赤ちゃんけろっとスイッチ考

赤ちゃんがカエルに変身する画期的なスイッチ,
じゃなかった
赤ちゃんがけろっと泣き止む画期的な商品が開発されたらしい.

「赤ちゃんがケロっと泣きやむスイッチの秘密」(ITMEDIA)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=39452&media_id=16
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0605/23/news101.html

とりあえず「日本音響研究所」はどうかとおもうんだけど.

数ある「日本××研究所」という名の私設研究所,というかニッチなネタをひたすら追求している人たちの集団,というか普通個人もしくは数名,の雄.

「日本音響研究所」
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/japaco/index.html
兄弟「日本着信メロディ研究所」
http://jrtl.org/

モナリザの復元音声とか犬の気持ちがわかる「バウリンガル」とか,『科学の一線を踏み越えてしまった科学技術』の実用化に熱心な研究所です.

あまりにキャッチーな技術を科学離れが激しいメディアや商品開発担当者にそれらしく紹介するあまり,現実の科学技術とSFの境界をどんどんぼんやりさせてくれている研究所です.

(ちなみに私は何も否定的な事を言ってませんよ!!)

で,問題の「ケロっとスイッチ」ですが,これはメロディや調を変えることで注意をひきつけているものと思われます.
つまり,まっすぐ進むはずのものが,ずれると「へんだな?」と思って注意しまう,という効果を狙ったものですね.

タケモトピアノのCMが紹介されていますが「ためしてガッテン」(これも研究者業界では電波度高く評価されている番組ですが…)では,スーパーのレジ袋とか,狂言聞くと泣き止むとか,いろいろな報告があったりします.

★たしかにNHK「日本語であそぼ」を見せたら注視しているので,泣きやむというのは嘘ではないかもしれないです.

試してみたい人は「自分の声で歌ってみる」と簡単にエミュレーション可能です.

てゆか,メカに頼らず歌えよ,親.

それにしても50人ってこんなヤバ目の商品化試験にしては少なすぎるよな….2%以下の精度じゃん….

音痴育成装置にならないことを祈ります.

開発側のインタビューを引用しておきます
「たとえば、生理的な要因で赤ちゃんが泣いている場合には、まず原因を取り除いてあげることが大切です。空腹やおむつの汚れで泣いている赤ちゃんに音楽を聴かせても効果が薄いことは、モニター調査の結果からも明らかです。まずは赤ちゃんをだっこするなどのコミュニケーションを大切にして、それでも原因が分からずに困ったときはスイッチを押して、赤ちゃんのご機嫌を直す“きっかけ”にしてもらいたいですね」

なるほどなるほど….

しかし,ここに赤ん坊の声を翻訳できる「アカリンガル」があったとすると.

赤『おむつかえてくれー!はらへったー!』
親「めんどくせえなあ,これでも聞いてろ」(と音楽)
赤『オムツ替えてくれって言ってるだろー!!』
親「んあ?なんだオムツか,しょうがねえなあ」(とおむつ交換)
赤『はらへったっていってるだろー!!』
親「なんだよ,まだ泣き止まないのか,じゃあこれ」(と,けろっとスイッチ)
赤『こんなへんちくりんな曲でごまかそうとするなー!いじけるぞー!』
親「へんだなあ,泣き止まないよ…」

というぐらいのやり取りはありそうですね.

ちなみに,泣き止まない子供は,本当になにやっても泣き止まないと思いますよ.
こういうとき,危ないのは赤ん坊よりむしろ親で,殺意とか芽生えたりもする人はたくさん居るし.

一般的なテクニックとしては,
・ほっておく→泣き疲れて寝る
・車のにのせて軽くドライブする
などあります.

私ならここで,電子音聞いてたら,イラつきますね.
日本の玩具メーカーの音源ってどういうわけか,非常によくないし.

話は変わりますが以前,CLEP(Ludoteqhe,玩具図書館)で調査してみたのですが,多くの親は,電池を入れて電子音を鳴らすタイプの玩具を好んでないみたいですね.

子供はインタラクティビティがあれば喜びますから,電池入りのほうを明らかに嗜好するらしく,フィッシャープライス社などのままごと系玩具には現在,ほとんどすべての製品に電子音が実装されているそうです.

しかし,親からすると,うるさくてたまったものではない,というのが現状.

子供は丁寧に,順を追って,リズミカルに…なんて触り方をしませんから,遊んでいるそばからピーピーピーピー容赦なく鳴り続ける.電子音だけではなく,音質の悪いICボイスで挑発的な発言を何度も聞かせられる.しかも子供は内容を理解していませんから,何度も何度も押す….

ランダムな目覚まし時計がなり続けているようなものですから,心が休まりません.

子供だけで放置して遊ばせるならともかく,というか,心の安息を求めて,子供が遊んでいない場所に逃げていきたくなる気持ちが出てくるわけです.

玩具メーカーも,長いこと商売している割には,自分が子供を育てる側で商品を開発していない,という典型的な見落としをしているように思いますねえ.

★玩具メーカのテストルームは日米欧でさまざまですが,ガラス張りの部屋で子供だけで遊ばせて観察する,というのが一般的のようです.