogle翻訳(GNMT)の翻訳結果がお上品になるのは良いことなんだろうか?「ブルシッt」が「うそつきです」になる事で人類のヘイトを抑えられるどころかより齟齬を産んでるんじゃねーの、って気持ちもある。
この辺り、もう現実はチェス囲碁将棋AIと翻訳に関してはSFに両足突っ込んでる感じがしますね。シンギュラリティです。

ところでSpreadsheetにはこれ以外にも面白い関数がいっぱいあります。

ImportFeed, ImportXML, IMAGE, それに最新の株価・為替が取得できるGoogleFinance関数も便利です。

Excelで苦手なヒストグラムも一発で出せますよ!

どんどん使ってみてくださいね。

 

ご紹介の際は一言頂ければ幸いです

国際論文連発の研究室が明かす、英作文超ノウハウ。Google翻訳ってスプレッドシートから使えるんだ!|ギズモード・ジャパン https://t.co/VbFhLG4LFz

はじめての学会発表、何を練習すべきか?

初めての学会発表、さて何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れはこんな感じだったとする。

  1. 研究室の指導教員の先生が「この学会出してみない?」と誘う(Call For Papers)
  2. 締め切りに向かって論文を書く。この辺で最初の修羅場を味わう
  3. (査読の有無によっても異なるが)めでたく採択される
    ×→採択通知を共著者や先生に報告転送しそびれて叱られる
  4. 学会大会からの提出物を求められる
    例えば、最終原稿、ビデオ、著作権移譲フォームなど
    ×→その手の提出物を締め切り直前まで寝かせて先生に叱られる
  5. 学会参加登録、参加費の支払いを行う
  6. 大学に出張の伺いや、学生発表補助の申請を行う
  7. 旅行の準備
    宿の手配、新幹線や飛行機の手配、会場までのアクセスなども調査
  8. デモ発表がある場合はデモの完成や物流工程
    そもそも研究室の外で展示できるようなサイズではなかったり…どうやって安全に運び、構築・工作し、伝え、分解し、持って帰るか、いくらかかるかなど、ロジスティック(物流)を検討する。
  9. 発表練習1(ゲネプロ)
    パワポのストラテジーを先生と相談し、通し練習を行う。この段階での完成は7割程度。
  10. 当日のポスターや配布物などの印刷、名刺の印刷なども。
    「そもそも何人ぐらいくるのだろう?この学会。」という質問が出て当然。
  11. 「旅のしおり」の作成
    宿や乗る列車、現地の地図、タイムテーブルなどを含めた印刷物。最低限でもPDF。実家などに緊急連絡先・宿泊先などを連絡するのが面倒な時にも役にたつ。
  12. 当日のシミュレーション
  13. 発表練習(リハーサル)
    教室などを使って実際の環境に近い状況で時間などを精度良く測って行う。

…で、これで、完璧?否。

実際には、ここまでの準備では「伝えるだけのプレゼンテーション」しか準備できていない。

では何をやればいいか?書き出してみる。

1. 質疑応答の練習

2. 予習・聞き方の練習

3. 質問の仕方の練習

4. 懇親会などの準備

5. 見学、その他の見どころを調査

以下、順を追って解説する。

1. 質疑応答の練習

時間内に喋れば良いタイプのプレゼンテーションと違って、学会発表は学術バトルの場。実際のゴングは発表が終わった瞬間に鳴るものと心得るべき。なに?質問が出ないならそれでいい?…何を言っているのか。君のプレゼンテーションが未熟だから質問が出ないのだということを認識すべきだ。なに?自分の発表が素晴らしいから質問されない?…そういう考え方もあるだろう、しかし、もしかしたら裏番組のセッションにいい聴講者を持って行かれているのかもしれない。そう考えれば、書いた論文のタイトルが魅力的でないから、そのセッションに追いやられているのだ。反省すべきところはたくさんある。

そもそも、君は発表中に、「聴講者の目」を何回見たか?

あそこの先生は寝ているよ、あの学生はあくびをしていた。

君の発表が面白くない、ということを全力でアピールしているではないか。見ていないのは君だ。

質疑応答の時間、最後のゴングが鳴るまで、しっかりと殴り合いができることが理想。聴き手の興味を引き出し、知的好奇心を呼び起こし、質問を引き出してこそ、真の学会発表。

 

2. 予習・聞き方の練習

メモを取れ。そもそも聴講するセッションの予習ぐらいしよう。感覚で参加したり、一瞬でそのセッションが何を話す場なのか、座長が何者なのかを見極められるような経験者でなければ、事前に見たいセッションの1つや2つぐらい当たっておこう。

そして、聞くからには全面的にメモを取れ。研究室に持ち帰って、20分の発表を20分以上かけて、発表者以上にわかりやすい発表として研究室に持ち帰れ。

なに?難しすぎてわからない?…それはだな…発表者が悪い!

発表者が自分のことしか考えていない発表をしているにすぎない。そういうときは莫迦のふりをして質問すればいいのだ。

「すみません、門外漢なもので、頓珍漢な質問だったらごめんなさい〇〇は××の事なのでしょうか?」

この聞き方でいい。一説では”えらい大御所”がわざとそんな素人のふりをするなんていうスタイルもあるそうだが、あえて漢字で書くとわかるように「もんがいかん」も「とんちんかん」も「漢(おとこ)」の攻撃方法だ。門外から頓珍な攻撃を繰り出して、本質を突く!突く!突く!

一つ前の項目でも言った通り、発表者はろくに質問が出ない事で「フッ…俺様の発表が完璧すぎたのだな…」と勘違いしてしまうことがある。逆の立場に立ったら、なんと痛いことよ。突いてあげて。

 

3. 質問の仕方の練習

ところで良い質問とはなんだろうか?「突け」とは言ったが「相手を攻撃して叩き潰す」なんてことは、よっぽどたちが悪い発表か、頼まれでもしない限りやらないでよい(学内やゼミ内は別だ、全力でやれ)。論破もあまりやるべきではない、発表者は君ではないからだ。

一番大事なのは「建設的なディスカッション」というスタイルを守りつつ、「基礎力がしっかりしたボディブロー」を相手の腹筋に叩き込むことだ。相手が普段どれぐらい、どのようなトレーニングを積んでいるのかは、そのボディブローで見抜くことができる。ジャブやカウンターは不要。ストレート、もしくはショートアッパーがいい。間違えても大振りでジャイアントアッパーを打ち込んで空振りしてはいけない。限られた時間で「オッ、なんだこいつ!やるな!」と思わせれば勝負あり。長引かせる必要はない、休憩時間に名刺を交換しにいけば良い。

少なくとも、顔は割れる。良く言えば顔が売れる。

君と発表者の間にいい電気が流れる。

そして、大御所や、勘のいい先生はその場を見ている。

今度は君が発表する番だ。いい質問をもらったら、カウンターで返してやれ。

ちなみに君が発表者だったら以下の質疑応答カードは用意しておけ。

「ご質問ありがとうございます」

このカードは『感謝受け』というカード。呼吸を整え、迂闊なカウンターをもらうこと防ぐ。

「ただいまいただいた質問ですが、〇〇という理解でよろしいでしょうか?」

このカードは別名『再定義』というカードだ。当然、答えは用意されている。

「ありがとうございます、なかなかいい質問だと思います」

感謝も肯定もしている『健全防衛』。実際には図星であり、どう考えても負けている可能性があるのだが、感謝も肯定もしていることで、ボディブローを食らった後の内臓の揺れや嘔吐を防ぐことができる。

