新しいGoogle翻訳とスプレッドシートを使って国際会議への執筆をスマートにするついでに英作文力を高速に身につけるハック

CG,VR業界の研究者はこの時期、Laval VirtualやSIGGRAPHといった国際投稿のピークにあります。

白井研究室は規模の割には国際投稿が多いです。

blog.shirai.la/publications/

また数だけでなく内容も学部生でACMの学生研究コンテストで世界3位を受賞したりと、大学の入試難度の割には世界トップクラスの評価を受けることもあったりします(ちなみにACM SRCは書き物だけでなくファイナルはプレゼン審査込みです)。

本人の頑張りや先生の頑張り、研究の難度やインパクトはあるにせよ、一般的には日本語の論文を「ただ翻訳」したからといって別のアーティクルになったとみなすことはできません。しかし卒業論文や日本VR学会、インタラクションといった、日本語だったら構造的もクオリティ的にもしっかり書けるし、新規性もディスカッションもしっかりしている、さらにそのadvancementも加えられるような投稿もあるけれど、いざその学生に『英語投稿しようぜ!』と提案すると、もうその瞬間にグッチャグチャになる…といった経験はよくあります。

そもそも先生方も英語科学論文執筆のスキルや経験が十分にある方であれば指導もできるかとは思いますが、書き方のトレンドも分野によってはずいぶん違いますし、普段「日本語どっぷり業務」で押しつぶされている大学教員様が英語論文を査読等で読むのに精一杯なのに、ただ書くだけならともかく、「日本語の勢いを保ったまま翻訳する」というスキルを維持するのはなかなか難しいです。

そもそも日本語だって研究の先進性を求められるのに!英語まで書かねばならんのか!
これはハンデだ!俺は英語圏に生まれればよかった!うわーん!!
と嘆くのは簡単ですが、私はそうは思いません。
日本語に加えて英語もフランス語も、中国語も少しはわかりますが、英語単一文化圏に生まれていたら、それ以外の言語に目を向ける機会もなかったでしょうし、日本語が高度だからこそ、詩や短歌、冗談やマンガ・アニメやTwitterのような楽しいことも沢山あります。

また論文を書くことによって高度な日本語を身につける機会にもなります。いい勉強です。

さて、Google翻訳です。これは英語学習には不向きな面もあります。Google翻訳を英作文の一部にでも使おうものなら「どう見ても機械翻訳」という作文になり、あらゆる先生方から否定されたものです。しかし最近のアップデートにより「より自然な翻訳結果」が取得できるようになりました。

 

ではGoogle翻訳を科学論文の執筆に使えるか?というと、Noです。

少なくともそのままでは使える品質にはありません。理由はいくつかあります。

  • 「自然な翻訳」のために、多少の誤りは適当に正してくれる(誤りを発見できない)
  • 日本語と英語では論法が逆(日本語は大事なことを最後に書く)
  • 日本語は構造的に書こうとすると自然な日本語にならない
  • ときどき物凄い勘違いをする
  • 原文の日本語がそもそも曖昧。特に係り受けが本人に聞かないと不明だったりする。
  • 日本語と英語の多義性を考慮する必要がある(例:Play=遊び?試合?演奏?…)
  • ただしものすごく速い、しかも無料。

以下の解説は、上記のようなGoogle翻訳の特性を利用して、英語投稿のワークフローと新しい英作文力向上のための勉強法を提案しています。特に先生方と若い学生さんがWeb上で深夜日中を問わずコラボして執筆するような環境を想定しています。細部に関してはノウハウもあるので割愛しちゃいますが、最大に重要な関数はこれです。

=GOOGLETRANSLATE(B1,”ja”,”en”)

これをGoogleスプレッドシートに入れてみてください。賢い先生であればこれだけで十分と思います。

つまりこの関数を使うことで、Google翻訳のエンジンをGoogle Spreadsheetから使うことができます*

関数リファレンス

構文 GOOGLETRANSLATE(テキスト, [ソース言語, ターゲット言語])

使い方としてのポイントはこの先です。ワークフローにしてまとめます。

<準備>

  1. まず以下のヘッダを1行目に用意し「表示→固定→1行」、A1〜F1に以下。

    Question, Answer(人間による英作文), Google英語, 質問の自動翻訳, 人間による日本語, 人間による英作文の邦訳, MEMO

  2. オンライン投稿によくあるWebフォームの質問をスプレッドシートのA列に分解して貼り付ける
  3. D列[D2]にA列を日本語訳する式を設定 [=GOOGLETRANSLATE(A2,“en”,“ja”)]
  4. E列にD列の日本語質問に該当する「とりあえずの日本語」を書く。和文論文から貼り付ける。いま書けない場合は「条件付き書式」を設定して空白セルに色付けしておくと良い。
    ここでは例として「触覚フィードバックを用いたショートニング不使用クッキーによるハードクッキーのテクスチャー解析」という仮の和文論文からのコピペを貼り付けておきます。
    *あえて係り受けが不明瞭なタイトルです。
  5. C列[C2]にE列を英訳するセルを設定する[=GOOGLETRANSLATE(E2,”ja”,”en”)]
  6. さらにF列[F2]にB列を日本語訳するセルを設定する [=GOOGLETRANSLATE(B2,“en”,“ja”)]
  7. G列はメモ、必要に応じて文字数カウントとか実装するといいです。文字数カウントはLEN()で作れますが、ワードカウントしたい人はGASで作るといいかもです(shirayuca@qiitaによる実装例)。

スクリーンショットにするとこのようになります。

<使い方>

手順通りに作ってくれた人は、もう使えると思います、あえてテンプレとしてダウンロードさせないのは「自分で作った方が理解できるしカスタマイズもできる」からです。列が右に左にするのは「その方が対訳として見やすい」からです。以下手順になります。

  1. D列の自動翻訳の日本語質問を読みながら、E列にまず日本語を書いていきます。
  2. するとC列に勝手に英語が生成されます。
  3. B列に「C列の英語を見ながら人間の英作文」を書きます。少なくとも単語で困ることはなく、書き出しもスラスラ書けます。ただしC列の英語が一発でOKになることはまずないです、疑ってかかるか、楽をしたければE列の日本語を改善していきましょう。
  4. 英作文が正しいかどうか、F列を見ながらすすめます。E列とF列がほぼ同じ意味になればよいわけです。
  5. あれ?もう完成していますね!しかも1作文ごとに英作文力がアップしていくことを感じられます。

上記の例では「not use」というGoogle翻訳の提案を無視して「without」としています。そもそも日本語のタイトルが冗長であることに気が付いたりもします。主文が「触覚フィードバックを用いた」なのか「ショートニングを使わない」なのか、Googleさんにはわかりません。MEMO欄に「おい主著者、どっちが主文だかはっきりしろ!」と書いておくと良いでしょう。右クリックで「メモ」や「コメント」を使うと校閲しやすく、Web上で高速に共著作業が進んでいきます。

さて本文の執筆です

上記は国際投稿の際のEasyChairやSIGGRAPH SISにおけるWebフォームの例ですが、本文も同様です。白井研究室の場合、和文の場合はCloudLaTeX,、英語論文はShareLaTexを使用していますので、CloudLaTeXからの英語→日本語の変換工程で構造的に執筆された日本語を英語に翻訳していく過程が必要になりますから、上記のシートをコピーしてカスタマイズして、A列の質問を主著者や先生のストラテジに置き換えていけば良いのです。

Google翻訳の特性上、あまり長い作文をしようと思わない方がいいです。一方で、コンテキスト(前後関係)も重要ですので、だいたい目安としては一段落程度で区切ったり、代名詞Itなどを補完しながら中間的な(=Googleさんにわかりやすい)言語で書いてあげると良いと思います。その言語を日本語で行える、右クリックすればメモなども使える、という点が上記のワークフローの特徴です。必要であればどんどん行を増やしていくと良いです。

最後にB列をガシッとコピーして、Word等のトラディショナルな英語チェック環境やエキサイト翻訳のようなクラシックな翻訳エンジンに通してみることをお勧めします。図版を入れる作業なども必要ですからこのワークシートだけで全てを終わらせるわけにはいきませんが、この段階で人間の有料英語レビューに依頼できるレベルまでは達しているはずです。Todo管理なども含めると分業もしやすくずいぶんとストレスの少ない英語執筆が可能になると思います。

 

ブログに書いた方がいいだろうなというレベルはこの辺りまでですね!

白井研究室のノウハウとしては、上記の方法だけで論文を書いている訳ではありません。これに加えてGAS(Google Apps Script)なども組みあわせていったりもします。ビデオの字幕やYouTube字幕などもこれでずいぶん改善されます。そもそもワークフローにこだわるというよりは自力で、動的に、改善していくことが重要と思います。

なおGoogle翻訳はGoogle Cloud API経由でも使える訳ですが、課金やセットアップが必要な情報に比べてもずいぶんスマートなのでした。
unokun.hatenablog.jp/entry/2015/08/08/103841

白井としては、これでAndroidタブレットやスマホでも書ける!というのは大きいです(右腕が使えませんので、机で両腕を使って書ける時間が限られているのですイタタ…)。

フィードバックありましたら @o_ob までどうぞ!

*(追記:2017/2/17 22:00)

本稿のGoogle Spreadsheet関数で利用できるGoogle翻訳では、フレーズ間の翻訳確率を計算して翻訳先の言語の適切な語順に並べ替える、フレーズベース機械翻訳(PBMT)を採用しているようです。2016年11月にアップデートされたニューラルネットワークベースのGoogle Neural Machine Translation(GNMT)はPBMTよりも翻訳精度が上がる印象がありますが、本稿の関数にはまだ実装されていないようです。
ご参考:グーグルの翻訳AIが「独自の言語」を生み出したといえる根拠(2016.11.24)
wired.jp/2016/11/24/google-ai-language-create/

(例1)
原文:Percent of overcrowded households among bottom quintile of income distribution.

Spreadsheet関数版Google翻訳(エンジン不明):所得分配の底五分位間の過密世帯の割合。
Web版Google翻訳(GNMT日英)所得分配の下位5分の1の間で混雑した世帯の割合。

ちなみにWeb版のほうもクリックすると翻訳候補として「底五分位間の」が出てきますのでやはり「新しい」とはいえGNMTはまだSpreadsheetには使われてないと見てよいでしょう。いつ反映されるのでしょうかね!楽しみです。ただしある日突然変わるので注意が必要です。原文や作文はちゃんと保持してくださいね。

(例2)2017/2/18 23:00追記
原文: Talk of tech innovation is bullshit. Shut up and get the work done – says Linus Torvalds

GNMT日本語訳: 技術革新の話はうそつきです。シャットダウンして作業を完了させる – Linus Torvalds

GoogleTranslate関数: ハイテク技術革新の話はでたらめです。黙って仕事を成し遂げる – Linus Torvalds氏は述べています

この文であればGoogleTranslate関数の方が素直な訳でいいですね、GNMTによる日本語訳は英語に直すと「The story of technological innovation is a liar. Shut down and complete the work」、うそつきとシャットダウンが強く残ってしまっています。
なおこの一文は実際のニュースとしてはもっと恣意的な翻訳をされているのでまだマシなのかもしれませんが…。

しかしGoogle翻訳(GNMT)の翻訳結果がお上品になるのは良いことなんだろうか?「ブルシッt」が「うそつきです」になる事で人類のヘイトを抑えられるどころかより齟齬を産んでるんじゃねーの、って気持ちもある。
この辺り、もう現実はチェス囲碁将棋AIと翻訳に関してはSFに両足突っ込んでる感じがしますね。シンギュラリティです。

ところでSpreadsheetにはこれ以外にも面白い関数がいっぱいあります。

ImportFeed, ImportXML, IMAGE, それに最新の株価・為替が取得できるGoogleFinance関数も便利です。

Excelで苦手なヒストグラムも一発で出せますよ!

どんどん使ってみてくださいね。

 

世界巡業中です / World Touring

2016年12月から2017年1月まで以下の講演で飛び回っております。

フランス語を話す研究者の日2016基調講演

日仏会館, 2016年12月2日

sites.google.com/site/sciencescopejfr2016en/program/invitedspeaker

Research and innovations of Virtual Reality for Entertainment systems between Japan and France

Abstract
This talk contributes to the shared value of researches and innovations of entertainment systems, which affects human amusement.
The speaker, Akihiko SHIRAI, Ph.D has over 20 years of experience in research and development of entertainment systems. He has experiences in researches and developments of photograph, photo engineering, game making, game design, entrepreneurship, factory manufacturing process, real-time graphics engineering, haptics application, television organization, virtual reality industry, event promotion, science communication in national museum, multiplex hidden imagery, manga for VR, and augmented reality for public. The talk also contains discussions about future values and his challenge in Hello Tomorrow, IVRC, ReVolution in Laval Virtual.

 

 

MANPU2016基調講演

カンクン・メキシコ

December 4, 2016, Cancun Center, Cancun, Q.Roo, Mexico

MANPU2016:
The First International Workshop on
coMics ANalysis, Processing and Understanding
To be held in conjunction with the 23rd International Conference on Pattern Recognition (ICPR2016).

manpu2016.imlab.jp/

Invited Speech 10:10 – 11:00
Manga Generator, a future of interactive manga media

☆プロシーディングはオープンアクセスジャーナルにしましたので、そのうちACM Portalからアクセスできるはずです。

Akihiko SHIRAI, “Manga Generator, a future of interactive manga media : Invited Talk Paper”,
MANPU ’16 Proceedings of the 1st International Workshop on coMics ANalysis, Processing and Understanding, Article No. 13, 5 pages, 2016. [PDF] [SlideShare]

 

<以下、うらばなし>

ちなみに泊まっているホテルは横に「Coco Bongo」という有名なクラブがありますので、土曜の夜は大変騒がしかったです。

 

Program

Opening Ceremony
10:00 – 10:10
Invited Speech
10:10 – 11:00
Manga Generator, a future of interactive manga media
Akihiko Shirai (Kanagawa Institute of Technology, Japan)
Oral Session 1
11:00 – 12:00
Manga109 Dataset and Creation of Metadata
Azuma Fujimoto, Toru Ogawa, Kazuyoshi Yamamoto (The University of Tokyo, Japan), Yusuke Matsui (National Institute of Informatics, Japan), Toshihiko Yamasaki and Kiyoharu Aizawa (The University of Tokyo, Japan)
Detection of Comic Books Twin Pages with a Non-overlapping Stitching Method
Clément Guérin, Jean-Christophe Burie and Jean-Marc Ogier (University of La Rochelle, France)
Retrieval of Comic Book Images Using Context Relevance
Thanh Nam Le, Muhammad Muzzamil Luqman, Jean-Christophe Burie and Jean-Marc Ogier (University of La Rochelle, France)
Lunch Time
12:00 – 13:00
Oral Session 2
13:00 – 14:00
Pose Estimation of Anime/Manga Characters: A Case for Synthetic Data
Pramook Khungurn and Derek Chou (Cornell University, USA)
Comics image processing: learning to segment text
Nina Hirata, Igor Dos Santos Montagner and Roberto Hirata Jr (University of São Paulo, Brazil)
Comic visualization on smartphones based on eye tracking
Olivier Augereau, Mizuki Matsubara and Koichi Kise (Osaka Prefecture University, Japan)
Coffee Break
14:00 – 14:15
Poster Session
14:15 – 15:45
Designing A Question-Answering System for Comic Contents
Yukihiro Moriyama, Byeongseon Park, Shinnosuke Iwaoki and Mitsunori Matsushita (Kansai University, Japan)
Manga Content Analysis Using Physiological Signals
Charles Lima Sanches, Olivier Augereau and Koichi Kise (Osaka Prefecture University, Japan)
Emotional arousal estimation while reading comics based on physiological signal analysis
Mizuki Matsubara, Olivier Augereau, Charles Lima Sanches and Koichi Kise (Osaka Prefecture University, Japan)
Toward speech text recognition for comic books
Christophe Rigaud, Srikanta Pal, Jean-Christophe Burie and Jean-Marc Ogier (University of La Rochelle, France)
Estimation of Structure of Four-Scene Comics by Convolutional Neural Networks
Miki Ueno (Toyohashi University of Technology, Japan) , Naoki Mori (Osaka Prefecture University, Japan) , Toshinori Suenaga and Hitoshi Isahara (Toyohashi University of Technology, Japan)
A Sustainable Practice Method of Hand-drawing by Merging User’s Stroke and Model’s Stroke
Natsumi Kubota, Shinjiro Niino, Satoshi Nakamura and Masaaki Suzuki (Meiji University, Japan)
Coffee Break
15:45 – 16:15
Panel Discussion
16:15 – 17:30
Closing
17:30 – 17:40

 

ICAT-EGVE2016デモ発表(リトルロック・アーカンソー)

2016/12/7-9, Little Rock, Arkansas, U.S.A.

icat-egve-2016.org/

ICAT-EGVE 2016 / 第26回人工現実感とテレイグジスタンス国際会議
第21回バーチャル環境に関するユーログラフィックスシンポジウム

ICAT (International Conference on Artificial Reality and Telexistence)は最も歴史あるバーチャルリアリティとテレイグジスタンスの国際会議であり本年で26回目の開催です.本年もEGVE(Eurographics Symposium on Virtual Environments)との共催となり,初めて米国(アーカンソー州リトルロック)にて開催されます.会期は2016年12月7日から9日まで,論文の投稿締切は9月30日となっております.今回は General Chair の Carolina Cruz-Neira 教授のご尽力によりクリントン大統領記念図書館での開催という快挙となりました.

