(12/7)息子との科学の語らい

上の息子・ナル(小学校1年生)が風邪らしく、調子を崩して学校を休んだ。
折しも4クラスある1学年のうち、最後まで学級閉鎖を免れていた彼のクラスは
本日ついにインフルエンザによる学級閉鎖とあいなった。
なかなか安静に出来る年齢ではないし、
下の子・ルカ(2歳)が常に絡んでくるから結構夜遅くまで起きていた。
エネルギーも有り余っている。
夜になっても「眠れない…気持ち悪い…」といって甘えてくる。
インフルではない、というか自分も同じ症状なので感染うんぬんはさておいて
添い寝して「ちょっと昔のむかしばなし」などをしてみていた。
昔話ついでに今日の講演のようなゲームの話もしてみる。
私:ゲームは何が好き?
ナル:水道管ゲーム!
私:テレビゲームでは何がすき?
ナル:ウィーがすき!
私:Wiiではなにが好き?
ナル:えっとー、「グーの惑星」と「Wiiの間」が好き。
私:えっそうなの?てっきり「WiiFit」と「WiiSportsResort」かと…っていうか
どうして「Wiiの間」なの?
ナル:雪が降ってたりするから。
私:いつも違ったり、映像に丸つけるの好きだしな。じゃあ「WiiFit」は?
ナル:「WiiFltPlus」はときどきすき。「WiiSportsResort」の「すかいれぃ
じゃー(なぜかこう発音する)」はルカがすきなんだよ
私:そうなのか。じゃあ聞くけど「将棋」と「水道管ゲーム」、どっちが好き?
ナル:うんっとー、水道管ゲームかな?
私:なんで?
ナル:水がぴゅぴゅーって出ているのがすき。
私:そうか。じゃあWiiの「グーの惑星」と「水道管ゲーム」では?
ナル:「グーの惑星」!!
私:なるほど…こんど水道管ゲームと将棋もやろうな。
<余談>
かつて私が博士論文執筆中に生まれた長男は、
その成長の早さで私の仮説を何度も裏切り、また強固な論を立てるヒントをくれた。
当時の調査では乳幼児だったから、実験と言えば主に身体的遊びの観察であった
のだが、現在の年齢ではいろいろとロジカルトークを通して実験が出来る。
現在の彼にとってWiiSportsResortやWiiFitPlusはソーシャルな動因でしかない
ようだ。しかし彼の弟ルカにとっては始終「ひこうき!ひこぅきぃ!!」と言わ
せるだけのインパクトがWiiSportsResortの遊覧飛行にはある。
しかし3歳児の口癖において、ゲームだけがそのベースにあるのではない(そう気
遣って育てている)。
しかしナルがフランス在住時代「しんかんせん!しんかんせーん!!」だったの
に比べると、ルカの「ひこうき!」は似ているようで異なる。第一、ナルの育っ
たフランスに新幹線はないし、ルカも本物の飛行機を見たことがあるわけではな
い(フランス生まれなので乗ったことはあるが、ほぼ寝ていた)。思い当たること
があるのは、連れだって遊びに行った公園の売店や近所の駄菓子屋(田名にはま
だ専業駄菓子屋がある)で、発泡スチロール製の模型飛行機を買って飛ばして遊
んだことであろうか。なお30年以上前の駄菓子屋でも売っていたあの飛行機は現
在100~120円で売られている。デザインも零戦ではなくブルーインパルスなどリ
ニューアルし、プロペラ付きや宙返りなどの機能が実装されている。
ディジタルネイティブな2歳のルカにとって、発泡スチロール製の模型飛行機を
手でもって遊ぶのと、Wiiリモコンを持って遊ぶ遊覧飛行はほぼ同列の体験のよ
うだ。どちらもやめようとはしない。大人としてはどちらがいい悪いという話で
はない。遊覧飛行はかなり出来のよいパイロットウィングスであるが実は上手に
操作できていない。模型飛行機は壊れたり無くしたりという終わりがある点につ
いては評価できる。しかしコストが高いのは後者だったりもする。
<余談終わり>
ゲームの話ばかりではない。
「ちょっと昔の話」のなかで「登場人物」である我々夫婦は、
「ゲーム制作で一山あてて今住んでいるこの家を手に入れた」というリアリティ
あふれる設定になっている。しかし家の話はディジタルネイティブなナルにとっ
てはあまりリアリティがある話ではなかったようで、結局ゲームの話に戻ってし
まった。
仕方ないので科学コミュニケーター風味な問答をしてみる。
私:ナルはあのゲームのディスク、何が入っているか知ってる?