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、Yesです」

このカードは『ディスクリート』というカードで、オフェンス時には「YesかNoかで言えば、どちらでしょうか?」という使い方もできる。しかし、

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、YesでもNoでもあります」

という返し方もある。『アンチ・ディスクリート』というカード。というか、世の中の研究のほとんどが「YesでもNoでもある」からこそ研究したりデータをとったりしている。しかし「YesでもNoでもあります」という流れになると、当然発表者が延長して何か詳細な情報を伝えるチャンスを持つので、この流れになれば、持ち時間を使い切る流れだ。

 

他にも「〇〇はご存知でしょうか?」といった、いやらしく知識を問うトラップを仕掛けるような質問もあるのだが、今回はこの辺にしておく。

 

たくさん集まれば、印刷して袋詰めしてスターターパックとして販売したいぐらいだ。

 

4. 懇親会などの準備

懇親会は、フードバトルではない。名刺を配れ、挨拶をしろ、研究室の連中とつるむな。普通の先生なら学生とは距離を置いて、どこぞの先生と楽しそうに交流しているはずだから、そこにどんどん割って入るか、そばに「もの言いたげ」に立てば良い。紹介してもらってなんぼだし、先生だって自分の門下生を紹介してなんぼの場なのだ。

なお、もらった名刺は24時間以内に挨拶をしろ。Ccに先生のメールアドレスを入れておけば喜ばれる。メールの作文?そんなものは先生に見てもらえ、というか、それこそ事前に作文用意しておけばいい事ではないか。研究室のHPの紹介や、動画のURL、これまでの論文など、発表前後で何が変わるのか。

メールボックスに名前が入って入れば、検索できる。タイトルには工夫を。

そして早めの挨拶は、長めの会議の時には、次の共同研究や、就職先などの可能性を大きく広げる。

「あいさつが1日遅かったおかげで失ったチャンス」なんて、失った側はわからないのだぞ!!

 

5. 見学、その他の見どころを調査

学会発表はミッションである。入国審査で「観光かビジネスか」と聞かれたらビジネスと答えて良い(入国審査のこの質問、正確には「誰がお金を出しているか?」らしいが)。観光ではないから、学会開催中に抜け出して遊びにいったりは許されない。学会にも出資者にも留守を預かる他の学生にもトリプル裏切りになってしまう。学会が終わった夜の部は良い。できるだけ他の研究室の飲み会に巻き込まれて、いろんな文化を吸収しよう。飲みの席だけで大きな仕事をやってのける研究者だっているのだ。

観光とは別に「エスカーション」はどんどん行くべきだ。近隣の大学や研究所のオープンラボは予約制だったりするから、事前に調査して確実に行くべき。お金を払って見れる観光と比較にはならないものが見れるはずだ。また、学会によっては本当に観光旅行のようなエスカーションが付いてくることもあるが、これもおすすめである。有名な先生や大御所の奥様に会えることもある。よその大学の大先生が普段どのような行動やセンサーを持っているのか?良く観察すると良い。なお、この手の観光旅行エスカーションの記念写真はSNSには上げないほうがいいらしい。人によっては後ろめたいと考える人もいる。それがなんの予算で来ているか?学生のように個人的な出資であり、しばしの自主的休暇ならば問題はないだろうが、お堅い予算や重要な学務を抜け出して学会参加をし、若き学生たちの「引率」として、エスカーションに渋々参加している先生方の”笑顔”を、本人のコントロールが効かない場所に上げ晒すのはよっぽど勇気がないとできないことかもしれない。まあ一言挨拶はあったほうがいい。

 

さて、初めての学会発表、何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れは教えた。

ぜひ皆さんのエクスペリエンスを教えて欲しい。

Good luck!!

 

追記:学生にアカデミック社交会デビューさせるための先生のためのマニュアル (2016/11/28)

某阪大学の前田先生から

「せっかく学会に連れて行ったのに自分の発表時間以外姿を現さない学生」はどうしよう、

というご質問を頂いたので、懇親会などのアカデミック社交界に学生さんたちをうまくデビューさせる方法について追記しておきます。

つまりは「知らないひととの友達の作り方」なのですが、
私の師匠の久米先生は
「学会中は、俺、旧交を温めに行くから学生の面倒は見ないよ」
と言い切ってましたでのだいぶ割り切っていました。

もちろん3日あれば1日ぐらいはチームディナーはありますが、毎晩ではない、という感じです。
自分もそうするようにしています。
学会は先生自身が視野を広げ、大学人事や世間の動向を共有するべき場でもあります。

「私立大学も大変だと思っていたけど、国立大学も別の次元で大変だなあ…」
なんて感想が抱けないと、先生も過労で死にます。
そのような交流の時間を確保するためにも是非、発表練習は研究室で終わらせてきてほしい!

さて、もうひとりの私の師匠、草原先生は、いわゆる社交を丁寧にする人で、
「ほら白井くん、この人は〜〜で活躍しているXXさん」
という感じで、なんだか知らないけど有名そうな人によく紹介してくれました。そして、
「こちらは白井くん、工学部と芸術学部の間でちょっと変わったものづくりしている学生さんです」
という感じで知らない人とくっつけるのが上手な人でした。
(過去形にしてすみません、お二人とも大事な師匠です)

上記の短いセンテンスにあるように、一息で話せるぐらいの内容で、本人の自己承認欲求自立心をくすぐってあげるのが良いのかなと思います。

懇親会で先生は、学生の自己承認欲求と自立心、あとは近い世代の仲間とうまく
紹介(introduction+produce+inquiry)“して引き合わせてあげることでしょうね。
最近だと、Facebookでからませるぐらいのことは必要では。
ライバルという敵対関係ではなく、「仲良くすべき同胞」としてのインスタンスを獲得させる大事なお仕事ですね。

 

4月1日の君に送るコトバ ~振り返れば人生はいつも研究で,就職活動~

4月1日,エイプリルフールですね!

昨年度は就職委員だったこともあって,昨年末から情報メディア学科内で新しい就職活動週報システムとそれに連動した「週刊D科週活」というメールニュースを運営してきました.

毎回おもしろくてためになるコラムを書いていたのですが,今回は最終回なのと,ちょうど節目の日付なので,再掲しますね.

<以下>

情報メディア学科の白井です.

2016年度から別の委員を担当することになり,本日でこのコラムの執筆は最終回となりました.
そろそろ内々定なども出てきている中,一方では未だ「最初の履歴書」も書いていない学生さんも見受けられます.

履歴書,とはその名のとおり,履歴を書くものです.左側だけでなく右側の「自己PR」や「卒業研究テーマ」などもあります.
最初の1通目は,大変だと思います.何せ自分の人生を振り返って,
・どんなことを学んできたか
・自分と,希望の会社にどんな関係があるか?
・どれだけ貢献できるか?
・これからどんな人生を歩んでいきたいか?
これらを採用に結び付けて,構造的に作文していく必要があります.

「研究テーマ」も構造的な作文も,研究室の先生に相談してみてください.
これから1年ご指導をお願いする先生であれば,あなた自身の才能の掘り起こしも上手に行ってくれるでしょう.