白井研究室からの発表はデモです(まだ公開されていませんので公開後に更新します)。

プログラム

icat-egve-2016.org/program-overview.html

Paper Sessions

Session 1: For Your Eyes Only I

Christian Scheel, Oliver Staadt, Tariqul Islam ABM
An efficient interpolation approach for low cost unrestrained gaze tracking in 3D space

Peter Passmore, Maxine Glancy, Adam Philpot, Amelia Roscoe, Andrew Wood, Bob Fields
Effects of viewing condition on user experience of panoramic video

Session 2: Use All Your Senses

Naoyuki Saka, Yasushi Ikei, Tomohiro Amemiya, Koichi Hirota, Michiteru Kitazaki
Passive arm swing motion for virtual walking sensation

Shogo Yamashita, Xinlei Zhang, Takashi Miyaki, Jun Rekimoto
AquaCAVE: An Underwater Immersive Projection System for Enhancing the Swimming Experience

Session 3: Going Wide: Degrees matter

Steve Cutchin, Yuan Li
View Dependent Tone Mapping of HDR Panoramas for Head Mounted Displays

Mehdi Moniri Mohammad, Andreas Luxenburger, Winfried Schuffert, Daniel Sonntag
Real-Time 3D Peripheral View Analysis

Ismo Rakkolainen, Matthew Turk, Tobias Hoellerer
A Superwide-FOV Optical Design for Head-Mounted Displays

Session 4: For Your Eyes Only II

Ja Eun Yu, Gerard Kim
Blurry (Sticky) Finger: Proprioceptive Pointing and Selection of Distant Objects for Optical See-through based Augmented Reality

Yuki Yano, Jason Orlosky, Kiyoshi Kiyokawa, Haruo Takemura
Dynamic View Expansion for Improving Visual Search in Video See-through AR

Session 5: When Virtual Is Not Enough

Hiroto Tsuruzoe, Satoru Odera, Hiroshi Shigeno, Ken-ichi Okada
MR Work Supporting System Using Pepper’s Ghost

Tomohiro Mashita, Alexander Plopski, Akira Kudo, Tobias Hoellerer, Kiyoshi Kiyokawa, Haruo Takemura
Simulation based Camera Localization under a Variable Lighting Environment

Steve Cutchin, Iker Vazquez
Synchronized Scene Views in Mixed Virtual Reality for Guided Viewing

Guillaume Claude, Valerie Gouranton, Benoit Caillaud, Bernard Gibaud, Pierre Jannin, Bruno Arnaldi
Derivation of scenarios for collaborative virtual environments for training to surgical procedures from real case observation

Session 6: Being There

Samratul Fuady, Shoichi Hasegawa
Natural Interaction in Asymmetric Teleconference using Stuffed-toy Avatar Robot

John O’Hare, CA Bendall Robert, John Rae, Graham Thomas, Bruce Weir, David Roberts
Is this seat taken? Behavioural analysis of the Telethrone: a novel situated tele-presence display

Sungchul Jung, E. Hughes Charles
The Effects of Indirect Real Body Cues of Irrelevant Parts on Virtual Body Ownership and Presence

Kangsoo Kim, Gerd Bruder, Divine Maloney, Greg Welch
The Influence of Real Human Personality on Social Presence with a Virtual Human in Augmented Reality

Panel

 

白井研究室からの発表

“Simultaneous Socio-Spatial Shared Signage”
Shirai, Akihiko; Yamaguchi, Yuta; Hsieh, Rex; Suzuki, Hisataka
diglib.eg.org/handle/10.2312/egve20161456

Shirai, Akihiko, Yamaguchi, Yuta; Hsieh, Rex; Suzuki, Hisataka, “Simultaneous Socio-Spatial Shared Signage”,ICAT-EGVE2016 – Posters and Demos ,The Eurographics Association, p.25-26, 2016. [Web]

IWAIT2017口頭発表+基調講演(ペナン・マレーシア)

口頭発表

Fujisawa Yoshiki, Hisataka Suzuki, Rex Hsieh and Akihiko Shirai, “Web-based multiplex image synthesis for digital signage”, IWAIT2017, 2 pages. 2017. [SlideShare] [Demo]

SPECIAL KEYNOTE ON AR/VR

Research of VR Entertainment Systems, Its History, Interests, and Future  

 Date/Time:      10th JANUARY 2017 (9:45 am – 10:30 am)

Venue:             Grand Ballroom, Equatorial Penang

Akihiko Shirai, PhD in Engineering

Department of Information Media, Kanagawa Institute of Technology (KAIT), Japan

Chair of Laval Virtual ReVolution (2006~)

Executive Committee of International collegiate Virtual Reality Contest (2002~)

ACM SIGGRAPH ASIA 2015 Youth Program Liaison

 

Abstract

Recently virtual reality has become the hot topic in the tech and game industry, however, the question still remains how can we define the “Entertainment VR” ?

The speaker has interest in how human interacts with games, virtual reality, and science of play which can be seem from his past researches, development pieces, experience design in international opportunities, and his vision for the future of this domain.

Everyday we are constantly exposed to many forms of digital media entertainment products like smart phone and/or mobile games. Latest computer games may grab player’s interests, however its hard to link theoretical research with development cases. Speaker has interested in entertainment virtual reality, interactive systems, games (classic also), computer graphics, computer vision, intelligent systems, science communication, networking, education for a long time, and he has various professional creation experiences as video game engineer, haptic contents designer, virtual TV studio, theme park attractions in Laval, science communicator and exhibition concept designer in national science museum, Miraikan. His production and research methods for “Virtual Reality Entertainment systems” will be revealed in this presentation.

His extended experiences in organizing Laval Virtual ReVolution and IVRC, International collegiate Virtual Reality Contest, will be valuable in demonstrating how we can collaborate and formulate plans to encourage student innovation in project based learning which includes public field testing with social understanding.

Glimpses of the future of virtual reality domain will be disclosed in this presentation whose functionality extends beyond human amusement but to well being and existence between human and technology.

 

Biography

AKIHIKO SHIRAI, Ph.D in Engineering,  has obtained a bachelor of Photo Engineering and master of Image Processing from Tokyo Institute of Polytechnics. Afterwards he worked for Canon and Criterion as a game development consultant to distribute RenderWare, a multi-platform graphics middleware for the game industry until 2001. He went back to academia to study intelligent systems and obtained a Ph.D. in the Tokyo Institute of Technology in Japan in 2004 with research concerning the “Tangible Playroom”, an entertainment system for young children using haptics, a floor screen and a physics engine. He was a R&D researcher at NHK-ES in Japan, focusing on the next generation’s TV production environment before moving to ENSAM Presence & Innovation Laboratory in France from 2004 to 2007 for R&D of a Virtual Reality theme park project.

He worked for National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan), Tokyo Japan, as a science communicator and exhibition planner from 2008 to 2010.

Starting from 2010, he works in the Information Media Department at Kanagawa Institute of Technology (KAIT) as an associate professor.

 

 

Academic publications: blog.shirai.la/publications/

Authored books: “The future of Game design – Science in Entertainment Systems” (2013), “WiiRemote Programming” (2009)

Awards:

Hello Tomorrow Global Summit Top 500 startups “Multiplex World Augmentation Display”

Laval Virtual Award 2015 “ExPixel FPGA”

ACM Student Research Competition, Bronze Award,” ExPixel: PixelShader for multiplex-image hiding in consumer 3D flat panels” (supervised)

ACM SIGGRAPH ASIA 2012 Emerging Technologies Prize, “2x3D: Real-Time Shader for Simultaneous 2D/3D Hybrid Theater”

Websites: www.shirai.la blog.shirai.la Twitter@o_ob

 

はじめての学会発表、何を練習すべきか?

初めての学会発表、さて何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れはこんな感じだったとする。

  1. 研究室の指導教員の先生が「この学会出してみない?」と誘う(Call For Papers)
  2. 締め切りに向かって論文を書く。この辺で最初の修羅場を味わう
  3. (査読の有無によっても異なるが)めでたく採択される
    ×→採択通知を共著者や先生に報告転送しそびれて叱られる
  4. 学会大会からの提出物を求められる
    例えば、最終原稿、ビデオ、著作権移譲フォームなど
    ×→その手の提出物を締め切り直前まで寝かせて先生に叱られる
  5. 学会参加登録、参加費の支払いを行う
  6. 大学に出張の伺いや、学生発表補助の申請を行う
  7. 旅行の準備
    宿の手配、新幹線や飛行機の手配、会場までのアクセスなども調査
  8. デモ発表がある場合はデモの完成や物流工程
    そもそも研究室の外で展示できるようなサイズではなかったり…どうやって安全に運び、構築・工作し、伝え、分解し、持って帰るか、いくらかかるかなど、ロジスティック(物流)を検討する。
  9. 発表練習1(ゲネプロ)
    パワポのストラテジーを先生と相談し、通し練習を行う。この段階での完成は7割程度。
  10. 当日のポスターや配布物などの印刷、名刺の印刷なども。
    「そもそも何人ぐらいくるのだろう?この学会。」という質問が出て当然。
  11. 「旅のしおり」の作成
    宿や乗る列車、現地の地図、タイムテーブルなどを含めた印刷物。最低限でもPDF。実家などに緊急連絡先・宿泊先などを連絡するのが面倒な時にも役にたつ。
  12. 当日のシミュレーション
  13. 発表練習(リハーサル)
    教室などを使って実際の環境に近い状況で時間などを精度良く測って行う。

…で、これで、完璧?否。

実際には、ここまでの準備では「伝えるだけのプレゼンテーション」しか準備できていない。

では何をやればいいか?書き出してみる。

1. 質疑応答の練習

2. 予習・聞き方の練習

3. 質問の仕方の練習

4. 懇親会などの準備

5. 見学、その他の見どころを調査

以下、順を追って解説する。

1. 質疑応答の練習

時間内に喋れば良いタイプのプレゼンテーションと違って、学会発表は学術バトルの場。実際のゴングは発表が終わった瞬間に鳴るものと心得るべき。なに?質問が出ないならそれでいい?…何を言っているのか。君のプレゼンテーションが未熟だから質問が出ないのだということを認識すべきだ。なに?自分の発表が素晴らしいから質問されない?…そういう考え方もあるだろう、しかし、もしかしたら裏番組のセッションにいい聴講者を持って行かれているのかもしれない。そう考えれば、書いた論文のタイトルが魅力的でないから、そのセッションに追いやられているのだ。反省すべきところはたくさんある。

そもそも、君は発表中に、「聴講者の目」を何回見たか?

あそこの先生は寝ているよ、あの学生はあくびをしていた。

君の発表が面白くない、ということを全力でアピールしているではないか。見ていないのは君だ。

質疑応答の時間、最後のゴングが鳴るまで、しっかりと殴り合いができることが理想。聴き手の興味を引き出し、知的好奇心を呼び起こし、質問を引き出してこそ、真の学会発表。

 

2. 予習・聞き方の練習

メモを取れ。そもそも聴講するセッションの予習ぐらいしよう。感覚で参加したり、一瞬でそのセッションが何を話す場なのか、座長が何者なのかを見極められるような経験者でなければ、事前に見たいセッションの1つや2つぐらい当たっておこう。

そして、聞くからには全面的にメモを取れ。研究室に持ち帰って、20分の発表を20分以上かけて、発表者以上にわかりやすい発表として研究室に持ち帰れ。

なに?難しすぎてわからない?…それはだな…発表者が悪い!

発表者が自分のことしか考えていない発表をしているにすぎない。そういうときは莫迦のふりをして質問すればいいのだ。

「すみません、門外漢なもので、頓珍漢な質問だったらごめんなさい〇〇は××の事なのでしょうか?」

この聞き方でいい。一説では”えらい大御所”がわざとそんな素人のふりをするなんていうスタイルもあるそうだが、あえて漢字で書くとわかるように「もんがいかん」も「とんちんかん」も「漢(おとこ)」の攻撃方法だ。門外から頓珍な攻撃を繰り出して、本質を突く!突く!突く!

一つ前の項目でも言った通り、発表者はろくに質問が出ない事で「フッ…俺様の発表が完璧すぎたのだな…」と勘違いしてしまうことがある。逆の立場に立ったら、なんと痛いことよ。突いてあげて。

 

3. 質問の仕方の練習

ところで良い質問とはなんだろうか?「突け」とは言ったが「相手を攻撃して叩き潰す」なんてことは、よっぽどたちが悪い発表か、頼まれでもしない限りやらないでよい(学内やゼミ内は別だ、全力でやれ)。論破もあまりやるべきではない、発表者は君ではないからだ。

一番大事なのは「建設的なディスカッション」というスタイルを守りつつ、「基礎力がしっかりしたボディブロー」を相手の腹筋に叩き込むことだ。相手が普段どれぐらい、どのようなトレーニングを積んでいるのかは、そのボディブローで見抜くことができる。ジャブやカウンターは不要。ストレート、もしくはショートアッパーがいい。間違えても大振りでジャイアントアッパーを打ち込んで空振りしてはいけない。限られた時間で「オッ、なんだこいつ!やるな!」と思わせれば勝負あり。長引かせる必要はない、休憩時間に名刺を交換しにいけば良い。

少なくとも、顔は割れる。良く言えば顔が売れる。

君と発表者の間にいい電気が流れる。

そして、大御所や、勘のいい先生はその場を見ている。

今度は君が発表する番だ。いい質問をもらったら、カウンターで返してやれ。

ちなみに君が発表者だったら以下の質疑応答カードは用意しておけ。

「ご質問ありがとうございます」

このカードは『感謝受け』というカード。呼吸を整え、迂闊なカウンターをもらうこと防ぐ。

「ただいまいただいた質問ですが、〇〇という理解でよろしいでしょうか?」

このカードは別名『再定義』というカードだ。当然、答えは用意されている。

「ありがとうございます、なかなかいい質問だと思います」

感謝も肯定もしている『健全防衛』。実際には図星であり、どう考えても負けている可能性があるのだが、感謝も肯定もしていることで、ボディブローを食らった後の内臓の揺れや嘔吐を防ぐことができる。

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、Yesです」

このカードは『ディスクリート』というカードで、オフェンス時には「YesかNoかで言えば、どちらでしょうか?」という使い方もできる。しかし、

「そうですね、YesかNoかで答えるとすれば、YesでもNoでもあります」

という返し方もある。『アンチ・ディスクリート』というカード。というか、世の中の研究のほとんどが「YesでもNoでもある」からこそ研究したりデータをとったりしている。しかし「YesでもNoでもあります」という流れになると、当然発表者が延長して何か詳細な情報を伝えるチャンスを持つので、この流れになれば、持ち時間を使い切る流れだ。

 

他にも「〇〇はご存知でしょうか?」といった、いやらしく知識を問うトラップを仕掛けるような質問もあるのだが、今回はこの辺にしておく。

 

たくさん集まれば、印刷して袋詰めしてスターターパックとして販売したいぐらいだ。

 

4. 懇親会などの準備

懇親会は、フードバトルではない。名刺を配れ、挨拶をしろ、研究室の連中とつるむな。普通の先生なら学生とは距離を置いて、どこぞの先生と楽しそうに交流しているはずだから、そこにどんどん割って入るか、そばに「もの言いたげ」に立てば良い。紹介してもらってなんぼだし、先生だって自分の門下生を紹介してなんぼの場なのだ。

なお、もらった名刺は24時間以内に挨拶をしろ。Ccに先生のメールアドレスを入れておけば喜ばれる。メールの作文?そんなものは先生に見てもらえ、というか、それこそ事前に作文用意しておけばいい事ではないか。研究室のHPの紹介や、動画のURL、これまでの論文など、発表前後で何が変わるのか。

メールボックスに名前が入って入れば、検索できる。タイトルには工夫を。

そして早めの挨拶は、長めの会議の時には、次の共同研究や、就職先などの可能性を大きく広げる。

「あいさつが1日遅かったおかげで失ったチャンス」なんて、失った側はわからないのだぞ!!