ナル:あの銀色の?なんだろうって不思議に思ったことあるよ
私:DVDやCDもああいうディスクを入れるだろ、あの銀色の、なに?
ナル:わっかんない、なんだろうっておもって。あそこに小さいカメラが付いて
いて、それで映像が出るって考えたことがあったよ
私:何??それDVDプレイヤーの話?
ナル:うん、あの小さいカメラみたいなのがついてる。
私:すごいなナル、ほとんどあってるけどちょっと違う。あれはレンズだよ。あ
の虫眼鏡みたいなので銀色のディスクをみると、ちょうどこんな天井みたいな模
様になってる。あの溝がゼロ、平らなところがイチ。ゼロイチゼロイチ…ってデ
ジタルデータってやつが並んでる。
ナル:それでどうやって絵になるの?
私:またまたグッド質問だな!ちょどそこの障子みたいなもんだよ。白いところ
がイチ、陰で黒かったり穴の開いてるところがゼロ、ってするとイチイチゼ
ロ…ってなるだろ。この順番でたくさん並べれば絵になるんだよ。
ナル:うーん?
私:その隣のスヌーピーのぬいぐるみはゼロイチゼロイチゼロ、ってこと。
ナル:(笑)
あとは映画とプログラムによる映像の違いも話したが、たぶんまだよくわかって
ない。逆に質問攻撃をもらった。
・どうしてディスクで買ってくるゲームとディスクじゃないゲームがあるの?
→昔はディスクだけだったんだけど最近はネットワークでダウンロードするんだ
・どうしてお金をはらって買うゲームと払わないゲームがあるの?
→ネットワークでダウンロードするのもお金払っているのもあるよ。
「World of Goo」は無料でダウンロードできる。お金を払えば続きが出来る。
「Wiiの間」は広告を出したい企業がお金を出しているから無料。
・広告ってなに?
→テレビを見てるとコマーシャルが入るだろ(なぜかコマーシャルは知ってい
る)、たとえば「新しいスーパーマリオ」とか。あれは任天堂がテレビ局とかに
お金を渡して、宣伝してくださいってお願いして、テレビ局はそのお金でお笑い
番組つくったりしているから無料。NHKの1番と3番はお金払っているからコマー
シャルが入らない。
・ネットワークってどこからくるの?
→電線。光ファイバーからくる。すごいことにそこから世界につながっている。
それがインターネットと呼ばれている。
・それがインターネットチャンネル?
→そのネットワークを使って情報を見るのがWiiの「インターネットチャンネル」
だな。他の、たとえば「Wiiの間」の映像もネットワークだけど。
質問攻撃は終わらない。
ナル:はがれかかった手の皮でも感じるのはなぜ?
私:すごいなその質問、お父さんの修士論文だぞ。
といって抜けた髪の毛や目を閉じて触覚実験をして
人間の触覚弁別能力の高さを体験。興奮している。
私:じゃあ目を閉じてみて
指を閉じた目のむこうでこうやって動かすと…
ナル:(笑)あれー!くずぐったい!!
私:不思議だろ、見えてないのに。
ナル:不思議!!
私:人間の感覚にはこうやって説明が付かないほど高度な能力があったりするん
だよ。
「そろそろ寝なさい」、と横やりが入る。
ナル:雲はどうして空に浮いているのに上の方に飛んで行っちゃわないの?
私:ガスの入った風船を上げるとどこまで行くと思う?考えてみて。
ナル:うーん1個だとあまりあがらない
私:どうかな?でもどんどんあがって宇宙まで行くと思う?
ナル:たぶんいかない
私:お風呂で桶をひっくり返して浮かせると、どこまでいく?
ナル:ええっと-・
私:宇宙から見た地球の映像みたことあるでしょ、あのとき曇ってどこにある?
「いいかげんに寝なさい!」と横やりが入る。
私:よし、じゃあ催眠術の実験しよう、目を閉じて。
ナル、目を閉じる。
私:そのまま、この手を、ずっと、目の前においておくから…
(軽く3分ほどそっとしておく)
すーすーと寝息がはじまった。
…おやすみなさい。