ここに,一例として白井の”略歴”を引用してみます.

(講演用の略歴です,履歴書用ではありません)

1992年 東京工芸大学工学部最後の写真工学科卒業,1996年 同大学院画像工学専攻卒業.1996年 キヤノン(株)入社,キヤノングループの英国ゲームエンジン開発企業Criterionを経て,2001年 東京工業大学総合理工学研究科博士後期課程に復学,2004年に『床面提示型触覚エンタテイメントシステムの提案と開発』で博士(工学)取得.(財)NHK‐ES,フランスLavalでのVRによる地域振興,日本科学未来館科学コミュニケーターを経て,2010年より神奈川工科大学情報学部情報メディア学科准教授.専門はVRエンタテイメントシステム,メディアアートの工学教育.フランスで18年開催されている世界最大のVRフェスティバル「Laval Virtual」の国際デモ部門ReVolutionのチェアマン.24年続く国際学生対抗VRコンテスト「IVRC」の実行委員・審査員.著書に『WiiRemoteプログラミング』,『白井博士の未来のゲームデザイン ―エンターテインメントシステムの科学―』など.

振り返れば人生はいつも研究で,就職活動です.
大きな会社に長く勤めている人も,社内でのキャリアは常に考えていかなければなりません.
皆さんは,5年後,10年後,どんなスキルをもって,どんな仕事をしていたいでしょうか?

履歴書や就職活動での小さな気づきは,いまは辛くて苦しい日々かもしれません.
でも,成長して,通り過ぎてしまったら,辛いどころか,もう思い出すのも難しい感覚になっていきます.
これは皆さんが「成長している」ということなのです.
後になったら自分でもわからなくなってしまうことは,会ったこともない企業の採用担当者がわかるはずもありません.
『自分は~~ができます』といった書き方を推奨するマニュアルもありますが,できるスキルは多いに越したことがありませんが,新卒社員を採用する上で,一番大事なのは「伸び/成長」です.
どんなことに辛いと感じ,どんなことを自分で克服してきたか?それを書き残すことは(後になったら忘れてしまうだけに)大変難しいことなのですが,習慣化していくことで可能になります.

4年次の「必修8単位」を課す手卒業研究やゼミ,卒研指導の先生とのコミュニケーションも大変重要です.
あれこれ悩むよりも,未熟でもよいので手を動かして,レビューしてもらい,対話して,自分の人生に仮説を立てて,それを実現するために生きてください.

振り返れば人生はいつも研究で,就職活動です.
この4年生の1年間は皆さんの人生が凝縮されています.
よい縁と,よい機会に恵まれ,みなさんの人生に花が咲きますように.

エレベータなどで見かけたら,さわやかに挨拶くださいね 😉

 2015年度 情報メディア学科 就職委員 白井暁彦

レポートがどうしても書けない病気の学生におくるメール

いろんな大学(いろんな国)のいろんな学生に講義や演習をしていますが、「どうしてもレポートが書けない」という学生さんにあたることは、受験難度には直接関係なく多くあります。

いわゆる「レポートが出せない病」です。

昔からそういう学生は存在したし、思い返せば私もそうだったのですが。

決して頭ごなしに怒鳴りつけてはいけないとおもいますし、理由も聞かずに「受け取らない!」という巌とした事務的な態度や、「こんな締め切りも守れないようではこの業界では生きていけないよ!」という態度も大事かとは思いますが、実はその学生も「なんだキミ、書ければ意外と面白いじゃないか。時間に間に合っていればもっと評価高いのに惜しいね!」と言われて図に乗れば、その学生の才能が目覚めるかもしれません。それが私です。

つまりこれは教育機会だとおもいます。パワーで斬首刑をお伝えするだけでは教育機会の損失です。

さて、先天的な障害を疑う前に、まずは「レポートが出せないのですが…」という学生さんに向けた私のお伝えしたいことを引用しておきます。

(これは2年生の必修の演習だったという想定です)

学生のメール「レポート遅れてすみません。もうちょっと待ってもらえませんか?」

レポートの提出が何らかの難がありできないのであれば、締め切りを過ぎる前に、まずは担当の先生に連絡や相談をするべきではないでしょうか。
何から手を付けたらよいのかわからない、何をクリアすればよいのか明確でない、難しい、といった課題であったとしても、連絡なしに遅れ提出をしたり、連絡なしに未提出となるのは、お互いにとって不利益ではありませんか?
仮に「気持ちが乗らない」だったとしても、時間の無駄をしてほしいわけではありません。「考え方をこう変えるといいよ!」という一言は、実は講義の中でも言っていたかもしれませんし、質問したり、研究室に聞きに行けばいいかもしれません。

「ちょっと待ってもらえませんか?」は聞きませんよ。

先生方も長年、学生を見ていますので、
「納得ができない」「うまく書けない」「バイトがあり時間が割けなかった」
「簡単だと思ったが実は難しかった」「なんだかよくわからないが書けない」
などありとあらゆる理由や難儀があることはわかっています。
延長するといっても、何時まで待てばよいのでしょうか?
それを今、君が云うことができるなら、もうとっくに終わっているのではないでしょうか?

この演習は「必修」です。
持って生まれた特殊な才能が必要というわけではなく、
手順通り話を聞いて手を動かせば、誰もが跳べるハードルを設定しています。
それが必修のユニット教育であり、下の学年から積み上げで、段々高くなっていき、いずれは卒業研究のような、何十ページ、何百ページといった著作になっていきます。

時間内に出せないということは、その方法が間違っていたか、その演習を邪魔する何かがあったということです。
ですから、まずは時間内に出せなかった理由を自分なりに分析してみてください。
難しいことを書く必要はありません。何がやれて、何ができないのか?
キミにとって何が難しいのかは先生は全く分からないのですから!
それを丁寧にメールなりレポートの表紙なり考察なりに加えるか。
いかなる方法でもいいから伝えてみてください。わかりやすく。
先生が受理して採点するかどうかはそれを読んで判断すると思います。

がんばってください。 白井暁彦

実際の作文はもうちょっと箇条書きだったり事務的だったりするのですが、一度の躓きをバネに伸びることができるのも若さなので、先生方も血圧上げずにがんばってください。

☆がんばる=基本的なことを丁寧にやること(白井の定義)

誰が為に卒論執筆の鐘は鳴るか?