 

5. 見学、その他の見どころを調査

学会発表はミッションである。入国審査で「観光かビジネスか」と聞かれたらビジネスと答えて良い(入国審査のこの質問、正確には「誰がお金を出しているか?」らしいが)。観光ではないから、学会開催中に抜け出して遊びにいったりは許されない。学会にも出資者にも留守を預かる他の学生にもトリプル裏切りになってしまう。学会が終わった夜の部は良い。できるだけ他の研究室の飲み会に巻き込まれて、いろんな文化を吸収しよう。飲みの席だけで大きな仕事をやってのける研究者だっているのだ。

観光とは別に「エスカーション」はどんどん行くべきだ。近隣の大学や研究所のオープンラボは予約制だったりするから、事前に調査して確実に行くべき。お金を払って見れる観光と比較にはならないものが見れるはずだ。また、学会によっては本当に観光旅行のようなエスカーションが付いてくることもあるが、これもおすすめである。有名な先生や大御所の奥様に会えることもある。よその大学の大先生が普段どのような行動やセンサーを持っているのか?良く観察すると良い。なお、この手の観光旅行エスカーションの記念写真はSNSには上げないほうがいいらしい。人によっては後ろめたいと考える人もいる。それがなんの予算で来ているか?学生のように個人的な出資であり、しばしの自主的休暇ならば問題はないだろうが、お堅い予算や重要な学務を抜け出して学会参加をし、若き学生たちの「引率」として、エスカーションに渋々参加している先生方の”笑顔”を、本人のコントロールが効かない場所に上げ晒すのはよっぽど勇気がないとできないことかもしれない。まあ一言挨拶はあったほうがいい。

 

さて、初めての学会発表、何の準備をすべきだろうか?

ここまでの流れは教えた。

ぜひ皆さんのエクスペリエンスを教えて欲しい。

Good luck!!

 

追記:学生にアカデミック社交会デビューさせるための先生のためのマニュアル (2016/11/28)

某阪大学の前田先生から

「せっかく学会に連れて行ったのに自分の発表時間以外姿を現さない学生」はどうしよう、

というご質問を頂いたので、懇親会などのアカデミック社交界に学生さんたちをうまくデビューさせる方法について追記しておきます。

つまりは「知らないひととの友達の作り方」なのですが、
私の師匠の久米先生は
「学会中は、俺、旧交を温めに行くから学生の面倒は見ないよ」
と言い切ってましたでのだいぶ割り切っていました。

もちろん3日あれば1日ぐらいはチームディナーはありますが、毎晩ではない、という感じです。
自分もそうするようにしています。
学会は先生自身が視野を広げ、大学人事や世間の動向を共有するべき場でもあります。

「私立大学も大変だと思っていたけど、国立大学も別の次元で大変だなあ…」
なんて感想が抱けないと、先生も過労で死にます。
そのような交流の時間を確保するためにも是非、発表練習は研究室で終わらせてきてほしい!

さて、もうひとりの私の師匠、草原先生は、いわゆる社交を丁寧にする人で、
「ほら白井くん、この人は〜〜で活躍しているXXさん」
という感じで、なんだか知らないけど有名そうな人によく紹介してくれました。そして、
「こちらは白井くん、工学部と芸術学部の間でちょっと変わったものづくりしている学生さんです」
という感じで知らない人とくっつけるのが上手な人でした。
(過去形にしてすみません、お二人とも大事な師匠です)

上記の短いセンテンスにあるように、一息で話せるぐらいの内容で、本人の自己承認欲求自立心をくすぐってあげるのが良いのかなと思います。

懇親会で先生は、学生の自己承認欲求と自立心、あとは近い世代の仲間とうまく
紹介(introduction+produce+inquiry)“して引き合わせてあげることでしょうね。
最近だと、Facebookでからませるぐらいのことは必要では。
ライバルという敵対関係ではなく、「仲良くすべき同胞」としてのインスタンスを獲得させる大事なお仕事ですね。

 

4月1日の君に送るコトバ ~振り返れば人生はいつも研究で,就職活動~

4月1日,エイプリルフールですね!

昨年度は就職委員だったこともあって,昨年末から情報メディア学科内で新しい就職活動週報システムとそれに連動した「週刊D科週活」というメールニュースを運営してきました.

毎回おもしろくてためになるコラムを書いていたのですが,今回は最終回なのと,ちょうど節目の日付なので,再掲しますね.

<以下>

情報メディア学科の白井です.

2016年度から別の委員を担当することになり,本日でこのコラムの執筆は最終回となりました.
そろそろ内々定なども出てきている中,一方では未だ「最初の履歴書」も書いていない学生さんも見受けられます.

履歴書,とはその名のとおり,履歴を書くものです.左側だけでなく右側の「自己PR」や「卒業研究テーマ」などもあります.
最初の1通目は,大変だと思います.何せ自分の人生を振り返って,
・どんなことを学んできたか
・自分と,希望の会社にどんな関係があるか?
・どれだけ貢献できるか?
・これからどんな人生を歩んでいきたいか?
これらを採用に結び付けて,構造的に作文していく必要があります.

「研究テーマ」も構造的な作文も,研究室の先生に相談してみてください.
これから1年ご指導をお願いする先生であれば,あなた自身の才能の掘り起こしも上手に行ってくれるでしょう.

ここに,一例として白井の”略歴”を引用してみます.

(講演用の略歴です,履歴書用ではありません)

1992年 東京工芸大学工学部最後の写真工学科卒業,1996年 同大学院画像工学専攻卒業.1996年 キヤノン(株)入社,キヤノングループの英国ゲームエンジン開発企業Criterionを経て,2001年 東京工業大学総合理工学研究科博士後期課程に復学,2004年に『床面提示型触覚エンタテイメントシステムの提案と開発』で博士(工学)取得.(財)NHK‐ES,フランスLavalでのVRによる地域振興,日本科学未来館科学コミュニケーターを経て,2010年より神奈川工科大学情報学部情報メディア学科准教授.専門はVRエンタテイメントシステム,メディアアートの工学教育.フランスで18年開催されている世界最大のVRフェスティバル「Laval Virtual」の国際デモ部門ReVolutionのチェアマン.24年続く国際学生対抗VRコンテスト「IVRC」の実行委員・審査員.著書に『WiiRemoteプログラミング』,『白井博士の未来のゲームデザイン ―エンターテインメントシステムの科学―』など.

振り返れば人生はいつも研究で,就職活動です.
大きな会社に長く勤めている人も,社内でのキャリアは常に考えていかなければなりません.
皆さんは,5年後,10年後,どんなスキルをもって,どんな仕事をしていたいでしょうか?

履歴書や就職活動での小さな気づきは,いまは辛くて苦しい日々かもしれません.
でも,成長して,通り過ぎてしまったら,辛いどころか,もう思い出すのも難しい感覚になっていきます.
これは皆さんが「成長している」ということなのです.
後になったら自分でもわからなくなってしまうことは,会ったこともない企業の採用担当者がわかるはずもありません.
『自分は~~ができます』といった書き方を推奨するマニュアルもありますが,できるスキルは多いに越したことがありませんが,新卒社員を採用する上で,一番大事なのは「伸び/成長」です.
どんなことに辛いと感じ,どんなことを自分で克服してきたか?それを書き残すことは(後になったら忘れてしまうだけに)大変難しいことなのですが,習慣化していくことで可能になります.

4年次の「必修8単位」を課す手卒業研究やゼミ,卒研指導の先生とのコミュニケーションも大変重要です.
あれこれ悩むよりも,未熟でもよいので手を動かして,レビューしてもらい,対話して,自分の人生に仮説を立てて,それを実現するために生きてください.

振り返れば人生はいつも研究で,就職活動です.
この4年生の1年間は皆さんの人生が凝縮されています.
よい縁と,よい機会に恵まれ,みなさんの人生に花が咲きますように.

エレベータなどで見かけたら,さわやかに挨拶くださいね 😉

 2015年度 情報メディア学科 就職委員 白井暁彦

17卒むけ就活コラム:「明日面接だ!」その前に。面接というゲームのルールを知ろう

クリスマスイブですね。
きょう就職事務室で仕事していたら、16卒のグラフィック系志望・女子学生が内定決まったとのこと。祝。

17卒もポツポツと面接っぽいことが始まってきているようです。お疲れ様です。
ゲーム関連の採用は第8次選考ぐらいまであったりしますので、長い戦いのスタートです。
「面接に近道なし」ですが、以下初心者向けの向上ポイントをまとめてみました。
ぜひ、第一志望の面接前に実践しておいてくださいね。

練習しましょう

面接練習は30分、先生に見てもらえればレベル1は上がります。
先生は忙しそうにしていますが、事前にもうちょっと頑張ってその時間を作るべきだったかも。就職アドバイザさんや就職事務室のかたもマナーチェックぐらいはできますよ。

学生同士でも、下に書く「質問リスト」をランダムで読み上げていただければ練習にはなります。ゲーム感覚でもやれるといいですね。

短く大事なことをいう

多くの「喋れるタイプの学生」が指摘されるところが『キミ、話ながいね!』とか『話が長いわりに中身がない』とか、『端的に』など。

大事なことを短く言う。これは大切なことですが、実はその先もあります。

言った後の、キャッチボール、実際にはつばぜり合い斬りあい本当は大事なことです。

そのあとの展開を考える。

前項目にもありますが、1名当たりの面接時間は20~30分程度と持ち時間が決まっており、短い時間でターンを回していかなければ時間切れゲームオーバーです。面接担当者も、本当は拾ってあげたいのですが、この面接というゲームのルール上、助け舟を出すことはできません。

そこで、ベラベラと自分のペースで話す学生は、あまりに痛い!

採用側だって残念ですよ?

面接は1対多零和有限確定完全情報ゲーム。
展開を考えて将棋を打つべし

採用面接はゲームです。相手が1名なら「二人零和有限確定完全情報ゲーム」です。
複数名だとすると「1対多零和有限確定完全情報ゲーム」です。
ターンは時間で区切られており有限で、勝敗は「通過(+1)/不採用(-1)」しかありません。
※実際には再面接とか、次の選考に引っ張ることもありますので完全なゼロ和かどうかは難しいところがありますが(グループディスカッションは不確定要素もあるが有限情報ゲーム)。

いずれにしても、これは1対多の将棋のようなものです。
相手の話を聞きながら、次の展開を考えましょう。
面接官のレベルデザインとしては以下のような感じです。

  • Lv0: 目を見る(目が死んでいるとアウト)
  • Lv1: うなづく(反応がない、聞いていない)
  • Lv2: 楽しそうに話す(つまらなそう/聞いていてつまらない)
  • Lv3: 出題意図をくみ取る(理解)
  • Lv4: 出した問題について自分なりの考えを整理して話す(整理・簡潔・明快)
  • Lv5: 回答が新しい、新鮮、うちの会社に役立ちそう(利益・貢献)

といった感じです。

その後ろのレベルには「社長との相性」、「会社の社風や業務との関連・適合生」などが入ってきますが、初心者はとりあえずLv5までは自分で設計して展開できるべきです。

皆さん学生間のトークでは、ついダラダラ会話する癖がついていると思いますが、それは「学生相手の会話術」です。
ゲーム関連などクリエイティブ職ではコーディング以外の時間はほとんど会議です。企画会議なども「アイスブレイク」や「駄話」は大事ですが、そもそもがコスト高い人が数名、十数名あつまって話していますのでコストです。採用面接はその縮図です。仕事を止めて面接をしています。

そんな状況ですですので、20分程度で建設的なアウトプットが出せない人を集めてしまうと、「いくら面白そうでも、人件費と打ち合わせコストで、会社が傾いてしまいますよ」という意識が管理側から伝えられているはずです。そのあたりもイメージしましょう。

面接、こんなことが訊かれる

以下、某所でまとめてくださったリストを紹介します。
ゲーム関連だけでなく幅広い業種向けの質問リストですが、答えられなくなりそうな質問は対策しておかないと、当日現場で頭真っ白になることありますので要注意ですよ!
1.貴方にとって理想の上司は
2.他者はどこを受験しているのですか?
3.内々定がでたら内に入社を決めてくれますか?
4.他社にはない弊社の特徴や魅力は何だと考えますか?
5.弊社の商品の中でなにかひとつをとりあげ商品についてのあなたの分析や批評
6.弊社の商品はいくつ、あるいはどのようなものをご存知ですか?
7.弊社について、貴方はどのような印象あるいはイメージを持っていますか?
8.あなたのニュースソースはなんですか?
9.最近の新聞やニュースで気になる記事や関心があることを聞かせてください。
10.・具体的にはどうなれば良いと考えていますか?
11.世の中で「これは間違っている」と怒りを感じていることは何かありますか?」
12.最近読んだ本はなんですか?
13.・内容を簡単に要約してください
14.・どのような感想をお持ちになりましたか?
15.・今まで読んだ本の中で一番よかったのはどの本ですか?
16.今日の新聞で何か印象に残っている記事はありますか?
17.こちらまでの交通手段を簡単に説明してもらえますか?
18.貴方のストレス発散方法はなんですか?
19.貴方が一番ストレスを感じるのはどういう時ですか?
20.あなたの一番苦手なもの、ことはなんですか?
21.社会人と学生の違いは?
22.あなたはなぜ働くの?
23.お酒は飲めますか?
24.一億円あったら何に使いますか?
25.日本経済はこれからどうなっていくと思いますか?
26.契機を良くするためにどんなことが必要だと思いますか?
27.今日の日経平均はいくらでしたか?
28.○○問題についてあなたの考えを聞かせてください。・・・今話題となったいる事
29.新卒の早期退職の理由は?
30.・どうすれば早期退職に歯止めがかかると思いますか?
31.大変な就職難だと思いますが、実際に活動されてていかがですか?
32.結婚しても仕事は続けますか?
33.一人暮らしに不安はありませんか?
34.今の気持ちを川柳でお願いします。
35.弊社について何か貴方が考える改善点やアドバイスはありますか?
36.・貴方が弊社の役員だったらまず何から着手しますか?
37.何か新商品や新規格についてのアイデアをお持ちですか?
38.・なぜその企画を思いつかれたのですか?
39.・価格、商品名は?
40.弊社の店舗はご覧になりましたか?
41.・どんな印象?
42.・社員とコミュニケーションを通じて、何か感じたことは?
43.・店舗について良かった点、悪かった点
44.ウチの仕事はかなり厳しいですよ?大丈夫ですか?
45.・ついていけなくなったらどうします?
46.・辞めていく方も多いのですが、やめる人はどうしてやめてしまうと思いますか?
47.希望どおりに配属が決まらなかったら、どうしますか?
48.全国転勤は可能ですか?
49.もし弊社が不合格だったらどうしますか?
50.弊社の財務状況はご存知ですか?
51.あなたが弊社に期待することはなんでしょうか?
52.世の中が弊社に期待していることは何だと思いますか?
53.どうも君はウチの仕事に向いているとは思えないんだけど・・・・・・
54.キミ、ちょっと暗いね。
55.世の中の仕事の中でこれだけは絶対にやりたくはない仕事は何ですか?
56.ウチの社長の名前は?
57.この業界が抱えている問題点は何だと思いますか?
58.・どうなればいいとお考えですか?
59.弊社のホームページを見た印象や感想を教えてください。
60.この給料で生活していく自信はありますか?
61.あなたにとって仕事のやりがいとはなんですか?
62.なにか質問はありますか・
63.・なぜその質問をされたのですか?
64.・回答を聞いてどう思われましたか?
65.経営理念
66.最後に何か質問はありませんか?言いたいことはありませんか?

