りんかい小咄。

ミサイルやロケットなどが降りやすいお天気模様でござんすが、皆さまにおきましては核などひかれず、健やかにお過ごしと存じやす。
さてぇ、この時期。
土曜出勤というのは、はて疲れます。
とにかく駅に、ありとあらゆる人がおわっしゃる。
こいつがいつもの通勤になれた人の混雑なら、てめえも辛抱つかまつりますが
家族連れさんに、新生活さん、
どちらかってぇと、慣れてらっしゃらないかたが多いようで。
こんなちょっとのちげえですが、
自動改札を通る人の列だってェ、
ちぃとタイミングが狂えば、
私のように普段からピッピピッピとSUICAで通っていやがる
改札も、おっと!
タッチしそびれで後ろの
老紳士にチッ!と舌打ちされる始末でございやす。
しかしまあ、SUICAってやつは便利なんでございやすが、
視覚に"はんでぃ"をお持ちの御仁には、
ちいと厄介な仕組みではねいかいと
思うところがありやす。
手前ェが新宿をほっつき歩いてることで。
緑の矢印がついている、ってんで進んで見りゃあ
おっとっと!向こう側から姉さまが携帯持ってやってくる。
こちとらバタン!と締め出しされっちまった形でして
またもやチッ!と冷たい目線を頂戴…ってな格好でさぁ。
気を取り直してぇ近づいて見りゃあ、
まぁた向こうかわっから白い杖突いた御仁が現れる。
おうおうと手前ェが様子をみとりましたら、
御仁が財布をタッチ!おっと
ちいと速かったかね?
扉が開いてござんせんよ?
おろろ、杖の御仁はそのまま、ドン!
ってな感じで扉にぶつかって
面食らっとるじゃあござんせんか。
あわてて御仁は財布をピイと読みとり部分にたたきつけっとりますが、

小窓には『お下がりください』ってな表示がでとります。
もうその御仁も恥ずかしいやら苛立たしいやらで
バン!バン!と読みとり部分を財布で叩いておりますが、
自動改札機のやつぁ、ピィピィと同じ様に鳴くばかりで
小窓には何だかしらねえが、エラーくんだりを表示しとったようです。
『まあまあこちら、通りなせえ』と
あっしも見てられませんで、扉をこう、
ぐいっとやって通したんでごぜえますが
こりゃあたまたま"こっち側"なもんで出来たって寸法で
あっしがもし、御仁の後ろだったら、
てっきり、てやんでぇと舌打ちしとりました。
まあなんですな、
『ゆにばーさる情報でざいんにおける
びじゅあるふぃーどばっく』てなお噺だったんで。
その御仁が、ホラ
入り口でへましたのか
すいかのちゃーじが足らなかったのか
知ったこっちゃあござんせんが
はんでぃをお持ちの御仁が
駅員さんのいる改札しか通れねえ
ってなはなしじゃあ
ハイテクさんもおかどが知れるって寸法でさ。
同じ様なお困りは、
異人さんでもお持ちのようでして、
『以前のように漢字を読まねば切符も買えぬ』
ってな時代に比べりゃあましなのかもしれやせんが
それでも、ピンポーン、で、御代が足らねえのか、
ヘマしちまったのかぐれえ判れってのも
つれえはなしでござんせんか。
折角のICカードでございやすから
お客人が異人なのか、目が見えねえのか
ぐれえはどおにかなりそうなもんで。
ちょっくら噺はかわりますが
品川シーサイドにはどうやら視覚障害者に
おいしい儲け話をしてくれる企業とやらがおありで
あっしの乗ってやがる
りんかいせんにゃあ白杖の御仁をよく
みかけるわけでして。
このりんかいせんが、またひでえ電車でして
トンネルがうるさすぎて、
てんであなうんすが聞こえやしねえんで。
しかも駅が似た作りになってやがるんで、
めんたまふたつ、しっかりついてるあっしでも
よく乗り過ごすんで。
目の見えねえ白杖さんはもっとあぶねえわけで。
気がついたら、白杖さんの肩を触って
助けてやっておくれやす。
危ないっていや、この前東大の偉い先生が言っとりますに
『いまいちばん人の命を救ってるロボットって何だ』
ってなトンチがありまして。
こたえですか?
『丸の内線のホームドア』
おあとがよろしいようで。