本日、平成26年度の卒業論文執筆に関わる重要書類を研究室学生に配布しました。

もう既に卒論を仮提出している学科などもありますが、
まずは、よく読んだ上で、疑問点・注意点があれば先生に相談し、学生同士で水平展開で共有してください。

時は師走です。
年内は日数的にはあと20日残っていますが、先生がゼミ形式で直接全体指導できるのは、実はあと数日〜1日のみというところが現実ではないでしょうか。

残りは個別指導になります。
つまり、先生よりも遅く大学に来て、先生よりも早く帰るという怠惰な学生には、(当たり前ですが)指導時間を享受する時間と機会がなくなります。
各自Googleカレンダー等を利用して先生に指導時間を依頼してください。
なお、一回あたりの指導時間は「概ね30分/人」が限界と思います。先生の正気を保つためにも、非同期時間を長くして、下手なお説教を爆発的に食らうよりは、こまめに、こまめに、そして他の学生も協力し(時にはカットインしたり、協働したりして)こまめに先生の効率と心の平穏とそのもとになる睡眠時間を維持させるべきです。

この時期の卒論執筆で重要な点をまとめておきます。

・ここまでの結果を明らかに
結果がないなら再度見直そう。先生は学生が見出してない結果を導くわけにはいかない。

・どんな終わりかたをするかイメージしよう
どうせ書くなら「爽やかな終わり方」がいいですよね。先輩の卒論を最後まで読んでみましょう。

・結果を踏まえて追実験を指定されれば実施する
“追実験”は先生の趣味や、マゾやイジメではありません。論旨を完成させるために必要なので、方法を提案しています。

・追実験に新4年生の協力を求める
知っているようで何も知らない彼らは、よき被験者であり、実験オペレーションマニュアルは論文執筆を加速させ、2月頃の引き継ぎの手間を大幅軽減します。

・追実験から結論→再度論文要旨を見直し
追実験は妄想レベル以下だった結論を強化し、トンネルの出口を掘り当てます。今こそこのトンネルの全長を測り、名前をつけるときがきました。

・12/25頃にあるであろう研究室の大掃除前に目標ページ数に達成
大掃除なんてやる暇ないと思うかもしれませんが、区切りもつかないと効率悪いですし、大掃除が始められませんし、掃除前にやっておかないと、実験器具やデータを撤去されると危険です。少なくとも新規実験は終わらせてデータやソースや原稿を二重三重にバックアップしておくべきです。

・ページ数達成後、校了・提出まではだいたい6回ぐらいの添削が入る
毎年の提出ファイル名に、SotsuronFinalV6.pdf というファイル名が多いことから推測できる値です。

・細かい修正点がないよう、配布した執筆要領を見直す
先生の添削エンジンをそこまで信用しないでください。

・先生のキューが長ければ学生間で見直す
ただキューを待って駄話しているぐらいなら、分散処理してください。

・”GoogleDrive卒論シート”で共有
企業秘密です。
ヒューマンインターフェイスなのかヒューマンインタフェースなのかヒューマンインタフェイスなのか。エンタテインメントシステムなのかエンタテイメントシステムなのかエンターテインメントシステムなのかは、先生に間違い指摘されたり口伝で聞くよりも共有辞書作るのが一番です。

・お互いを高めあって楽しい雰囲気で乗り切る。
先生も学生も、時間の浪費(集合遅れ,無断欠席)や瑣末なミス(添削指摘反映忘れなど)でヒステリシスを生まないよう配慮しましょう。

特に卒論執筆において「自宅作業」は幻想です。

しっかり冬休み取りたければ(カレンダー上はどう考えてもそうなる)、いま時間の借金をゼロにしておくことをお勧めします。

さいごに…卒論執筆は、今までの論文と違って、先生は共著ではなく、指導教員です。

ある時は二人三脚ですが、歩調を合わせるコミュニケーションが取れなければ、学生にとって「引き摺られて痛い…/引き摺って重い」ということにしかなりません。

学生も先生も常にお互いにリスペクトを持って、丁寧に残された時間を積み上げてゴールを切ってくださいね!

先生は
「うーん、この卒論は面白いね…素晴らしい!」
って言いたいんです。
言わせるように無理せず、リラックスして、頑張りましょう。

グッドラック! ^_^b

白井研究室の育て方

うちの学生が研究で評価されたそうです

このたび,白井研究室で指導している神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科4年生の鈴木久貴君が,世界最大のコンピュータグラフィックス&インタラクティブ技術の国際会議であるACM SIGGRAPH 2014において,ACM Student Research CompetitionのSemi-Finalistに選出されました.

これはSIGGRAPH 2014 Postersに投稿された学生発表のなかで学部生部門,院生部門それぞれにおける世界トップ3に選出されたということで大変な名誉であります.結果などはこちら.

SIGGRAPHのPostersという場所について

ACM SIGGRAPHのPostersには特に日本の大学から多くの発表が投稿されます.
ACM(Association for Computing Machinery, アメリカ合衆国をベースとする計算機科学分野の国際学会。1947年設立。IEEEとともに、この分野で最も影響力の強い学会。SIGGRAPHやSIGMODなど数多くの国際会議を開催している。また、チューリング賞、ゲーデル賞を授与する組織としても知られる; wikipedia)の採択規定では全カテゴリにおいて採択率33%を上回る必要があります.この時点でいわゆるふつうの国際会議のPaperより難度は高くなるときもあります.
鈴木君が今回投稿した件は,最も遅い締め切りの「Late Breaking」というカテゴリなので,採択率は25%程度と聞いております.某大学の事務は「Postersはポスターなんだから,口頭発表じゃないでしょ?」ということも言われたりするようです,それはまあしょうがないのですけど,ACM SIGGRAPHの難易度や参加者規模(数万人)対してその評価はあんまりです.
一説には,Postersよりも数段難度の高いTechnical Paperに投稿したほうがよい,という意見もあります.私もこれは完全に同意です.多くのCG系の研究室に所属する学生にとって,「SIGGRAPHに発表者として参加できる」ということは,大変な名誉であり,ドリームです.しかし1ページのアブストラクトしか載らないのに,年に一度のこのチャンスに,大変なアイディアを絞り出したり,一方では,Postersに通すために似たようなサブジェクトを細切れにしているような例など見かけると,本当に本末転倒だと思います.
ちなみに私は,某SIGGRAPH ASIAで似たような研究をしているカナダ系中国人の研究者に,「はあ?君のアイディアがどんなにすばらしかろうが,1ページ2ページのショートペーパーがあるぐらいでデカい面するな,こっちはIXXX(伏字)のフルペーパー通っているんだぞ!」と凄まれたことがあります.これはくやしい.ちなみに偶然の一致と思いたいけど,彼の研究室の学生は私のYouTubeビデオは見ているし,おそらくショートペーパーも見ている,しかし引用はされていない.「引用に値しないショートペーパーだから」という理論だそうです.これもくやしい.
日本の研究者のみなさん,研究者のタマゴのみなさん,まずは8ページから10ページの長文を書きましょう!
志は高く!話はそれからだ!
そうでなければ,Posterに出した論文はパクられる運命にあります.
そもそもSIGGRAPHのPostersの投稿規定にもそれに近い話は書かれているし.
とにかくPostersに出すなら,覚悟はしましょう.
ちなみにACM Student Research Competitionについて,産総研の加藤淳さんが「ACM Student Research Competition参加のすすめ」というブログエントリーを書かれています.こちらも別の視点のご意見ということで紹介させていただきます.

白井研究室の人の育て方について少々紹介

いい機会なので,白井研究室の人の育て方について,ちょっとまとめてみたいと思います.
白井研究室の人の育て方の基本方針は以下の通りです.
(1) その人にはその人にあったハードルを
(2) 30%ルール,いろんなことをやってみよう
(3) 「心の力」を最大限に信じる
…という考え方です.まあどれも当たり前なんですけど.

我々は未来に進んでいくしかない,残念ながら.

まず「(1) その人にはその人にあったハードルを」という考え方です.これは基本原則.
飛べないなら高いハードルは設定しません.
しかし白井先生は自分自身に高いハードルを設定しています.
これは”忍者式”とでもいいましょうか.低木を飛び越えているうちに,壁も越えられるようになる…ってあれです.

すごいスピードで成長するなら,どんどんと高いハードルがやってきます.