地雷質問、ひっかけ質問、別業界ならハラスメントすれすれ、というような質問もありますが、危うい質問で、相手の足元をすくいに行くのが採用のプロの面接官です。

技術面接の場合は、思想、習慣、向上心、時間の使い方、エモーション、パッションなどを聞いてくることが多いですが、それはまたの機会に。

Twitter「#就活 #面接対策」などでシェア/ご質問いただければまた書きますね。

この冬、高校生向けに「VRとエンタメ技術のクリスマスレクチャー」をお届けします。

「クリスマス・レクチャー」ってご存知ですか?

「クリスマス・レクチャー(Christmas Lectures)」ってご存知ですか?
イギリスの王室が中心になって開催している科学講座です(本家)。クリスマスシーズンに子供たちへのプレゼントとして開かれているので、クリスマス・レクチャーと呼ばれています。クリスマスレクチャーは歴史が古く、1825年にマイケル・ファラデーによって開催された科学講座が最初の講演で、現在も続いているそうです。

普段は出前講義をしない私ですが

2015年7月11日に講演した「夢ナビライブ2015」が受講者数317名とレコード級の大好評だったらしいです。私もびっくりです。

これはニコニコ生放送で配信されたダイジェスト版ですね。
「バーチャルリアリティ技術で人類を楽しくさせたい」

出張講義の御依頼をいただきました

先日、湘南学園中学高等学校 高校1学年担当 植田卓真先生より「高校1年生対象 大学模擬授業(出張講義)講師派遣のお願い」をいただきました。夢ナビのご縁だそうです。

謹 啓
秋涼の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
私は、神奈川県・藤沢市にございます、私立湘南学園中学校・高等学校におきまして、高1学年の担当をしております植田卓真と申します。この度、私どもの学年で行う「大学模擬授業」に是非とも先生のご協力を賜りたく、依頼状を送付させていただきました。
本校では、高校2年次に進級する際、文系・理系いずれかのコースを生徒に選択させます。この決定に向け、高校1年生の生徒たちを対象に、様々なかたちでの進路指導を行っておりますが、中には早くから将来の進路について具体的な目標を掲げ、大学での研究に目標や希望を持つ生徒もいる一方、自分自身の適性や将来の向けての道筋などにつきまして具体的に描くことが難しいと感じている生徒もおります。
そこで、「大学ではどのような学問の世界が広がっているのか・・・」それを具体的に示し、文理選択を主体的に進めていくための一助としたいと願い、毎年、「大学模擬授業」の機会を設けております。各学問分野で教鞭をおとりの先生方を本校にお招きし、45分程度の模擬授業(質疑含めて55分を予定)を行っていただくという取り組みです。
お忙しい先生方に、一つの小さな私学での、このようなささやかな取り組みにご協力いただくのは誠に恐縮でございます。全国学校案内資料管理事務センター主催の「夢ナビプログラム」を利用し、生徒が関心を持っているワードの登録を行ったところ、白井先生の講義「遊びの哲学を持った、これからのコンピュータゲーム研究」に関心が多く集まりました。是非とも、本校にてご講義願えないかと考えた次第です。依頼内容は、下記の通りですのでご確認ください。
いまのところ、1校時・2校時に分けて16テーマ程度の講義を設定したいと考えております。本校の高校1年生生徒(在籍数188名)がその中から2つの分野を選択して講義を受けるという形式です。各講義に出席させていただく生徒数は、おおよそ20数名程度になるかと思います。
ご多忙のこととは存じますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬 具

大変丁寧な依頼文で感動。

同様のご依頼を東京都立町田工業高等学校さんからもいただいております。

大学のプロモーションって、いろいろ気を使うので、普段はあまり高校生向け出前講義をすることはないのですが、クリスマスの時期ですし、夏の講演が大変勇気付けられる反響でしたので、いくつかの高校で出前講義を受けたいと思いました。

いちおう私も科学コミュニケーたーの端くれですので!

講演予定

12月12日(土) 湘南学園中学高等学校

2校時目 10:40~11:35(この時間帯の中で45分講義、10分質疑)
『遊びの哲学を持った、これからのコンピュータゲーム研究』(仮)

12月18日(金) 東京都立町田工業高等学校

9:45~11:15
『次世代エンタテイメントシステム』(仮)

エンタテイメント(娯楽)システムは、従来の映像中心の家庭用コンピュータゲームや携帯ゲームから、遊園地、インタラクティブな科学館・博物館での展示物、メディア芸術、お年寄りや言葉の通じない外国人 。学校教育といった様々なシーンに利用され始めています。「新しい楽しさ」を「設計する技術」を紹介します。

うちの大学の出前講義面白そう

神奈川工科大学としてはこのような講演を「出前講義プログラム」として提供しているそうです。そんなわけで私の所属プロダクションは神奈川工科大学なので、クリスマスかどうかに関わらず、遠慮なく大学に打診いただけるとよいかと思います。

www.kait.jp/gwy_edu/pdf/2015_demae_kougi.pdf

どれも面白そうですよ。

夏の”夢ナビ”ふりかえり中

さて、高校生のマインドに立ち戻ってみるために、夏の夢ナビの講演を振り返ってみています。特にフィードバックとして聴講された全国の生徒さんたちから「先生へのメッセージ・感想」をいただいておりますのでご紹介とコメントしてみたいと思います。

・あまり関心をもっていなかった分野に興味をもつことができました!(大妻高等学校 高1 女子)
・ニコニコメガネやVRに興味を持っていてこの講義を受けましたが知りたい情報がすべて聞けたので良かったです。(東京農業大学第一高等学校 高1 男子)
・興味をもった。(芝高等学校 高1 男子)
・講義内容がとてもわかりやすかったです。ゲームに興味をもちつつ、人の役に立つか自信がなかったのですが、しっかり進路のひとつとして考えらました。(杉戸高等学校 高2 男子)
・私が知らないすごい技術が沢山あって感動しました。(東京農業大学第一高等学校 高1 女子)
・人に楽しんでもらえるものをやる。すごく感動しました。(成立学園高等学校 高2 男子)
・たのしかったです。(國學院大學久我山高等学校 高1 男子)
・超会議に行ってみたくなった。(朋優学院高等学校 高1 男子)
・人間の娯楽に作用するコンピューターについて様々な話を聞くことができたのでよかった。(芝高等学校 高1 男子)
・とてもおもしろかったです!(東京都市大学等々力高等学校 高1 男子)
・とてもわかりやすかったです。(山村学園高等学校 高2 男子)
・講義はとてもわかりやすく、先生の話し方もよくて、とても満足した。(芝高等学校 高1 男子)
・自分も何か人がよろこぶようなことをしていきたいと感じることができました。(自由ケ丘学園高等学校 高1 男子)
・ニコニコ動画を見たことがあるので、気になって話をきいてみたら思った以上にたのしかったです。(館林高等学校 高2 男子)
・先生の講義を聞きましたがとてもさんこうになりました。(練馬高等学校 高2 男子)
・とてもよかったです。(東京都市大学等々力高等学校 高1 男子)
・神奈川工科大学にとても興味がわきました。(芝高等学校 高1 男子)
・エンターテーメントについての考え方が変わった。(芝高等学校 高1 男子)
・とてもおもしろく指導してくださり、ありがとうございました。(淑徳巣鴨高等学校 高1 男子)
・「クリエイターになるコツ」についてよくわかった。非常に見ていて、たのしかった。(横浜高等学校 高1 男子)
・色々なことをやって、勉強する必要があるのだなと思いました。(富士見高等学校 高1 女子)
・工学に関する理解が深まった。(城西大学付属川越高等学校 高2 男子)
・ありがとうございます。(海城高等学校 高1 男子)
・ニコニコのうらを知れた。(芝高等学校 高1 男子)
→私は中の人ではありませんが、リコメンドエンジンの話や超会議でのオープニング前朝礼などの経験もお話させていただきましたので、”裏側”に目を向ける機会を得られたのであればよかったです。
・コンピューターに使用を娯楽に向けてみると、様々な事に使用されているのが驚いた。(最新スゲー!)(上野学園高等学校 高1 男子)
→「最新スゲー」です!
・ニコニコというワードから受講したが、とてもおもしろかった。(海城高等学校 高1 男子)
→「みんなをニコニコさせる技術」という意味では間違ってないと思います
・自分の事をマンガにしていてとてもおもしろかった。(館林高等学校 高2 男子)
・ニコニコ超会議などで有名な人なので、実際に会えてよかった。話の内容も、興味があるものだったのでとても良かった。(大田桜台高等学校 高1 男子)
・分かりやすくて、面白かったです。(東野高等学校 高2 男子)
・人に求められる楽しいことをするということが本質があった。2つの授業を見て、未来をみてしまった気がする。(芝高等学校 高1 男子)
・とてもわかりやすく、おもしろかったです。ありがとうございました。(練馬高等学校 高1 女子)
・私も、今、簡単なコンピュータプログラムを作っていて、先生の話を聞いてもっとやってみたくなりました。(京華高等学校 高2 男子)
・僕もニコニコ動ったので気持ちなどがよくわかった。本当にありがとうございます。(本庄東高等学校 高2 男子)
・様々な技術の発展がよくわかった。非常におもしろかった。(かえつ有明高等学校 高1 男子)
・クリエイターの仕事内容がよくわかりました。(花咲徳栄高等学校 高2 男子)
・ゲームが正しいことがなく分かりました。いつか使ってみたいです。頑張ってください。(海城高等学校 高1 男子)
・話がおもしろくて、聞くのが楽しかった。(芝高等学校 高1 男子)
・とても興味深い話をありがとうございました。先進的なことを知ることができて面白かったです。(芝高等学校 高1 男子)
・とても楽しい内容でした。(武蔵丘高等学校 高1 男子)
・とても面白かったです。凄くいい話が聞けました。有意義な話をありがとうございました。(クラーク記念国際高等学校 東京キャンパス 高2 男子)
・ゲームなどという見近な物から将来のことについても知り、考えることができました。(神奈川学園高等学校 高1 女子)
・ゲームについての見方がかわりました!最新技術をつかったゲームがもっと普及してほしいです!(昭和女子大学附属昭和高等学校 高2 女子)
・「大学を選ぶときは研究所で選べ」という事が心に残った。また、先生が一つ一つ目標をきめて行動しているのがすごいと思った。(芝高等学校 高1 男子)
→ 研究「室」で選びましょう!
・ニコニコ超会議で絶賛された2D、3Dを一緒に見ることができるニコニコメガネはとてもすごくよかったです!(東京農業大学第一高等学校 高1 男子)
・他の先生と違い漫画で説明していたので、また違った感覚でおもしろかったです。(横浜高等学校 高1 男子)
・ニコニコ超会議で大賞をとったのがすごいと思ったしそのきのうもすごいなと思った。(大田桜台高等学校 高1 男子)
・ニコニコ超会議のあおりにつられ、やってきたが実にオモシロイ。生き方もスゴクオモシロカッタ。また来てみたい。(郁文館高等学校 高1 女子)
・様々なことを経験することは、大きな武器だということがわかりました。(海城高等学校 高1 男子)
・情報化はあまりきょうみなかったけど、おもしろかった。(豊南高等学校 高2 女子)
・自分の子どもたちが遊んでるゲームをつくろうという発想はなかったマンガのやつやニコニコメガネには驚いた。(芝高等学校 高1 男子)
・よく分かりやすかったですありがとうございます。(城西大学付属川越高等学校 高2 男子)
・ゲーム制作についてもともと感心あったけどもっと関心を持ちました。厚木だとうちのおばあちゃんの家の近くだから「行きやすい!」って思ったりしてました。これからもがんばってく
ださい!(武蔵丘高等学校 高1 男子)
・親しみやすい内容でとても面白かった。(芝高等学校 高1 男子)
・先生の話している内容が自分にとって興味がある物なので非常に良かった。(城西大学付属川越高等学校 高2 男子)
・自分が楽しいでなく求められる楽しいという考えはとても勉強になりました。エンタメの考え方が変わりました。(井草高等学校 高3 男子)
・大学選びのポイントや、自分ではなく他人を喜ばせる喜びを教えていただき、ありがとうございました。(淑徳高等学校 高1 男子)
・とてもおもしろかった。(芝高等学校 高1 男子)
・話がとてもおもしろかったです。まんがの絵がうまいと思いました。(芝高等学校 高1 男子)
・面白かったです。(東京農業大学第一高等学校 高1 女子)
・興味がわきました。(安田学園高等学校 高2 男子)
・話の内容もとても面白かったです。(京華高等学校 高1 男子)
・ゲーム作りも楽しそう。きっと、オープンキャンパスに行きます。(三田高等学校 高1 男子)
・「成長のためにもゲームは必要」と意見にとても賛同できた。「人を楽しませる」というワードも自分の中ではかなり納得させられた。(正則高等学校 高2 男子)
・おもしろかったです。(富士見高等学校 高1 女子)
・先生のひげが特長的でマンガのイラストとそっくりですごかったです。ゲームの制作などにとても興味がわきました。(館林高等学校 高2 男子)
・次世代の技術はすごいと思いました。(東洋大学京北高等学校 高1 男子)
・エンターテインメントについて理解すこることができた。それを扱う世界に興味がもてた。(芝高等学校 高1 男子)
・分からなかったことが分かるようになりました。(藤沢翔陵高等学校 高2 男子)
・すごい人生を送ってきてすごく参考になったのですが、もう少しプログラムについて色々聞きたかったです。(明星高等学校 高2 男子)
・とても興味深く、ここの大学で学びたくなった。(明星高等学校 高2 男子)
・エンターテイメントの活用法やバーチャルリアリティなどでできることなど多くの事を知り、興味がいっそう深まりました。(千葉明徳高等学校 高1 男子)
・正直にとても面白かった。(芝高等学校 高1 男子)
・とても奇抜な授業でとてもお面しろかったです。初めての体験で驚きを感じられました。(城西大学付属川越高等学校 高2 男子)
・ニコニコ超会議は1回も行ったことがないので、いつか行って、先生に会いたいです!プログラミングも、いつか自分がやってみたいです!(淑徳巣鴨高等学校 高1 男子)
・多重化技術に対して、物すごい技術だと思うとともに、自分も開発にたずさわってみたいと思える講義でした。(京華高等学校 高1 男子)
・わかりやすい説明でありがとうございました。(豊南高等学校 高2 男子)
・オープンキャンパスに行こうと思いました。ありがとうございました。(大森学園高等学校 高2 女子)
・興味のある話があっておもしろかった。(城西大学付属川越高等学校 高2 男子)
・とても面白いと思った。(芝高等学校 高1 男子)
・講義後も長い時間質問を受けていただきありがとうございました。とても楽しかったです。(獨協高等学校 高1 男子)
・ゲームを主点として子育てや色んなものを見ることに非常に興味がわいた。(芝高等学校 高1 男子)
・ゲームなど好きなので講義を受けました。いろいろなソフトがあるのでそれを使い作っていると思うとあらためてすごいと思った。(藤沢翔陵高等学校 高2 男子)
・自分のやりたいことを現実化するのが、いかに難しいのかということがわかり良かったです。(京華高等学校 高2 男子)
・とてもおもしろかったです。ゲームの道を目指していきたいと思いました。ありがとうございました。(神奈川総合高等学校 高1 女子)
・ゲームクリエイトの楽しさがなんとなく分かった。自分もゲームするので興味もてた。(芝高等学校 高1 男子)
・好きな分野なのでおもしろかったです。(桜丘高等学校 高1 男子)
・先生のトークのテンポがよくて聞いててとても楽しかったです。(東京農業大学第一高等学校 高1 女子)
・超会議について真面目に考えてみると意外と面白かった。(朋優学院高等学校 高1 男子)
・それなりに楽しむことができました。(本庄東高等学校 高2 男子)
・おもしろそうだなと思っていたのがさらに高くなりました。(山村学園高等学校 高2 女子)
・今まであんまり勉強してなくてもこれからやればどうにかなると希望がもてて良かったです。オープンキャンパス行こうかなと思いました。(大妻高等学校 高1 女子)
・世界でここだけの研究ということにおどろきました。自分もゲームが好きなのでそういう研究は楽しそうだと思いました。(東洋大学京北高等学校 高1 男子)
・神奈川工科大学に行きたくなれる講義をありがとうございました。来年のニコニコ超会議も頑張ってください。(東京都市大学等々力高等学校 高1 男子)
・19歳が転機でそこからこれほどの功績を出せる程になったと聞いて、未だやりたい事が決まらずあせっていたが安心した。(海城高等学校 高1 男子)
・先生は神ですゲーマーの神です。(新宿高等学校 高1 男子)
・現代の娯楽、エンターテイメントを深く知ることができた。(芝高等学校 高1 男子)
・説明のとき、スライドがマンガになっていて分かりやすかった。(安田学園高等学校 高2 男子)
・おもしろかったです。(聖学院高等学校 高2 男子)
・プログラムとか工科あたりにすごくきょうみがでてきました。(その他)
・行ってみたいと思いました。(その他)
・分かりやすく面白い内容だった。(その他)

