修理しても直るものと直らないものがある

お気に入りのiPhone5S SIM Freeを修理に出したら傷ついた。 そもそも今回のiPhone5s修理は、下の画像にあるようなカメラの斑点を修理していただきたいという点が理由だった。 [caption id=”” align=”alignnone” width=”600”] 「伝えること」のあたりや右側の一部に斑点がある。レンズ内のホコリ侵入、CCD焼けか、フィルタの変質といったタイプの問題で、カメラやならオーバーホール清掃もしくは部品交換で済みそうな状況。[/caption] 取材や発信活動のメインカメラとしてiPhone3GS, iPhone4SからiPhone5Sまで、カメラがなければiPhoneは使用していないというぐらい重要なデバイスなので。 しかしApplenoサポートサイトのオンライン診断システムでは、カメラのCCDの斑点を調べるようなことは特になく、代わりに「電池の異常」というポイントを指摘してきた。そういえば電池の持ちもおかしいのかもしれないな、AppleCareにも入っているし。という気持ちでカメラの点検を依頼して今回の修理引き取りサービスを利用した。 まずAppleStoreでの修理と比較していたので、いきなり「引き取り修理」の流れになり、気が付けば支払方法まで決定し、さらに確定後に「修理完了まで最大1週間かかります」という通知が最後の瞬間まで表示されないのは卑怯だと感じた。 毎日一瞬たりとも手放さないiPhoneだけに、1日かけて銀座や渋谷のgenius barに行ってもその対価に見合うだけのカンジのいい店員による手際のよい交換作業の価値はある。そもそも新機体になったときの問題、具体的には環境移行、アカウント、ステッカーチューン、アクセサリといった修理以外の要素が一刻の寸断もなく確認とともに引き継がれるのは重要である。 引き取り修理サービスは配送手配も手配番号などがないので、いったいいつ、どういう形で来るのか?が全く分からずバックアップを取るタイミングを見はからうのが難しかった。というのも64GBのiPhoneから画像を抜き終わるのに軽く5時間はかかる。さらにそこからフルバックアップは2時間ぐらいかかる。その間もそのあとも、全くiPhoneが使えなくなるのだ。 代価機となるiPhone5を用意していたのもさらに時間がかかった。OSのアップデートには失敗するし、そもそもiTunesは元機体のバックアップ中なので同時並列にやれることは限られてくる。 しかも言われていた時間に配送引き取りが来なかった(夕方指定がちょっと遅く19時ごろ、ちょうどそこだけ不在していた)おかげでさらに翌日になってしまった。 その当時のTweetから。 https://twitter.com/o_ob/status/637841494460620800 https://twitter.com/o_ob/status/638724347385917440 https://twitter.com/o_ob/status/638520669722906624 https://twitter.com/o_ob/status/638546622348062720 Google2段階認証(Google2FA)は、てっきりGoogleアカウントに紐づけしているのかと思ったが、実はそのデバイスにしか情報がない。Twitterも同様。つまりiCloud対応アプリやGameCenter、Evernoteのようなクラウドアプリ以外はオンラインからリストアすることなどできず、アカウントは失ったiPhoneとともにロックされてしまったも同然になるので、まずはGoogle2FGAにせよTwitterにせよ、どんなアカウントを使っていたのかはスクリーンショットでも取っておかないと思い出すのも大変。最低でも2FAをOFFにしておかないとそのデバイスがなくなってからでは普通のパスワード認証に戻すこともできなくなる。本当に当たり前のことなんだけど、半日ぐらいiPhoneをバックアップのために放置しなければならない環境ではそもそもそういうことを思い出すきっかけすらなくなってしまう。

直ったというより…

で、最終的には届いてから戻ってくるまで1日以下だった。これはお客としては喜ばしいのかもしれないが、実際には代価のiPhone5を入手して、消えてしまったTwitterやGoogle Authenticationの解除や再登録をやっていたのでそのストレスは尋常ではなかった。戻ってきたiPhoneは完全な新品で、自分が施していたステッカーチューンなども完全に取り払われた別の機体がやってきた。「ものを大事にする」という気持ちや愛着のあるiPhoneをここまで踏みにじられ「新品やるからこれで我慢しな」と言われる感覚はメーカー側にはわからないだろうが、これではAppleにiPhoneをレンタルしているのと変わらないではないか。 なんか傷つく。 受け取りを確認してから全交換、すなわち新品を送り付けるという行為は「私はお客を信用していません」という行為にほかならず、車であれば代車は事前に貸し出されるべきだ(そうでなければ販売店に行くこともできない)。性悪説を取り、信用できないというのであれば、多少フィーを払ってもよい(すでにAppleCareを払っているが)ので先に新品を送り、その機体への環境移行が終了してから旧機体を回収する方法をとるべきと思う。これもなんか傷つく。 っていうかApple側にはファクトリーロックとかGPSとかあるんだから性悪説なんて取る必要もないじゃんね。さらに傷つく。 Appleはこのような心情的苦痛を少しでも和らげるために、UXデザインとしてやれることとしては以下のような設計を検討されたい。 ・「最大1週間かかる」という情報と「ふつうは1日~半日で新品が帰ってくる」という情報を早めに表示 ・代価機のレンタルが可能であれば先にそれを表示 ・そもそも全交換になる可能性が高いのであればそれを先に表示 ・代価機のレンタルサービスを表示 ・消えてしまうデータの例を明示(Twitterアカウント、その他のログインデータなど) ・引き取りサービスの伝票番号に当たるもの ・サービスセンターでの受け取り確認以後の発送通知 正直なところAndroid機とiPhoneを両方使っていく中で、Androidは壊れて愛着を持つ前に新機種出てしまうし、ほとんどのことがクラウドに収まっているので正直なところSIMカード以外に重要なものがない。 一方、AppleのiOSデバイスは長く使えるハードウェアであるし価格もそれなりに高い。サポートやOSや環境などトータルな使い勝手が継続して、愛着を持って利用する最大の要素であることをお忘れなく。 以上、この後、修理に出す人の参考になれば幸いです。