でもそうでないなら,低いハードルを設定し,低いところから増分も少なく増えていきます.
ただし増えていくことは変わりません.我々は未来に進んでいくしかないので.
そう、未来に進んでいくしかないんです!
記憶や知識や技能を持ったまま,過去に戻れるなら戻りたい!
…でもそんなことはできない,我々の時計にはラッチ機構がついていて,後戻りもCtrl+Zもできないんです.
だから飛べるようになったら,次からはもっと高く飛べるようになるしかないんです.残念だけど.
だから,うちの研究室では「チート厳禁」です.
世の中には,いろんなチートがありますが,あらゆる意味で「チートする」ということは,「本当は飛べないハードルを飛んだことにする」ということと定義できます.
チートするぐらいなら,物事を簡単にする努力をしたほうがいいです.
よく混同されやすい「やさしさ」ですが,特に周囲の「優しさ」は,落下時のクッションなど,「飛べないハードルを飛んでみたが失敗した人」に対して必要なのであって,飛ぶためのルールはルールとして,どの分野においても後戻りのできないものです.
マンションで育つ子供に「ベランダから落ちたら痛いからね!」と言って聞かせるのと,
1メートルの高さから飛び降りてみさせるのと,どちらが安全に貢献できるでしょうか?
こんなたとえもあります.
[Slashdot]スウェーデンの父親、ビデオゲームをプレイしたがる子供たちに本物の戦争を見せるため、中東へ連れていく
本当に”世界最悪の父親”ってのは,子供をパチンコ屋の駐車場で殺すような親のことであって,こういうのは”いい父親”だと思います.
「あれやっちゃだめ,これやっちゃだめ」,「危ないから規制しよう」というブレーキが,本当の意味で子供たちを「弱く」していることもあります.

白井研究室はいろんな事をやらせてみる

次に「(2) 30%ルール,いろんなことをやってみよう」について.
たとえば鈴木君はパキスタン人と日本人のハーフです.小学校から高校ぐらいまで,パキスタンで教育を受けています.その分,いろんなことを知っていたり知らなかったりします.
それこそが,彼の強みです.
学力とか,勉学とか,受験難易度とか世の中にはいろいろな尺度がありますが,本当の意味で「学ぶ人」は,自分で学ぶ人,すなわち初めてのことをゼロから色々と試し,自分で獲得する人です.
鈴木君にかかわらず,白井研究室は「30%ルール」という指導方針をとっています.
メインは卒業のために必要な学位にかかわる研究です.
サブは就活や,研究になるかどうかわからないエマージングな活動や企業連携などのプロジェクトです.
3つ目の30%は「趣味プロ」と呼ばれる外部活動です.ゲームでも部活動でも映画鑑賞でも,趣味的な活動をどれぐらい極めている極めているか?メインやサブに比較してどれぐらい時間をかけているか,が重要です.
最後の10%が,Blogなどの発信活動です.チーム内の共有ドキュメント,wiki,日記でも構いません.知の共有にどれだけ貢献したか?する意識があるか?です.
「30%ルール」については,過去に「はたらくじん」というサイトで特集していただいたことがありますのでこちらもご参照.
一つのことを長い時間かけてやることも重要ですし,その合間の精神の変化,成長,隙間時間の使い方をいかに他者に任せず自分のものとするか?という方法論の獲得でもあります.
工学だけでもなく,芸術活動だけでもなく,ビジネスも,ボランティアも一通り経験させます.
先生っぽいこともやらせてみますし,言語も英語だけでなく,フランス語,中国語も簡体字・繁体字など,かかわる言語すべてにチャレンジします.
向いているか向いてないか,なんてことは本人が知っているはずもないですから,やってみなければわかりません.
この「いろいろやらせてみる」は次の「心の力」に関係してきます.

白井研究室は”心の力”を最大限に信じる

さいごに「(3) 『心の力』を最大限に信じる」ということ.
心の力以外信用しない,というと「なんか信用されていない」,みたいに聞こえるかもしれませんが,「やるやる詐欺」をさせないということです.
まず「いろいろやらせてみる」をやったうえで,
「学生なんだから,やりたくないことはやるな」とハッキリといいいます.
「好きなことだけやれ」と言っているように聞こえますが,実際にはそんなに甘いものではないと思います.
今の世の中で人間がやらなければならない物事は複雑です,一つのことを達成するためにいろいろなスキルが必要.
もしやりたくない事があるなら,
・やりたくなるように努力する
・好きになるまでやってみる
・嫌いだからさっさと終わらせる努力をする
・それをやらなくてもいい世界に行けるように努力する
これらのいずれかしかありませんよ,ということです.
大人にとってはあたりまえのことですが,その覚悟がない人が,大学生にはたくさんいます.
今の学生のほとんどは,便利で恵まれた平和な子供時代を過ごしています.
大学受験も,もちろん試験で入ってくる学生もいますが,そうでない方法で入ってくる学生もたくさんいます.そのような学生に対して区別も差別もありません.当たり前ですが.
企業の人が聞いたら驚くかもしれませんが,
学生からの努力,根性,強制に対する反発は大きいです.
大人が抑圧して,首に縄をかけて,指導できるようならば,もっと勉強もできるのかもしれないけど,まずは自分の能力を測ること測られることに対して慣れていません.
平和ですね.
やりたいことに対して,脱出したい世の中に対して,いかに垂直揚力を維持できるか?
維持できないなら,いかに短い時間で必要な出力を出せるか?
そういった偏屈なエネルギー源しか,いまの世の中は頼りにできるものはありません.
もちろん,先生の言うことをきちんと聞いて,咀嚼して,理解して,自分で進められるのであれば,何の苦労もないのですけど,そういう人はどうやって育つのか?ということは受験教育などで明らかになっており,「心のスイッチON!」などと呼ばれていますが,どこでその「心の力そのもの」が生まれるのか?については明らかになっていません.まるで「天然もののウナギ」です.
私の研究室の学生には,迫害されたり,不登校であったり,マイノリティであったり……といった学生が多く集まるように感じています.「暖かい海ではないところ」で育った学生が集まる風土があるのでしょうか.いずれにせよ,「挫折をしているけれども明るい学生」が多いです.

じゃあ白井は何を指導しているのか?

研究室での私の立ち位置は,「指輪物語におけるガンダルフ」でありたいと思います.
賢人であり,博識であり,魔法使いであり,タフガイであり,本気を出せば不可能を可能にするような強い力を持っています.
いつも旅に出ていて普通の人には滅多に会えない存在,でもガンダルフにはなれません.理想です.
同じ旅人ならスナフキンぐらいまで,軽やかに,皮肉を言っていたいところですが,そこまで軽やかな存在感ではないです.
実際の学生から見れば,私は「眠った時に出てくる小人さん」,つまりブラウニーぐらいの立ち位置でしょうか.
しかもけっこう隠れるのに失敗しています.
学生が何日も徹夜して書いた,こ汚い論文を一晩もかからずに清書してしまう,そんなことも起きますが,期待されては動きません.
いやなことはやらない,嫌々言いながらやることは速攻でやる.そういう難しいバランス感覚です.

そもそもこの分野の先生はどれぐらいプログラミングすべきなのか?