「ニコニコ動画」というキーワードで引き寄せられただけの高校生が、工学,ものづくり,面白いものを,ただ見るだけじゃなくて作る側の視点に立つというきっかけを「地続きで」与えられたのはすばらしいな!と読み返してみて思いました。

というか、これはゲーム業界・エンタメ業界・メディアアート業界のエンジニア感涙のフィードバックだと思いますよ。シェアせざるを得ない。

そういや講演のあとの質問もたくさんの熱い高校生に囲まれたのでした。

忙しいとこういうことも日々のタイムラインに流れていってしまうのが残念。
彼らが再び、私の講義を聴いてくれる日は来るだろうか。

まとめ「師走ですから…ね」

基本的に年末、「師走」って、大学の先生は走り回って忙しないじゃないですか。セワシナイ。

自分から忙しくなることは良い事とは思いませんが、若い生徒たちが、単に受験勉強ばっかり、つまらない作業ばかりにエネルギーを費やすのではなくて、「自分の興味のその先に、楽しい未来や予想もしないような世界が広がっている…!!」って感じるきっかけを伝えるのは、未来がやってくる感がありますよ。フィードバックも素晴らしいし。

そんなわけで、私自身がよい来年を迎えられるように、忙しい年末ではありますが、東奔西走させていただきたいと思います。

クリスマスレクチャーで、僕と握手!

 

ICU講義「コンピュータゲーム」最終課題まとめ

草原真知子先生のご紹介で国際基督教大学(ICU)での非常勤講師「コンピュータゲーム」を担当し始めたのが、たしか2009年だったと記憶しているので、もう7年目になるだろうか。

ここ数年は春学期に開催し、IVRCへの挑戦なども行っていたのだけれど、プレゼン審査で通ったとしても、その後の展開が難しいし、私自身が審査委員も兼ねていることから、ものすごく忙しくなってしまう上に投稿件数が増えるということ以外にメリットがない。そのため2015年度はもともとの開講期である秋学期の月曜日に変更した。

秋の深まりを毎週感じられるICU三鷹のキャンパスも美しく、また今年度も大変、興味深い、個性的な学生が多く存在した。

例年であれば課題はすべてFacebookやメール上でクローズに共有しているのであるが、今年度は「面白さをシェアする」という目的で希望する学生については積極的にシェアできるよう、ご協力をお願いした。

毎年の講義は内容を変えているので参考になるかどうかは保証がないが、以下、講義の内容や「学生視点でのおすすめ」をまとめてみたので振り返りの機会としたい。

まずは学生Hさんのブログより。

哲学言語学メジャーの上位学年だけあって、なかなかよくかけている。

harutoshimoda2.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

講義「コンピュータゲーム」で学んだこと

この講義では「エンターテイメントシステム」という概念を様々な角度から考えました。この授業を受講するまで「エンターテインメントシステム」という言葉すら私は知りませんでしたが、授業では豊富な実例を交えながらその内容に迫りました。白井先生によれば「エンターテインメントシステム」とは「人々の娯楽に作用するようにデザインするシステム」だと定義されます。重要な点は、エンターテイメントシステムはシステムであるので、映画やゲームソフトなどコンテンツそのものとは区別されるということです。コンテンツとコンテンツをどのように享受するのかといった環境まで含めてエンターテイメントシステムだということです。例えば、動画そのものはコンテンツだが、ニコ動やyoutubeなどの動画サイトは動画に対するコメントやオススメ動画の表示などユーザーに対してコンテンツを楽しむための環境を提供しています。このようなとりわけ双方向性のあるサービスはエンターテインメントシステムだと言えるのです。
さて、この授業で学んだことは大きく二つに分けることができると思います。第一に、「エンターテインメントとは何か」という人間に関する要素。次に「エンターテインメントを可能にするシステムにはどのようなものがあるか」という技術、設計に関する要素です。我々受講生はこの二つの要素を様々な実習課題を通して考えました。

「エンターテインメントとは何か」

まずは「エンターテインメントとは何か」の部分です。

この授業は「遊び」とは何かという哲学的な問いからこの授業は始まりました。これは「エンターテインメント・システム」の「エンターテインメント」とは何かという問いと深く関連しています。白井先生は「遊び」という概念を6つの要素にわけることで「遊び」とは何かという問いに迫りました。その6つの要素とは、「いつでもやめられる自由な活動」「日常と非連続で隔離された活動」「現実世界に富を生まない非生産的活動」「現実と区別がつく、虚構の活動」「遊びの世界を支配する、規則のある活動」「選択の自由がある未確定の活動」です。ある活動が「遊び」であるとは、以上6つの要素を満たす活動であるのです。我々は課題として、身近な活動が遊びであるかないかを遊びの6要素からみて検討しました。

ピアジェによる遊びの段階説についても学びました。ピアジェによると人間は発達段階に応じて遊びの質も変化するそうです。まず、生後1〜2歳くらいまでに感覚運動遊びを獲得します。これは、外界を操作したり身体を動かしているだけで楽しいと思う状態です。次に、2〜5、6才までに象徴的遊びを獲得します。これは、ごっこ遊びなどや模倣などの記号化能力が必要とされる遊びです。そして、7歳行以降からルールのある遊びを獲得します。これは、思考の具体的操作,個人間の関係理解,世界観・因果と偶然が理解できる.ルールのある遊び,社会的遊びが含まれます。

次に、「ペルソナ」という概念について我々は学びました。「ペルソナ」とはサービスを享受する人が性、年齢、趣向など、どのような人間であるのかということです。エンターテインメントシステムを設計する上で、ユーザーのペルソナを考えて設計することは非常に重要です。ペルソナを考える上で重要な点のは2点あります。第一に「ペルソナ」は「動的」だということです。ペルソナはエンターテインメントシステムとの関わりの中で、変化するということを忘れてはなりません。例えば、子供の頃「テニスの王子様」や「ファイナルファンタジー」に触れて育った男の子がその後経験を重ねてどのようにペルソナが変化し成長したのかを長期的な時間軸で考えることが、システム設計時に想定されるユーザーを考える上で重要なのです。さらに重要なのは、「ペルソナ」は「複合的」だということです。複合的とはつまりあるエンターテインメントシステムのユーザーは異なる複数のペルソナのセットだということです。例えば、子供向けゲームソフトのプレーヤーは子供ですが、お金を出すのは親なので親にも楽しんでもらえたりすような内容やお金を出しやすい価格帯であることがゲームソフト設計にとって重要なのです。

「エンターテインメントを可能にするシステムにはどのようなものがあるか」

次に、「エンターテインメントを可能にするシステムにはどのようなものがあるか」の部分です。この授業では、かなり数多くのエンターテインメントシステムに関わる技術を紹介しました。ここではそのうちいくつか自分の印象に残った技術を紹介します。

最初に我々はUnityという、ゲームソフトウェア開発環境について知り、簡単な操作をしてみました。この開発環境はゲーム業界では世界的に広く使われているので知っているべきだそうです。Unityでは、3D映像のレンダリングも可能です。レンダリングとは、映像や音声などをコンピュータ上で生成することです。

さらに、白井先生が開発している、画面の多重化技術についても知りました。この技術では一つの画面は二つの映像を同時に提供しており、裸眼ではそのうちの一つの映像を、特殊なメガネをかけた視聴者はもう一つの映像を見ることができる技術です。

MITが開発したping pong plusでは、卓球台にコンタクトマイクを仕込み、それにより卓球の球が当たった位置を把握し、それに連動して映像を卓球台に写したり、音声を再生したりといったことが可能となります。

日本科学未来館ではDigital Content Expo 2015というイベントが開催されました。そこでも数多くの技術が紹介紹介されていました。筑波大学による、複数のカメラの映像を組み合わせてユーザーにスタジアムでサッカーの試合などをズームや角度など自由な視点で試合を楽しめる「自由視点スタジアム」や、東大と慶応大による、赤ちゃんがおしゃぶりをする吸い方、強さ、吸う感覚などの情報を取得しその様子を別デバイスで確認することを可能にする「デジタルおしゃぶり」などユニークな技術を数多く知ることができました。

さらには、2048というスマホゲームのゲームクローンを作る課題を、一部の人がやり、発表がありました。そこでは、各々がCやprocessingやHaskellなど異なる言語で 2048を作っていました。ソースコードも発表し、私はその課題は選ばなかったのですが、非常に刺激になりました。

以上挙げた例を他にも、数多くのエンターテインメントシステム関わる技術が世の中にはあるということをこの授業では学びました、これらの技術がどのようにエンターテインメントに応用されているのかを幾つかの課題を通して学びました。

以下では、課題を通して学んだことを紹介したいと思います。

課題を通して学んだこと

印象に残った課題があります。われわれは課題の一つとして、テクノロジーを利用して従来のスポーツを拡張するという「超人スポーツ」のコンセプトに基づいて、新しいエンターテインメントシステムを企画設計する課題に受講生は取り組みました。この課題は、授業で学んだ「ユーザーの複合動的ペルソナ」、「既存の技術のエンターテインメントシステムへの応用」、「人が楽しいと思うとはどういうことか」について考える絶好の機会となりました。またそれと同時に「技術的な実現性によって、対象ユーザーのペルソナが制限されてしまう」というシステム設計の難しさも実感しました。

私は「魔物スカッシュ」というゲームを提案しました。壁に移された魔物をテニスボール(またはスカッシュボール)で倒すゲームです。技術的には、先に挙げたMITのping pong plusの技術を卓球台だけでなく、壁打ちの壁へ応用するという提案です。これは、感覚運動遊びであり、魔物を倒す世界観のなかで戦士になりきる象徴的遊びであり、一定回数制限時間内に球を魔物にあてなければならないというルールのある遊びです。先に挙げた遊びの6要素も満たしているつもりです。講義で学んだ内容を実際にシステムを提案することで、より体感として理解することができました。

一方で技術的実現性と対象ペルソナのギャップとシステム設計の難しさも感じました。魔物スカッシュを提案した時、テニスの壁打ちゲームかスカッシュの壁打ちゲームかで決めかねていました。システムを運用する難易度はテニスボール/ラケットを使うよりもスカッシュボール/ラケットを使う方が実現しやすいです。場所が小さく室内コートが用意できるからです。一方、私はユーザーの動的複合ペルソナは「リゾート地などでテニスを楽しむ20〜40代の男女」かと「都内室内テニスクラブでテニスする習慣がある10〜40代のテニスプレーヤー」と想定しました。わたしは、ある程度の数の人に主にリゾート地でも楽しんでもらえるようなゲームを提案したかったのです。テニス人口の方がスカッシュ人口よりもかなり多いことと、リゾート地でのプレイ人口がテニスの方が多いことからこのペルソナを想定していました。このように、システム運用の難易度を下げれば、ユーザーのペルソナは制限され、ユーザーのペルソナを自由に設定すれば、システムの運用難易度が上がるというジレンマを感じました。このようなジレンマを乗り越えるには、動的複合ペルソナを注意深く考える力と実現するための技術的、社会・経済的な知識と経験の両方が求められるのだと実感しました。

講義「コンピュータゲーム」で得られた気づき・為になったこと

この授業を通してわたしは、以下気づきを得ました
①どんなユーザーがどんな状況でサービスを享受しているのかに注意深くなった
②「遊びで楽しいと思うこと」も人間の普遍的な活動であることを自覚した
③工学的なさまざまな技術と応用例について知識が広がった

①「コンピュータゲーム」という講義名から、最初に授業をとった時はコンピュータゲームの技術的なことのみを扱うのかなと思っていましたが、実際はエンターテインメントシステムというコンピュータゲームも包括する抽象度の高い内容を扱う授業でいい意味で驚きました。授業では狭い意味でのエンターテインメントシステムではない、三鷹市や武蔵野市のホームページや自動販売機のデザインについても触れ、「受け手が存在するサービスのデザインが受け手のペルソナが考慮されたデザインになっているか」が一つの重要なメッセージだったと思います。そのメッセージは、仏教において受け手に合わせて教えを説く「待機説法」の精神にも通ずると思いました。この授業で得られた視点であらゆるサービスを見て今後の人生に生かそうと思います。

②今まで、遊びとは何かについてあまり考えたことがありませんたが、この授業はその機会を提供してくれました。遊びにおいて楽しいという認知的現象は、人間であれば誰しもに起こりうる現象なのではないかと授業を受講した今、思うに至っています。人間が音楽聴いて美しいと感じたり、言葉を話したりするのと何が同じで何が違うのでしょうか。白井先生が、受講生が2048をプレイする様子を観察する時間を授業内で設けたとき、「実験」という言葉を使っていたのが印象的で、遊びという人間の認知的機能を真剣に考えるきっかけになりました。自分は言語学専攻で、人間に内蔵された認知機構を調べ考えることに関心が高いです。遊びの感情も今後考察対象にしていきたいと思います。「楽しい」という感情の種類も「遊び」や「遊びのルール」などの条件の違いによって変わるのか変わらないのかその関係は興味深いテーマだと思います。

③私は情報科学副専攻だとはいえ、工学的な技術の応用例についての知識はかなり少なかったです。しかし、この授業を受講して工学的技術の知識もこれから増やしていこうという気になりました。特にそれを感じたのは、自分で超人スポーツを提案する課題に取り組んだことです。白井先生のMITの技術があることを知らずに課題は提案できませんでした。「魔物スカッシュ」を提案する前私は「人ロボ混合ダブルス」という企画をしていたのですが、技術的に自分のイメージしていたものを実現するのは現時点で困難だということがわかりました。今後、なにか新しいサービスを提案する時もどんな技術が存在するのかについての知識だけでも持っておくことは不可欠だと実感しました。

後輩へのおすすめ

この授業は様々なバックグラウンドの学生が受講しています。情報科学専攻の学生だけでなく、哲学、社会学、国際関係学、言語学、言語教育、心理学など様々です。その多様な背景の学生が許容される授業の設計となっています。ICU生のだれしもが受講することができ、受講する意味がある授業だと思います。

まず、情報科学専攻の学生をはじめとする、現在プログラマーであったり将来プログラマーになりたい学生にとって大変意味のある講義です。その理由は、この授業では高度なゲームプログラミングの技術を学ぶ授業ではありませんが、なぜそのような技術を使うのかといった一番大事な部分を考える機会を提供してくれます。自分がなんのためにプログラミングをしているのか、出来上がったソフトウェアは誰がどのような環境で利用するものなのかを仕様書などの設計段階から深く考える為にもこの授業はとても有用です。