ところで,今回のSIGGRAPHでのDCAJパーティにて,Paul DebevecとNelson Maxにお会いしました.
PaulはSIGGRAPHのVice Presidentであり,Scritter初代を生んだ,長野君の現在の師です.映画「MATRIX」の超有名シーン,バレット撮影のもとになる技術を大学院1年生で発表した同世代の研究者.
Nelson Maxはつくば万博(1985年)・富士通パビリオンで「UNIVERSE」を作ったドーム3D映像のパイオニアです.この人がいなければ私は未来を見ていないバカガキで,CGにも転んでいないと思います.
そしてNelsonは最近,Pixarに勤めているそうです!すげえ,いま60歳超えてますよね….
そこでPaulがNelsonに「プログラムコード,自分で書いてるの?」って聞いてました.
Nelsonは「もちろん」って答えてました.Paulは「すごいね!僕は最近そんなでもない」と.
私の知る限り,Paulは昔から自分で書いてました,ドキュメントも.HDRShopの翻訳をNHK-ESにいたころにやっていましたが,「その人独特のコードの匂い」というものはあるものです.
まあでもPaulも時間があれば自分で書くだろうな,単に謙遜しているだけかも.
西海岸のCG研究者が偉いな,映画業界から信頼されているな,と思う点はこのへん.
CG研究者として生きている人がそのまま,その産業のコード戦士として戦えるレベルにあること.
だからこそ大きな金額を払うに値する価値がある仕事をするし,その責任は研究者自身が負う.
プログラミングしているうちは頭ボケないらしいので,自分も見習いたいです.

背中を見せて闘うことは大事だが,それだけでは学生は育たない

さて,話を学生の教育に戻します.
背中を見せることは大事ですが,最前線に立っても学生は育ちません.
ある程度,本人のハードルの高さを意識しつつ,100+1%の努力を常に期待しつつ,
本気出した時のクオリティが高く,芸術的で美しくあること,このあたりが大事だと思います.
また学生に示すべきマルチタレント性のその先,つまり難しさも示しています.
白井もつタレントはいくつかありますが,その多様性,エンジニアリングと作家性とジャーナリズム,発信能力などなど,これらは指導して身につくものではなく,「あくまで習慣」であり「生きざま」であり,才能そのものです.
職人としては単一技能であることが重要ですが,ことメディアの分野においては多様性・多才であり,かつそれらを自己管理できることは重要な能力の一つですから,それは背中で示さなければならないことです.
つまり,書き物も,プログラミングも,私は私でやりますし,学生は学生で並列でやります.
どっちが優れているかは,本気勝負です.
もし私が実装できて,学生が実装できないなら,それはしかたがない,学んでいただくしかない.
もし学生が実装できて,わたしがそれを理解できない,追従できないなら,私の学生は共有し,説明できる必要があります.
そう教育していますし,「30%ルールの残り10%」はそのために担保されているようなものです.
もし私が共著者として検証できないのであれば,共著者として不適切ですし,いずれチートを生むでしょう.

よいゲームマスターであること

さいごに,”学生には秘密”のもう一つのロールを書いておくと,
「先生はゲームマスターである」ということです.
「白井研究室」というロールプレイングゲームにはあるときはガンダルフ,ある時はブラウニーとして参加しています.
しかしながら,どんなダンジョンに遠征するか,どんなボスが現れるか?どんな苦難の上にどんな宝を手に入れるか?
といったゲームデザイン,レベルデザイン,バランス調整は緻密に行われています.
“ゲームオーバー”になって死んでもらっても困るからです.
本当の意味でのゲームオーバーは,卒業したときに迎えてもらいます.
卒業して数年したら,
「あのゲームは楽しかったです,先生」と振り返って酒でも酌み交わせればと思います.
まだそんな学生が現れていないのが残念ですけど.
SIGGRAPH 2014 バンクーバーより帰国の機中にて 白井暁彦

2013年5月のほしい書籍リスト

雨なのもあって書店に行ってきました。
以下、「買ってもいいかな?」と思った本です。
調査はくまざわ書店アリオ橋本店

以下、順不同。棚構成順のような感じ。
旧作も含まれていますがお気になさらず。


「ソフトウェアデザイン総集編2001-2012」
Software Design 総集編 【2001~2012】

いままでのソフデザが1冊1PDFの形で収録された付録ディスクがついてきています。


「Objective-Cの絵本」
Objective-Cの絵本 (絵本シリーズ)


「インタフェースデザインの実践教室」
インタフェースデザインの実践教室 ―優れたユーザビリティを実現するアイデアとテクニック

後に紹介する「インタフェースデザインの心理学」とセットでほしい。


「OpenGLESとC++で作るiPhone/iPad実戦3Dゲーム」
OpenGL ESとC++で作るiPhone/iPad実戦3Dゲーム

Unity全盛の中、パンツァーゲームをGLESとC++で作るという視点が面白い。「実践」ではなく「実戦」。


「ドット絵 プロフェッショナルテクニック」
ドット絵プロフェッショナルテクニック―ドット打ちからアニメーションまで (Game developer books)

「Squirrelゲームプログラミング」
Squirrelゲームプログラミング 組み込みスクリプト言語による実践テクニック

ゲームスタジオのインハウススクリプトについての解説、特に日本のスタジオの雄あるスクウェア・エニックスからのノウハウ公開は珍しい。ビジュアル的にもさすがスクエニという感じで、オリジナルではあるけれども3Dキャラクターなども入っておりちゃんと読んでみたい本。

「ゲームプログラミングのための行動AI数学」
ゲームプログラミングのための行動AI数学

なんかタイトルが狙いすぎな気もするが、このシリーズの編集者の意向なのであろう。

<Unity関係> Unity4対応を買わねばならないので難しいところ

「Unityで作るiPhone/Androidアプリ入門」
Unityで作るiPhone/Androidアプリ入門

「Unityで作るスマートフォン3Dゲーム開発講座 Unity4対応」
Unityで作るスマートフォン3Dゲーム開発講座 Unity4対応 (SMART GAME DEVELOPER)

「ゲームの作り方 Unityで覚える遊びのアルゴリズム」
ゲームの作り方  Unityで覚える遊びのアルゴリズム

「Unity 4マスターブック―3Dゲームエンジンを使いこなす」
Unity 4マスターブック―3Dゲームエンジンを使いこなす

「Unityライブラリ辞典 ランタイム編」
Unityライブラリ辞典 ランタイム編

「独習UML 第4版 (CD-ROM付)」
独習UML 第4版 (CD-ROM付)

「パーフェクトPython」
パーフェクトPython (PERFECT SERIES 5)

「マンガライン デザイン・アイデア素材集」
マンガライン―デザイン・アイデア素材集

「アメコミデザイン」
アメコミデザイン

「和文フリーフォント116」
和文フリーフォント116 (design parts collection)

「これからはじめるInDesignの本 〔CS6/CS5.5対応版〕」
デザインの学校 これからはじめるInDesignの本 〔CS6/CS5.5対応版〕

「3D立体映像表現の基礎」
3D立体映像表現の基礎−基本原理から制作技術まで−

河合先生の本。

「ディジタル映像分析 OpenCVによる映像内容の解析」
ディジタル映像分析―OpenCVによる映像内容の解析

この本は本当に役に立ちそう、誰にでも役に立つわけじゃないけど。

「テクニカルアーティストスタートキット -映像制作に役立つCG理論と物理・数学の基礎- [演習データ付属]」
テクニカルアーティストスタートキット -映像制作に役立つCG理論と物理・数学の基礎- [演習データ付属]

著者陣がすごい、内容もマニアック。どこかの学校で使われていたりするんだろうか?