次に、経営学専攻をはじめとする現在、あるいは将来ビジネスとして新しいサービスを作っていきたいと考える学生にも大変有用です。なぜなら、多くのサービスを設計する上でそのサービスのユーザーの動的複合ペルソナを深く考えることは不可欠であり、さらにサービスを展開する上で工学的技術の知識、技術者との協力関係も極めて重要だからです。この授業では、工学的技術の応用例が数多く紹介されており、Digital Content ExpoやSIGGRAPH ASIAといった研究発表の場がどのように行われているかについて情報を得ることができます。情報収集の場としてとても有用です。

さらに、生物学や心理学、社会学専攻などの生物としての人間、あるいは社会的な存在としての人間に興味がある学生にもこの授業は有用です。なぜなら、「遊び」という人間の一般的現象を改めて考え直す体験を通じて、生物としての人間、社会的存在としての人間に新たな着想をえることにつながるからです。生物学者であれば、他の類人猿における遊びと人間における遊びの比較研究ができるかもしれないし、心理学者であれば遊びの「楽しい」という感情をテーマに心理的実験ができるかもしれません。「遊び」を各専門分野から研究対象にする、それだけ「遊び」は興味深い現象なのだということを再認識させてくれる授業なのです。

授業の内容もこのような動的複合ペルソナを対象に設計されている(と思う)ので自分が何を専攻しててもきっと役立つはずです。もっとも、自分の専門でない分野の知見についても垣間見ることができるので、それだけでもICU生としてはトライしてほしい授業です。ぜひ、自分自身で来年の「コンピュータゲーム」の授業を受講して、「エンターテインメントシステム」について考え、人生の糧としてください。


2048を目コピでクローン作成する課題

情報系メジャーの学生も半数ぐらいいる中、かつての本講義で扱ってきたUnityやProcessingといったフリーで利用できるゲーム開発環境については、すでに独自に取り組んでいたり、ほかの講義で扱っていることもあり、今年度はプログラミングをお触りするような表面的な講義はやめて、「ゲームの本質」に迫るため、「未来のゲームデザイン」p.123で扱っている「ゲームのクローン」を開発することにした。今回のテーマにしたゲームは「2048」。実際にゲームを始めてプレイする体験を記録し、それを観察したのち、ゲームルールを各自が希望する言語で実装した。講義の中ではProcessingやCなどでの実装があった。C言語による実装の場合は約500行程度。中でもHaskellで実装した学生がいたので抜粋して紹介する。

2048をHaskellで真似してみた学生

Haskell詳しくなかったのですが、なんと76行。すばらしい。2048特有の動きを最後の8行で表現できているのが面白い。

github.com/29rou/2048Haskell-/blob/master/2048copy.hs


import Prelude hiding (Left, Right)
import System.Random
import Data.List
import Text.Printf
import Data.Char (toLower)
import System.IO
type Table = [[Int]]
data Move = Up | Down | Left | Right
main :: IO()
main = do
hSetBuffering stdout NoBuffering
putStrLn "Start"
table mainLoop table
where initialize :: IO Table
initialize = do table' IO ()
mainLoop table = do printTable table
if filter ( == 2048) (concat table) /= [] then putStrLn "Finish" else gameFunction table
gameFunction :: Table -> IO ()
gameFunction table
| (getEmpty table == [] && canMove table == False) = do putStr "Game Over"
| otherwise = do putStr "Please input [Up, Down, Left, Right]"
new_table if table == new_table
then do putStr "Please chose other one\n"
mainLoop table
else do new Bool
canMove table = sum ( map (length . getEmpty . flip move table) [Up, Down, Left, Right] ) > 0
printTable :: Table -> IO ()
printTable table = do let showRow :: [Int] -> String
showRow = concatMap(printf "%5d")
mapM_(putStrLn . showRow) table
addNumber :: Table -> IO Table
addNumber table = do let choose :: [a] -> IO a
choose xs = do i (Int, Int) -> Int -> Table
setNumber table (row, col) val = fst ++ [mid] ++ post
where fst = take row table
mid = take col (table !! row) ++ [val] ++ drop (col + 1) (table!!row)
post = drop (row + 1) table
target value [(Int, Int)]
getEmpty table = let singleRow n = zip (replicate 4 n) [0 .. 3]
coordinates = concatMap singleRow [0 .. 3]
in filter (\(row, col) -> (table!!row) !! col == 0 ) coordinates
newTable :: Table -> IO Table
newTable table = do let moves :: [([Char], Move)]
moves = zip ["up", "down", "left", "right"][Up, Down, Left, Right]
moveKey :: IO Move
moveKey = do input return x
Nothing -> do putStr "Plese choose [Up, Down, Left, Right]"
moveKey
key Table -> Table
move Left = map compute
move Right = map (reverse . compute . reverse)
move Up = transpose . move Left . transpose
move Down = transpose . move Right . transpose
compute :: [Int] -> [Int]
compute xs = computed ++ space
where combine (x:y:xs) | x == y = x*2 : combine xs
| otherwise = x : combine (y:xs)
combine x = x
computed = combine $ filter(/= 0) xs
space = replicate (length xs - length computed) 0

コーディング中に気づいた難度に関係する設定

i. 数字(タイル)が発生する場所

今回は何も考えずに乱数を元にランダムで場所を指定した。しかし、ここをばれない程度に弄ればもう少し難しく出来そう。たとえば、序盤は空いている場所を中心指定し、ある程度ゲームが進んだ段階で密度が高い場所を指定するなど。

ii. 数字の大きさ

今回は常に半々の確率で2、4が出るように設定した。しかし、ここも確率を弄れば難しくできそう。出す数字の種類を増やしたり、出す数字の確立を弄ったり等。たとえば、終盤にかけて発生する数字を大きくしたり、序盤は小さな数字ばかりが出るようにするなど。


別の学生、Mさんの解説。

icucg2015mashiko.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

この講義でどのようなことが学べるのか?

この講義で学ぶことが出来たのは、エンターテインメントがどのようであるべきか、そして実際にそれがどのように社会に存在するかということである。これらは、現在という時間軸における話だけでなく、過去または未来におけるエンターテインメントについての話も十分に説明されており、十分に理解できた。具体的にどのような内容であったかを次の五項目に分けて、この講義の内容を紹介したい。一) 遊びについて 二) エンターテインメントシステムについて 三) エンターテインメントシステムのデザインについて 四) 次世代のゲーム(スポーツ)について 五) インタラクティブな新技術について
第一に、遊びとは何だろうかという根源的な問いからこの講義は始まる。歴史的に見ると遊びの原初はラスコー洞窟の壁画にまでたどることが出来るだろう。なぜならば、ラスコー壁画は、最も原始的な人類が、生存のための必要性とは異なる次元で行った活動の所産だと考えることが出来るからである。学生からは、狩りの成果を称えるために描いたのではないか、または逆に、飢えなどの恐怖に対するまじない的効果があったのではないか、といったような意見が有ったが、結論として、このような絵画を描くことで、彼らクロマニョン人は何らかの効用を得ていたというのは間違い無いだろう。
このような人類と遊びの関係は、非常に長い時間をかけて、多くの学者が、様々な視点から研究を進めてきた。特にヨハン・ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」という人間観は、人間の’本質’と’遊び’を強く関連づけてるという点でこれら議論の核心に最も近づいたといえるだろう。また、彼の研究(特に遊びの成立条件に関して)はフランスの思想家、ロジェ・カイヨワによって引き継がれ、大きく発展した。彼はどのように遊びの要素を示したのだろうか。
ロジェ・カイヨワによると遊びとは六要素に分類すると言うことが可能だという。その六要素とは、自由性、隔離性、未確定性、非生産性、規則性、そして虚構性ということだった。本講義では、実際の遊びがどのようにこれら要素を満たすのかと言うことを、実践を交えながら実感することができる。
さらに、遊びのなかでも特にゲームの分野は第十芸術というような表現をされることがある。これは音楽、絵画や建築などといったものに次ぐ芸術の一形態として認められつつあると言うことである。これは、単にゲーム自体の価値が広く認められていると言うことを示しているというよりは、ゲームという芸術のあり方自体がより体型だった形で洗練されていく必要があるということを強く意味しているのである。
第二に、エンターテインメントシステムとは何か、という疑問に講義は答えた。エンターテインメントシステムとは「人間の娯楽に作用するようにデザインするシステム」(白井博士 55)だと定義される。つまりエンターテインメントシステムとは、単なるコンテンツ単体ではなく、それを楽しむためのすべて環境・設備・機構をさすのである。つまり、ゲームソフトや映画のDVDだけでは、エンターテインメントシステムと呼ぶことは出来ない。それを再生する設備や楽しむための環境全体を含んではじめてエンターテインメントシステムと呼ぶことができる。その点で言えば、スマートフォンやSNS、動画配信サービスはまさにエンターテインメントシステムの定義にぴったりと当てはまるといえる。
また、エンターテインメントシステムがそれ足るために、継続的な魅力を提供出来ることが重要となる。すなわち、ユーザーを再びそのエンターテインメントシステムに誘うような何らかの魅力が必要なのである。そのために、ハードウェア的にユーザーへの適切な配慮を行うことは必至であるし、それ以上にユーザーの特性を考慮したような設計が求められる。しかしながら、遊びの成立の六要素の話に関連するが、エンターテインメントとしてユーザーに楽しさを与えるというコアの部分を満たすことが何よりも必要だと考えられる。他の利益に強く結びつけられていたり、ユーザーの現実を踏みにじる様なエンターテインメントはもはやその目的を果たさない。例えば、非生産性に近い話だが、かつてのNitendo DSや今日のスマートフォンで流行っている何らかの学習効果を狙ったようなゲームやアプリケーションといった目的性、長時間の連続のプレイをユーザーに強要するようなゲームははたして面白いゲームと呼べるのだろうかといった批判がある。エンターテインメントシステムは面白さを追求しながらも、その本質に反さないことが重要だと考えられる。
第三に、講義はエンターテインメントシステムのデザインについて触れた。エンターテイメントシステムを設計するための一つの思想として、ペルソナというものがある。ペルソナとはつまり人格である。個人がどのような性質を持っているのか、何歳くらいなのか、どのような性であるか、などの要素が含まれうる。しかし、その個々のペルソナへの分析だけでは、実際にシステムを設計するにあたって、大きな不都合に直面することになる。すなわち、特殊性をどの程度まで追求するべきかという問題である。特定の深く分析されたペルソナに従ったデザインを行うことによって、特定のユーザーの満足度は上昇するかもしれないが、他のユーザーは排他される可能性は高い。逆に、大きすぎるペルソナは、ターゲットを絞ることが出来ないがために、ユーザーの心をつかむことが出来ない。すなわち、特殊性と一般性の均衡点を発見するために、単体の固定されたペルソナでは不十分であるということである。
このジレンマを解消するために、動的複合ペルソナの概念が提唱された。動的複合ペルソナは、ユーザーが新しい経験や体験によってそのペルソナが変化すること(動的であること)また、ユーザーが多くの場合に単一ではないと想定すること(複合的であること)の二つの特色を有する。
まず、動的ペルソナは、提供出来るサービスの質を保ちながらも、特定のユーザー、例えばアクティブではないユーザーなどを排他しないような非限定的なシステムを構築することに与する。動的なペルソナは、経験を通して絶えず変化することを示しているが、その経験というのは、一般的経験というよりは、エンターテイメントシステムとの関わりの中で生じるような体験を指すものである。ユーザーはシステムの要素との交流のなかで、一種の耐性のようなものを身につけていく。それは、単に刺激に慣れるということに限らず、コツやシステムの概念を理解したりといったことまで包括的に考慮する。このような経験を組み入れたシステム設計を行うことにより、ユーザーとエンターテインメントシステムとの間のハードルを大きく下げてくれるのである。
一方、複合的ペルソナによって、より現実に即した設計が可能になる。私たちは社会的存在であり、他者との関係を切り離して考えることはできない。実際問題、多くの時間を他者と共有している。だからこそ、エンターテインメントシステムはそれに呼応するような設計を構築することによって、その目的をより良く達成できると考えられる。たとえば、女子高生の一団だったり、男兄弟だったり、人々は余暇を親しい他人と過ごしており、そのような集団が、エンターテインメントシステムと関わりを実際に持っていることは、ゲームセンターやテーマパークなどに行けば、体感的に理解できるだろう。
第四に、次世代のゲーム(スポーツ)に関する内容を講義では取り扱った。特に、次世代のスポーツを企画してみるという課題があり、それは上記のエンターテインメントシステムのデザインなどと大きく関連するものであった。そもそも、次世代スポーツというのは、最先端のテクノロジーや、柔軟な発想をスポーツに取り入れることによって、新たなスポーツを生み出そうというプロジェクトであり、その企画書をプレゼンするという内容だった。プレゼンでは、実現可能性や、ペルソナを考慮した価格設定、遊びとして成立するのか、といった観点から様々な議論がされた。特に印象的だったのは、脳外科手術を受けて、仮想世界でダイビングをするという企画に白井先生が「本当にそれをあなたはやりたいですか?私は脳外科手術を受けてまでこれをしたいとは思わない」とコメントしたのが、痛烈ながらも、エンターテインメントに対してどのような価値、考えを持っているかを端的に示しているように感じた。
最後に、様々な新技術に関してである。エンターテインメントシステムに用いられている技術の殆どは、いわゆる”枯れた技術”で構成されているとしながらも、やはり、新技術をシステムに取り入れることは、将来的に必要なことだと思われる。講義の中では、今年、神戸で開催された、SIGGRAPH ASIAでの展示に関して紹介がされた。UT-HEARTといったような学術的な展示から、アート系の展示、また、現実世界で応用ができそうな技術や、Live 2Dといった非常にユニークかつ高いテクノロジーが求められるような展示があった。また、DCEXPO2015でも様々なテクノロジーが紹介されていた。こちらでは、特にデジタルコンテンツに関する展示が多く、特に3D関連技術のものはめざましい進化を感じさせるものが多かった。これら展示された技術を、単なるイロモノで終わらせるのでなく、一般ユーザーが気軽に利用できるように普及させていくことが強く求められる。

この講義はどのような利益をもたらしたのか?

この講義が私にもたらした利益は、遊びやゲームといった行為の本質に迫ることができたこと、最先端の科学とその実際的応用に関する知見を専門的立場からの意見を含めて知ることができたこと、そして私のライフスタイルに影響を与えたことの三つである。
はじめに、この講義は遊びやエンターテインメントシステムといった、普段あまり真面目に考えられることが少ない分野に関して、深く考える機会を提供してくれた。ゲームという言葉は、一種のスティグマ(汚名)を不当に被り続けており、一方的に、考えるに値しない些細なもの、あるいは、人間に害をもたらすものであるかのように語られてきた。しかしながら、前項で示したように、遊びは人間の根源的な活動であり、それは人間存在と切り離すことはできない。そのような前提の元で、深くゲームや遊びについて考えることができたというのは貴重な経験であり、また、それは、エンターテインメントシステムの溢れる現代というコンテクストにおいて特に重要な意味を持つものであると考えられる。
つぎに、コンピューターゲームの講義は、最先端のテクノロジーに関する知見を与えてくれたと思う。それらテクノロジーは、枯れた技術の組み合わせに過ぎないかもしれないが、それでもなお、ありふれた存在とは一線を画すような生きたテクノロジーである。鮮度の高いテクノロジーを開発者やテクノロジーのバックグラウンドとともに理解できるような機会を得ることができたのは非常に幸福な経験だったと思う。たとえば、UT-Heartの例では、開発者の瀬尾氏のバックグラウンドに関する秘蔵のインタビューとともに、その技術の有効性を知ることができた。このような見識に触れることができたことは、なんらIT関連に限ったことでなく、広く応用していくことが可能なのではないかと思った。
最後に、(これはおまけ程度の話だが、)講義で取り扱った内容が私の生活様式に何らかの変化をもたらした。講義の中ほどで紹介されたARゲーム”Ingress”が予想以上に面白かったということであり、そのプレイが私の日常の一部に組み込まれたということである。その存在自体は、この講義以前から認識していたが、ハードルが高そう似見えたのと、その面白さがいまいち理解できていなかったために、それをプレイすることはなかった。しかし、白井先生のデモに影響されて、プレイを始めたところ、その面白さに一種の衝撃を受けた。それ以降、私はこのアプリケーションを一日に少なくとも五回は起動しているだろう。これは利益であるかは、現状では判断できないが、少なくとも短期的な満足感と言ったようなものを得ることはできたのは事実である。

この講義でどのような発見があったか?

自身の考えていたいわゆる”ゲーム”と”遊び”の間の乖離、ユーザー指向のシステム設計の応用可能性、また、それに関連して、ペルソナの学問領域における類似性を発見した。
まず、この講義を通して、自分の考えていた”ゲーム”と”遊び”の間に大きな乖離がある事に気づいた。私の中でのゲームというものの理解は経済学におけるゲーム理論におけるゲームの定義に近いものだったと思う。すなわち、複数のプレイヤーがなんらかの利益を巡って争うような構造一般をゲームだというように理解していた。それに対して、講義で扱ったゲームすなわち、余暇としての、遊びとしてのゲームはそれよりも範囲が狭いものでありながら、一般的にゲームと考えられるものの枠を越えた範囲まで触れるものであったと思う。たとえば、自販機の設計などは好例だろう。このようなエンターテインメントとしてのゲーム定義は非常に斬新であり、自己の理解と大きく異なっていることに驚いた。
つぎに、エンターテインメントシステムのデザインについての説明は広く用いることができるのではないかと思った。ペルソナやユーザーから何が見えるべきで何が見えないべきかといったような話全般は、なんらエンターテインメントシステムのデザインに限った話ではなく、近いところでは、授業で触れていたようなウェブページのデザイン、遠いところでは、建築やインダストリアルデザインについても広く応用可能であるように思われた。これらもまた、エンターテインメントシステムと呼ぶことも可能かもしれないが、いずれにせよ、ゲームの設計理論というものが、特定の分野にしか通用しないような極めて特殊なものではなく、むしろ、他の分野においてその理論の有効性がより一層担保されるのではないかと感じた。
そのようなユーザー指向のデザインに関して、動的複合ペルソナの説明があったが、これは政治哲学におけるペルソナの説明と似ていることを見つけた。ホッブズは著書リバイアサンにおいて、社会契約を遂行するため、人々は仮の人格=ペルソナを形成するという演繹を行った。この人格は個々の詳細な人格ではなく、自己保存という目的達成のために形作られた概念上の人格であるが、このような仮想の人格を用いて思考を進めるという手段は方法論的に、動的複合ペルソナの概括的決定と類推が可能ではないかと思った。すなわち、ある種の実在するかどうか不明なペルソナを想定することによって、逆説的に、実在する人間の要求を満たす設計が可能になるということは、学問領域にかかわらず、広く認められるということを示しているのである。

この講義はどうして後輩におすすめできるのか?

この講義は情報科学メジャーの生徒に限らず、どのような生徒にもおすすめできる講義であると思う。特に社会科学や人文科学を専攻している生徒にも積極的に取って欲しい講義である。なぜそう言えるのかを、どのような講義がICUの生徒にとって望ましいのか、また、どうして情報科学メジャーの学生および他の分野を専攻している学生に勧めることができるかに分けて述べたい。
まず、どのような講義が好ましい、すなわち、勧めるに値するかという話をしたい。ICUは全人的教育をその目標に掲げる大学であり、入学者の多くは、その目標に少なからず共感し、自身の学習においても分野に依らない学習をしたいと思っているだろうと考えられる。その目標を達成するために、講義として行うべきなのは、その分野の基礎的知識の習得、実践知の獲得、そして、他分野との有機的連携のなかで生じる新たな発見の提供に分けられるだろう。特に300番台(メジャー領域)の講義は、基礎的な情報科学の分野の知識や技術を提供するためのものではない。むしろ、得た知識をどのように実践的に用いるか、あるいは、他の分野と対象の分野を結びつけるかを分析するような内容であるべきである。これら後者二つを提供することによって、学生個々人はそれぞれの学習を深めることが可能であるからこそ、逆に、そのような講義は勧めるに値すると言えるのである。
第一になぜ情報科学メジャーの学生に勧めることができるのかを説明したい。この場合、どうして、コンピュータゲームの講義が進めるに値するかは非常に容易に説明することができる。先に述べたように、300番台の講義として求められる要素二つを満たすからである。コンピュータゲームの授業では、他のクラスで身につけたような基礎的な知識や技術を一つのゲームという作品の制作によって、応用する課程を学ぶことができるのである。また、授業の紹介の部分で述べたように、どうしてこの授業はエンターテインメント、遊び、ゲームといったような存在や行為の本質に迫るものであり、それを追求するために、人文的アプローチは必要不可欠であり、実際に、そのような内容は十分に提供されたと考えられる。よって、これら二つの要素を提供出来るということが認められるので、このような情報科学メジャーの学生にとって、この講義は履修する価値は必要十分だと考えることができる。
第二になぜ社会科学、あるいは、人文科学の分野を専攻する学生に勧めることができるのかを考えたい。この論は非常にトリッキーな説明を要する。なぜならば、情報科学メジャーの学生と異なり、彼らは、情報科学の基礎知識を有しないし、そのゴールも幾分か異なるものであるからである。しかし、このような、いわゆる”文系”の学生にも勧めることができるというのは、授業に求められる理想の三番目から逆説的な演繹を行うことが可能だからである。このような学生は、基礎的な知識は欠如しているが、専攻分野などに関しては、ある程度の知識を有しており、エンターテインメントや遊びといったものへの理解を深めることが可能である。そのようなものへの理解は、エンターテインメントシステムを考えるための核心であるからこそ、その理解はそれ全体への理解の意欲を大きく向上させるに足るのである。というのも、遊びなどの概念を深く分析しようとすることによって、そこから派生する枝葉の部分に触れる必要性を強く感じさせるからである。それによって、情報科学の学生が学ぶのとは逆の方向から学習を進めることが可能になるのである。
では、なぜこれらのメカニズムが生徒にとって効用があると言えるのだろうか。もし前パラグラフで説明したような仕組みによって、生徒が逆方向の学習を十分に行ったとする。この場合。自身の研究と他分野の研究を組み合わせるという目標は達成される。たとえ生徒が、基礎的な知識や研究にまでたどり着くことがないとしても、少なくとも、実践的・発展的内容を自身の既に持っている知と組み合わせることで、あらたな知の連携を形成することが可能だからである。これは、全人的な教育という規範を満たすものである。また、ある程度の基礎知識が欠落しているにせよ、どのような技術が実際に応用されてきたのかといったよう内容を学習することは可能である。また、もし、それ以上の発展的な学習を行うとすれば、この授業は基礎知識の習得や、その応用について学習するための力強いインセンティブを学生に与えたということが結論づけられる。これらは、講義として求められる理想の一番目あるいは二番目を満たすものである。よって、これらの生徒にとってもこのコンピュータゲーム授業は勧めるに値するのだと結論づけられる。


学生自身に「講義の面白さ」をシェアさせてみる

今回、リベラルアーツ&アクティブラーニング比率を高めに設定した。確認として、学生自身の理解を反芻させるために「講義の面白さ」を、ほかのICU学生をペルソナとして設定して作文させた。一部、共有許可を得られたものだけ紹介する。

今学期面白い授業があったので、ICUの皆さんにシェアします。

ComputerGameという情報科学の授業なのですが、タイトルだけだとGameを作るのかなと思うかもしてません。「ゲームに興味ないから、いいや。」と思わずに、ぜひ最後まで目を通してください。
この授業を一言で言うなら、現代のエンターテインメントや、ビジネスをゲームという視点から学ぶ授業です。具体的にどんなことを学んだのか書きます。
まず最初の授業は、最も印象的でしたが、ゲームを遊びの1形態と考え、そもそも遊びがなぜ必要なのかを考えるものでした。前提に対して、批判的に思考することからスタートするのはなんともICUらしい授業でした。ゲームの話をするのかと思いきや、遊びという文化について議論し、遊びはなんで人間にとって必要なのかということに思いを巡らしました。
次に授業では、遊びにどんな要素があるのか、その要素を分類していきます。遊びの6要素というものですが、その要素を使って既存のゲームを説明したり、現代の「遊び」の問題にも話はおよんでいきます。他にも、社会科学的な観点から、さまざまな遊びの理論についても学びます。
ここまできてもまったくコンピューターの要素が出てこないですが、講義は徐々に現代のエンターテインメントシステムに話がうつっていきます。そして、ついには自分たちでエンターテインメントシステムを作る課題が課されます。超人スポーツ(http://superhuman-sports.org)というものを参考に自分でゲーム・スポーツを考案するのは、正直骨が折れましたがいい経験になりました。自分で何かを自由に作り上げる機会は、一般的な大学の講義にはあまり多くない、とても貴重なものです。しかも、特別なプログラミングスキルも必要ありません。情報科学の授業と聞くと敷き居が高く思うかもしれませんが、怖じ気づかないでぜひこの授業を履修してみてください。
そして、僕がこの授業で学んだもっと価値のあることは、既存のヒットゲームや、エンターテインメントシステムについて議論したことです。なぜ、今特定のゲームがヒットしてるのか。電車という、インフラに使われているITのどこを改良できるのか。そんなことを議論してきたことが、僕にはとても刺激的でしたし、今後の自分のキャリアにとても関連していたこともあります。なにより、問題解決を試みることは、どんな行為よりも知的好奇心が満たされるものだと思っています。自分で最先端技術をどんな風に応用できるのか考えることもしました。僕はMulti Plexという、多重化した視覚的な情報を一つの画面に映し出す技術を観光業に使えないか考えました。
この授業はいろんな人におすすめできます。情報科学に興味がある人はもちろんですが、経営を学んでいる人には、ヒット作品や最先端のITについての知見が広がりますし、ゲーム大好きな人も今まで自分がただ純粋に楽しんできたものを学問的な見地から考えられる貴重な機会になります。ぜひ来年もこの授業が開講されるならぜひ受講してみてください。

後輩へのすすめ

最後にこの講義のアピールポイントを紹介する。
まず、学生参加の機会が多い。講義の形式は、先生が黒板の前に立ち学生が机に向かうというような通常のものとは異なり、先生と学生が輪になって座り、先生が講義をしている間も自由に意見を言ったり、それに対してまた別の学生が意見を言ったりしていた。とても自由な雰囲気があり、他の学生の意見が聞けるのは大いに刺激になった。講義の内容も、学生の積極的な参加が求められるような内容で面白かった。例えば、身の回りのエンターテインメントシステムにはどんなものがあるかとか、駅の自動販売機に欠けているものは何か、あるいはそれをエンターテインなものにするにはどうしてら良いかなど、学生にその場で考えさせ議論させるような、次世代的でオープンな場が設けられていた。その他にも、人狼をリアルRPG的に即興でやってみたり、ingressや2048などのゲームを授業中にやったり、普通の授業では無いような面白い学び方だと思った。
毎週出される課題についてもオープンな雰囲気があった。各自がやってきた課題はfacebook上でシェアされ、閲覧したりコメントしたりすることができる。また、課題は次回の講義中に発表することになっていて、先生からアドバイスを頂いたり、意見を交換しあったりする。
この講義は情報科学メジャーの学生だけでなく、様々な分野あるいは学年層からの学生が履修できるように、プログラミングスキルを必須としないなどの配慮があり、実際に哲学や言語学などの他分野メジャーの学生が履修していた。このことは、ICUの教育理念であるリベラルアーツに適ったスタイルであり、「遊び」やゲームに関心がある学生はぜひ履修することをオススメする。


以下、学生視点でのおすすめ作文より

「自分が当たり前と思っているものごと当たり前ではないとしれる、情報科学開講の唯一の授業だよ。情報科学開講というホーム側の講義で、非情報系の人間の考えが知れるのはとても有意義だと思う。確か、文系メジャーの講義を取ることでも非情報系の人間の話は聞くことは出来る。しかし、アウェイ側にいるのと、自分がホーム側にいるのとではやはり受け取れるモノが違う。アウェイにいると、つい気張ってしまうし。ホーム側に、非情報系の人間の人間を眺めることが出来る珍しいチャンスだと僕は思う。」

昔気質の教授の一方通行の授業ではなく、もっとインタラクティブな授業なので、気負わずに参加するといいと思う。固定概念を捨てて新しい物に触れる喜びを見つけるとより楽しめる。近い趣味を持った人と議論できる場なのでより白熱するかも。

 

この講義を通して、新しい技術や企画に触れられたこと、人を楽しませるには結構な苦労がいると気が付いたことが大きな収穫でした。企画を考え、まとめる体験もできました。この体験は社会人になって仕事をする際にも企画を考え、プレゼンすることに生きたいと思います。
授業中も会話があったり、実演が多かったりととても良い授業です。先生もとても楽しい方で、生徒との距離が近く、間違いなく面白い授業です。みなさんも是非とってみることをおすすめします。

私はこの授業全体を通して人の楽しませ方について考えることができました。技術力以上にアイディアや創造性の大切さを感じ、今後の教訓にしたいと思いました。当初はコースタイトルから、ゲームに関しての技術的な話が多くなると予想していましたが、そんな枠には収まらないほどの範囲から講義が行われました。情報科学メジャーではなくとも十分に理解できる内容なので、エンターテイメントに興味がある人でしたら取ってみることを強くおすすめします。

私がこの授業で得た物の中一番重要なものはここまで書いてきたようなことではく、講師が私の就職相談に乗ってくださり、今後の指針を示して頂いたことである。講師はコンピューター・ゲームという授業を開講していることからも分かるとおり、ゲームをはじめとしたデジタルエンタテイメントの専門家であり、ゲーム業界へ就職を志望する私が目標の為にべきことは何か、そのためどような点を直さなければいのかといった事を教えてくださった。以上 触れてきたように、この授業は私とって非常有益なものであり、それゆえ後輩の方々にも受講を勧めるものである。受講にあたって勧めておきたいことは、講師出来るだけコミュニケーションを取ることである。この授業ではFacebookグループを使って情報伝達が行われるので、コミュニケーションが容易である。私の就職相談ようなものも、授業課題流れから生じたものである。このような機会を自分以外の方々にコミュニケーションの中で見出して欲しいと思っている。

 

この講義はまずエンタテイメントについての認識の確認から始まり、身近なビデオゲーム等をテーマにした議論があり、そこからまた視野を広げて先端技術を使ったエンタテインメントの可能性についてといったような流れがあったように思える。また講義を進めていくに当たって学生と教授の距離は近く双方向なやり取りが常だったといえる。課題等に関しても情報系でない学生や、日本語を母語としない学生への配慮があるのでデジタルエンタテインメントに少しでも興味があるのであれば300番台だからと臆することなく取ってみるのも悪くないだろう。

受講生には留学生や非日本語圏の学生も存在するので紹介

Computer game class Introduction for English speaker

In this lecture, you will learn about what is being defined as fun, game, and entertainment system. The concept of creating entertaining and meaning game for other people to enjoy and play will also be discussed throughout the lecture. The lecture is not mainly focus on the actual design of the game itself, rather it’s a course that sparks student’s interest in designing fun and creative proposal for possible game ideas and discusses about many interesting technology news in the entertainment industry today.

The professor is a very knowledgeable person with many experiences in designing some break-through technology, and one will learn a lot from just simply listening to the lecture and having interaction with him. The textbook has many useful information and many interesting ideas that are very intriguing but most people would see them as something normal, which gave me quite a few changes in my thinking about the game design process.

For this class, there’s not that much to prepare for it, but definitely enjoy the lecture, join the discussion, and enjoy the time in the class. The homework isn’t time-consuming, if you think about the homework topic everyday, and then spend a day working on it, you will definitely get a very satisfying result. Also reading about the entertainment world news will also help too. If any questions related to the gaming design, or any interesting news about some cool technology, feel free to let the professor know and have a great discussion with him.

I’ve learned a lot in this class, even though it’s all taught in Japanese, I still really enjoyed it. I learned a lot about the newest technology, and some of the issues that can happen or some possible solution for better technology in Japan. Also, for me, I see a lot of different way of thinking in this class. Everyone has different background and a lot of the proposal is really interesting and really out-of-the-box compared to what I was thinking.