「Google API Expertが解説する Google Maps APIプログラミングガイド」
Google API Expertが解説する Google Maps APIプログラミングガイド

いまさらだけど、書籍があるとは知らなんだ。

「PC自作の基礎知識2013」
PC自作の基礎知識2013 (日経BPパソコンベストムック 日経WinPCセレクト)

PC自作なんて当たり前だと思うのだけど、学生は意外と知らないし、数年に一度ぐらい学ばないと新しい規格とか知らないので。

以下オーム社

「メディア学入門 (メディア学体系1)」
メディア学入門 (メディア学体系1)

「感覚・知覚・認知の基礎 (現代電子情報通信選書―知識の森)」
感覚・知覚・認知の基礎 (現代電子情報通信選書―知識の森)

「知能の原理 ―身体性に基づく構成論的アプローチ―」
知能の原理 ―身体性に基づく構成論的アプローチ―

「はじめてのAIプログラミング―C言語で作る人工知能と人工無能」
はじめてのAIプログラミング―C言語で作る人工知能と人工無能

「はじめてのAIアプリケーション−C言語で作るネットワークエージェントと機械学習−」
はじめてのAIアプリケーション−C言語で作るネットワークエージェントと機械学習−

以下オライリー

「インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針」
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

「実践 コンピュータビジョン」
実践 コンピュータビジョン

以下、美術・デザイン本

「ロゴデザインの見本帳」
ロゴデザインの見本帳

「ロゴづくりアイデア大全」
デザインを学ぶシリーズ ロゴづくりアイデア大全

「フライヤーのレイアウト」
フライヤーのレイアウト―映画・展覧会・演劇…目立つチラシのデザインテクニック


「パパとママにアピールするレイアウト&カラーズ」
パパとママにアピールするレイアウト&カラーズ -こども向け商品カタログ・雑誌・パンフレットのデザイン事例集 (LAYOUT & COLOURS)

ちなみに研究室向けにWindows8ストアアプリの開発情報探しに行ったんだけど、全く手に入らなかった!棚がないのかも。

余談なんだけど雑誌「イラストノート」が中村佑介特集だったので個人的に買ってしまった。
http://www.illust-note.jp/%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%8F%B7/
イラストノートNO.26 (付録付き) (Seibundo mook)
[browser-shot url=”http://www.illust-note.jp/%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%8F%B7/” width=”600″]

卒論プレゼン技術まとめ

卒論も提出し、成果展示も準備が終わり、いよいよ卒論プレゼンが明後日です。

以下、卒論プレゼン技術について、連続Tweetでつぶやいたものがあまりに反響があったのでまとめておきました。
ハッシュタグ #卒論プレゼン技術

あってるかどうか分かりませんし、審査をする先生としてはグッと心に秘めていることかもしれません。当日ついうっかり他の研究室の発表に突っ込んでしまうかもしれないので、とりあえず列挙してみました。

  • 卒論のプレゼンテーションで最も重要なことは、「自分自身が卒業するために、胸を張って研究したことを隣の研究室の先生に話せるかどうか」ということだ。専門家と非専門家の両側の理解と共感を得る視点が必要だ。指導教官や専門家の先生の視点なんて二の次。それは外部発表で。
  • 卒論のプレゼンで「まず言い訳をする」ということは、それが「結論」であるということだ。つまり「言い訳をしなくて済むよう、パズルを解く」という行為、すわなち研究に時間をかけていないということの証明。それを真顔で「通してください」と言われても審査するのは無理。
  • 紙に書いたシナリオを読まないとプレゼンできないということは、設計が甘いか、ビジュアルが足りないか、練習が足りない度胸が足りないかのどれかである。じゃあ読めば片付くのか?紙なしで読めば度胸はつくし、忘れている用語や要点は見えてくるし、練習になる。だからダメよ。
  • 質疑応答での瑣末なツッコミを避けるために、母集団、属性、実験の前提や引用な「瑣末な情報」は画面に入れておく
  • 君の視力で目を細めなければ見えないフォントは、オジサンたちは絶対読めない。
  • そして「余白の美よりレイアウトの美」。無意味な空白があるなら改行入れてでも、ちゃんと配置すべし
  • 「…で?」を言われたくなかったら、冒頭3ページまでに「結論」を述べろ。
  • 迷ったら「(タイトル)」に立ち戻れ。タイトルに結論が含まれていない時点で何かが終わっている。
  • 引用したビジュアルには大学名などで良いのでわかりやすい引用表記を入れよ。自分がやったかのように思っていなくても、見る側はそうは思わない。なお、引用についてはオジサンたちの視力がついてこない範囲で構わない。コントラストも下げ。喋り用。出所が明らかになれば良い。
  • 引用写真でも引出線入れて解説するだけでオリジナリティが追加される。
  • 自分が自信を持って話せない内容なら、こねくり回すよりもカットする。
  • 文字ばかりで話が長くなり、聴衆が眠くなるならビジュアルで1枚で語れるようにする。
  • 発表終了直後の審査員が最も聴きやすく、それでいてボディブローが効きやすい質問は『いろいろ素晴らしいんだけれども、この研究を一言で言うと、何が解決したの?』である。Twitter民なら普段の成果を生かして140文字以下で語って欲しい。
  • 卒論のプレゼンテーションを推敲していく過程で論文執筆時点では見えていなかった『新しい知見』が生まれてしまったりする。それはいままでの考察が甘かったということだが、悲観することはない。いまはうまく整理して胸を張って生き延びるべきだ。ここで折れてはすべてが無駄に
  • 君はその分野について既に「専門家」である。審査の先生方は別の分野の専門家である。質問の意図は『専門家だからこそ、そこは整理して回答できるはず』。なので回答は、Yes/Noでハッキリほしい。もしくは最初の一言で整理されているか。間違っても「言い訳」ではない。
  • すべての質疑応答には「質問意図」がある。質問意図が分からなければ、君の言葉で『~というご質問でしょうか?』と聞き返すべきだ。そして接頭詞に「ありがとうございます」を加えるのを忘れずに。審査の先生方は君とスパーリングがしたいわけではない、それはゼミでやるべき。
  • この発表時間は断罪でも免罪でも贖罪でもない。聞き手の理解を感じながら、相手の目を見て話す。そのために十分に設計する。そうすれば、終わった瞬間に、感動の拍手が巻き起こる。
  • アンチョコ見ていいですか?』ハア?何いってんの?頭に入ってない事を話す気?もう一年居る?
  • 最初の1分で『話の前提も結論も見えない話』をしてはいけない。もしかしたら「一般的なユーザ写真」や「普通のWebデザイン」などのビジュアル1つで十分な話をしているのかもしれないぞ。プレゼンテーションが始まった瞬間から結論に向かい、方向性とスケールをまず描こう。
  • 卒業研究は、就活が大変だろうと、外部発表を何回していようと、それぞれの学生にそれぞれの高さのハードルが設定されている。ハードルの高さは問題ではない。どのような方法論によって、仮説を立て、苦労をし、問題を解決したのか、それを整理して話せというだけのこと。
  • 学部の卒論には問題解決能力が問われる。修士の学位論文には問題解決能力に加えて問題発見能力が問われる。博士の学位審査にはそれらの能力を超えて、人類の歴史への寄与や学術分野を構築するビジョンを問われる。大学により基準は異なるが有名大学ほど博士候補が多く難度は高い。
  • 審査の先生方は優しく聞いているつもりなんだ。でも迂闊にも君の研究が面白かったりすると、普段のゼミの調子でスパーリングが始まることもある。たじろいだり、アタマ真っ白になっている場合ではない。ゴングが鳴るまでスパーリングを続けろ、指導教員はゴングかタオルの準備だ。
  • 指導教員と審査の先生方が場外乱闘を始めたとしても動じたり傍観してはいけない。タイムキーパーの先生にブロックサインか、両拳を上げて判定勝ち宣言を自分でするぐらいの勇気が必要だ。そこは最先端の共同研究テーマを発掘するか、研究室どうしの私恨を残すかの瀬戸際なのだ。
  • なんだかんだ言っても、卒論発表会は君たちの「晴れの舞台」なのだから。

以上です、頑張って!

Kindle Paperwhiteは論文校正に使えるか?

修論や卒論指導などで大量の紙を消費する時期です。

前回、「卒論TeXテンプレ」の話題が反応良かったので、その後ろ工程である論文指導・論文校正作業についても大学教員ライフをハックしてみたいと思います。

取り出しましたるは、今話題の「Kindle Paperwhite」です。

Kindle Paperwhite
7千円代で本格的な電子ペーパーデバイスの登場です。

電子ペーパーディスプレイは好きですが、e-Inkはそんなに好きではない私。

(個人的には国産のブリジストン製などがオススメ、中間調出せるし)

しかし、これが論文指導に使えるなら「本棚が減らせる」以上の価値があるかもしれません。

【まずはサイズ比較】

Kindle Paperwhiteですが、画面サイズ的にはちょうどA4に1/4ページ印刷したサイズ(つまりA6)です。

試しに、いつものように学生がDropboxで送ってきた最新の修士論文を校正することにします。

インクジェットプリンタで1/4プリンタはインクジェット複合機 Brother MFC-935CDN の最高画質で普通紙に出力しています。

20130122-231023.jpg

【↑蛍光灯下・夜の自室での比較】

20130122-145033

【↑昼光下・駅のプラットフォームで比較・ブレ有り】

写真があまり良くなくてスミマセン。
研究室でPCに向かって作業できるならいいのですが、実際にこの作業が必要になるのは移動しながら街中や電車などで使う環境を想定しているので、これぐらいのブレた環境で見たほうがイメージには近いですね。

上の写真をクリックしてよく見ていただくと分かりますが、このサイズでは紙のほうが見やすいです。

ただ、ちょっとだけPaperwhiteをピンチしてクローズアップで見ると、見比べる限りでは特に遜色はない……というか視力が落ちてきた先生方にはこっちのほうが見やすいかも?です。

20130122-145056.jpg

せっかくなのでA5印刷(A4に2in1印刷)したインクジェット紙とも比べてみましょう。

20130122-225356.jpg

【↑A5サイズの印刷(右)と標準表示のKindle(左)】

20130122-225337.jpg

【↑A5サイズの印刷(右)と標準表示のKindle(左)】

拡大表示になるとぐっと読みやすくなります。これはPDF出力時の設定(後述)で、うまく調整できるかも?

なお紙と違ってPaperWhiteには書き込めません(機能的にはマーカー機能がありますが、校正には使えるほどスピーディではない)。

しかも、学位論文ともなると軽く100ページを超えますので、A5印刷両面としても、1版印刷するだけで、時間も紙もかなり消費してしまいます。

一方で、Kindleであれば転送時間だけですし、セカンドディスプレイとしてノートPCのディスプレイ側に並べておくと作業しやすいことこの上なし。

ちょうどA4ノートPCの縦幅にピタリ。

20130122-225405.jpg

え、ウィンドウ分ければいいんじゃないの?って思う人も居るかもしれませんが、
とにかく見やすいディスプレイ。電子ペーパーバンザイ。
マルチディスプレイと違って、PCの操作でPDFが見えなくなったりはしませんし、移動中のノートPCとの連携は特に便利です。

論文の校正以外にも「会議のレジュメ+議事録」といった使い方や、「学生のレポートをKindleで表示しながらExcelで採点」など大学教員ライフハックには便利な使い方がいろいろ有りそうです。

【使う上でのTIPS】

まず常識的でないことを言いますが、Kindle.comのメールアドレスでのアップロードはオススメできません
というのもGmailの添付ファイルの上限は25MBです。学位論文のサイズとしては軽く超えることがあります。
また、添付できたとしてもTeXで生成した日本語PDFはそのままではKindleでは読めません。

さらにいうと、勝手にサーバー側でKindle形式にコンバートかけられるので、Wordなどはレイアウトの再現性がイマイチです。学位論文のようにレイアウトがそれほど凝ってないものであれば影響は少ないかもしれませんが、これで直しを入れられる学生さんとしては、再現性が高いほうがいいに越したことはないです。

兎にも角にも日本語の文字化けをどうにかしたいわけです。

SendToKindleIcon

 

そこで、Amazon.com (米国)でのみ無料公開されている「Send to Kindle」というアプリの使用をオススメします。

http://www.amazon.com/gp/sendtokindle

このアプリはAmazon本家でのみ使えるような雰囲気がありますが、日本のAmazonに登録したメールアドレスとパスワードがあっていて、Amazon.com上で日本のストアを使う設定があれば使えるようです。

(私の場合は米国のAmazonアカウントにはKindleデバイスを割り当てていませんがうまくいきました)

ちなみに、このアプリはインストールしても何も起きません。

Kindleに送りたいPDFファイルやWordのDoc, Docxをエクスプローラで選択して、右クリックすると、「Send to Kindle」というメニューが出ますので、そのまま選択すると、以下の様なダイアログが現れます。

SendToKindleDialog

私の場合「あきさんのKindle」の他に、iPhoneアプリの「Kindle」もアカウントに紐付けられているので同様に送信先として選択できます。

このアプリをインストールすると、印刷デバイスに「Send to Kindle」というプリンタが現れます。こちらはまるで印刷する感覚でKindleに高品質な電子書籍を送ることができます。
特に日本語フォントを再レンダリングしてくれるので文字化けとはおさらばできますし、PDF印刷でよく使う「縦横自動回転」や「2 in 1 印刷」、冊子印刷などのオプションもサポートします。

あとはKindleをWifiの繋がる場所においておくだけ!シンプルでスマートで、簡単です。

まとめ…Kindle PaperWhiteは論文校正に使えるか?

メリット:版を更新するたびに印刷する必要がないので紙が無駄にならない、持ち運びが楽、紙の山で混ざらない、iPadなどと比べて重くない・電池が持つ。
デメリット:カラーではない(FireHDも試したい)、書き込めない、学生が持ってない、ページ数が増えても手に感じない(学生の頑張りを触覚で感じられない→これは研究になるかも!?)。

結論:論文校正には使えるとおもいます!

お買い上げはこちらから(Amazon)↓

Kindle Paperwhite

Kindle Fire HD 16GB

Amazon Kindle PowerFast急速充電器 (端末には付属していません)