For English speaker taking this class, it’s definitely worth it. It’s fun, creative, and a cool class to take a break and not get too frustrated with other classwork. The professor is very nice, such that he will sometimes stop and explain things in English for me and try to get me into the discussion. But I still strongly recommended that taking this class with some level of Japanese, for me it was two years of Japanese, will be a lot more helpful. Listening isn’t very difficult, and it will definitely be a good practice, it’s worth the time spent in the classroom. Also you get to see the real Japanese discussion if you aren’t taking other Japanese lectured class. So don’t be afraid to take this class, and really do enjoy the time you have in this class.

まとめとふりかえり

秋学期で9回程度の講義で、広範な内容を扱うことは難しいが、それでもICUの幅広い学生の興味に対して、そこそこにスピード感をもって知を共有することができたと考えている。毎回の講義後、自主的に質問してくる学生も多く、19時の講義終了後、最大2時間程度のオフィスアワーを設けて、深く相談に乗ることもできた。

個別に紹介したい学生もたくさんいる。
非常勤という立場だからこそ見えてくることもあり、私自身勉強になることが多かった。

彼らの才能が開花し、世の中に良い意味で「おもしろくする」こと、
社会に対して大きな影響を与えてくれることを期待している。

それこそが、この講義の意義であろう。

本当に、ありがとうございました。

みなさんのご活躍をお祈りしております。

レポートがどうしても書けない病気の学生におくるメール

いろんな大学(いろんな国)のいろんな学生に講義や演習をしていますが、「どうしてもレポートが書けない」という学生さんにあたることは、受験難度には直接関係なく多くあります。

いわゆる「レポートが出せない病」です。

昔からそういう学生は存在したし、思い返せば私もそうだったのですが。

決して頭ごなしに怒鳴りつけてはいけないとおもいますし、理由も聞かずに「受け取らない!」という巌とした事務的な態度や、「こんな締め切りも守れないようではこの業界では生きていけないよ!」という態度も大事かとは思いますが、実はその学生も「なんだキミ、書ければ意外と面白いじゃないか。時間に間に合っていればもっと評価高いのに惜しいね!」と言われて図に乗れば、その学生の才能が目覚めるかもしれません。それが私です。

つまりこれは教育機会だとおもいます。パワーで斬首刑をお伝えするだけでは教育機会の損失です。

さて、先天的な障害を疑う前に、まずは「レポートが出せないのですが…」という学生さんに向けた私のお伝えしたいことを引用しておきます。

(これは2年生の必修の演習だったという想定です)

学生のメール「レポート遅れてすみません。もうちょっと待ってもらえませんか?」

レポートの提出が何らかの難がありできないのであれば、締め切りを過ぎる前に、まずは担当の先生に連絡や相談をするべきではないでしょうか。
何から手を付けたらよいのかわからない、何をクリアすればよいのか明確でない、難しい、といった課題であったとしても、連絡なしに遅れ提出をしたり、連絡なしに未提出となるのは、お互いにとって不利益ではありませんか?
仮に「気持ちが乗らない」だったとしても、時間の無駄をしてほしいわけではありません。「考え方をこう変えるといいよ!」という一言は、実は講義の中でも言っていたかもしれませんし、質問したり、研究室に聞きに行けばいいかもしれません。

「ちょっと待ってもらえませんか?」は聞きませんよ。

先生方も長年、学生を見ていますので、
「納得ができない」「うまく書けない」「バイトがあり時間が割けなかった」
「簡単だと思ったが実は難しかった」「なんだかよくわからないが書けない」
などありとあらゆる理由や難儀があることはわかっています。
延長するといっても、何時まで待てばよいのでしょうか?
それを今、君が云うことができるなら、もうとっくに終わっているのではないでしょうか?

この演習は「必修」です。
持って生まれた特殊な才能が必要というわけではなく、
手順通り話を聞いて手を動かせば、誰もが跳べるハードルを設定しています。
それが必修のユニット教育であり、下の学年から積み上げで、段々高くなっていき、いずれは卒業研究のような、何十ページ、何百ページといった著作になっていきます。

時間内に出せないということは、その方法が間違っていたか、その演習を邪魔する何かがあったということです。
ですから、まずは時間内に出せなかった理由を自分なりに分析してみてください。
難しいことを書く必要はありません。何がやれて、何ができないのか?
キミにとって何が難しいのかは先生は全く分からないのですから!
それを丁寧にメールなりレポートの表紙なり考察なりに加えるか。
いかなる方法でもいいから伝えてみてください。わかりやすく。
先生が受理して採点するかどうかはそれを読んで判断すると思います。

がんばってください。 白井暁彦

実際の作文はもうちょっと箇条書きだったり事務的だったりするのですが、一度の躓きをバネに伸びることができるのも若さなので、先生方も血圧上げずにがんばってください。

☆がんばる=基本的なことを丁寧にやること(白井の定義)

「就活終了宣言届」とホウレンソウ

ブログのアクセスログを見ていると,このところ2014年5月23日のエントリ「最終面接以降の心得」が人気なようです,

最終面接以降の心得

2016年3月卒の学生も8月1日という「大手採用解禁日」を超え、いろいろと動きが出てきています.
昨年のエントリで書いたことを修正する必要はないと思うので,まずは一読お願いしますが,指導教員や意識高い学生向けに以下書き残しておこうと思います.

内定をもらったら「進路内定届」を大学に提出しよう

企業が内定を学生に出したら届ける通知,ではありません.
つまり「就活終了宣言届」に当たるものを提出してすっきりとお盆休みを迎えましょう,という話です.

この時期の学生には特に,「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を丁寧に,綿密に学びましょう.

・まずは卒研担当教員に「報告」
 就職が決まっても卒業が決まらないということがないように….
この届けを出した後に「ヤミ就活」をしないか?意思を確認してください.

・内定先に不安がないか?「相談」
実家に帰って親御さんに反対されて内定辞退,ということもあります.
先生方にきちんと説明できることがまずは大事と思います.

・就職事務室に「連絡」,選考中の企業にもご挨拶を
企業からのメールへの無視など,不義を働くと
現在,同期の就活中の学生や後輩に影響があります.
「このたびはご縁がなく」という丁寧なあいさつをご指導お願いいたします.
リクナビ等のサイトの個人情報の扱いも確認し,各情報サイトにおいて就活終了処理を実施しましょう.
けっこう,延々と学籍番号メール宛にスカウトメールとか届き続けるんですよね…サーバ管理者さんお疲れ様です.

以上,去年のエントリへの補足でした.

Have a nice job and summer holiday!

 

チームラボの高須さんからシンガポールのSTEM教育について学ぶ

<↑ご本人からいただいたYouTubeリンク>
「7/27 ファブラボ関内にて、シンガポールのSTEM教育について具体的な話をシェアしたい」というタイトルで、最近あまりり日本にいないチームラボの高須正和さんからfacebookイベントのお誘いを受けた。
開催案内から
7月27日(月)19時〜@ファブラボ関内(さくらWORKS<関内>)
ゲスト:高須正和さん
無駄に元気な、チームラボMake部の発起人。チームラボ/ニコニコ学会β/ニコニコ技術部などで活動をしています。日本のDIYカルチャーを海外に伝える『ニコ技輸出プロジェクト』を行っています。日本と世界のMakerムーブメントをつなげることに関心があります。現在シンガポール在住。MakerFaire 深圳(中国)、Mini MakerFaire シンガポールの実行委員。
※STEM教育とは、サイエンス(science)、テクノロジー(technology)、エンジニアリング(engineering)、数学(math)に重点を置いた教育のこと。
<高須正和さんからのメッセージ>
パスポート保持者330万、160万人の期限付きビザと52万人の無期限ビザの外国人入れて550万の小国家シンガポールでは、国民の能力を可能な限り引き出さないと国ごと沈むため、投資として教育に大量のリソースが投下されている。
能力主義(メリトクラシー)は、シンガポールの大きな旗印であり、学生も先生も教育プログラムそのものも常に評価され、最適化を繰り返している。「結果で判断される」のはシンガポールの教育の大きな特徴である。
STEMについて、シンガポールではサイエンスセンターが中心となって、退職後のエンジニアなどを中心に300以上のクラスを開設し、学生は通常の教育とどちらでも学べるようになっている。教育省が両方を統括し、「STEMはどの層にどのように利くのか」(ダメな学生を再生させるのか、TOPをさらに伸ばすのか、それともまた別の層に利くのか)を実績をベースに評価している。
OECDが発表している「15歳の時点での国際学力比較ランキング」(最新調査は2012年)だと、シンガポールは
数学:2位、読解力:3位、科学:3位
と、上海や香港とトップを争っている。ベースになる人口がまったくちがう(上海には、12億の中国人から優秀な人が集まるが、シンガポールは全人口だ)ことを考えると、「とてもうまくやっている」国だと思われる。
このランキングは、首相の演説でたびたび引用されるぐらい、シンガポールの教育関係者は気にしている。
すぐ隣のマレーシア(50位ぐらい)やインドネシア(60位ぐらい)とはまったく違う。
1965年の時点では同じ国だったマレーシアと、ここまで差がついたわけだ。
ここに日本語のリンクあります
ちなみに、日本は
数学:7位、読解力:4位、科学:4位
で、シンガポールと同じく、悪くない。
いっぽうSTEM発祥の地アメリカは
数学:36位、読解力:24位、科学:28位
と、シンガポールや日本には遠く及ばない。
MakerFaireの創始者デール・ダハティは、様々なプレゼンで「1970年代ぐらいから、アメリカだと技術系の話よりもマネージメント系、MBAとかが中心になってしまった。科学教育やりなおさないとならない、だからメイカーフェア」と語っている。アメリカがSTEMにパワーを入れだしてから、大きい国がきちんと動いて、子供たちの数学力が上がってくるまでには、まだ数年かかるのだろう。
(大学になると、アメリカの大学には世界中のトップが集まるから、このランキングは意味がなくなる)
ところが、なんとなく僕の周りでは、アメリカの話はよくきくけど、シンガポールの教育の話はあんまり聞かない。
・アメリカの教育は進んでいるが、日本の教育は遅れている
的な話を、「そういう教育をするはっきりとした根拠」みたいなものが示されないまま、もともとサイエンスや数学専攻でなかったり、教育の専門家でない人がしているように見える。
なんであれSTEMが流行った方がいい気がするので、どんなお題目でも推進した方がいい気がするけど、学ぶなら日本より成績のいい国のやりかたも見たほうがいいように思う。
そして、シンガポールでは「理論でなくて、実際にうまくいくかどうかで判断しよう」という国是のもと、もともと教育が大好きな人たちがSTEMについて実測しながら取り組んでいる。
僕は教育の専門家でもなければ数学の成績がよかったわけでもないから、この分野で自分の考えに価値があるとは思わない。でも、STEM教育の中心地サイエンスセンターシンガポールはメイカーフェアシンガポールの実行母体なので、シンガポールでSTEMに取り組む多くの同僚がいる。この、Maker Faire Singapore team2015に載っている人は、僕とインターンのミナキシ以外はほぼSTEMの専門家である
彼らの活動と、シンガポールの教育について紹介したい。
シェアしたいのは、たとえばこういうものである。シンガポールの学校はシンガポール人と永住者の子供しかいない(日本人の子供は私立日本人スクールに行っている。別にガイジンも通えるのだけど、自分の国に帰るつもりの人たちは、他国の教育プログラムに子供を通わせない)ので、シンガポールには3万人ぐらい日本人が住んでいるけど、あまり世の中に出ていない情報なんじゃないかと思う。
<実施概要>
日時:7月27日(月)19:00- スタート
場所:ファブラボ関内(さくらWORKS<関内>)
主催:ファブラボ関内/NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ
参加費:1000円(学生500円)
コメンテーター:会津泉さん(ハイパーネットワーク社会研究所)、大和田健一さん(ファブラボ関内・日本Androidの会 横浜支部代表)、濱中直樹さん(ファブラボ関内/ファブボット 「かんなちゃん」 をつくろう!・at.Fab主宰)ほか
<開始30分ぐらいから参戦>
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ヴィヴィアン大臣・新しいABC

Art = ココロにグッと来るものをきちんと考え、
Build = ないものをゼロからつくり、
Communication = 言葉にしづらいもののよさをきちんと伝えること
中学校のSTEM教科書
全部Google Sitesになっている
★URL公開許可いただきました(2018/8/12)
原理的なことから教える。たとえばキット組み立てて終わるのではなく,「抵抗」が出てきたら「抵抗とは何なのか?」「どういう構造なのか?」「何に使われるのか?」「いくらなのか?」など。
中学校の写真。40名ぐらいの生徒に先生が3人。先生がテンション高い。
部品の値段なども教えている。
ティーチングアシスタントはものづくりのOBと思われる。
適正が重要で、アシスタントと先生の給与も差がないようだ。これを中学でやる計画。
これを教育が進めているのではなくて、シンガポールの科学未来館が進めている。
 
STEM.INCというグループ中心になって進めている。
MakerカルチャーがどうやってSTEM教育に関係があるのかの講演。
高須さんが日本語字幕つけているので絶対参照したほうがいいです。ここで読むのをやめてまずビデオみましょう!
YouTube Preview Image
「どうやって習う」のではなく「どうやって参加させる」をサポートしている。
Makerカルチャー行動、自分から学ぶ、勝手にやる、コピー、シェア、再利用が大好きである。
自分たちのアイディアだけで何をするかのアイディアを出すのは難しい。
シンガポールで重要な12のエンジニア領域を選びその産業が必要とするところから学んでいる。
科学・数学・技術・工学で教えていたことと、教えるべきだったこと、基本的な電子回路設計の考え方、Arduinoなど。
たとえば、心拍センサ。心臓の仕組みをみて、「心拍とは何か」を考える。
Arduinoが何かを知り、LEDを光らせる。心拍センサの実機をみて、それから数学のグラフを見てどのようなアルゴリズムで心拍を拾うのか。動作を確認するためにオシロスコープを見る。16際になる25のセンサーを用いて体全体を図るようなプログラムがある。
産業界からのSTEMパートナー。スポンサーシップや、サイエンスセンターと一緒になってコンテストの運営やプロジェクトの大規模化をしている。
結果として「科学技術を楽しんだか」、「科学技術的に問題解決をしたか」といった科学者としての素養が各項目15%あがっている。平均満足度で。科学者やエンジニアがどういうものか、そういう仕事につきたいという医師も上がっている。自主的なSTEM取り組みもあがっている。
3年ぐらいでゼロからここまできているらしい。
・OECD2012 PISA学力到達度国際比較ランキング
数学、読解力、科学において、上海、香港シンガポールがトップ3にあるが、日本は7位ない、アメリカは(STEM発祥の地なのに)24位以下。
シンガポールでは、もともと勉強をすきで楽しんでいた人たちが教育に取り組み、「ちゃんと勉強すると」
XX主義を配して「うまくいっているかどうか」で考える。
・サイエンスフェアやばかった
学生が自力でエントリーしてポスター発表する。
たとえば「ドリアンを焦がすとできる炭をつかって水をきれいにする研究」。
preliminary studyがちゃんとしている。
「人間のように歌うソフトウェアをつくりたい」英語と中国語の初音ミクを作りたいらしい。
これが14~16才なんだそうです。
学校がつまんなくなるレベルの子供たちで、この子達は将来NUSではなくMITとかいってしまうだろうね、という話。
シンガポールの詰め込み教育は世界的にも有名で、日本人は3万人住んでいるが、ほとんどは日本人学校。
体罰もある。宿題をやってこないひととか、ルールがあるようだ。何がいいことで悪いことなのかをしつけないのは社会の悪。
大人になってもできない子は別のコースへ。
質疑応答パートは動画にて公開予定です、しばし待たれよ。
自分たちの武器は何だろう。

【その後,高須さんによるまとめ】

 

【関連つぶやき】

「日本人,もっと競い合え,勉強しろ!」ってのが高須さんの言いたかったことの中央にあったように感じる.

ハッシュ #SGSTEM をつけてね,というのを見ていなかったごめん.